チクチク テクテク 初めて日本に来たパグと30年ぶりに日本に帰ってきた私

大好きな刺繍と大好きなパグ
香港生活を30年で切り上げて、日本に戻りました。
モモさん初めての日本です。

主人の味覚

2014年08月18日 | 日々のこと

晴れ、28度、85%

  主人にご飯を作るようになって37年、義母より私の方が長くなったようです。同じ街に育ち、同じ歳ともなれば、味覚も似ていそうですが、そこが、また違います。料理上手な義母にほとんど料理が出来ない母、魚を沢山食べる家に父のお刺身しか魚がでない家。当然のように、私は料理のことを知らないまま結婚しました。

 それでも、毎日のご飯はどうにか作ります。結婚当初はテレビもありませんでしたから、新聞の料理欄ばかりが頼りです。しかも、大さじ幾つをきちんと守ります。そんな私の作るものを、残しも文句も言わずに主人は食べてくれました。私の中には基本になる母親の味がないので、どんな料理でも作ってみようと思います。息子がいる頃は息子に合わせた料理を作りました。一人息子も家を出てすでに20年を越します。主人が味のことで、注文を付けはじめたのは、息子がいなくなってからです。

 私自身の好みからいうと、濃いい味付けが苦手です。お魚の煮付けが出て来ると、ちょっと箸が止まります。ところが主人はその甘辛いお煮付けが大好き。煮付けのことを考えているうちに、思い当たることがありました。主人が、おいしいなあ、と言ってくれる料理は、決まって甘みが強いものです。そこで、みりんやお砂糖を心持ち多く入れるようになりました。ここ数年は、血圧が心配です。塩分を減らします。すると、料理の甘みとのバランスが取れなくなりました。それでも、やや甘めなものがお好きです。

 福岡に戻ると、義母が必ず何か作って待っていてくれます。春には山菜、冬には大根、お鍋一杯の煮物をいただきます。その大根やイモを口に入れた途端、あー、この味だわと心で思います。私がやや甘めに作る煮物とは、どこか違う煮物の味です。お醤油が違い出汁が違えば、味は変わって来ますが、それ以外の何かが違います。主人が、小さい時に義母に作ってもらったマカロニのケチャップ炒めを食べたいと言います。誰が作っても同じ物が出来そうなのに、私が作ったマカロニのケチャップ炒めには、首を傾げます。何かが違うようです。

 料理をしながら台所に立っていると、私の作るシチューやお味噌汁、私の香りがします。同じ量で同じものを作っても、作る人によって、味や香りが違って来るのはなぜでしょうか。毎日ごちそうさまと言ってくれる主人ですが、ほんとに食べたいものは、義母が作るあの味だと思います。

コメント
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