きょう、9月26日(金)の“メグレ警視”は、“ローソク売り”という変わった題名だった。
おそらくテレビ・シリーズの“メグレ警視”は舞台を第2次大戦終了直後ということにしていると思われるが、そんな時期にフランスには“ローソク売り”などという職業があったのだろうか・・・。
いくら戦争直後とはいえ、日常生活でローソクが使われることはもはやなかったのではないかと思うが、カトリックの儀式などに使われるので、そんな職業もあったのだろうか。
原作は、またまた長島良三編『名探偵読本2 メグレ警視』(パシフィカ)によれば、“Vente a la bougie”、1939年の執筆である。邦訳は、少なくともこの『名探偵読本』が出版された1978年当時はなかった模様。この本にはストーリーの紹介も載っていない。
どういう経緯でか、メグレが滞在する片田舎の安宿で、連続殺人(?)が起こる。滞在していた客たちは、みな、この宿の近所で競売にかけられた建物を競り落とそうとやって来た者たちである。
彼らは、みなその競売建物の中には「宝物」があると信じているのだが・・・。
解決までの数日間、宿の外はずっと雨が降り続いていた。
足止めを食った客(容疑者)たちはトランプをして暇を潰しているのだが、食卓の上のローソクが消えるたびに人が死ぬ。メグレは風邪を引いていて、時にはベッドに横になりながら尋問をしたりもする。
ラストシーンでは、グレン・ミラーのレコードが流れる。
メグレものとしては、少し奇妙な味がした。
* 写真は、FOX CRIME(247ch)“メグレ警視 ローソク売り”のタイトル。