気ままに

大船での気ままな生活日誌

伊万里/染付の美 そごう美術館

2013-03-04 06:27:44 | Weblog
三溪園の梅見の帰りにそごう美術館に寄った。”伊万里/染付の美”展をやっていた。ちょうど運よく、学芸員さんによるギャラリートークの時間に当たり、得した気分。やっぱり、不案内な者にとっては、こうして説明してもらうと面白みがぜんぜんちがってくる。

数年前、東博で”染付展”があり、そのときは、染付の源流の元時代の青花から始まって、ベトナムや朝鮮、さらに日本に渡って”進化”してゆく、その様が一堂にみられる展示だった。その中に、ある方の伊万里染付大皿コレクションのコーナーがあったことを憶えている。今回の展示は、伊万里染付大皿に限って、それも140点もの一挙公開である。日本初の試みだという。これは、横浜在住の方の、30年に渡る個人コレクションであるというからおどろく。

大皿というのは、普通、径30センチ位の大きさ以上のものを指すそうだが、彼のコレクションは、40センチ以上の大皿がほとんどで、今回の展示にもあったが径60センチのもいくつもあり、そのコーナーには度肝を抜かれた。

ほとんど、江戸後期のもので、これまで古伊万里や鍋島みたいには、重視されてこなかったが、(学芸員さんが言うには)、このコレクションをみて、この時期の染付大皿も捨てたもんじゃない、素晴らしいと、認識を新たにしたそうだ。大量生産する小皿と違って、大皿は職人さんにとっては、腕の見せどころなわけで力作が多いのだという。

文様も多様で、唐草模様ひとつとっても、さまざまな工夫がされているし、みじん唐草文なんか、ちっちゃな文様が大皿にびっしり描かれている。入場してすぐ、芭蕉文大皿が迎えてくれるが、惹きつけられる模様だ。大皿の下から上へ芭蕉が大きく描かれ、下には秋海棠が咲いている。上部はまるで空のように濃いめの青が囲っている。絵をみるようだ。

よく使われる、吉祥文もあるが、福を四角で囲い、寿を丸で囲い、並べるとかデザイナーのようなセンスでつくっているものもある。江戸で人気だった相撲と歌舞伎を描いたものもあり、歌麿の”山姥と金太郎”もあった。動物も描かれ、牛がお尻を向けている図には笑ってしまった。食欲がなくなってしまうのでは(笑)。

60センチもの大皿でも、実際、宴などで使っていたようで、浮世絵にも描かれている。当時の花見の膳が再現されている。また、これら江戸の染付大皿は現代の食卓にも、全く違和感がないようだ。実際のテーブルコーディネートも観られる。おまけに、そごうデパートのお寿司屋さんで、会期内、江戸染付大皿にお寿司を盛り付けてくれるそうだ(笑)。是非、行かねば。

学芸員さんのおかげで楽しい展覧会となった。


現代の食卓にコーディネート


コメント
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