おはようございます。
ポーラ美術館で”ラファエル・コランと黒田清輝/120年目の邂逅”という面白い企画展が開かれている。
まず、ふたつの絵をご覧ください。
見えないのでちょっと、どいて。
とてもよく似ている裸婦像です。
左が”ラファエル・コランの《眠り》(1892)です。
右が黒田清輝の”野辺”(1907)です。コロンの裸婦は毛皮を腰にかけ、しっかり眠っているのに対し、黒田の裸婦は布をかけ、手に花をもち、まどろむ程度と、多少の違いはあるものの、構図、色調など明らかに黒田がコロンの絵を倣って描いたことは確か。
コランの絵は、1900年パリ万博の展覧会に公開されて以来、行方不明であった。それが、数年前、パリで見つかり、今回120年振りの公開となった。いうまでもなく、コロンは黒田清輝のお師匠さん。で、ラファエル・コランと黒田清輝―120年目の邂逅となったわけです。
箱根美術館に山百合を見に行って、足を延ばして、ポーラ美術館に来て、すばらしい企画展に出会うことができた。
もう少し、付け加えてみよう、黒田清輝が挑んだ”日本の裸婦”について。当時としては珍しかった裸婦像を果敢に発表してゆく黒田。当時の世論は、何もつけない裸婦についていけず、批判や揶揄の的となる。警察は、展覧会の裸婦像に腰巻をつけさせるというおかしなことまでした。
”腰巻事件”の”裸体婦人像”は、静嘉堂所蔵で、先日、三菱一号館美術館で見てきたばかり。ここでは朝妝(左)と共に写真で紹介されている。
ラファエル・コラン
コランには黒田のほか、岡田三郎助、和田英作、児島虎次郎らの日本人の弟子がいる。彼らの作品も展示されている。
岡田三郎助の裸婦像2点。コラン派の裸婦はどれもいいですね。
裸婦、水辺に立てる(1931)
裸婦(1936)
最後に和田英作の薔薇の裸婦像(笑)、薔薇(1922)。生物は裸が一番、うつくしいのかも。
それでは、みなさん、今日も一日、五輪でも見ながら、お元気で!