チクチク テクテク 初めて日本に来たパグと30年ぶりに日本に帰ってきた私

大好きな刺繍と大好きなパグ
香港生活を30年で切り上げて、日本に戻りました。
モモさん初めての日本です。

金亀香 50年前のお香

2022年08月30日 | 身の回りのもの

晴、26度、80%

 日中国交正常化する少し前から福岡では「中国展」が幾度か開かれました。物産展です。半世紀も前のことです。今はない「スポーツセンター」が会場でした。当時はここで「大相撲」も開かれていました。中国の食品、生活用品、装飾品が並んでいます。小学生だった私は父母に連れられて行きました。その時買ってもらった「龍のペーパーナイフ」はずっと私と一緒です。初めて「松の実」を食べたのもこの時です。中国の鮮やかな赤い色は子供心に中国そのものに映りました。

 お香が好きな父は「金亀香」を買いました。中には蚊取り線香をふた回り小さくしたようなお香が入っていました。 家で工夫してこのお香を焚いていた父の姿を思い出します。この家の整理の時、お仏壇から「金亀香」の箱が出てきました。

 香港に渡って、中国のお香に触れる機会は多くなりました。日本の「お香」とは形も香りも違います。普段使いのお香は長く大きな棒のような赤いお香です。家の角角で焚きます。神社に奉納するお香は、この「金亀香」をいく倍も大きくしたもので、神社の天井にはたくさんぶら下がっています。灰は参拝者にポトポト落ちます。香りは日本の「お線香」よりきつい、安っぽい香りです。そんなことを思いながら、この「金亀香」に火をつけました。「香るかしら?」50年も前のお香です。微かに煙を吐いて火が回り始めました。そばでじっと見守る私の鼻に「白檀」が香ります。奥の深い香りが立ちました。「金亀香」二巻しか残っていません。急いで火を消しました。

 日本のお香と同じくらいいい香りです。私のお香好きは父譲り、「金亀香」は父の記念日に少しずつ焚きましょう。香りと煙は記憶を呼び、心を静めます。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする