みどりの一期一会

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情報公開法:見直し案の課題 「裁判官の直接審理」警察庁などが異議

2010-09-13 06:00:00 | ほん/新聞/ニュース
京都のホテルに泊まっています。
パソコンを持ってこなかったので、さくじつの記事の関連を予約投稿。

村木さんの無罪判決の元になった事件について、検察という組織の暴走を検証するには、
なにが起きたのかを知るために、徹底的な情報公開が必要だと思う。

おりしも、「情報公開法改正」に向けての見直しが進んでいるけれど、
ここでも、抵抗勢力は、都合の悪い事実を知られたくない、「警察」などの組織のようだ。

 情報公開法:見直し案の課題 「裁判官の直接審理」警察庁などが異議 

 政府の「行政透明化検討チーム」(座長・蓮舫行政刷新担当相)が先月下旬、情報公開法の改正に向けた見直し案をまとめた。政府は同法改正案を来年の通常国会へ提出することを目指す。見直し案は「知る権利」を明記し、裁判所が関係文書を直接見て判断できる新しい「インカメラ審理」の導入を打ち出すなど大きく前進した。ただ一方で、当初案と比べて後退した規定も少なくない。今後の法制化作業に当たっての課題を検証する。【臺宏士、内藤陽】

 ●後退した閣僚原案
 「行政透明化検討チーム」が今回示した改正案が打ち出した中で画期的だと注目されているのは、「インカメラ審理」の導入。行政機関の不開示や部分開示の是非が裁判で争われた際、裁判官が対象文書を直接閲覧して判断できる仕組みで、これまで裁判官は文書に関する国側の説明を基に判断を迫られていた。情報公開制度に詳しい堀部政男・一橋大名誉教授(情報法)はこう評価する。「導入を歓迎したい。情報公開訴訟では裁判官が文書を直接見ていないで判断しているためか、『どうしてこういう結論になるのか』と首をかしげたくなる判決もあった。開示請求者側も見ないで判断することへの不満もある。今後、関係文書を見られるようになれば裁判官もより適切な判断を下せるようになるし、判決への信頼感も増すのではないか」
 情報公開法は、国に行政文書の開示義務を課す一方、いくつかの例外事項を定めている。代表的なのは▽国の安全が害される▽他国もしくは国際機関との信頼関係が損なわれる▽国際機関との交渉上不利益を被る▽犯罪の予防、鎮圧または捜査その他公共の安全と秩序の維持に支障を及ぼす--などの「おそれがあると行政機関の長が認めることにつき相当の理由がある」(同法5条3号、4号)場合だ。ただこれでは、国側が「相当の理由」があると判断しさえすれば不開示にしてもよいことになり、行政機関の裁量を必要以上に広く認める乱用懸念があった。
 このため枝野幸男前担当相が今年4月に示した当初案では、行政機関の関与部分を削除していた。裁判官自身が文書を見て、「おそれがあるかどうか」を判断できる道を開いたわけで、行政透明化検討チームメンバーの三木由希子氏は「インカメラ審理と条文の部分削除はセットで機能する」と評価していた。
 ところが、これに異議を唱えたのが関係する防衛、外務、警察の3省庁。7月のヒアリングで「犯罪組織の実態等に関する知識、経験を踏まえて判断しなければならない」(警察庁)、「政策的な判断を要する。非常に不安だ」(防衛省)などと主張。結局、先月24日の最終案(蓮舫案)では当初案(枝野案)に加え、行政機関の関与を残し「『相当の理由』を厳格化し『十分な理由』に改める」との文言を加えた案の計2案が併記される形となった。「十分な」との表現で行政の裁量権をより狭めようとしたわけだが、裁判官が直接判断できる条文とはなっていないことはこれまでと同じで、「骨抜き」懸念が指摘されている。
 一方、インカメラ審理の導入に対する懸念として出されたのが裁判所の情報保全体制だ。「裁判官の守秘義務を講じる必要がある」(外務省)と慎重論を唱えた。これに対して、最高裁は「1887(明治20)年の勅令で、裁判官も職務上の秘密を守らなければならない、と考えている」と説明した。
 官庁内から機密文書の提出を受けるということでは、情報公開・個人情報保護審査会が行っている現行のインカメラ審理でも同様だ。各委員には審査会設置法で守秘義務が定められている。事務局によると、過去に情報漏えいが問題となったケースはないという。

 ●「放置対策」進まず
 一方、開示の期限が明記されていないことで、各省庁の「放置」が問題となっていた。
 情報公開法は請求のあった日から30日以内の開示を定めているが、「事務処理上困難な場合」は30日の延長を認め(10条2項)、さらに11条の「期限の特例」で「文書が著しく大量」な場合に、請求から60日以内に一部を開示して、残りを「相当の期間内」(最終期限は各省庁の判断)に開示すればよいとしている。こうした規定は長期の「放置」を招き、08年度の総務省の調査では、例えば外務省では11条を適用して決定期限を先送りしながらその期日を守れなかった悪質なケースが230件(09年度はなし)あった。
 このため、枝野案では「60日以内」と延長期限を明示した。しかし、同検討チームは「乱用的に援用される傾向があることは共通の問題意識」としながらも、蓮舫案では「請求者が適正な判断をしてほしい場合もある」などとし、「一律に法定化することは適当ではない」と設けなかった。ただ、一定の期限を過ぎたら不開示決定があったとみなす規定は盛り込むことにした。
 また、不開示決定に不満があった場合、請求者は各省庁に不服を申し立て情報公開・個人情報保護審査会に諮問することができるが、今回、諮問までの期限の明記も見送られた。
 総務省の調べでは、09年度に不服申し立てを受けてから審査会に諮問するまでに要した期間が90日を超えたケースは全体の24・7%を占め前年度より4・5ポイント減少したが、30日超90日以内では62・7%で、前年より8・3ポイント増加している。枝野案は14日以内の諮問を提案したが、蓮舫案では「一定の期限」として明示しなかった。ただ、法制化作業の中で情報公開に関する連絡会議が05年に申し合わせた「90日以内」を軸に検討していくという。

 ●不十分な審査会
 不服が申し立てられたケースで、決定が妥当かどうかを検討する情報公開・個人情報保護審査会についても、踏み込んだ見直しは行われなかった。
 「不服申立人が口頭で意見を陳述できる機会は激減している。しかも、行政が審査会にした説明内容も申立人に伝えられてないのでは公平な審査ではない」。同検討チームメンバーの中島昭夫・桜美林大講師はそう疑問を投げかけた。
 審査会事務局によると、不服申立人が反論する口頭意見陳述の聴取件数は、情報公開法施行(01年度)の翌02年度の112件をピークに激減し、09年度はわずか2件だった。検討チームは7月に審査会事務局への意見聴取を行った。その際、事務局は「口頭意見陳述の要否については、各部会が判断している」と従来の説明を繰り返した。中島氏の「審査会は個人情報保護法の諮問機関でもあり、人手が足りないのではないか」との質問にも、「人手が足りなくて省いているわけではない」と述べた。
 中島氏は取材に対し「行政側がどう説明したのか知ることや、反論・弁明の機会を十分に保障して審理を尽くすことが大事だ。『知る権利』を明記するのであれば、そうした制度設計にすべきではないか」と話している。

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◆情報公開法見直し案骨子◆

・「説明責任」に加え、「国民の知る権利」の保障を明示
・懇談会などで発言した出席者の氏名は民間人も含め開示する
・2度目の不開示決定をする際、各省庁は首相の同意を得なければならない
・開示決定の期限は、請求のあった日から「30日」を「14日」以内に短縮
・商業目的を除き開示請求の手数料を廃止。また、複写費など実施手数料の引き下げ
・法定期間内に開示決定などがない場合は「不開示決定」をしたものとみなす規定を新設
・非公開の場で対象文書を見て、裁判官が開示の可否を判断する「インカメラ審理」の導入
毎日新聞 2010年9月6日 



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今回の事件では、大阪地検が「取り調べメモ」を廃棄しているという。
「メモは公文書」との最高裁判断を無視して、きっと、都合の悪い情報を捨てたのだろう。

  大阪地検が取り調べメモ廃棄 最高検通知に違反
2010.9.8 朝日新聞 

 郵便割引制度を悪用した偽の証明書発行事件で、関係者の取り調べの際につけたメモ(備忘録)を廃棄していた大阪地検特捜部の複数の検事の対応が、最高検の通知に反するものだったことがわかった。地検の内部調査の結果、刑事部などもほぼすべてを廃棄していたことが判明。地検は6月、公判で捜査段階の供述調書の信用性などが争いになると予想される場合は、メモを通知に従って適切に保管するよう各部に指示した。
 複数の検察幹部が朝日新聞の取材に対し、最高検の通知と大阪地検での取り調べメモの取り扱いについて認めた。
 取り調べメモについては、最高裁が2007年12月、警察官の備忘録について「個人的メモの域を超えた公文書」として証拠開示の対象になるとの初判断を示した。
 これを受けて最高検は08年7月と10月、検事や副検事が容疑者の発言や質問事項などを記すメモの取り扱いについて各地検に通知。取り調べ状況が将来争いになる可能性があると捜査担当検事が判断した場合、(1)メモを公判担当検事に引き継ぐ(2)公判担当検事はメモを一定期間保管する――ことを刑事部長名で求めた。
 ところが、今年1月に始まった厚生労働省元局長の村木厚子被告(54)=10日に判決公判、無罪主張=の公判で、昨年2月以降の特捜部による捜査で村木元局長の事件への関与を認めたとされる元部下らの取り調べメモがないことが発覚。3~4月に証人として出廷した特捜部の6人の検事と副検事が「必要なことは調書にしたので、メモは破棄した」と説明した。
 村木元局長の事件への関与をめぐっては、元部下らが元局長の公判などで捜査段階の説明を翻し、「調書はでっち上げ」などと証言。特捜部の調書が元部下の意思通り作成されたかどうかが焦点となっていた。

 地裁は5月、検察側が証拠採用するよう求めた43通の調書のうち34通に関し「誘導で作られた」などとして採用しないと決定。裁判長は特捜部の検事がメモを廃棄したことにも言及し、「メモは有罪立証の有用な資料となりえる」との見解を示して捜査に疑問を投げかけた。
 この指摘を受け、地検が容疑者らの取り調べを担当する刑事部や公安部などの対応も調べたところ、メモのほぼすべてが廃棄されていたことが判明。廃棄の詳しい理由については調べなかったという。
 郵便不正事件の捜査に携わった検察幹部は「取り調べメモが公判で必要かどうか、部内で検討されたことはなかった」と話している。(板橋洋佳、野上英文)



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9月12日(日)のつぶやき

2010-09-13 02:09:30 | 花/美しいもの
09:22 from goo
検証:検察の暴走/障害者郵便割引不正 村木元局長無罪 #goo_midorinet002 http://blog.goo.ne.jp/midorinet002/e/65293a0071b9fe4e877d3d17453ca5a4
10:50 from モバツイ
今日も暑そうな1日。これから京都のシンポに行きます。ついでに一泊の京都旅行。
23:46 from モバツイ
京都のホテルにチェックイン。シンポとてもおもしろかったです。懇親会でも二次会でも素敵な人との出会いがありました。
by midorinet002 on Twitter
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