日朝協会の大橋です。
今年も皆さんとご一緒に「友好親善の集い」を開けることを大変嬉しく思います。
去る5月9日に開きました、日朝協会創立60周年記念のつどいに、朝鮮総連京都府本部から柴松枝さんと中京支部委員長の金鐘現さんにご参加いただき、大変ありがとうございました。
また、8月8日、平和のための京都の戦争展で、日朝協会が主催する文化企画の講演会に、「在日朝鮮人の歴史とくらし」民族教育をまもるたたかいの歴史、と題して、柴松枝さんにお話していただきました。同じ日の「お昼のコンサート」に、京都朝鮮歌舞団にご出演いただき、参加された皆さんに深い感銘を与えました。
この場をお借りして御礼申し上げます。大変ありがとうございました。これからもどうぞよろしくお願いいたします。
さて、日朝協会は「安倍総理大臣談話」にがっかりしています。15日付けで日朝協会本部会長名の声明をだしました。5つのポイントがあります。
①、 世界が望む日本政府の談話は、アジア諸国への侵略を認め・謝罪し諸懸案を解決して、憲法9条を活かした北東アジアの平和構築、朝鮮との国交正常化への道筋を示すことが期待され ていたと思うのです。
②、ところが安倍談話は、「侵略」、「植民地支配」、「痛切な反省」、「心からのお詫び」の文言を入れましたが、自分の言葉で反省もお詫びもしませんでした。
③、 許せないのは、日露戦争が「植民地支配下にあった、多くのアジアやアフリカの人々を勇気づけた」と歴史を歪曲したことです。
日本が1875年江華島事件以降、武力で朝鮮を侵略し、1905年第二次日韓協定・日韓保護条約〔乙巳ウルサ條約〕を強要し、当時の大韓帝国から内政も外交権も奪い、警察も軍隊を解散 させ、1910年戒厳令を発動して、違法な韓国「併合」を強行しました。この歴史の真実をごまかすことは絶対に認められないものです。
④、謝罪に関して、「先の世代の子どもたちに、謝罪を続ける宿命を背負わせてはなりません」と言いましたが、宿命を背負わせているのは安倍政権です。今回の談話で、はっきりと過去の日本 の侵略を認め、謝罪し、憲法第9条を生かした平和外交を行うことを世界に表明すれば、安倍総理が心配する宿命を断ち切ることができたのです。
⑤、談話の最後に述べている『積極的平和主義』について、国会で審議中の「戦争法案」が「戦争を未然に防ぐためのものだ」と主張し、「日米同盟が完全に機能することを世界に発信することに よって戦争を未然に防ぐ力はさらに強くなっていく」と述べ、「戦争法案」を強行する姿勢を示しました。
このことは、「談話」が平和な世界を目指すものではなく、「戦争法案」を進めるものであり、到底認めることはできないものです。
日朝協会は、日本政府が敗戦70年に当たり、正しい「歴史認識」の立場にたつこと、そして未解決の朝鮮との国交正常化やその他の懸案事項の解決に真摯な態度で対応することを強く求めるものです。
以上のことから「戦争する国づくり」宣言ともいうべき「安倍談話」に断固抗議するものです。
日朝協会は、本日お集まりの皆さんと力を合わせ、日朝友好親善のためにいっそう努力することを誓って挨拶といたします。