みどりの一期一会

当事者の経験と情報を伝えあい、あらたなコミュニケーションツールとしての可能性を模索したい。

人気です。『単純な脳、複雑な「私」』池谷裕二著/『脳にいいことだけをやりなさい』翻訳・茂木健一郎

2009-07-17 17:43:54 | ほん/新聞/ニュース
WAN応援集会の実行委員会をはしごして、東京からかえって、
たまったメールをチェックして、お返事を書いていたら、
あっという間に夜。朝はモーレツな雷雨で目が覚めた。
ブログを書く前に、懸案事項などの電話を済ませてしまって、
いざ、ブログを書こうと思ったらインターネット(メールも)がつながらない。

午前中にアップするつもりだった東京報告は横に置いといて、
外は雨だし・・・、心気一転、美容院でカットしてきた。
前からすすめられてたセシールにしようかと思ったけど、
そこまでは、さすが勇気がなくて、とはいえ、ベリーショート。
東京で久しぶりに会った人に「みどりさん、髪切ったの」と言われたが、
断髪は2年前のいまごろのこと。
手櫛でオッケーなのでお手入れがかんたんで気に入っている。

ということで、ショートヘアで気分もさっぱり、
メールもつながるようになった。

ヘアはさわやかだけど、頭の中身はド忘れがひどくなり(笑)、
あれあれ、とか、これこれ、とか言う回数も増えた。

そんなこんなで、とうとう一ヶ月ほど前に、茂木さん翻訳の超ベストセラー、
 『脳にいいことだけをやりなさい』
(マーシー・シャイモフ (著), 茂木健一郎 (翻訳) /三笠書房)
を買って読んでみました。

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6月28日の新聞書評に、『単純な脳、複雑な「私」の記事が出ていたので、
さっそく買って読んでいたら、ちょうど同じ日の夜、
NHKでも、将棋の羽生名人の天才脳のひらめきがどこから来るのか、
という番組をやっていておもしろかった。

 

単純な脳、複雑な「私」 [著]池谷裕二)■高校生にわくわくする仮説を提示
[掲載]2009年6月7日[評者]瀬名秀明(作家)

 著者の池谷さんは私より2歳下、同じ静岡県の出身だ。本書の書評のため初期の著作から刊行順に彼の足跡を一気に読んで辿(たど)り、そうだよ、研究者はいつだってこうやってひとりの人間として歩んでゆくんじゃないか、と心の中で頷(うなず)いた。この最新刊は「今まででいちばん好きな作品」という著者の想(おも)いがはっきり伝わってくる良作だ。
 本書は母校の高校で著者が全校生徒に、続いてごく少数の高校生に向けておこなった講演や講義をまとめたものだ。著者は02年に『海馬』で糸井重里氏と対談し、その直後に米国で新たな研究生活に入る。ニューヨークの日本人高校生を相手に講義した記録が04年の『進化しすぎた脳』だ。著者は脳のシナプスの活動を詳細に観測する技術を開発し、「歌う大脳皮質」と題に入ったその論文は大いに注目されたが、そこで計測された結果については学術的な議論も起こっていた(その顛末<てんまつ>は08年の『ゆらぐ脳』で語られている)。
 高校生に語った本書は『進化しすぎた脳』の続編といえるが、読み比べれば聴衆を惹(ひ)きつける語り口やプレゼンの技法、研究生活に裏打ちされた眼差(まなざ)しなど、以前より格段に洗練されていることがわかる。講演の導入部分でさえ、誰でも語れる手順ではなく、著者自身のオリジナリティーが光るのである。
 後半の展開は実際のところかなりハードで、噛(か)み砕くには読者側の集中力も必要だが、著者は怯(ひる)まない。ポピュラーサイエンスと先端科学のぎりぎりの接線を突き進む。30代後半を迎え、研究業界でのさまざまな体験を経てここに立つ著者は、「脳は単なるノイズから私たちの自由意志を創発しているのだ」とわくわくする新たな仮説を提示してゆく。つまり本書はこれまでの学術的議論や風評に対し著者が放った渾身(こんしん)の一冊なのだ。彼は高校生に向けて熱く語ることによって自らを鼓舞しているようにも読める。それが私たち読者をも鼓舞するのだ。
 この著者でなければ決してつくれなかった本だろう。本書で池谷裕二はついに、ひとりの科学者になったのだと思う。
 ◇ いけがや・ゆうじ 70年生まれ。脳研究者。東京大学大学院薬学系研究科准教授。
(朝日新聞 2009.6.7)


  
  『単純な脳、複雑な「私」』(池谷裕二/朝日出版社)
第一章 脳は私のことをホントに理解しているのか
第二章 脳は空から心を眺めている
第三章 脳はゆらいで自由をつくりあげる
第四章 脳はノイズから生命を生み出す


単純な脳、複雑な「私」 画像特設サイト

池谷裕二ホームページ

池谷裕二さんの本は、最初に出た糸井重里さんとの共著
『海馬―脳は疲れない』もおもしろくて、
読み終わると、少しかしこくなったような気分になるのがいいね(笑)。


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