曇り、19度、80%
少し涼しくなると、あーもう11月も半ばだわと、急に焦りを感じます。年末に向けての贈り物の準備に頭を悩ませます。この一年お世話になった方、お歳暮とは行きませんが、お礼をしたいと思います。贈り物を考え、荷物を作って、郵便局に持って行く、全て出し終わるとホッとします。無事に着きますように。
着いたよと、息子や友人から連絡があります。そして、決まって言われる事が、荷物を開けると我家の匂いがするそうです。そんなことないよ、だって、買ってそのまま郵便局から出したから、と言っても、我家の匂いがするそうです。おそるおそる尋ねます。もしかして、モモさんの匂い?いや、我家の匂いだそうです。
以来、小包を頂くとクンクンと匂ってみる事にしました。開けて直ぐには匂いません。ましてやコーヒーなどが入っていれば、やはりそちらの匂いが先に鼻に来ます。ごそごそと荷物を座って出して行く、底に近付いて来ると、フワッと匂うものがあります。そこのお家の匂いです。伺った事がないお家も、よく訪ねたことがある家も、その家の持つ匂いが荷物のどこかに隠れています。伺った事がないお家ですら、その匂いが懐かしく感じられるのはなぜでしょう。
荷物を調えているとき、開ける人の事を考えて詰めています。荷物が行く先の家族の顔を思い浮かべながら詰めています。いつも忙しなく感じる贈り物の荷造りですが、こうして考えると、幸せな時間です。荷物を開けて、次から次に物が出て来る時のワクワク。欲しかったものがひとつだけ入っている時のあっというあの感じ。自分がこうですから、受け取ってくださった方が喜んでくださるようにと荷物を詰めます。荷物を取り出しながら、詰めてくれた人の手の温もりを感じます。
昨日、大きな荷物が届きました。やはり底の方からフワッとそのお宅の匂いがします。ご家族の顔、パグ君の顔が浮かびます。そして、表書きを今一度見ます。あー、この人らしい書体です。字はうまいとか下手とかではないと思うようになりました。その人が生きて来たその時間が字に表れています。それぞれに味がある字です。沢山のものをありがとう。
さて、私も、贈り物集めに忙しくなります。荷物を開けたら、きっと、我家の匂いがするはずです。そして、よく箱の隅を覗いてください、モモさんの毛が入っていますから。