みどりの一期一会

当事者の経験と情報を伝えあい、あらたなコミュニケーションツールとしての可能性を模索したい。

【緊急速報】福島第一原発3号機爆発、2号機で燃料棒が完全露出!/チェルノブイリの教訓を生かせ

2011-03-14 20:26:46 | 地震・原発・災害
昨日と今日、福島第一原発の1号機と3号機で水素爆発がありましたが、
福島第一原発2号機についても深刻なトラブルが発生していました。

昨日までは、2号機は燃料棒が水で満たされていていちばん安心、
と繰り返し報道されていたのですが、さきほど、
約4メートルの燃料棒のほとんどが露出している、と緊急の発表がありました。
NHKでも、「燃料棒が溶け出せば、炉心溶融の恐れがある」とのコメント。

最新の報道では、午後8時14分、東京電力の発表として、
「格納容器内の圧力が、設計上の限界に近づいている」とのこと。

2号機は、とても怖い最悪の状況に陥っています。
突発的に起きたことなのか、こういうシナリオが予測されていたのか、
何を信じてよいか分かりません。

いまは、炉心溶融により燃料が臨界に達して圧力容器が溶けたり、
破損して水蒸気爆発したりしないように、祈るばかりです。

21:40追加
東電 燃料棒破損の可能性ある

東京電力は、14日夜、記者会見し、福島第一原子力発電所2号機で、一時、原子炉内の水位が下がって燃料棒がすべて露出し、一部が破損した可能性があることを明らかにしました。
それによりますと、2号機では、14日昼ごろから原子炉の水位が低下し始め、原子炉を冷やす機能が低下したとしています。そして、午後5時17分ごろには、原子炉の水位が燃料棒の上の先端部分まで下がったあと、水位が測定できない状態になったということです。このため、東京電力はポンプで海水を注入しましたが、一時、ポンプが燃料切れで動かなくなったということです。東京電力は「この間に原子炉内で燃料棒の全体が、一時、露出していた可能性がある」としたうえで、「周辺で放射線が検出されているので燃料棒が破損している可能性がある」としています。東京電力は、午後8時ごろには原子炉内への海水の注入が再開されたとしていますが、記者会見の時点で、「実際に水位が上がるところまでは至っていない」としています。
3月14日 21時32分 NHK
------------------------------------------------------------------------
福島原発燃料露出、海外でも速報 「炉心溶融も」とBBC

【ロンドン共同】英BBC放送は14日、東京電力福島第1原発2号機で全ての燃料が水面から露出したと、共同通信を引用して速報した。ロイター通信は「冷却水がほぼ空の状態に」と、続いてAP通信も同様に、至急伝で伝えた。
 BBCは燃料の一部が溶ける「炉心溶融」の可能性も指摘、重大な関心を示した。APは、原子炉の核燃料が大量に溶け、住民らへの放射能被害を引き起こす可能性のある「メルトダウン」につながる恐れがあると報じた。
 英テレビはこの日、東日本大震災の被災地での救援活動や福島第1原発3号機で起きた水素爆発の映像を繰り返して放映した。
2011/03/14 21:25 共同通信


 福島第一原発2号機、燃料棒が完全に露出

 被災した福島第一原発1~3号機のうち、2号機は当初、最も被害が浅いとみられていた。
 2号機の原子炉内の水位は、核燃料棒(約4メートル)の上端から3・5メートル以上の高さを保ち続け、経済産業省原子力安全・保安院では「100度以下、大気圧程度の安定した状態に至るのも、時間の問題」と楽観視していた。
 しかし、炉内に真水を供給していた非常用の系統が14日午後1時15分頃、突然停止し、事態が一変。水位は急激に下がり、同日夜には燃料棒が完全に露出した状態になったという。
 露出が続くと、1、3号機と同様に水素が発生し、爆発する恐れがある。
 東電は1、3号機の教訓から、2号機原子炉建屋の壁面に水素抜き用の穴を開ける検討を始めた。迅速で的確に対処することが重要だ。
(2011年3月14日20時02分 読売新聞) 
-----------------------------------------------------------------------
福島第一2号機、燃料棒が露出…漏出の恐れ

東京電力は14日夜、福島第一原子力発電所2号機でほぼ完全に冷却水が失われ、約4メートルの核燃料が完全に露出して冷却できない状態になり、地元福島県に緊急事態として通報したと発表した。
 発表によると、同日午後1時38分、冷却水を循環させるポンプが止まった。水位が下がり始め、午後5時17分には燃料の露出が始まった。急いで午後6時24分から海水の注入作業を開始したが、水位が下げ止まらず、午後7時45分、燃料全体が完全に露出したという。1、3号機でもなかった深刻な事態で、大量の燃料が高温で溶融し、漏れ出す恐れがある。
(2011年3月14日20時02分 読売新聞) 


東日本大震災:2号機炉心「空だき」 燃料棒完全に露出
 
東日本大震災で、東京電力福島第1原発3号機で14日午前11時ごろ、1号機と同様の水素爆発が発生し、原子炉建屋(たてや)が吹き飛んだ。政府は「燃料棒のある圧力容器と格納容器は健全」としている。一方、2号機では冷却機能が喪失し、燃料棒が完全に露出し、空だきになっている。東電は原子力災害対策特措法に基づいて国に原子力緊急事態宣言を求めた。
毎日新聞 2011年3月14日 20時09分(最終更新 3月14日 20時17分)


福島第1原発2号機の核燃料露出 炉心溶融の危機

 東京電力によると、福島第1原発2号機で14日夜、原子炉の水位が急速に低下し、燃料が水面から完全に露出、空だき状態になった。燃料が溶ける「炉心溶融」の危機的状況を迎えた。
 原子炉に残った熱を冷やす機能が喪失し、東電は14日午後、原子力災害対策特別措置法に基づき国に「緊急事態」を通報。東電によると、正午には水位が燃料から約3・4メートル上にあったが、午後3時には約1・2メートル上となった。それまで機能していた炉心に水を注ぐ装置が停止し、冷却機能がなくなったと判断した。
 東電は午後4時34分、原子炉への海水の注入作業を開始したが水位は上がらず、同5時の時点で、燃料が約80センチ露出した。用意した5台のポンプのうち4台が不調で、1台しか動いていないという。
 冷却装置は、同日午前11時ごろ、隣にある同原発3号機で起きた水素爆発の衝撃で故障した可能性があるという。
 東電は原子炉格納容器の圧力を下げるため、蒸気を外部へ放出することも検討している。
 1、3号機では、冷却機能を失った後に燃料の一部が溶け、発生した水素が爆発し、原子炉建屋の上部が損壊した。
2011/03/14 20:21 【共同通信】


応援クリック人気ブログランキングへ してね 
本文中の写真をクリックすると拡大します。

福島第一3号機、燃料損傷の可能性 

 経済産業省原子力安全・保安院は14日午前11時すぎ、東京電力福島第一原子力発電所3号機で水素爆発が起きたと発表した。
 爆発音とともに大量の煙が立ち上り、建屋の上部が吹き飛んだ。東電社員、海水注入を手伝っていた陸上自衛隊員ら計11人がけがをし、うち6人が被曝し、1人は入院した。隣接する同原発2号機も同日午後5時過ぎ、冷却機能を喪失して原子炉の水位が低下し、燃料棒が露出、1、3号機に続き水素爆発する懸念が高まっている。
 3号機は、爆発後、原子炉と格納容器は機能しているが、1号機同様に、炉心が溶けだす炉心溶融の初期段階である燃料損傷が広がっている可能性は高い。保安院は、半径20キロ圏内にとどまっていた約600人に緊急措置として屋内待機を指示した。同日午後、圏外への避難が始まった。被曝者の有無は不明。
 保安院によると、3号機は、原子炉内の燃料棒の露出が続き、建屋上部に充満した水素ガスの爆発の危険性が高まっていた。東電は、海水を注入して、爆発回避に努めたが、同日午前1時過ぎ、施設内の貯留槽の海水が枯渇したため一時中断。これによって水位が低下し、露出した炉心に触れた水蒸気から大量に水素が発生し、爆発につながったと見られる。
 爆発後も炉内へ海水を注入しているが、燃料棒は依然2・2メートル(同日午後5時現在)露出している。燃料棒の損傷が進んでいると見られるが、ウラン燃料の損傷を示す「セシウム137」などの放射性物質は観測されていない。
 爆発後の発電所正門付近の放射線量は午後1時55分の時点で、1時間あたり約15マイクロ・シーベルトと急激な上昇は見られない。
 一方、2号機は、これまで安定していた炉内の圧力が急激に上昇し、冷却水を循環させるポンプの機能が低下、水位が減少した。同日午後5時過ぎには、炉心の燃料棒が露出した。東電では格納容器内の放射性物質が混じる蒸気の大気への放出と、海水注入を準備。建屋上部に水素がたまって、爆発するのを防ぐため、事前に建屋の壁に穴を開けるなどの予防策を検討している。
(2011年3月14日19時56分 読売新聞) 


DOL特別レポート【第137回】福島原発震災――チェルノブイリの教訓を生かせ 
2011年3月14日 ダイヤモンドオンライン

 3月13日午後8時の時点で、東京電力福島第1原子力発電所1、2、3号機、第2原子力発電所1、2、4号機と、計6基の原子炉の冷却装置が震災の影響で作動せず、「緊急事態」にいたっている。
 12日には第1原発1号機の建屋が水素爆発で吹き飛び、放射性物質が外部へ飛散し、住民が被曝しているが人数などはまだ確定していない。このような事象を「原発震災」という(注①)
 東京電力の沸騰水型原子炉の場合、3つの防護壁が用意されている。原子炉圧力容器、格納容器、そして建屋だ。1号機の建屋はこなごなに吹き飛んだが、厚さ1.5-2mもある頑丈な構造物だから、爆発の映像は衝撃的だった。
 枝野官房長官の記者会見によれば、格納容器は損傷していないということだから、膨大な放射性物質が大気へ出たわけではない。しかし、膨大ではないが大量の放射性物質が出たことは間違いない。
 現に2キロ圏内で避難の遅れていた病院と特別養護老人ホームにいた人、3キロ離れていた場所を移動中の避難住民、計190人が被爆した可能性があり、22人の被曝を確認している。被曝者はこれからもっと増えることになるだろう。除染など万全の処置が必要である。
 なお、現在、第1原発の1、2、3号機がすべて格納容器内の圧力を下げるため、断続的に放射性物質を含む気体を大気へ逃がしているため、放射性物質は爆発事故の前から現在にいたるまで、大気へ出ているのである。
 政府が広い地域で周辺住民を避難させているのはそのためだ。なお、この3号機はプルサーマルの燃料を使用しているので、プルトニウム混合化合物が燃料棒に乗っていることを忘れてはならない。
 では、どのくらいの量が大気に飛散しているのだろうか。飛散した放射性物質の量についての発表はない。放射線量の計測結果だけである。また、どのような物質が出ているのか。ヨウ素とセシウムを検出したとだけ一度発表されている。
 現在進行形の福島原発震災を考える際、参考にすべきは25年前のチェルノブイリ原発事故(1986年)である。32年前のスリーマイル島原発事故(1979年)に類似しているという説もあるが、建屋が吹き飛ぶ爆発を起こしたのはチェルノブイリだけである。・・・・・
・・・・・・・・・・・(以下略)・・・・・・・・・・・・


最後まで読んでくださってありがとう
人気ブログランキングへ  クリックを

 記事は毎日アップしています。
明日もまた見に来てね
  

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【緊急速報】福島第1原発3号機、爆発!水素爆発か?/明日の「上野千鶴子さん最終講義」は中止決定

2011-03-14 11:49:51 | 地震・原発・災害
福島第1原発3号機で11時1分に、2度の爆発がありました。

テレビの画像を見るかぎり、右側部分に炎があがって、黒い煙がかなり高く上がっています。
1号機は低い白煙だったのですが、比べるとかなり大きな爆発です。

   日テレ
   

   

   
   NHK
   

いま、原子力安全保安院が記者会見中です。

くわしいことが分かったら、記事に追加します。

   

応援クリック人気ブログランキングへ してね 
本文中の写真をクリックすると拡大します。

ところで、
「明日の上野千鶴子先生最終講義は、中止が決定いたしました。
今後のことについては、改めてご連絡差し上げます。」
という連絡が、上野研究室から届いています。

12:55追伸
 福島第1原発、3号機も爆発=9人負傷、原子炉は健全-半径20キロに屋内退避要請
2011/03/14 時事通信

 東日本大震災で被災した東京電力福島第1原発3号機(福島県大熊町)で14日午前11時1分、白煙が上がり、爆発が起きた。経済産業省原子力安全・保安院は水素爆発と確認。注水は継続されており、原子炉格納容器が爆発した可能性は低いという。
 枝野幸男官房長官は同日午前の会見で「放射性物質が大量に出ている可能性は低い」と述べた。
 東電によると、爆発で6人が負傷。うち3人は打撲を負った。
 東電は同11時15分現在、3号機の原子炉格納容器と圧力容器の健全性を確認。同37分の時点で、敷地正門付近で測定された放射線量は1時間当たり50マイクロシーベルトだった。
 保安院は同原発の半径20キロの住民に屋内退避を要請。風向きは南から北で、20キロ圏内には約600人が残っているとみられる。また3号機の南側6キロが立ち入り禁止になったが、すでに住民は退避したという。
 東電は同日午前、3号機に海水を注入し、冷却作業をしていた。爆発後、中央制御室にいる13~15人の作業員を除き、避難を進めている。
 同原発では12日午後、1号機の建屋が水素爆発を起こして損傷。原子炉格納容器と圧力容器に大きな損傷はみられなかった。敷地周辺では、13日午後、一時1557.5マイクロシーベルトを記録した。
(2011/03/14-12:43)時事通信 


最後まで読んでくださってありがとう
人気ブログランキングへ クリックを

 記事は毎日アップしています。
明日もまた見に来てね
  

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

新聞各紙の社説:福島第一原発「炉心溶融 的確な情報を速やかに」/3号機も炉心一部溶融

2011-03-14 08:00:29 | 地震・原発・災害
昨夜遅くまでテレビを見ていて、
名古屋市議選の結果と、福島第1原発の会見を見てから寝ました。
名古屋市議選は、おおかたの予想通り、河村市長が代表の
「減税日本」が第一党になりました。
福島第1原発3号機は、依然として、爆発の危険があるようです。

わたしは、チェルノブイリ原発でじっさいに消火作業にあたった、
現地ジトーミルの消防士さんたちを知っているので、
現場で必死に作業されている方たちが、放射能汚染をされていないかと心配です。

もちろん、さらに原子炉まで破損されるような爆発があれば
周辺はプルトニウムを含む放射能で汚染され取り返しがつかないことになるで、
なんとか無事このまま停止して欲しいと、いのるような気持ちです。

事故から10年目に訪れたチェルノブイリ現地の様子と、
昨日の各紙の報道、社説等を紹介します。

ノーモアチェルノブイリ!/原発事故から20年目に想うこと
(2006-04-26 みどりの一期一会)


 福島第1原発3号も炉心一部溶融 水素発生、爆発の恐れ

 東京電力は13日、福島第1原発3号機の原子炉の冷却機能が失われたとして、法に基づく「緊急事態」を国などに通報した。一時的に水位が低下して燃料が露出したとみられ、経済産業省の西山英彦大臣官房審議官は「燃料棒損傷は免れていない」と述べ、部分的に炉心が溶融しているとの見方を示した。
 東京電力の清水正孝社長は同日夜、記者会見し「放射性物質の漏えいにより、広く社会に大変なご心配とご迷惑をお掛けし、心よりおわび申し上げます」と謝罪した。
 3号機は燃料の露出により水素が発生し、原子力建屋の上部にたまった恐れがあり、1号機と同様の爆発の可能性が出てきた。枝野幸男官房長官は「(炉心全体が溶け落ちる)メルトダウンの状況にはない。万一爆発しても、周辺の皆さんに影響を及ぼす状況は生じない」と強調した。
 東電は原子炉の蒸気を外部に放出して圧力を下げ、真水、さらに海水を順次注入したが、水位計が示す水位の上昇が止まったため原因を調べている。海水が入った原子炉を再び動かすのは困難で、3号機は廃炉となる可能性が高まった。
 同原発周辺では13日午前に放射線量が基準値の毎時500マイクロシーベルトを超えて上昇。午後2時前にはこれまでで最も高い1557・5マイクロシーベルトを検知したが、その後低下した。これは、40分ほど滞在すると一般人の年間被ばく線量限度を超える数値。
 東北電力によると、宮城県の女川原発の敷地で21マイクロシーベルトを検出した。南に約120キロ離れた福島の原発から放出された放射性物質の影響とみている。
 福島県は、福島第1原発の3キロ圏内から避難した19人の被ばくを新たに確認、12日の3人と合わせ22人になったと発表した。総務省消防庁によると、同原発の半径10キロ圏内で入院患者ら15人と救急車が放射性物質で汚染された。ただ、枝野官房長官は「健康に害を及ぼす被ばくが生じている可能性は低い」と述べた。
 経済産業省原子力安全・保安院によると、福島第1の3号機では自動停止の後、給水装置で炉心を冷却していたが13日朝、給水が自動停止。海水に切り替えて給水を再開したものの、一時ポンプが不安定になるなどして燃料の上部が最大で3メートル弱、水面上に露出した。
 3号機ではプルトニウム・ウラン混合酸化物(MOX)燃料によるプルサーマル発電を実施中。東電は「通常燃料と異なる現象は確認されていない」としている。
2011/03/13 21:26 【共同通信】   


地震で自動停止の原発、安定停止は3基のみ 

 東日本巨大地震では、東京電力福島第一原発1~3号機、同第二原発の全4基、東北電力女川原発の全3基、日本原子力発電東海第二原発の計11基が、強い揺れにより自動停止した。
 経済産業省原子力安全・保安院や各電力会社によると、11基のうち、原子炉内の温度が100度以下で、圧力も大気圧に近い状態で安定した「冷温停止」に至っているのは、福島第二3号機と女川1、3号機の3基だけだ。
 原子炉を停止する場合は、炉内の核分裂反応を抑制する「制御棒」を挿入する。しかし、反応を止めても核燃料は高い余熱を持っているため、安全で安定した状態にするには、さらに冷却を続ける必要がある。
 保安院によると、地震による停電で外部からの電力供給が失われたことや、冷却水をさらに冷やす海水を取り込み、動かすポンプが津波で被害を受けたことなどから、福島第一原発2号機や、同第二原発1、2、4号機などでは、冷温停止までに時間がかかっているという。同3号機は12日正午過ぎ、冷温停止が確認された。
 13日に記者会見した保安院の根井寿規審議官は、自動停止した原発の多くでは炉心の冷却機能が保持されていると説明。「とりあえず給水を継続すれば大丈夫だと認識している」と述べた。
 また、炉心冷却機能を失った福島第一3号機では、通常の原発で使うウラン燃料とは異なり、毒性の強いプルトニウムを混ぜた核燃料を入れていることについては、「冷却する方法に違いがあるわけではない。特別な対応は念頭に置いていない」とした。
 3号機では13日朝から、冷却を促進するホウ酸水を炉内に注入する作業が行われている。1号機では緊急措置として海水も注入したが、今回は原子炉のダメージを抑えて再使用を容易にするため、ホウ酸水のみの注入を選択したとみられる。
(2011年3月13日18時55分 読売新聞) 


応援クリック人気ブログランキングへ してね 
本文中の写真をクリックすると拡大します。

 【社説】炉心溶融 的確な情報を速やかに 

 白煙を上げる福島第一原発。炉心溶融という。そんな事態に冷静でいられるはずがない。何が起きているのか、どんな対策を進めているのか。政府は的確な情報を速やかに、明確な言葉で示せ。
 原発周辺の住民は不安と恐怖を心の底に押し込めながら、日々を送っているはずだ。それは数値で測れるものではないし、想定できるものでもない。
 とりわけ「炉心溶融」という事態ほど避けたいものはないだろう。それが現実に起きてしまった。最悪の事態である。住民の安全と安心が何より優先されなければならないはずである。
 危険な放射性物質は本来、外へ出してはならないものだ。通常、ウラン燃料は厳重に封入されて、水の中に沈んでいる。そこが炉心である。炉心は、圧力容器に収められ、守られている。
 緊急時、原発でまずやるべきことは「止める」「冷やす」「閉じ込める」の三つだけ。
 核分裂を止めて高熱の発生を抑えたあとも、温度はすぐには下がらない。緊急時には水を注入し、炉心を冷やしてやらないと、高温で炉心が溶けて、放射性物質が漏れ出てしまう。空だき状態に陥ると、原子炉の大爆発すら起きかねない。その炉心溶融が起きてしまった。一九七九年の米スリーマイル島原発事故と酷似し、旧ソ連のチェルノブイリ原発爆発事故すら頭をよぎる事態が、この国で進行中なのだ。
 事態は悪くなっていた。原因不明の「爆発的事象」があり、負傷者が出た。離れた場所で強い放射性物質が検出された。避難指示の範囲はじわじわと広くなる-。
 このような時、住民、あるいは国民として求めるものは、気休めではなく信頼できる情報だ。そして、的確な安全対策の道筋と避難誘導だ。ところが、情報の一元化すらままならない。官邸、東電、福島県、そして経済産業省の原子力安全・保安院の四者が小出しにする情報が明らかに食い違う。わけのわからないまま「ニュースを聞け」「冷静になれ」といわれても、不安が増幅するだけだ。
 「迅速な情報発信」。二〇〇七年、柏崎刈羽原発の直下で起きた新潟県中越沖地震の貴重な教訓だ。夜に入ってようやく、官房長官の具体的な説明が始まった。官邸は、住民の安全と安心のため、情報開示を続けるべきだ。



社説:大震災と原発爆発―最悪に備えて国民を守れ 
2011年3月13日(日)付 朝日新聞

 東日本を襲った巨大地震による災害に、新たな危機が加わった。
 被災地にある東京電力の福島第一原子力発電所の1号機の原子炉を覆う建屋で、大きな爆発があった。コンクリートの外壁が吹き飛んだ。原子炉内では原子力燃料が高熱で溶ける炉心溶融の可能性も、伝えられている。
 原発の建屋が爆発すること自体が、あってはならないことである。炉心溶融も同様だ。
 今回、放射性物質が外部で検出されている。まず住民の健康を守ることを最優先に考えるべきである。

■住民の安全が第一だ
 風向きにもよるが、放射性物質に触れることがないよう、そして、不安にかられることがないよう、政府は何より正確な情報を、とどこおりなく伝えなくてはならない。
 政府は昨夜、住民に避難してもらう範囲を第一原発について半径10キロから20キロに拡大して避難を呼びかけた。
 原発近くで住民の被曝(ひばく)もわかった。できる限りの支援をして、住民を安全な地域に移すことが急がれる。
 懸命の対策にあたっている防護隊員や、消防などの皆さんの努力が、少しでも影響を小さくする結果に結びついてほしい。
 爆発は午後3時半ごろにあった。
 この爆発によって、原子炉を覆う格納容器が無事かどうかが重要だった。容器が破壊されると放射性物質が大量に外部に飛び散るからだ。
 枝野幸男官房長官が、夜の会見で格納容器が残っていると明らかにしたのは、爆発から5時間後だった。
 原発事故で何がおきたか確定するには時間がかかる。わかった時には、周辺住民の安全を確保する手立てが間に合わないかもしれない。
 苦しいことだが、事態が不明なときこそ、最悪を想定して住民の安全を確保することが政府の務めである。
 1号機には海水まで注入して冷却するが、福島原発全体の危険な状態にかわりない。今後、不明なことがおきたときは、住民や自治体が最善の行動をとれるように迅速な情報公開が求められる。

■全原発の点検を急げ
 炉心溶融が続けば、1979年の米スリーマイル島事故と同様に深刻な事態だ。このときは原子炉が空だき状態になって炉心の燃料が溶けたが、格納容器の中にとどまった。
 これより深刻な事故としては、運転中の原子炉が爆発して、大量の放射性物質をまき散らした1986年の旧ソ連のチェルノブイリ事故があった。
 福島原発の危機を招いたのは、地震で原子炉が停止したあと、非常時に原子炉を冷やす緊急炉心冷却システムが使えなくなったのが一因だ。
 想像もしなかったような大地震が起き、大津波に襲われることは、今回の大震災が示す通りだ。
 全国のほかの原子力発電所でも、巨大地震がおきたときに、確実にこの緊急システムが働くことを再点検しておかなければならない。
 原発危機だけではない。
 地震と津波に襲われた被災地では、想像を絶する被害が明らかになってきた。全容はまだつかめない。
 東北地方の太平洋岸の市街地が、ローラーで踏みつぶされたような惨状を見せている。がれきから火の手が上がり、鎮火のすべもなく燃え続ける。
 かろうじて残った建造物を見ると、2、3階部分まで水が迫ったことがわかる。湾奥部で10メートルほどにもなった津波は、数キロも入り込んだようだ。
 街は壊滅の様相だ。その中で建物の屋上などに逃げのびた人が大勢いる。

■救援を待つ人がいる
 被害に立ちすくまず、孤立する人たちを一人でも多く見つけ出し、一刻も早く助けに行かなければならない。
 避難場所の備蓄は十分ではない。電気も止まったままだ。高齢化が進む地域でもある。体の弱った人、病院に取り残された人が特に心配だ。
 当座をしのぐ水と食料、医薬品、毛布がまず必要だ。そして弱った人から優先的に、安全な地域の避難所や医療機関に搬送する。
 各地から自衛隊、警察、消防のヘリコプターや災害派遣医療チームが派遣された。懸命の救援作戦を続けるが、被災地の広がりに追いつかない。菅直人首相はきのう、自衛隊員を5万人以上にふやすことを決めた。
 世界各国が、救援隊の派遣を申し出てくれている。感謝にたえない。ありがたく力を貸してもらおう。
 私たちはこれまで体験したことのない規模の災害に向き合っている。その覚悟がいま、必要だ。
 今後しばらくはマグニチュード6~7級の余震が続くとみられている。長野県北部を震度6強の揺れが襲う地震もあった。巨大地震が、他の地震を誘発した可能性も指摘されている。
 津波の危険は去っていない。
 警報が出ている間は海岸や河口部には近づかない。海の近くで揺れを感じたら高台へ、3階以上の丈夫な建物へ逃げて身を守ろう。
 被災地で壊れた家を見に行く人の例も聞く。思いは分かるが、被害を広げかねない。危険は避けよう。
 これから長い非常時が続く。
 私たち自身の備えと、警戒と、そして救援とを、同時に進めねばならない試練の時である。
 


社説:東日本大震災 原発制御に全力尽くせ 
毎日新聞 2011年3月13日

 被害が明らかになるにつれ、そのすさまじさに圧倒される。被災者、行方不明者の数はいったい何人に上るのか。国が一丸となり、全力を挙げて、救助の手をさしのべたい。
 日本列島を襲った巨大地震の「想定外」は、津波などの1次的な被害にとどまらなかった。大地震でも健全性が保たれるはずだった原発で「炉心溶融」という重大トラブルが発生したとみられる。
 40年に及ぶ日本の原発史上、初の非常に深刻な事態である。
 東京電力福島第1原発1号機で原子炉容器内の水位が下がり、燃料棒の一部が露出、損傷したと考えられる。さらに、原子炉の周囲にある建屋が爆発的に破損した。放射性物質の漏えいもみられる。

 ◇正確な情報すみやかに
 政府は緊急事態宣言を発しており、住民は避難している。同2号機でも放射性物質漏えいの恐れがあり、避難指示が出されている。
 まずは、これ以上、事態を悪化させずに食い止めることに、国も電力会社も全力を注いでほしい。万が一、事態が悪化しそうな時には、すみやかに必要な手立てを講じ、住民のリスクを最小限にとどめなくてはならない。
 住民のパニックを避けるには、政府や自治体、事業者などが、正確な情報を、すみやかに提供し続ける必要がある。原子炉建屋の破損は、どこで何が起きたか公表されるまでに何時間もかかった。もう少し早められなかったのか、検証が必要だ。
 炉心溶融の背景には、緊急炉心冷却装置(ECCS)など、炉心を水で冷やすシステムがうまく動かなかったことがあるとみられる。停電に加え、非常用電源も働かなかったという。津波をかぶったことが一因の可能性がある。
 原発の安全は「(原子炉を)止める」「(炉心を)冷やす」「(放射性物質を)閉じ込める」の3原則で守られていると常々言われてきた。07年の新潟県中越沖地震でも、柏崎刈羽原発が想定外の揺れに見舞われたが、この3原則は維持されたと関係者は評価した。
 しかし、今回は「冷やす」が機能せず、「閉じ込める」にもほころびがみられる。地震に対する原発の備えを根本的に考え直すべき事態だ。国が進める原子力政策の根幹にもかかわる。
 今回の地震が想定外だったのは、個別に起きると考えられていた「宮城県沖」「福島県沖」などのプレート境界型地震が連動して起きたためと考えられる。こうした巨大地震の連動は、04年のスマトラ沖大地震でも起きた。
 「東海」「東南海」「南海」地震でも注目されている。今回とはプレートが異なるが、それぞれ、いつかは必ず起きると考えられている地震だ。東海地震の震源域には浜岡原発が建っている。このままでいいのか、改めて考えるべきではないか。
 時間の経過とともに、被災地の人的被害の甚大さも明らかになってきた。岩手、宮城、福島の沿岸部の街が津波の被害で水没するなど、場所によっては「壊滅的な状態」になり、死者や行方不明者が1600人以上に達した。
 仙台市では200~300人の遺体が見つかったという。まずは、建物の屋上などで救助を求めている人たちの救出に、政府や自治体は全力で取り組まねばならない。

 ◇生存者の救助を急げ
 今回の巨大地震は被害が広範囲にわたるのも特徴だ。通信が遮断され、被害実態がつかめない。車両が通行できない道路も多く、現場にたどり着くのも容易ではないようだ。
 自衛隊や警察などは、被災地でヘリコプターによる救援活動を始めた。消防庁も過去最大規模の緊急消防援助隊を全国各地から派遣した。
 ヘリでの救出が現時点で有効な手段の一つであるのは間違いない。これまでもさまざまな災害に立ち向かってきたプロの力を最大限に発揮してもらいたい。
 12日、被災地を視察した菅直人首相は、派遣する自衛隊員を5万人規模に増員する方針を決めた。決断は当然だが、時間との闘いもある。マンパワーをどこに投入するかが重要になる。地元自治体とも連携を密にして取り組んでほしい。
 米海軍の空母なども現地に派遣される。海上自衛隊と共同で捜索救援活動をする。海上側からも万全の態勢で活動してもらいたい。
 地震で多数の死者が出たばかりのニュージーランドやヨーロッパ各国、韓国など50カ国以上から支援や物資の提供の申し出が相次いでいる。未曽有の災害に対する国際社会の関心も高い。
 世界の善意をどう生かすか。その点にも留意してほしい。
 医療機関を受診する際、被災者の保険証を不要とするなどの政策も打ち出された。当たり前だが、このような非常時であり、官民限らずさまざまな場面で弾力的な運用が求められる。
 東京電力によると関東地方で電力不足の恐れが出ている。枝野幸男官房長官は同日夕、国民に向けて節電を呼びかけた。国民全体が力を合わせてこの災害を乗り越えたい。
毎日新聞 2011年3月13日 東京朝刊



最後まで読んでくださってありがとう
人気ブログランキングへ クリックを

 記事は毎日アップしています。
明日もまた見に来てね
  

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

3月13日(日)のつぶやき

2011-03-14 01:29:11 | 花/美しいもの
09:59 from Tweet Button
◎福島第1原発1号機爆発/3号機も冷却装置が停止 緊急事態報告/放射性物質から身を守るには・・・ #goo_midorinet002 http://t.co/V5hHyG9
10:04 from web
枝野さんの会見を横目に、友人と自衛策を電話で話して、ブログをアップし終わって、テレビを見ると・・・福島第一原発3号機の燃料棒が3メートルも露出しているとの報。これが事実なら、ショックです。
16:53 from Tweet Button
◎福島第一3号機建屋も爆発の恐れ…枝野長官/原発がどんなものか知ってほしい(全)平井憲夫 #goo_midorinet002 http://t.co/PpNqKgi
16:54 from web
RT @wansmt: I just read http://wan.or.jp/emergency/?p=83女性の視点からの災害対策情報がWANに出ています!
by midorinet002 on Twitter
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする