みどりの一期一会

当事者の経験と情報を伝えあい、あらたなコミュニケーションツールとしての可能性を模索したい。

映画評:『ミルク』 上野千鶴子~政治が闘いだった頃の物語/仙台市長に奥山恵美子さん当選

2009-07-28 16:55:19 | ジェンダー/上野千鶴子
長野にインラインホッケーの試合にいったまどかさんが、
お土産にブルーベリーをどっさり持ってきてくれた。

ブルーベリー農園に300円で入場して実を摘み放題だっらしいけど、
つんだ分は全部買い取らなければいけなかったとか・・・。
産地の洞戸でも、大粒のブルーベリーは高いので、うれしいお土産。

とはいえ、
生では食べきれないので、ブルーベリージャムを作ることにしました。
 

ちょうど、梅酒を漬けた氷砂糖が残っていたので、
洗ったブルーベリージャムのうえに数個を置いて火にかけた。
氷砂糖はすぐに溶けて、甘酸っぱい香りが部屋中に広がる。
  

とろっとしたブルーベリーソースを作るつもりだったのだけど、
ちょっと目を離した隙に煮詰まってしまって、
固めのジャムになってしまった。


ビンに詰めて、湯煎して密閉。


  
ベリー類は上野さんの好物で、先日、お手製のプラムソースをいただいたので、
名古屋にひとびんもっていくことにした。

今朝は初産み卵でクレープを焼いて、
ブルーベリージャムをまいて食べた。
ジャムはそのまま食べてもおいしい。

「コーヒーにクレープ」((笑))

『ミルク』のものがたりも、おともに。  

映画評:『ミルク』         上野千鶴子
 政治が闘いだった頃の物語。


 ハーヴィ・ミルク。私たちは、彼が何者かを知っている。私たちは、彼が1978年11月27日に48歳で殺されたことを知っている。これは実話だ。そう思って映画を見るから、悲劇の結末へ至る過程に、「感動」しないわけにはいかない……。
 事実、この映画は、全米映画批評家協会賞、ニューヨーク映画批評家協会賞、サンフランシスコ映画批評家協会賞等々、全米各地の映画批評家協会賞を総なめにした。そしてこのしぶい賞が示すように、この映画はくろうと好みの作品だ。というよりも、おそらく多くの映画批評家たちが青春を過ごした '70年代を、熱い思いで想い出さずにはいられない映画なのだ。
 '69年、ニューヨークのゲイバーでの警察官の捜査に抵抗して多くの逮捕者を出した。'73年、アメリカ精神医学会の精神障害のリストから、初めて「同性愛」がはずれた。それまでは同性愛者であるというだけで、違法行為とされ、入院させられ、強制的な治療を受けさせられた。
 このなかから、ミルクは同性愛者の人権活動家として敢然と声を挙げる、「私たちはここにいる」と。絶対的な少数派である同性愛者が、多数派の異性愛者の支持をとりつけるのは至難のわざ。だがミルクとその仲間はそれに挑戦し、何度も失敗し、そして勝利する。
 これがアメリカの民主主義だ、命がけの闘争だ、ことばと理性が勝利していくリベラルの政治だ、闘わずに手に入る権利などない、とじーんと来るんだね、これが。「希望がなければ生きていけない」と語るミルクの演説に、オバマ大統領を重ねあわさない人はいないだろう。そう、オバマの登場は、'70年代のあの熱気を再び甦らせたのだ。
 監督のガス・ヴァン・サントが20年近くあたためつづけたライフワーク。アカデミー賞主演男優賞を受賞した主演のショーン・ペンも熱演。この映画のよさは、公人としてのミルクだけでなく私人としてのミルクの、ラブライフを巧みに描いていることだ。
 草の根の民主主義では、住民投票で争点が決着する。同性愛の教師を解雇できるという提案をめぐって賛成派と反対派が熾烈に対立する。同じ頃、合衆国憲法の男女平等修正条項についても熾烈な闘いがくりひろげられ、こちらの方は敗北した。反対派の急先鋒に女が立つのも共通。中絶をめぐっては反対派がクリニックを焼き討ちした。
 オバマ大統領が任期をまっとうしてくれるよう、祈らずにはいられない。

監督:ガス・ヴァン・サント
制作年:2008年
制作国:アメリカ
出演:ショーン・ペン、ジェームズ・フランコ、ジョシュ・ブローリン、エミール・ハーシュ、ディエゴ・ルナ、ヴィクター・ガーバー、アリソン・ピル
配給:ピックス
(クロワッサンPremium 2009年6月号初出)


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26日投開票の松阪市議会議員選挙で、友人の海住恒幸さんが上位当選を果たした。
同日の仙台市長選挙では、前副市長の奥山恵美子さんが当選した。
市の職員出身というこちだけど、脱梅原を掲げての当選。
同じ「恵美子」で前副市長の継承を掲げた候補を破っての当選。
『恵美子対決」と言われていたそうだ。

どちらが当選しても、政令市初の女性市長だったが、
どちらが当選するかで、仙台市の行方は大きく変わる。
おんななら誰でもよいわけではない、を、象徴するような結果だった。

女性職員のエース、破顔 仙台市長に奥山さん
河北新報 2009年07月27日

 仙台市政の再起動を託されたのは、市役所生え抜きのクールな女性キャリアだった。仙台市長選は26日投開票され、前副市長の奥山恵美子さん(58)が初当選した。政令市初の女性トップを待ち受けるのは、現職市長のタクシー券問題などで停滞した市政の正常化。待ったなしの財政再建へ、身内の役所組織に切り込む突破力も試される。「市役所随一の能吏」と評される新市長。乱戦が終わった100万都市に、どんな針路を示すのか。
 午後9時半ごろ、青葉区堤通雨宮町の奥山さんの事務所に「当確」の報道が流れると、歓喜の声が上がった。
 「独断専行」と批判された梅原克彦市長(55)の政治手法と決別し、副市長を辞めたのは3月31日。春から夏へ「117日戦争」を勝ち抜いた。
 真っ白なパンツスーツ姿で事務所に現れた奥山さん。支持者にもみくちゃにされながら、「市民と共に、21世紀の仙台を明るく築いていきたい」と喜び合った。
 1975年に市役所入りした女性管理職の草分け。そんなエースも初めての選挙戦に戸惑った。立て板に水の議会答弁と違い、序盤はマイクを握っても言葉がすらすらでなかった。
 連日の演説で一気にスキルアップする。夫で大学教授の忠信さん(59)は「長い演説もノー原稿で数字がよどみなく出てくる。本当に妻なのか、と驚いた」と振り返る。
 終盤はしたたかさが加わった。市議主催の個人演説会で「以前から先生に図書館を造って、と言われている。時間はかかりますが忘れていません」とアピールした。
 「市民党」を掲げたが、支援の軸は労組を含めた分厚い役所組織。「市役所一家」と称される強力な結束だ。
 奥山さんは「一家の秘蔵っ子」とされる。集会には現職局長、労組幹部らが駆けつけた。
 その反動か、厳しい見方もある。応援した政党関係者でさえ「市役所の丸抱えで誕生した市長。市役所一家を優先する『ロボトップ』になりはしないか。改革手腕は未知数だ」と指摘する。
 日焼けした顔で当選を喜んだ奥山さん。「選挙戦は学校だった。市内をくまなく回り、市役所にいては気付かない地域課題を教わった」と謙虚な市政運営を誓った。
 梅原市政の継承を掲げ、奥山さんと鋭く対立したもう1人の前副市長岩崎恵美子さん(65)。青葉区国分町の事務所で「わたしには市役所の古い体制を変える力がなかった」と敗戦の弁を語った。
 奥山さんと名前が同じで、「恵美子対決」と話題を呼んだが、「オール市役所」の巨艦の前についえた。
河北新報 2009年07月27日



当選の奥山氏が抱負「若年・女性を応援」
 朝日新聞 2009年07月28日

 仙台市長選に初当選した前副市長の奥山恵美子氏(58)は27日、仙台市青葉区の事務所で報道陣の取材に応じ、一夜明けての心境や、今後の抱負などを語った。行財政改革への決意を強調したほか、働く女性を支援するための政策などを重点課題として掲げた。また梅原克彦市長(55)が導入した「政策調整局」の見直しを示唆するなど、現市政からの改革にも言及した。
 選挙期間中と同じく、早朝に目覚めたという奥山氏。16万余りの得票数に「ずっしりと肩が重くなるような緊張感を覚える」と言いつつ、終始笑顔で取材に応じた。
 政令指定市初の女性市長となったことについて「私自身、女性の参画する分野を増やすための仕事をしてきた。このメリットを生かし、政令指定市長会の中でも仙台市の発言力が増すよう努めていきたい」と意欲を語った。
 重要施策として保育と介護を挙げ、「働く若い世代を応援することが私の願い。介護のために仕事を辞める女性も多く、どう社会的に支えていけるかを、街づくりの軸にしたい」と語り、女性の視点を意識した政策に力を注ぐ考えを示した。
 得票数について「14万票を目標と考えたこともあった」と、前回に梅原市長が獲得した票数(14万1005票)を意識していたと明かし、「現在の市政に、自分なりの意思表示をしたいという人が数の多さとして出てきた」と、梅原市政への批判票を取り込んだと分析した。
 政策面でも、梅原市長が官房機関として立ち上げた「政策調整局」を「(他の局との)二重化が指摘されており、どう整理するかがポイント」として、場合によっては廃止する考えを示した。
 一方、市役所OBや市議、市職員労働組合から手厚い支援を受けたことで「『しがらみ』にとらわれるのでは」と行財政改革を不安視する声があることについては「市議の先生も政策については是々非々でとおっしゃっている。私が手綱を緩めれば市議会も黙っていない」「市が破産して職員だけ残ることはあり得ない。(市職労が人件費削減に)反対であれば理由を聞き、その上でこちらの考えをお話ししたい」などと述べ、改革を貫く意志を見せた。
 市長のアイデアが問われる経済施策では、公共事業の発注などによる緊急対策のほか、「中長期的には仙台の特色を出すための努力が必要。企業の体質改善や経営向上に力を入れたい」と語った。
 また、「仙台のポテンシャルは頭脳であり人材だ」との認識を示し、「生涯学習都市としての力を観光に結びつけたい。若い人が常に入ってくることも大きな活力になっている。学生人口7万5千人などの数字をキープできれば、大学の先生など頭脳集団もこの街で活躍できると思う」と、「学都」としての街づくりにも意欲を見せた。

■当選証書受け取る■

 仙台市選挙管理委員会は27日、仙台市長選で当選した奥山恵美子氏に当選証書を付与した。
 村上隆志・市選管委員長は「多くの支持を得られてのかじ取りとなる。奥山さんに市民の将来がかかっているといっても過言ではない」と激励。奥山氏は報道陣の取材に「身が引き締まる思い。声をかけやすく、謙虚に声を聞ける政治家でありたい」と決意を語った。
 来月22日の就任までは、仙台の今後10年の総合計画をつくる準備などを進めたいという。「証書は家に飾りますか」と問われると「汚れるといけないので、しまっておきたい」と笑いを誘った。

■村井知事もエール■
 村井嘉浩知事は27日、記者会見で、仙台市長選で当選した奥山恵美子氏に対し、「理論的で政令指定都市の市長にふさわしい人。子育て、福祉、教育に果敢に取り組んでいただきたい」とエールを送った。また、8月30日投開票の次期衆院選では自民、公明の与党を支持する考えを改めて表明した。
 奥山氏が、選挙戦で「(現市長の)梅原市政からの転換」を訴えたことには「市民すべてが梅原市政を否定したわけではない。その上に奥山カラーを出し、磨きをかけていただきたい」と述べた。開票があった26日夜は、当選が確実となる直前に奥山氏に電話し、「協調する必要がある部分について、ぜひ前向きにご協力をお願いします」などと話したという。
 村井知事は衆院選についても言及し、「行政の継続性という意味で、無理して自公政権を変える必要を強く感じない」「ここで大きくかじを切ることが得策なのか。日本丸が転覆する可能性もある」などと述べた。25日に仙台市を訪れた麻生首相と政経セミナーで同席した際、「大変厳しい選挙になるのでぜひ村井知事も自民党、公明党のためにがんばってほしい」と要請されたことも明かした。
朝日新聞 2009年07月28日



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