■□消防署の合併は、時期尚早 初動体制に不備?
向日市は、火事の少ない町であることが特徴でした。例年一年間に一、二件で、ゼロの年も何度もありました。
ところが二〇一一年は一度に四軒全焼、三軒半焼という火災がありました。なぜこのようなことになってきたのでしょうか?
私は、議員になって以来一貫して「消防行政は自治の原点」という位置づけで、消防問題に取り組んできました。その立場から、消防の乙訓二市一町の合併は時期尚早だ、現場での活動がうまくいかないと指摘し、反対してきましたが、主張は聞き入れられず、合併が強行されましたが、合併直後から心配な出来事が何例もありました。
・向日神社の舞楽殿火災のとき、出動命令が出たのは消防本部と近くの消防団だけでした。
・向陽小学校プールの水を使うマニュアルどおりの消火活動が出来ませんでした。
・物集女の火災でサイレンが鳴りませんでした。
・上植野ではJRの西側で火災が起こっているのに、消防車が東側の側道をサイレンを鳴らして走っていました。
・市民会館の前で交通事故が起こり救急車の出動を依頼しても、一分で来られる距離なのに一五分以上かかりました。
これらは「現場を知らない司令室」になっていることを示しています。
私は消防合併の弊害を厳しく追及し、生命・財産がおろそかにされていると、改善を要求してきました。
ここでは最終段階の合併論議を紹介します。
本議会には消防の乙訓合併規約が提案され、「合併」是か非かの態度表明が迫られております。その件は議案審議の場で行いますけれども、その前に、市民の目から見て明確にしておかなければならない点が残されていると思い、再度次の点についてお答えをお願いしたいと思います。
「消防合併のメリットは、初動体制、あるいは東部にメリットがある」と、何度かお聞きをしているわけです。私は事例をあげ反対してきました。さらに、合併して東部地域の充実をどうするのかという問題であります。
JR長岡京駅東部に本署を置くので出動が早くなるというだけなのでしょうか。ぜひビジョンをお聞きしたいと思います。
また、市内全域についても、初動で多くの車が出動可能になるというお話はよく聞きましたけれども、道路も狭く初動で多くの消防車が出れば混乱するだけです。市民の目から見て、合併することにより、目に見えてよくなるということを具体的に示す必要があると思うわけですが、その計画を示していただきたいのです。
第二点目は、初動体制をあまりにも強調されるために、今の応援協定というものは絵にかいた餅なのかと心配するものです。私は、いざ大きな災害が起こったときの初動体制が、合併の後と現在とが大きく違うのでは、それこそ大問題だと思うわけです。今後は、乙訓消防と京都市や島本町との応援協定が結ばれることになると思うわけですが、京都市との関連をより密接なものにするため、どのようなことを考えておられるのか、お聞きしたいと思います。
第三点目は、市民の心配事は、日常的な消防関係事務や町内での消防訓練や水害対策など、すべて今までどおりの場所で同じように対応していただけるのかどうかであります。市民の疑問に直接答える場が持たれていない。規約が決まれば、消防合併についての説明会を必ず開いていただきたいと思うわけですが、この点についてもお聞かせいただきたいと思います。
今までにもらいました資料の中には、一〇年間、二〇年間、あるいは平成三六年までの職員数、吏員採用計画、あるいは平成二二年までの車両などの整備計画、 財政計画などの資料がありますが、本当にこのとおり進められるのか。途中から「事情が変わった」と職員数を減らし、消防力・車両を減らし、救急車を減らすというようなことになりはしないか。そのことにより、日本一と言ってよいほど火災の少ないまちで、大火にならないだろうかと心配であります。私のこの心配は全く不要なことだと市長がお考えならその根拠を示して明確に答弁していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
次に、消防職員には組合の結成が認められていないかわりに、法的な委員会あるいは自主的な協議会の結成が認められております。合併した後、法的な委員会はもちろんのこと、自主的な協議会、そういう結成があれば直ちに認めるということを約束しておいていただく必要があると思いますがいかがでしょうか。
第五点目として、地方自治体の生命とも言える消防行政の合併ということの性質から考えまして、向日市として、住民アンケートあるいは住民投票など、直接市民の意見を聞くことを実施すべきであります。