去年の中学校クラス会で、隣りに座ったI君と、彼が定年退職後はじめた鎌倉彫の話しを聞いているうち、そうだ、彼の勤務先は、あの畠山記念館の名品コレクターが創設した会社であることに気付いて、話しを向けた。それから約一年たった、先々週、彼から記念館の案内と招待券が送られてきた。あのときの話を憶えていてくれたらしい。WIFEも関心のある分野なので、一緒に白金まで出かけた。
東京五輪の年に開館したそうだ。2011年は畠山即翁の生誕130年、没後40年にあたるとのことだ。これを記念して、5年振りに国宝2点を含む、名品の数々を展示している。
展示室に入ると、いきなり、乾山の色絵藤透鉢が迎えてくれた。乾山をみると、何となく安心する。(陶磁)はこれを含め3点で、WIFEの好きな鍋島色絵更紗文皿もうつくしい姿をみせていた。(季節の茶道具)では、粉引茶碗(李朝)、唐津茶入、小堀遠州作の井筒茶杓が、(ぼくの)目を引いた。
(漆工)では名品が目白押しだ。翌日展示替えで(6/6)、あぶないところだった、国宝”蝶螺鈿蒔絵手箱”。今回の目玉だ。蒔絵の金、螺鈿の貝、平文(ひょうもん)の銀、ひとつの作品の装飾として併用した最も早い時期の作品だとのこと。たくさんの蝶が舞い、蝶の羽根に菊とか梅とかの紋が入っているのが面白い。紋つきの蝶だ(笑)。内箱も、別に展示してある。こちらもインナーとはいえ、おしゃれをしている。うちのオクサンとは大違いだ(爆)。
もうひとつの国宝は、藤原佐里筆、”離洛帖”。流れるような、強弱自在な、筆の流れ。さすが名筆家、佐理の書状といった感じ。佐里が大宰府に転勤するとき、ときの殿下、藤原道隆に挨拶するのを忘れ、旅の途中、妹の息子あてに一気に書いた詫び状だ。いってみれば走り書き。それが、国宝なんだからすごい。書もだんだん楽しめるようになってきた。
この離洛帖は”季節の書画”の分類の中にあるが、この中に、乾山作、”紫陽花百合図”、光琳作”八橋図団扇”、狩野伯円、即誉作”絵鑑”もある。
落ち着いた、静かな雰囲気の、いい展覧会だった。茶室もいくつもあり、WIFEがのぞいていた。今日午後、I君が世話役のクラス会が一年振りに開かれる。そのとき、彼とこの話もしたいと思っている。
茶室
庭園