晴、11度、66%
先日来、美味しいものを続けさまに頂戴しています。味覚の秋、自然の産物から目にも美しいお菓子まで、友人たちの心遣いで贅沢な食を楽しませてもらっています。
笹巻き寿司は緑の笹を剥ぐところから楽しみが始まります。5センチほどの三角に笹を巻いた「焼あゆ笹巻」をいただきました。小袋に3つの笹巻き、袋書きには「清流のふきのとう」の味噌が添えられていると書かれています。
ゆるりと巻かれた笹を解くと、 焼きあゆが乗せられたキュッと三角に握った寿司が入っています。良い色に焼かれた鮎の下に覗くのが「ふきみそ」です。三口程の寿司を口に運びました。鮎はあの臭みが身上な魚です。香ばしく焼かれた鮎の下の「ふきみそ」は苦味を持つ蕗を甘さを加えていない味噌で作られています。そして酢飯、酢が強くない京都の酢飯です。酢や甘みの強い家庭の酢飯では「焼き鮎」も「ふきみそ」も台無しです。この3つが絶妙な調和を持って噛み締められます。最後に後を引くのは蕗の苦味。「こんな美味しいものを食べたことがない。」と次の笹巻きに手が伸びました。
お皿にこぼれたご飯粒を見るとまんまるツヤツヤ、後でお聞きしたところに依ると「お釜」で炊かれたご飯だそうです。見た目も美しいものは食べても美味しい。しかも鮮やかな緑の笹が彩りです。
「焼き鮎」「ふきみそ」「釜炊きご飯」が一体になったその味は私には衝撃的でした。特別な素材ではありません。そこに素材を見つめて味を作る人を思います。この秋一番のご馳走でした。「おごちそうさま。」
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