午後七時のNHKニュースの最後に、被災地の倒れたサクラが蕾を膨らませているシーンが映し出された。女性アナウンサーが、被災者の人々に重ね合わせ、”さくらガンバレ”と声をかけていた。ぼくは、すぐ、あの大島桜を思い出した。大船フラワーセンターの3年前、強風で倒れた、大島桜のことだ。実は今日、その大島桜が今年も、倒れたまま、うつくしい花を咲かせているのを確認して、まさに”さくらガンバレ”と声をかけてきたばかりだったのだ。
ぼくは、倒れた大島桜を(見苦しいからと)片づけないで、そのままにしてずっと看護しているフラワーセンターの職員の人々を、本当にやさしい気持ちをもっているな、とソンケイしているのだ。そして、ぼくは、この頑張っている大島桜にも、ソンケイの念をこめて、正岡子規に重ね合わせて”病床六尺”というあだなをつけている。毎回、ここへ来た時は、必ず、この娘(こ)の元気な様子を確認して帰るのだ。今年は、ちょうど見頃のときに来たせいか、ことのほか、うつくしく、かつ元気な様子で、とてもうれしかった。
今年からは、この大島桜を被災地の人々と重ね合わせて見ようと思っている。
さくらがんばれ。
去年の初冬の姿
応援してくれている、今日の大船観音さま。