豆豆先生の研究室

ぼくの気ままなnostalgic journeyです。

L.トリート編 『ミステリーの書き方』

2009年06月26日 | 本と雑誌

 そのディーン・クーンツ『ベストセラー小説の書き方』(朝日文庫)が、会話を勉強するには最高の作品だとほめていたのが、グレゴリー・マクドナルド『死体のいる迷路』(角川書店、1979年)だった。

 先日、神保町を散歩していて、矢口書店の店頭に100円で出ているのを見つけて、さっそく買ってきた。
 しかし、出だしからまどろっこしい。
 確かに会話が続いているが、この会話のどこが勉強になるのか分からない。内容もつまらないので数ページでやめた。時間の無駄である。

 巻末の角川の広告を見ると、マイ・シューヴァル/ペール・ヴァールー『唾棄すべき男』だとか、フレデリック・フォーサイス『ジャッカルの日』、ジョン・クリアリー『法王の身代金』などなど、懐かしい本が並んでいる。
 あの時代の本だったのだ。

 このグレゴリー・マクドナルドという作家の会話は定評があるらしく、L.トリート編『ミステリーの書き方』(講談社文庫)でも、彼が「会話」という章を書いている。
 しかもすべて会話体で会話の書き方を指南している。これは多少の参考になったのだが、『死体のいる迷路』はだめだった。
 会話の名手かもしれないが、書き出しの名手ではないようだ。

 * 写真は、L.トリート編『ミステリーの書き方』(講談社文庫、1998年)の表紙カバー。

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ディーン・R・クーンツ 『ベストセラー小説の書き方』

2009年06月26日 | 本と雑誌
 
 小説を書くためのハウ・ツ・本を10冊以上読んだ。

 どれが1番とはいえないが、ベスト3は、スティーブン・キング『小説作法』(アーティストハウス)、ディーン・クーンツ『ベストセラー小説の書き方』(朝日文庫)、L・トリート編『ミステリーの書き方』(講談社文庫)だろう。

 いずれもアメリカ人の書いたもの。やっぱりアメリカ人の実利主義は徹底している。「文学」やってる人には身も蓋もない代物かもしれないが、とにかく何かを書き上げてみようというぼくには役に立った。
 校條剛『システム小説術』はクーンツを批判していたように記憶するが、ハウ・ツ・本としては悪くなかった。1980年代のいわゆる“ブロックバスター時代”のアメリカ出版業界という時代背景が影響している印象はあるけれど。

 どの本にどのようなアドバイスが書いてあったかは、あらかた忘れてしまったが、これらの本から得た知識はぼくの血肉になっていると思う。
 もしこれらの本を30代までに読んでいたら、ぼくは本気で小説家を目ざしていただろうと思う。
 いまでよかった。

 若桜木虔の本だったと思うが、作家になりたければ、まず最初に安定した仕事に就け!というアドバイスがあった。
 この第一段階はクリアしている。
 新刊書店やブック・オフなどに並んでいる膨大な文庫本を眺め、小説新人賞の歴代受賞者リストに載っている無数の消えていった受賞者の名前を眺めるにつけ、小説家として食っていこうなどという夢が、いかに無謀なことかがよく分かる。

 遊びで書いているくらいがちょうどいい。

 * 写真は、ディーン・クーンツ『ベストセラー小説の書き方』(朝日文庫、1996年)、の表紙カバー。

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