小雨、26度、88%
香港は中国の南方、広州に隣接しています。言葉は、中国語の方言のひとつ、広東語です。昔から、「食在広州」と言われるように、おいしい食べ物があると言っていいのか、美味しいものを食べようとする人が多いのか、とにかく、ありとあらゆるものを食します。
その上香港は、食物を自給することすら出来ない狭い都市です。概ね、輸入もの。イギリスの領事下時代もありました。港町、観光都市でもありますから、料理の種類も、中華に限らず豊富です。味は、日本の海外料理のそれより、ずっと、現地の味に近いものです。
食剤ひとつとっても、例えば、 河粉(ホーファン)、ひもかわうどんのような米の粉から作られる麺です。これも、中国製、タイ、ベトナム製といろいろ手に入ります。香港の市場にある麺専門の店では、生の河粉もあります。ただ、くっ付かないように、大量の油をまぶしてあります。すぐ食べるなら、この生麺もお勧めです。
家人が、湖南省出張の折、求めて来た河粉。なんと1キロも入っています。タイの河粉なら、パッタイを、ベトナムの河粉なら澄んだスープのフォーを。という訳で、中国産のこの河粉、香港のローカルフード、干炒牛河(コンチャウガウホウ)を作ることにしました。
いいレストランのメニューに載っているものではありません。地元の人が行く何でもあります的な店には必ずあるメニューです。昼間、工事現場の人たちが、この一皿にビールをひと缶、なんて言うのも見られます。
水に漬けて、少しゆるくなった河粉を、野菜と牛肉とで炒めます。味付けは、ちょっと濃いめの地元の醤油が多いのですが、私は、香港の万能選手、オイスターソースだけで炒めてみました。 醤油の色が濃いのも、塩分が高いのも嫌なので、オイスターソースだけです。保存料も入っていない、上質のオイスターソースは、お値段もいいのですが、何よりも、甘み、香りに富んでいます。
干炒牛河、香港に来た当初の、私の好物でした。油を吸った河粉が、もっちりと美味しいものです。