フェロシルト不法投棄事件で、石原産業元副社長ら
役員が逮捕された。
昨日の夕刊各紙は、カラー写真入りのトップ記事。
(岐阜新聞2006.11.6)
昨年秋に発覚したフェロシルトの不法投棄。
やっと警察により、有害産廃と判断され、
三重県警などの合同捜査に廃棄物処理法違反(不法投棄)で逮捕されたものだ。
わたしは最初から、産廃だ、って言ってんだけどね。
フェロシルトは産廃だ!なんと混入廃液は14万トン(2005.10.14)
おしりが重い三重県知事に比べて、ずばり廃棄物処理法違反(不法投棄)で刑事告発した
岐阜県知事の対応ははやかった。
フェロシルト問題全容解明へ/岐阜県も刑事告発へ(2005.11.9)
全量撤去を求める自治体や市民の要求も無視してのらりくらりしていた
石原産業に、やっと司法の手が入るというわけだ。
とはいえ、環境中に不法に廃棄された有害物質はもう元には戻らない。
朝日新聞 2006年11月6日(月)13:21
石原産業の元副工場長ら4人逮捕 フェロシルト投棄容疑
有害物質を含んだ埋め戻し材フェロシルトが大量に埋められた事件で、三重、愛知、岐阜、京都の4府県警の合同捜査本部は6日、廃棄物処理法違反(不法投棄)の疑いで、製造した化学メーカー石原産業(大阪市)の役員だった四日市工場(三重県四日市市)の佐藤驍(たけし)・元副工場長(69)と社員や子会社幹部ら計4人を逮捕した。
捜査本部は同日朝から同社四日市工場などの家宅捜索も行った。佐藤元副工場長はこれまでの調べに対し、「フェロシルトに有害物質が含まれていることを認識していた」などと供述しているという。
調べでは、佐藤元副工場長らは01年12月~02年1月ごろ、フェロシルトが産業廃棄物と認識しながら、複数の業者を通じて不法に三重県亀山市辺法寺町の造成地に捨てさせた疑い。
取り調べを受けている元管理部長と元環境保安部長らは、いずれも当時の工場の幹部として、フェロシルトの不法投棄に関与した疑いが持たれている。また、子会社「石原ケミカル」幹部は、不法投棄当時に同社取締役兼技術部長としてフェロシルトの製造や廃液処理の管理を担当していた。
佐藤元副工場長は6日午前6時50分すぎ、訪れた捜査員に連れられ、三重県鈴鹿市の自宅を出た。報道陣からの呼びかけに、無言で車に乗り込んだ。
同社は98年1月から05年4月までの間に約77万トンのフェロシルトを生産。そのうち約72万トンが販売され、委託業者を通じて東海3県や京都府加茂町など35カ所に埋設された。三重県亀山市辺法寺町など埋設地の土壌の一部から、土壌環境基準を上回る六価クロムやフッ素を検出。フェロシルトの有害性が指摘されていた。
これまでの調べによると、土壌埋め戻し材として開発されたフェロシルトだが、購入業者に「改質加工費」などの名目で販売価格の約20倍の金額が払われていた。捜査本部は、この改質加工費は実際には産廃処理費で、業者に引き取り料を払う「逆有償」にあたるとみて、昨年11月の家宅捜索で押収した資料の分析を進めてきた。
この結果、フェロシルトは産廃であり、佐藤元副工場長らが産廃と認識した上で、複数の業者を通じて捨てさせていたのは不法投棄に当たると判断した。
◇
〈キーワード:フェロシルト〉 石原産業が98年から、白色顔料の酸化チタンを作る過程で生じた廃硫酸を原料に製造。土壌埋め戻し材として01年8月から販売した。03年9月、三重県の「リサイクル製品」に認定されたが、埋設先から環境基準を上回る六価クロムなどが検出され、同社は昨年10月12日、不正な廃液混入を公表。その後、三重、岐阜、京都の3府県が廃棄物処理法違反容疑で同社などを刑事告発した。
〈キーワード:石原産業〉 酸化チタンの生産で国内のシェア4割強を占める最大手で、世界でも第5位。1920年にマレー半島の鉱山開発を目的に創業。戦後、農薬や酸化チタン事業に乗り出す。67年に提訴された四日市ぜんそく訴訟の被告企業の一つで、廃硫酸を伊勢湾に垂れ流した事件では80年、有罪が確定した。資本金420億円。06年3月期の連結売上高は1043億円。従業員数は約1000人。東証・大証1部上場。
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(東京新聞 2006年11月06日)
石原産業元役員ら逮捕へ フェロシルト不法投棄で
化学メーカー「石原産業」(大阪市)が大量の土壌埋め戻し材「フェロシルト」を不正に処分したとされる事件で、三重県警などの合同捜査本部は5日、廃棄物処理法違反(不法投棄)の疑いで、フェロシルトを生産していた同社四日市工場の副工場長だった佐藤驍(さとう・たけし)元取締役(69)ら数人を6日にも逮捕する方針を固めた。
佐藤元取締役は不法投棄の中心人物とされ、捜査本部に「フェロシルトが産廃に当たると認識していた」と説明しているという。
5日までの調べで、同社が製造したフェロシルトのうち、約7割に有害物質を含む工場廃液が不正に混入されていたことが判明。捜査本部は、佐藤元取締役の指示によるものとみている。
調べでは、佐藤元取締役らは2002年1月ごろから約1年間にわたり、三重県亀山市内の造成地にフェロシルト約10万トンを不法投棄した疑いが持たれている。
同社は1998年にフェロシルトの生産を始め、05年4月までに計約77万トンを生産。うち50数万トンに最大で約10種類の有害な廃液が混ぜられていた。
捜査本部はフェロシルト自体について、正規の工程で製造しても有害な六価クロムが検出されることが判明したことなどから、商品価値がなく産廃に該当するとみている。
石原産業側も昨年十月、フェロシルトが埋め立てられた造成地で環境基準を上回る六価クロムなどが検出されたことを受け、不正混入の事実を認めた。
捜査本部は、社員の供述などから不正混入が始まったのは2000年とみているが、同社は02年1月以降としている。
(東京新聞 2006年11月06日)(共同)
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フェロシルト製造現場の驚くべき実態/石原産業四日市工場(2005.12.2)
海の中にあった!産廃処分場(2005.12.3)
届いたばかりの朝刊によると、石原産業は「販売時から産廃と認識」
「会社ぐるみで隠蔽」していたという。
三重県は知ってか知らずか、それを放置していた。
警察は、フェロシルト事件の全容を解明して、
二度とこのような企業犯罪を起こさないようにしてほしい。
フェロシルト事件の詳細は「てらまち・ねっと」へ(06.11.7)
今日は24節気の「立冬」。もうすぐ本格的な冬が来る。
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