チクチク テクテク 初めて日本に来たパグと30年ぶりに日本に帰ってきた私

大好きな刺繍と大好きなパグ
香港生活を30年で切り上げて、日本に戻りました。
モモさん初めての日本です。

干炒牛河(コンチャウガウホウ)

2012年09月20日 | 香港

小雨、26度、88%

 香港は中国の南方、広州に隣接しています。言葉は、中国語の方言のひとつ、広東語です。昔から、「食在広州」と言われるように、おいしい食べ物があると言っていいのか、美味しいものを食べようとする人が多いのか、とにかく、ありとあらゆるものを食します。

 その上香港は、食物を自給することすら出来ない狭い都市です。概ね、輸入もの。イギリスの領事下時代もありました。港町、観光都市でもありますから、料理の種類も、中華に限らず豊富です。味は、日本の海外料理のそれより、ずっと、現地の味に近いものです。

 食剤ひとつとっても、例えば、 河粉(ホーファン)、ひもかわうどんのような米の粉から作られる麺です。これも、中国製、タイ、ベトナム製といろいろ手に入ります。香港の市場にある麺専門の店では、生の河粉もあります。ただ、くっ付かないように、大量の油をまぶしてあります。すぐ食べるなら、この生麺もお勧めです。

  家人が、湖南省出張の折、求めて来た河粉。なんと1キロも入っています。タイの河粉なら、パッタイを、ベトナムの河粉なら澄んだスープのフォーを。という訳で、中国産のこの河粉、香港のローカルフード、干炒牛河(コンチャウガウホウ)を作ることにしました。

 いいレストランのメニューに載っているものではありません。地元の人が行く何でもあります的な店には必ずあるメニューです。昼間、工事現場の人たちが、この一皿にビールをひと缶、なんて言うのも見られます。

 水に漬けて、少しゆるくなった河粉を、野菜と牛肉とで炒めます。味付けは、ちょっと濃いめの地元の醤油が多いのですが、私は、香港の万能選手、オイスターソースだけで炒めてみました。 醤油の色が濃いのも、塩分が高いのも嫌なので、オイスターソースだけです。保存料も入っていない、上質のオイスターソースは、お値段もいいのですが、何よりも、甘み、香りに富んでいます。

 干炒牛河、香港に来た当初の、私の好物でした。油を吸った河粉が、もっちりと美味しいものです。

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エルメスからのおくりもの

2012年09月19日 | 日々のこと

曇り、27度、77%

 時折、香港のエルメスから郵便物が届きます。年に2回でる雑誌のこともありますし、新作のスカーフの紹介や催し物の案内のこともあります。たとえ案内状でも、デザインがよかったり、手書きのデッサンだったりすると、しばらくデスクの上にのせて眺めています。先日届いたのは、催しの案内でした。よく見ないまま、デスクの上にありました。

  開けると、 オレンジ色のサークルの中に、オブジェクトの展覧会の案内が書かれています。このサークルの紙が、挟み込まれるように入っています。時に、カクテルやシャンパンの出る展覧会の時は、案内状を持参しなくてはなりません。そう思って、この紙を引き抜くと、 あれ?下に何か入っています。

     モビールです。エルメスのオレンジ色、中のhはプラスチックで出来ています。うっかり捨ててしまうところでした。早速、デスクの前に、吊るしました。オレンジ色なんて、我が家のどこにも見当たりません。明るい色はいいですね。エルメスの郵便物、デザインばかりか、こうした遊び心がいつも詰まっています。

 エルメスの催し物は、様々です。数年前は、クラフトマンシップを誇るエルメスのアトリエで働く人たちの手だけの写真展がありました。皮を鞣す手、シルクを縫う手、時計を組立てる手、仕事とともに年月を重ねた手は、それぞれに、いい表情を持っていました。

 来週の今日から始まる展示は、変わったオブジェクトが集められているようです。我が家から、私の大好きな、グレナリー道を下れば、セントラルのエルメスまで15分。何か素敵な出会いがあるかもしれません。

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タオル

2012年09月18日 | 身の回りのもの

晴れ、24度、55%

 生活に欠かせないタオル。日本では、ずっと手ぬぐいを使っていましたから、タオルの歴史は短いはずですね。日本のタオル売り場に行くと、不思議だなと思うのが、あの、ブランドやデザイナーの名前入りのタオルです。そんなもの、他所の国ではないのではないかしら。名前や、ロゴを貸し出して実際には、そのブランドのものではない、ライセンス商品です。

 日本のタオルは、以前に比べて質が良くなったように思います。日本人らしい、色合いや肌触りの良さ、オーガニックコットンを使ったものまで様々によく作られています。

 ここ香港で、普通に売られているタオル、中国製です。この中国だって、見違えるほどいいタオルを作るようになりました。しかも、同程度の日本製に比べると、お値段は半分以下です。日本のタオルも、日系のデパートやスパーで売られています。もちろん、ヨーロッパ、アメリカから入って来るいいタオルも、レンクロフォードやベットアンドバスなどで手に入ります。

 私、何故か以前から日本のタオルが好きになれませんでした。色合いが可愛すぎるのです。それだけかな?って考えてみました。厚みが違います。当然、重さが違います。ヨーロッパやアメリカのタオルは、歴史の差でしょうか、実際重いのです。

 香港、高温多湿です。重いタオルは、十分に乾燥させないとカビも付きます。気をつけながら使います。いいタオルは、どんなに乱暴に使っても、10年以上使えます。色の薄いものは、時折優しく漂白します。こうしたタオルは、お値段もいいのですが、バーゲンの時などに買い溜めて置きます。

 顔を拭く、手を拭く、体を拭く、毎日していることが、タオルを持ったとき、ホッと感じます。でも、私の本当の理想は、ホテルの真っ白いタオル。モモさんもいるし、家人はタオルの扱いが荒いし、いくら漂白好きな私でも、全部を真っ白なタオルにするのは無理かな。

 

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カスピ海ヨーグルト その後

2012年09月17日 | 日々のこと

晴れ、24度、58%

 カスピ海ヨーグルトを作り始めて、10日が経ちました。初めは、菌を入れた牛乳を、常温で17時間かけると固まりヨーグルトになりました。モチッとしてるというのか、プリンより硬めのヨーグトが出来ました。乳清もどろっとしています。スプーンですくうと、器にスット落ちてはくれず、マーなんと、こんなヨーグルト初めて、と思いました。

 味はというと、酸味が少なく、と言って濃厚でもありません。匂いも、ヨーグルトの匂いがないし。それでも、続けて作ってみました。

 2度目は、作ったヨーグルト大さじ3杯を元菌として使いました。熱湯消毒した瓶に、ヨーグルトを大さじ3杯入れます。牛乳は、初めの時と同じもの使いました。500cc入れて、常温で6、7時間で固まりました。 ヨーグルトを元菌として使うと早く固まるとは、聞いていましたが、あまりの早さにびっくり。

 ヨーグルトがさらっとしてきました。もちろん乳清もどろっとしていません。相変わらず酸味が少ないものの、こくが感じられます。

  この10日で、6回作りました。いかにヨーグルトを食べるかお分かりでしょう。作る度に、さらっとしてきます。こくも増しました。今では、美味しいと思えるほどになって、堅さも味も安定して来たようです。初めの菌で作り続けることが出来るのは、3ヶ月。その都度、瓶の熱湯消毒をしなくてはなりませんが、そんなに億劫ではありません。とは言っても、牛乳の消費量がぐっと増えました。

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A HUNDRED FLOWERS GAIL TSUKIYAMA

2012年09月16日 | 

晴れ、23度、68%

 Amazonに注文して送ってもらった、GAIL TSUKIYAMAの新刊、A HUNDRED FLOWERS. TSUKIYAMAという、日本姓、日本人と香港人を両親に持つ彼女の7冊目の本です。日本では、ほとんど知られていない、アメリカの作家です。

 彼女の7冊の本を、ほぼ10年近く続けて読んできました。いつの時も、主人公は、東洋人の女性です。今回の舞台は、文化革命が起こる前の広州です。

 広州の知的階級の一家、その家の主婦でもあり、漢方医でもある一人の女性が主人公です。教師の夫の連行、一人息子のけが、元大学教授の義父との関係。時代の大きなうねりの中ですら、普通の家庭の出来事を、TSUKIYAMAは、彼女らしい平淡な文章で書いています。

 7冊の本のうち、3作ほどは日本が舞台です。それにも関わらず、日本語の翻訳がでないのは、彼女の大人し過ぎる表現なのかもしれません。そして描く時代は、現代ではなく、戦前戦後。彼女の写真を見ながら、この人は携帯やPCなどを作品に持ち込まない作家だろうと感じます。電話機で話すのを描くのと、携帯で話しているのを描くのでは、同じ電話なのに何故でしょう、深みが違うように思われるのですが。

 この一年のうちに、時代の差はあれ、私の住む香港の隣の広州が舞台になった本を2冊読みました。 AMITAV GHOSHのRIVER OF SMOKE.これは、アヘン戦争前の話です。今回の、A HUNDERED FLOWERSを読みながら、広州という、中国で3番目に大きな都市のことを考えました。しばらく訪れていない広州です。仕事で出向く家人の話では、私が知っている広州より、遥かに近代的になったと聞きます。今の中国の変わり方は、著しいですからね。私が知りたいのは、どうしてパールリバーをあんなに遡った町が、貿易港として栄えたかということです。位置関係から、ヨーロッパ、インドから一番近い中国の港ではありますが、パールリバーの大きな流れを内陸に入ったところに位置します。秦の時代からの古い町だとは、知っているのですが、興味がわいてきました。

 ここひと月の、日本と中国の関係、昨日のニュースでも北京の反日デモが流れていました。香港は、18日がデモの日になります。1989年の、天安門事件の時も、香港にいました。あの時ほどの、緊張感はありません。ただ、長く住んだせいか、このところ私の中で中国を疎んじているのんを感じます。もう少し、目を見開かなくては。

 TSUKIYAMAは、自分に流れる2つの血、中国と、日本を見つめるために本を書いているように感じます。アメリカ本国でも、ベストセラーにはなりません。これからも、静かに、彼女の新刊を待つことにします。

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パグ犬モモとIKEAのぬいぐるみ

2012年09月15日 | もも

曇り、24度、61%

 モモさんが小さかった頃、家人は、出張の度にモモさんにぬいぐるみを買ってきました。北京に行けばパンダ、ロンドンに行けば、ピーターラビット、日本に行った時など、電池をいれたら歩きながら吠える子供のおもちゃなんて言うのもありました。モモさんあの口で、ぬいぐるみというぬいぐるみを片っ端からやっつけて行きました。ほとんどのぬいぐるみは、目や鼻がプラスチックやガラスで出来ています。それでもお構いなく、ガリガリ。最後は、目や鼻は引っ張りだされ、出来た裂け口から、今度は、中の詰め物も引っ張りだそうとします。あるとき、モモさんのうんこに白いモヤモヤしたものが一杯入っていました。ギョウ虫かと、驚く私。よく見るとぬいぐるみの詰め物の化繊綿でした。

 IKEAの子供や赤ちゃんのもの売り場を覗くのが、とても好きです。たとえ中国製でも、指人形や、モービルの色合いに北欧の面影があります。山積みにされているぬいぐるみ、手に取ってよく見ると、目も花も刺繍です。モモさんが、ぬいぐるみの、目や鼻を噛みだすと目が離せません。飲み込んだら大変です。IKEAのぬいぐるみなら、安心ね、と灰色のネズミを買いました。もう5年ほど前の話です。

 持って帰ったその時から、ネズミちゃんは、モモさんの一番のペットになりました。ベットの上で、ガリガリ噛んでることもあります。私に一緒に遊べと持ってくることもあります。大事なネズミちゃんですから、私にとられまいと、 部屋の隅などに隠すこともしばしばです。このネズミちゃん、なかなか壊れません。目、鼻がとれないばかりか、詰め物が少なくパンパンに張っていないので、噛んでも破れません。

 ネズミちゃんばかりじゃつまらないだろうと、また、IKEAで小さいネズミを買いました。ところがモモさん、大きなネズミちゃんといることが多いのです。 ネズミちゃんたちと遊んで、お片づけもしないままのベット。

 モモさん、この5年ほど、このネズミちゃん一筋です。それでも、自分が隠したところを忘れて、おもちゃかごにネズミちゃんが見えないと、白ネズミで遊んでいます。

 昨日は、このお二人を洗濯し、日光浴を兼ねて外に干していました。 二人ともおもちゃのかごにいないので、仕方なく、モモさん、ボーンをガリガリ。

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フォッションの紅茶とルイボスティー

2012年09月14日 | お茶

晴れ、25度、68%

 マレーシアのキャメロン高原は、美味しい紅茶の産地です。セイロンティーに似た澄んだ色、癖のない味とスッキリとした香り。そして、プランテーションのすぐ近くでパッキングされ出荷されているそうです。紅茶のブランドは、BOH。

 先日、シンガポールに出張に出かける家人に、ひとつだけお土産を頼みました。この、BOHの紅茶でした。一日何杯も紅茶お飲みます。イギリス式の紅茶も、フランス式の紅茶も、とにかく紅茶が好きです。紅茶を抱えて帰って来る家人を、心待ちにしていました。ところが、家人が持ち帰ってくれた紅茶は、フォッションの紅茶とルイボスティーでした。

 フォッションの紅茶は、 アップルとバラの香りのもの。そういえば、一時代前、フォッションのアップルティーは大流行りしましたね。あの当時の金色の大きな缶のアップルティーを、ひと月に一缶飲んでいました。期待して、ゆっくりと入れると、アップルの香りはどこに行ったのか、バラの香りばかりがします。

  フレーバードティーでも、これほど、バラがきつく香ると、胸苦しくなります。薄く薄く入れて、ストレートで飲むことにしましょう。

  ドイツのTEEKANNEのルイボスティー。ルイボスティーは、お茶の葉から作られるものではありません。確か、マメ科の木で、細い葉を乾かして作るお茶です。 南アフリカのケープタウンの近くの高原でしか栽培出来ないと、聞いたことがあります。カフェインが少なく、このお茶を飲む原住民が、とても長生きをするというので、体にいいお茶として、勧められています。お茶の色は、澄んだ赤です。ところが、カフェインやリチンが少ないせいか、インパクトがないお茶です。昨年、TWGのクリスマス用のルイボスをいただきました。クリスマス用ですから、シナモンやアップルの香りのするものでした。家人が買ってきてくれたのは、バニラフレーバー。フレーバーのないものより、少し刺激があって飲み易く思います。原住民は、ヤギのミルクと砂糖を入れて飲むそうです。

 あの澄んだBOHの紅茶は、まだしばらくお預け。走って帰ってきたあと、ルイボスティーをストレートで飲むと、すーっと、体に吸収されて行くように感じます。

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KING ARTHURの強力粉

2012年09月13日 | パン

晴れ、27度、83%

 10年ほど前まで、アメリカの雑誌FOOD & WINE を毎月読んでいました。雑誌の広告にKING ARTHUR 小麦粉が載っていました。アメリカ産の小麦だけで作られる、KING ARTHURの小麦粉、小麦粉ばかりでなく、ベイキングに関するものをネットで販売、またお店ではベイキングの教室もあるというのです。 やっぱりアメリカね、と何となく憧れていました。香港は、小麦粉なんか作っていませんから、当然、世界中から小麦粉だって入ってきます。アメリカ、カナダ、イギリス、フランス、イタリア、台湾、韓国、タイ、日本。手に入る小麦粉は、おそらく全て食べ比べてみました。

 先月、家人は出張でシンガポールに行きました。彼にしては珍しく、時間の余裕のある出張でした。家人が、シンガポールから持ち帰ったのが、なんと、KING ARTHURの強力粉です。シンガポールの町中のスーパーで買ったとのこと。買ってきた家人ですら、まさか私が、アメリカのKING ARTHURの小麦粉なんて知ってるとは、思ってもいなかったようです。5ポンドの重い小麦粉を抱えて帰ってきてくれたので、家人に、何のパンを焼いて欲しい?と尋ねると、いつものごとく食パン。食パンだと確かに小麦粉の違いがはっきり出ます。そんなわけで、 

 無漂白のこの強力粉、若干、重い感じです。粉、塩、砂糖、イーストの分量は、いつも決まっていますが、水の量だけは、粉に合わせて変えて作ります。今回は、やや少ない水で作りました。こねている時から、香りがするのですが、この粉香りが立ちません。

 一次発酵の様子を見ていると、縦に持ち上がるのではなく、ボワッと横にも伸びる感じの粉です。発酵中も、焼成中も、残念なことに、あの香ばしい香りがありません。

  縦伸びの強い粉でないので、気泡が、こんな感じです。

 水加減には注意したつもりですが、もっちりしています。香りにうるさいのは、日本人だからでしょうか。憧れていた粉ですが、香りがないので、美味しく感じられません。

 美味しいっていうのには、口に拡がる味とともに、美味しい香りが加味されるもだと思うのですが。香港で手に入る、アメリカの強力粉も、やはりこんな感じでした。日本では、日本で製粉された強力粉しか、店頭で見ません。メーカーの違いこそあれ、日本の製粉技術、味へのこだわりはたいしたものだと思います。

 パンといえば、この方、 定位置でお待ちかねです。モモさん、美味しい?

 

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スモールトーク 月と金星

2012年09月12日 | 日々のこと

晴れ、27度、86%

 昨日は、気の重いことが重なってありました。若い頃に比べると、気持ちの起伏も少なくなり、そのことで一番恩恵を受けているのは私自身でした。つまり、精神的にアップダウンが少ないと、障りになるものがなく、視界が明るくなります。

 ところが昨日は、わだかまった心が長続きして、夕方には、体もヘトヘト。私なんかより、疲れて帰宅した家人に、何度も疲れた、疲れた、と言ってしまったほどです。疲れてますから、コトンと眠ります。朝いつものように目が覚めて、まだまだ、心のしこりは消えていません。ここ数年こんなことはなかったのに、よほど気に障ったのでしょう。

 モモさんの散歩をすませ、東に向かって走りに出ました。東の空には、半分以上欠けた月がかかっています。今年は、ひと月に2度満月が見られるブルームーンだな、などと思っているのですが、気持ちは心にある嫌なことに向いたままです。普段なら、折り返して家に向かうころから、こんな嫌な気持ちは、汗と一緒に流れて行ってくれるのに、引きずっています。

 私の走る香港島のボーエンロードは、朝から夜まで、走る人が絶えません。早朝に走る人たち、ここ数年顔ぶれは決まっています。挨拶も交わしますし、立ち止まってスモールトークを交わすこともあります。私なんかより長い常連の、イギリス人のジョージさん。お年も私と同じくらいです。2年ほど前、怪我をしてしばらく走れなかったのですが、今年に入ってまた戻って見えました。ジョージさん、今朝は挨拶のあと手招きをします。そして、私の後方の東の空を、指差して。「今朝の月はきれいだね。」そして、高い空の月の横に光る星を指差して、「金星だね。」

 ほんとに1分にも満たない短い会話の間、見上げた東の空です。

 ジョージさんと別れて、家に向かうとき、はっと気付きました。あれだけ、しつこく私の心にあった嫌なことが、見る型もなく消えています。

 明けの明星は、ずっと高い位置に輝いていました。半分近く欠けた月も、少女のように優しく空にありました。月と金星、東の空を指差して声をかけてくれたジョージさんに、ありがとう。

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南アフリカの洋梨 FORELLE

2012年09月11日 | 香港

晴れ、27度、84% 

 香港の果物、世界中から入ってきますから、一年中オレンジ、リンゴ、バナナ、スイカが店先に顔を並べています。その上、なんといってもお値段が手頃です。なんだか桁が違う値札は、日本からのもの。安全、美味しいと香港人も知っていますので、そんな高値でも買ってくれています。アメリカや、ニュージーランドからやって来る方が、運賃だってかかるでしょうのに、一番高い果物は、日本産です。

 秋になると姿を見せるのが、梨。25年ほど前は、中国産の鴨梨、輸入物の洋梨、そして日本の20世紀梨がしかありませんでした。鴨梨は、形は洋梨のようですっきりした甘さのシャリシャリッとした梨です。シャリシャリ食べるのが梨と思っているのか、洋梨は、青いまま輸入され、熟れていない状態で食べています。そして20世紀梨、とにかく高くて、息子のお弁当に添えるなんてこと、我が家では、出来ませんでした。

 日本もいろんな梨が、品種改良で出てきています。豊水や新高が、香港にも7、8年前から入ってきました。これも、高いけど、よく売れていました。ところが、豊水や新高を中国、韓国も真似をして作り始めています。お値段は日本のものの半分以下です。韓国産の方が、ちょっと高めですが、美味しい。流石に最近は、日本産の梨は、市場の果物屋では見かけません。高すぎますからね。

 先日、果物屋の店先で、可愛い洋梨が並んでいました。ラフランスより、ひと回り小振り、大きさも、色具合もなんともいえず可愛らしく、買ってみました。おばさんの手書きの値札には、漢字でベルーギー産と書かれています。ベルギーにも惹かれて買いました。

 家に帰って、梨に付いているシールを見ると、なんと、南アフリカ産です。どうしてベルギーになったのかな?名前も可愛く、FORELLE。

 梨の実の中にあるぶつぶつがなく、優しい甘みです。

 また欲しくなって、市場で探すのですが、他の果物屋にも見当たりません。南アフリカの日差し、水、土で育ったFORELLE。どこかで、偶然会えるでしょう。

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