オバマ大統領:中南米で人気後退
カストロ前議長らが批判
【メキシコ市・庭田学】ヤフー毎日より転載
オバマ米大統領に対する中南米諸国からの期待感が、左派系政権を中心に冷めてきている。就任1年で米国の中南米政策に大き
な成果がなかったことに加え、キューバの革命指導者、フィデル・カストロ前国家評議会議長がオバマ大統領批判を強めており、ベネズエラなどの急進左派政権
もこれに同調している格好だ。
カストロ前議長は、論評などで「私は何度かオバマ大統領は知的な人物だと述べたが、米国の政治システムや経済の変革はなされていない」と指摘。ホ
ンジュラスの左派大統領追放に対する米国の態度やコロンビアへの米軍駐留を批判し、「帝国(米国)は今、親しみやすい笑顔とアフリカ系米国人の顔をしてい
る」と警戒感を強めている。
米キューバ関係は、オバマ政権発足で改善の兆しもあるが、ラウル・カストロ議長は昨年12月の国会で「米国は(キューバ)革命破壊の姿勢を捨てていない」と指摘した。
オバマ大統領は昨年4月の米州サミットで中南米外交にデビュー。ブッシュ前政権時代に悪化した対中南米関係の改善に努め、各国首脳の期待感を集めた。
しかし、今、ベネズエラの急進左派、チャベス大統領は師と仰ぐカストロ前議長のオバマ大統領批判に同調する立場だ。ボリビアの左派政権も「オバマ政権誕生で帝国主義的な考え方が変わると思ったが、好戦的な政治だ」と批判する。
オバマ政権1年の中南米外交の最大の失策は、ホンジュラスのクーデターの仲介に失敗したことだ。追放されたセラヤ大統領の復帰を図ったが、結局成し遂げられず、セラヤ氏は「米国はクーデター政権を前に態度を変えた」と批判する。
また、アフガニスタンへの増派を決めたオバマ大統領が、ノーベル平和賞を受賞したことも批判の対象になっており、カストロ前議長は「なぜ受賞を受け入れたのだろうか? 厚かましい態度を取る必要はなかったのに」と皮肉っている。








「アルカイダと戦争中」
米大統領、テロ未遂で演説
【ワシントン=西村央】しんぶん赤旗より転載
オバマ米大統領は7日、デルタ航空機爆破テロ未遂事件に関して、ホワイトハウスで演説し、「米国は(国際テロ組織)アルカイダと戦争をしている」と述べ、「あらゆる手段を講じて打ち負かす」と強調しました。
オバマ氏は「われわれは過去2週間、われわれを破壊しようと決意した敵から国を守るという課題を改めて思い知らされた」と指摘。「戦争」という言葉を使って、アルカイダ掃討に力を入れる意志を表明しました。
オバマ政権はこれまで、「対テロ戦争」という言葉を公式に使用しないと表明しており、オバマ氏の言明は今回の事件を受けて、それを転換することを印象付けました。
オバマ氏は演説で、テロ容疑者につながる情報を得ていたにもかかわらず、それをまとめ切れなかったと指摘。「国家と国民を守る大統領としての私の責任」だと述べました。