東京芸大美術館で開催されている”観音の里の祈りとくらし展”がもう終わろうとしているのを知り、あわてて、暑い中、上野へはせ参じた。琵琶湖の湖北地域の長浜から十一面観音さまはじめ、40体もの仏像さんがわざわざ上野までおでまし下さっているのだからご挨拶にいかないわけにはいかない。
大勢の人々が詰めかけ、壁際の観音さまには近寄ることもできないし、説明文も足元に置かれていて、読むことはできない。でも、ぼくはそれで十分。遠くで眺めたり、展示室中央部の比較的、混雑していない仏像さんには近寄ったりして、結局、二時間近くも、会場にいてしまった。それだけ、居心地がよかったから。
これらの観音さまは、平安時代から鎌倉時代のが中心だが、幾多の戦禍等を逃れてきた。それは、地元の方々が必死になって守ってきたことに依るもので、廃寺になっても自分たちで当番で維持したり、また、一時的に土の中に埋めて、避難させたこともあったという。久し振りに掘り出されたせいか、ぼろぼろになって仏像さんの体をなしていないようなのもあったが、それでも、現在まで、おらがかんのんさまとして信仰されつづけてきたのだ。
湖北の観音さまについては、白洲正子の”十一面観音巡礼”などの書で少しは知ってはいるが、実際、訪れたことはない。これを機会にぜひ、(会場で長浜市の観光資料もいただいたので)この日、出会った観音さまたちを訪ねてみようと思う。
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第1章 観音像と村人たち
第2章 信仰に彩られた仏たち
第3章 村人が伝えた仏たち
(弁財天坐像/宝厳寺↑)
(千手観音立像/平安時代/観音寺↑)
芸大の学生食堂でランチをいただきました。530円。おいしかったです。