豆豆先生の研究室

ぼくの気ままなnostalgic journeyです。

カバヤの “ワールド・ラリーカー”

2008年09月28日 | クルマ&ミニカー
 
 きのう小田部家正『カローラ物語』を読んでから、ネットで“カローラ”ないし“カローラ・ランクス”で検索に引っかかる項目をあれこれ眺めていたら、“カローラ・ランクス ラリーカー”について書いてあるというプログに出会った。

 ぼくにとっては、F1カーというのは到底“クルマ”の概念に入るとは思えないのだが(エンジンに車輪がついただけの走る機械である!)、WRCというのはいかにもクルマが町(村)を駆け抜けるようで大好きである。WRCのDVDも時おり借りてみている。

 そのラリーカーにカローラ(といってもヨーロッパではカローラのセダンは発売されておらず、カローラといえばランクスのことである)が参戦しているとは知らなかった。
 日本車といえば、スバル・インプレッサか、スズキ・スイフトではないか。

 で、そのプログに書かれている“カローラ・ランクス”のラリーカーというのは、実はミニチュアカーのことであった。「マジョレッタのカローラ・ラリーカーをゲットした!」と写真入りで誇らしげに書いてあった。

 “カローラ・ランクス”のミニカーとは聞き捨てならない。さっそくあれこれ関連するコトバをGoogleで検索して、ようやく理解した。
 スーパーなどで売っているカバヤ(懐かしい!)の玩具菓子(最近は「食玩」というらしい)に“マジョレット ラリーカー シリーズ”というのがあって、何種類かのラリーカーのミニカーが「おまけ」(といってもこっちの方が本体)で入っているらしい。

 散歩のよい目標ができた。
 きょう、さっそく昼食後に、この“カバヤ”のお菓子探しの旅(散歩)に出た。
 近所のスーパー4軒を全部まわってみることにした。1軒目は西友。休日の昼下がり、ガキどもでごった返している売り場で、子どもに頼まれたお菓子を探すオヤジを装いながら、カバヤを探す。
 
 あった!! 全然お菓子の体裁をなしていない。どう見たってパッケージ入りのミニカーである。5、6個しか残っていなかったが、しっかりとスポイラーにTOYOTAの文字が入った“カローラ”(ランクス)があった。1個325円(税込み)だった。
 展示棚には、「商品交替のためお取扱い中止」と掲示されている。
 いつなくなってしまうか分からないので、“シトロエン・クサラ”と“プジョー307”も合わせて買うことにした。

 箱を見ると、このシリーズには、“フォード・フォーカス”、“プジョー206”、“シトロエンC2”、“同C4”、“スバル・インプレッサ”などもあるらしい。
 実は、“プジョー307”は箱の外から覗いて“フォード・フォーカス”だと思って買ったのである。その程度の精巧さである。

 目的はほぼ達したのだが、せっかくの散歩なので当初の予定通り、ほかの3軒のスーパーも全部回った。2軒目と4軒目ではカバヤは扱ってなくて、3軒目では、“ラリーカー・シリーズ”ではない、パッケージも異なるカバヤのミニカー(食玩)が置いてあった。一般車に混じって、シトロエンのラリーカーもあった。
 次の散歩のインセンティブにするために、きょうは買わないで帰ってきた。

 ミニカーというものにはあまり興味もなく、むかし女房からもらったシトロエン2CVのミニカーと、ランクスが絶版になった時にカローラ店のなじみの営業さんに頼んで譲ってもらったカローラ・ランクスの店頭展示用のミニカー(結構大きい)くらいしか持っていないが、ネット上を遊泳してみると、世の中にはずい分ミニカー・ファンがいるようだ。
 職場近くの秋葉原には、京商という専門店のショップがあるらしい。一度授業の合間に散歩に出かけてみよう。
 
 
 * 写真は、カバヤ食品の“Kabaya Majorette Rally Car Series”の、トヨタ・カローラ(ランクス)、プジョー307、シトロエンXSARA(左から)。
 なぜか、ランクスとシトロエンは1/57なのに、プジョー307だけは1/58と刻印してある。プジョーを1/57にできなかった理由が何かあるのだろうか?

『カローラ物語』

2008年09月28日 | 本と雑誌
 
 小田部家正著『カローラ物語--ベストセラーカー2000万台の軌跡』(光人社、1997年)を買った。

 著者および出版社には申し訳ないが、アマゾンの古書で(中途半端な値付けだが)なんと203円だった! 送料の方が高い(一律340円だが、実費は200円程度だろう)。
 幸福堂だか幸運堂という古本屋で(包装紙に書店名がないので分からなくなってしまった)、品質は「良い」とされていたが、届いた本は「非常に良い」といってよいレベルだった。

 さっそく、ぼくにはまったく理解できないエンジンの話などはすっ飛ばして、わが家のマイカーの歴史と重なりあう個所を中心に一気に読んだ。
 2つの点で面白かった。1つは、ぼくの過去を思い出したこと、もう1つは、いまだにカローラに乗っている理由らしきものが分かったことである。

 1950年に生まれた自分のこれまでの「歴史」をふり返るときは、標題に「戦後史」とか「同時代」とかいった言葉が含まれている本を読んできたが、これまでのところ、そんな標題の本はいずれも自分をふり返る契機にはならないことが多かった。
 ところが、以前にもふれた徳大寺有恒『ぼくの日本自動車史』や、小関和夫『国産二輪車物語』、そして今回の『カローラ物語』などは、これまで忘れかけていた日々を甦らせてくれるのである。

 わが家の最初のマイカーであるスバル360のあの2気筒のエンジン音や振動、前開きのドアの閉まり音の安っぽさ、スバル1000が納車されたときの室内空間の広さやエンジンン音の静粛さへの驚き、ドアの閉まり音の心地よさ、などなど。
 その後わが家のマイカーは、スバル1100、スバル・レオーネを経て、いつの間にかカローラに代わったのだが、それがいつだったのかまったく記憶にない。
 スバル時代とは違って、車の買い替えがそれほどの事件ではなくなっていたのだろう。

 何度も書くが、ぼくは現在乗っているカローラ・ランクスにほぼ満足している。しょっちゅう、フィアット・グランデ・プントがいいだの、シトロエンC3プリュリエル・チャールストンがいいだの、ゴルフⅥが気になる、ホンダのインサイトが気になるだのと書くのではあるが、ランクスから乗り換えようと決断するには至らない。

 『カローラ物語』を読んで、ぼくこそ真の“カローラ・マインド”を持った人間だと確信した。

 この本のなかに、昭和54年の第4代カローラの新聞広告が掲載されているが、そのキャッチ・コピーの1行目は、“長くつき合える人をいい友と呼ぶ”とある(189ページ)。
 カローラのセダンが数代、ランクスになって2代、まさにカローラの“いい友”の資格はあるだろう。

 きのう12か月点検を済ませて4年目に入ったわが2代目ランクスに乗って、神田に出かけた。土曜日でガラガラの新目白通りをランクスは新車に戻ったように快適に走った。
 「心配するな、そう簡単には乗り換えないから・・・」と“いい友”に話しかけてやりたい気分だった。

 「エコ替え」などと嘯いて買い替え需要を煽っている連中は、この本でも読んで少し自社の歴史をふり返ったほうがいいのではないだろうか。
 自分の作った物を4年や5年で買い替えさせようというのは、技術者という人たちにとって恥ずかしいことではないのだろうか。文科系の人間としては理解できないことである。

 * 写真は、小田部家正『カローラ物語』の表紙。古本なのに帯も破れずにしっかり巻かれていた。