おはようございます。百メートル三人吉三。見事、ケンブリッジ飛鳥と山縣亮太は準決勝に進んだが、桐生祥秀は惜しくも、逃してしまった。夢の決勝進出をどちらかでも叶えてほしい。庭球牛若丸、錦織圭もマレーに屈す。ナダルとの決戦は96年振りのメタル取り。さて、今朝の話題は歌舞伎で。
NEXTシネマ歌舞伎の阿弖流為(アテルイ)で染五郎をみたばかりだが、こんどは、鎌倉芸術館で染五郎の歌舞伎公演をみた。今回の”松浦の太鼓”では、アテルイとはがらり変わり、吉良邸の隣りの屋敷に住む、ちょっと、愛嬌のあるお殿様(平戸藩主、松浦鎮信)を演じる。赤穂浪士贔屓で、早く、吉良邸へ討ち入りしてほしい、そのときは手助けをしたいと思っている。ところが聞こえてくる噂は、どうも仇討はあきらめて、内蔵助は放蕩の限りをつくしているといったことばかりで、いたく機嫌が悪い。
このお屋敷に俳人の宝井其角(嵐橘三郎)が出入りしているが、先ほど雪景色の両国橋で、煤竹売りに身をやつしている赤穂浪士の大高源吾(中村歌昇)に出会った。そのとき、(其角の句会にも参加している)源吾が、其角の”年の瀬や水の流れと人の身は”と投げかけた句に、”明日待たれる、その宝船”と返す。さて、どんな意味が隠されているのか思案しながら、その足でお屋敷を訪ねる。
お屋敷には、其角のつてで、源吾の妹、お縫い(市川高麗蔵)が腰元として勤めている。だが、お殿さまは最近、お縫いを遠ざけている。なかなか討ち入りを果たさない浪士の縁者ということが理由らしい。それではと、源吾がお縫いを連れて帰ろうとしたときに、先ほどの其角の句をお殿様に伝える。”明日待たれる、その宝船”とな、と思案しているとき、突然、山鹿流の陣太鼓の音が響いてくる。お殿様はすべてを理解し、喜び、助太刀の支度をはじめるのだった。
松浦邸玄関先の場。助太刀のいでたちで馬に乗り、出掛けようとするお殿さまを家臣たちが制しているとき、火事装束の源吾が現れ、上野介の首を取り、本懐を遂げたことを告げる。そして、これから主君の菩提寺の泉岳寺に参り、切腹の覚悟だという。お殿さまはあっぱれだと褒め、辞世の句を求めると、すでに携えていた短冊を渡す。それにはこう書かれていた。山をぬく力も折れて松の雪
このお殿さまを当たり役にしたのが、三代目中村歌六で、初代吉右衛門がこれを受け継ぎ、現吉右衛門も当たり役とし、今回染五郎が初役ということだ。いかにもお殿様らしいお殿様で楽しく、面白く、みさせてもらった。
あと、二つの演目は舞踊で、晒三番叟(壱太郎ら)と粟餅(染五郎と壱太郎)。舞台挨拶は染五郎が洋服で現れた。毎回、地方公演では、その土地の話題を含めて挨拶されるようだ。今回はここが大船撮影所があった場所ということもあり、寅さんのお気に入りのお店の話とか、また祖父が(先代、松本幸四郎)鎌倉に住んでいたので、子供の頃はよく遊びに来た話など。また、今回の巡回公演数が昼夜合わせると、一と月で50回を超えるということで、役者さんの激務には改めて驚いた。身体に気をつけて下さいと思わずにいられなかった。
染五郎
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中村壱太郎
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中村歌昇
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市川高麗蔵
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では、みなさん、今日も一日、お元気で!