『もしも君に恋したら。』鑑賞@WOWOW
WOWOWジャパンプレミア『もしも君に恋したら。』見た!ポップでカワイイ恋愛映画 ゾーイ・カザンの不思議カワイイ感じが、そのまま映画のイメージ。アニメの使い方がイイ 本編になかった部分をエンドロールでアニメで見せるの好き♬ ハリー・ポッター老けたねw
ネタバレありです! 結末にも触れています!
日本未公開作品を放送するWOWOWのジャパンプレミア枠にて鑑賞。せっかくそういう枠があるのだから、可能な限り見てみようと思っているのだけど、さすがに全部見るというのも 見てみたいと思ったのは、ハリー・ポッターことダニエル・ラドクリフ×ゾーイ・カザンだったから。とはいえ2人とも特別ファンというわけでもないのだけど・・・(o´ェ`o)ゞ
「失恋の痛手から医大を中退し、引きこもりになってしまったウォレス。ある日パーティでシャントリーと出会い意気投合。ウォレスは彼女に惹かれるが、シャントリーには彼氏がいて・・・」という感じの話で恋愛映画。そこに、シャントリーや彼氏の仕事での転機、彼らに刺激されて将来について考えるウォレスの姿などを絡めて描いていく感じ。主人公が医大を中退してしまって引きこもっている状態からスタートというのは、実は結構重いテーマだと思うのだけど、その辺りはアニメなどを交えて、コメディタッチでポップに描いている。後にシャントリーがこれはやり過ぎだと怒るシーンがあるくらい、やり過ぎなドタバタもあるけれどギリギリOK。
映画のイメージとしてはこんな色。ポップな感じ。ダニエル・ラドクリフの役は前述したとおりの状況なのでポップではない。ポップな感じにしているのはゾーイ・カザン演じるシャントリー。『(500)日のサマー』(感想はコチラ)のサマーほどではないけど、男心を弄ぶ小悪魔タイプ。ただし無自覚。ちょっと優しくされると自分に気があるのね?と思うような自意識過剰タイプも困るけど、本当にウォレスの気持ちに気づいてないなら鈍感過ぎる
そりゃ、男性が全員下心ありで女性に近づくとは限らないし、男女の友情も成立すると思う。でもねぇ・・・ パーティで意気投合して一緒に帰って、別れ際にまた会おうって言われたら、それは"友情"を求められているのはないでしょう。だからこそ、次にあった時に自分には彼氏がいるので、ウォレスには友人でいて欲しいと言っているわけだから、前述のサマーのように確信犯とは言えないかもしれないけれど・・・ サマーもただデートしてるだけなら許せるけど、相手に恋愛感情があるのを知っててエッチしちゃう時点で個人的にダメ
まぁ、サマーは関係ないけど(笑) その点、自分に対してそういう感情を抱くのであれば、友達にもなれないと言っている分、シャントリーの方が好感が持てる。
一方のウォレスはそもそも真面目な性格な上に、元カノが医大の教授と浮気している現場に遭遇。ショックと嫌悪感から医大を辞めてしまう。冒頭シーンで彼女から復縁できなくてもいいから、せめてきちんと説明させて欲しいというメッセージが入っていたり、後に病院で研修医として働く彼女と遭遇するシーンでも、まだ思いを残している描写があるので、彼女としてはウォレスを好きだったのだと思う。でもウォレスには受け入れられないのであって、それはそうだろうなと思う。仮に単位欲しさに教授と寝たのだと言われても、そういうことならOKとなる人の方が少ないと思うし(笑) まぁ、彼女とその相手がいるからといって、医大を中退してしまうのはもったいない気もするけれど、ウォレスがそれくらい感受性が強くて、潔癖な部分があるというのも、シャントリーとの仲がなかなか進展しない要素でもある。
ウォレスとシャントリーの会話からは、2人がとっても合っていることが伝わって来る。同棲中の彼氏ベンとは2人きりの会話があまり出てこないので、彼との感じがどうなのかは分からないけれど、とにかく2人の息がピッタリなので、これは結末としては2人が結ばれる話なのだろうと感じる。まぁ、恋愛映画ですしね(笑) 友達でいて欲しいと言いながら、ウォレスが気になって仕方がない感じは早い段階から描かれている。男性の友人ができたのだから、早めに自然な形で彼氏に紹介しておいた方が面倒がないのは確かで、そういう意味でウォレスを食事に招いたのであれば、ちゃんとしている部分もあるのだなとは思うけれど、やっぱりちょっと不自然ではある。それは見ている側がシャントリーもウォレスに惹かれていることに気づいているせいもあるかもしれないけれど、事実ベンは小声でウォレスにくぎを刺してくるのだから、やっぱり彼としてはいい気はしていないというこなんだと思う。やっぱり逆の立場だったら嫌だし。パーティで知り合った女友達を夕食に招くから、ご飯作ってって言われて平静でいられる女性っているかな?(笑) ただ、ここは唐辛子を触った手で目をこすってしまったベンを助けるため、洗面所に精製水を取りに行ったウォレスが、ドアを勢いよく開けてしまい、その陰にいたベンが窓から落ちてしまうというドタバタで描かれているため、泥沼化はしていない。なんだそれ(笑)
ありがちな展開ではあるけれど、ベンはダブリンへ出張することになる。ダブリンを起点としてヨーロッパの国々を訪問しているようで、各地からポストカードが届く。最初は頻繁に連絡を取り合っているけれど、次第に回数も減って行く。すると自然にウォレスと一緒にいる時間が長くなる。ウォレスは気持ちを抑えることが苦しくなり、親友にたびたび相談する。このふざけてばかりで、ウォレスをバカにしているのか?という発言を繰り返す友人アランは、これまたぶっ飛んだ彼女ニコルと電撃結婚してしまうけれど、時々的確なアドバイスをしてくれる。ウォレスが悩んでいるのは、気持ちを打ち明けた結果、シャントリーに気持ちがなかった場合、友情が壊れてしまうということ。一歩踏み出さなければ彼女の友人として傍にいられる。洋の東西を問わず、こういう思いはあるのね・・・ それはそうか(笑)
そんな中、シャントリーにも昇進の話が持ち上がる。彼女の仕事内容がイマヒトツ分からなかったのだけど、どうやらアニメーターらしく、台湾でプロモーション活動をする必要があるそうで、プロジェクトリーダーとして赴任して欲しいというもの。少なくとも数か月は滞在することになる。一度はアニメーターのままでいたいし、ベンや友人たちとも離れたくないので断ったけれど、彼女の代わりにリーダーとなった男性が、台湾でやりたい放題やってしまい、事態収拾のためにも台湾に行って欲しいと言われるのだった。キャリアを優先するのか、恋人や友人を優先するのか? まぁ、数か月なら行けば?とも思うのだけど、これは女性の生き方を描く映画ではなくて、あくまで恋愛映画なので、この葛藤も恋愛の試練の要素という感じ。そのさじ加減は良かったと思う。
さて、ウォレスとシャントリーは、ウォレスの親友アランとその妻ニコルとダブル・デート。何故そこに行ったのか忘れたけど、車で湖畔へ。ニコルとアランは裸になって泳ぎ出す。つられてウォレスとシャントリーも泳ぎ出し、2人同時に裸を見合ったりしていいムード。ところが、アランとニコルは2人の服持ち去ってどこかへ行ってしまう。素っ裸の2人に残されたのは寝袋1つ。アランとニコルが2人をくっつけようとしているのは分かるけれど、ちょっとやり過ぎ。実際、シャントリーはこれはやり過ぎだと怒ってしまう。2人はウォレスの友達だけど、彼らの悪ふざけをウォレスのせいかのように怒られても困るよという気はするけれど、気持ちは分かる(笑) さすがに裸のままでは寒過ぎるということで、結局2人は同じ寝袋で眠るけど険悪ムード。翌朝目覚めると、服も戻されていて、アランとニコルも迎えに来るけど、2人は後部座席で一言も話さない。まぁ、これはやり過ぎだね
この出来事でシャントリーの中に違和感が芽生える。そして彼女はダブリンのベンの元へ向かう。同僚たちと共同で住んでいるというアパートへ着くと、ベンは不在。待っていると、ベンが酔っぱらった同僚の女性と親しげに帰って来る。同僚の女性は2人の間には何もないし、今日はたまたま酔っぱらっていただけだとあっけらかんと言い訳して去って行く。まぁでもそうなのだと思う。2人の間に仮に肉体関係があったとしても、この女性は別にベンに恋していないと思う。そういう感じの女性。恋愛や結婚も自分のキャリアというような・・・ 上手く言えないけど(笑) でも、シャントリーは納得していない様子。
一方、シャントリーの家を訪ねたウォレスは、彼女の妹に冷やな対応を受ける。実は、失恋したばかりの彼女は、ウォレスに迫ったことがあり、断られてしまい酷く気分を害している。逆恨みじゃないかと思うけれど、ウォレスももう少し上手く立ち回ればいいのにと思ったりもする。ただ、それが彼の生真面目で不器用なところであって、だからこそこんな面倒なことになっているわけだから、このエピソードは必要ということかな? 個人的には妹ごと必要ない気もした。ニコルとキャラ被ってたような・・・ ちょっと話が反れたけど、シャントリーの家の冷蔵庫に貼ってあったベンの住所をこっそり入手。なんとダブリンへ飛んでしまう。ベンのアパートを訪ねたウォレスは、出てきた彼に殴られてしまう。いきなり出て来て殴られて、階段を転げ落ちてしまうシーンは、コミカルに描かれているので笑うところ(笑) ただし、これ何で殴られたのか、後に意味が分からなくなる。イヤ、この時点では見ている側は、てっきりシャントリーがウォレスが好きだとベンに告白し、2人は別れたのだと思ったのだけど・・・ iPhoneに明日の昼2人の行きつけのダイナーで会おうとシャントリーからメッセージが入る。これは間違いないな!と思っていると意外な展開へ。
どういう経緯だったか忘れたけど、ウォレスがダブリンに行ったことを話すと、何故ダブリンに行ったのかと聞かれる。まぁそこは気になるので、当然の反応だとは思う。自分が話したいことよりも、優先してしまう気持ちも分かる。ウォレスが自分の気持ちを伝えようと思ったからだと言うと、なんとシャントリーは怒り出す! 友達だと言っていたのに、自分のことをそういう目で見ていたのか? うーん・・・ イヤ、それはそうでしょ(笑) 何歳の設定か分からないけど、プロジェクトリーダーに選ばれるくらいなのだから、少なくとも20代前半ってことはないよね? 何度も言うけど男女の友情もあると個人的には思っているけど、それはもう少し軽いつきあいなんじゃないかなと思う。もちろん2人きりで会ったり、いつでも呼び出せば来てくれる親友って関係も、絶対ないとは言えないけれど、それには子供の頃から知っているとか、近過ぎて恋愛感情が持てないとかじゃないと、なかなか難しんじゃないかな? 仮に出発時点では友情でも、それが恋愛に変わったからといって、裏切られた的な発言はちょっと面倒 でもまぁ、この面倒な感じが不思議かわいいシャントリーという女性なので、仕方がないか(笑) で、結局ベンは何でウォレスを殴ったんだろう? ここ何か見落としてたかな? シャントリーは自分を恋愛対象として見てたってことで、ぷりぷり怒って帰っちゃうわけだから、少なくともウォレスが好きだから別れたってことじゃないよね? 別にいいけど(笑)
で、結局シャントリーは台湾行きを決意。彼女の送別会が開かれることになったけれど、ダイナー以来連絡がないためウォレスは再び引きこもりに。落ち込んだり、決意したり、何かあったりした時に、ウォレスは屋根に登る。ここ後にロマンティックな場面として出てくるけど、この屋根の使い方はベタだけど好き。言い忘れてたけど、いろいろ悩んでいた時に、シャントリーが自分の描いたアニメキャラを、向かいのビルの壁に映すシーンも好き
で、送別会当日。誰かが入って来るたび、気にするシャントリー。まぁ、数回ガッカリ場面が出てくるけど、当然ウォレスは来る! ウォレスが来たからには、全員撤収。まぁ、彼がお開きギリギリに来たからだけど(笑) ウォレスは医大に戻ることを伝える。シャントリーは冷蔵庫からウォレスのために作ったフールズ・ゴールドを渡す。すると信じられないと言いつつ、ウォレスもフールズ・ゴールドを差し出す。これ、まだ出会って間もない頃、2人の会話に登場したエルビス・プレスリーが大好きだったという料理(?) 調べてみたところ英語版Wikipediaがあった! どうやら、コロラド州デンバーのThe Colorado Mine Companyというレストランが考案したサンドウィッチらしい。映画の中でも作り方を説明していたけれど、30cmくらいあるパンの表面にバターを塗って焼き、半分に切って中をくり抜き、片側にはピーナツバター、片側にはグレープゼリーを入れ、さらにベーコンを加えるらしい・・・ 映画の字幕ではジャムとなっていて、甘いジャムとカリカリに焼いたベーコンが合わなそうだし、ボリューム感があり過ぎでゲンナリ(笑) でも、これをお互いにプレゼントとして用意しているっていうのは、ベタだけど好き
そして2人は初めてキスをする。
Fool's Gold Sandwich
シーンが変わって空港。1年半後のクレジット。荷物を乗せたカートを押してシャントリーが出てくる。傍にいたウォレスに気づく。以前妹が間違えたように「ウォルター?」と声を掛けると、「ウォレスだ」と答える。「どこにいたの?」「台湾よ」「ずっと台湾に?」「そうよ婚約者と」「偶然だね僕も婚約したんだ」「台湾までストーキングしてきた男と婚約したの」「へぇ、僕も婚約者を追って台湾に行ってたんだ」・・・( ̄ー ̄)ニヤリで抱き合う・・・ なるほど・・・ 勝手にしろ(笑) でも、まぁ2人に結ばれて欲しいと思っていたので、このラストはいいかも。と思ったら、結婚式のシーンもあり。ケーキカット用のフールズ・ゴールドが置いてあったのは細部までこだわってて好き(笑) で、ウォレスが屋根に登っていると、そこにシャントリーが現れるラストも好き。
キャストはほぼ若手役者のみという感じ。しかも役として必要なのは、親友のアランと彼氏のベンくらいなので、ほぼ主演2人という感じ。ウォレスのダニエル・ラドクリフは、ハリー・ポッターからのイメージチェンジが大変だろうなと思う。子役出身のパターンの1つに、大人子供みたいな感じの外見になってしまう場合があって、ちょっとその危険性を感じなくもない。ヒヨコとニワトリの間の違和感というか・・・ でも、この失恋の痛手で医大を中退してしまい、好きな女性に友達でいてと言われて、生真面目に受け取ってクヨクヨしちゃう役には合ってた! そして、イライラさせずに見せていたのは上手いと思った。時々コメディ演技が浮いていたようにも思うけれど、全体的に良かったと思う。ゾーイ・カザンは『ルビー・スパークス』同様、ちょっと不思議系の女性ではあったけれど、それが彼女の個性とも合っているのでいいと思う。あのエリア・カザン監督の孫で、自身で脚本も書く才媛だけど、頭が悪いわけではないのだけど、どこか上手く立ち回れないシャントリーみたいな役がとっても似合う。ちょっと面倒くさいところも上手く表現してたと思う。美女ではないけどキュート
ゾーイ・カザンの衣装がかわいかった! 真っ赤なコートに緑のベレー帽とか!あれ色逆だっけ?! とにかく自分では出来ないけど、色の取り合わせが斬新で好き。シャントリーとベンの家もポップでかわいかった。全体的にポップ。シャントリーの送別会から、1年半後までの出来事を、写真とかアニメとかで見せるのスゴイ好き セリフとか字幕とか一切ないのに何があったかちゃんと伝わる。このエンドクレジットは好き
恋愛や仕事で悩んでいるけど、ポップで重くない。基本恋愛映画でちゃんとハッピーエンドになる。ポップでカワイイ恋愛映画見たいかたオススメ! ゾーイ・カザン、ダニエル・ラドクリフ好きな方是非!