チクチク テクテク 初めて日本に来たパグと30年ぶりに日本に帰ってきた私

大好きな刺繍と大好きなパグ
香港生活を30年で切り上げて、日本に戻りました。
モモさん初めての日本です。

20代の湯のみ 40代の湯のみ 60代の湯のみ

2023年06月26日 | 身の回りのもの

雨、23度、92%

 食器棚を見ていると自分のこの40年間が見えて来ます。小さな小皿一つでも何処でいつ頃買い求めたものか覚えています。時にはその器を見た時の興奮まで蘇ります。女ですから皿小鉢が好きです。家計が大変な時でも遣り繰りして買ったものもあります。服の方が優先という友人もいました。私は皿小鉢だったかもしれません。

 湯のみ一つとっても、その年代の私の嗜好が見て取れます。 20代初めに買った湯のみ、薄もので自分用というより来客用です。5客無傷で揃っています。海を渡る引越しをしたにも関わらず健在です。20代に集めた食器はその後、手放した物が多いのですが、この「蓼」の絵と薄さ軽さで大事な湯のみです。手放した器たちも派手なものは少なかったのですが、地味な「蓼」の湯のみです。

 40代の頃は日本を離れていましたが、帰国すれば帰りの荷物に和食器が入っていました。並行して住んでいた土地では洋食器をセットで揃えていました。一番物欲が大きかった年代です。 この渋い「鉄赤」に惹かれて手に取った湯のみ、小向としても使えますが、冬の湯のみとして使います。あいにく2客しかありません。金銭で描かれた「松葉」を飽かず眺めます。

 60代に入ってすぐに帰国しました。「もう食器はいらないわ。」とうそぶいていましたが、折につけ心の琴線に触れるものを一つ二つと買い求めてしまいます。来客を意識せず主人と二人分、二個求めるようになりました。 たった一つしかなく形も歪なこの器、ここ1年ほど私の湯のみとして使っています。描かれているのは鳥、緑の木。大ぶりなので日本茶ばかりか紅茶も入れてしまいます。手のひらに包み、鳥の様子に微笑みます。

 磁器だけでなく土ものの「粉引」などの湯のみもその日の気分で出して来ます。それぞれの年代で買った「湯のみ」を並べるとこれはまた私の歴史です。色目の違いこそありますが好きなものは変わらないと実感します。今、食器棚にある器たち、どれもが愛おしいと感じます。大事にそして大いに使って残された時間を共にします。


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