昨夜9時からのNHKスペシャルは、驚異的な脳の回復力で、
特殊なリハビリによって脳卒中のマヒから回復する番組。
見逃さないように、テレビの前に陣取っていました。
見逃した方は、9月13日(火)の深夜に再放送があります。
NHKスペシャル「脳がよみがえる~脳卒中・リハビリ革命~」
●再放送 2011年9月13日(火) 午前0時15分~1時04分 総合 (12日深夜)
再放送 脳がよみがえる~脳卒中・リハビリ革命~
初回放送 2011年9月4日(日)
もしもわたしが身近な人が脳卒中になることがあったら、ぜひこんなリハビリを受けたいと、
写真を撮るのも忘れてみていたのですが、番組の詳細情報を見つけました。
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番組のなかで、鹿児島大学の川平和美教授が講習していた療法は、
川平法(促通反復療法,Repetitive Facilitation Exercise)というらしくて、
週刊医学界新聞 (医学書院)で紹介されていました。
素人が習得するのは難しそうですが、ぜひ全国のリハビリの現場に広がってほしいです。
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特殊なリハビリによって脳卒中のマヒから回復する番組。
見逃さないように、テレビの前に陣取っていました。
見逃した方は、9月13日(火)の深夜に再放送があります。
NHKスペシャル「脳がよみがえる~脳卒中・リハビリ革命~」
●再放送 2011年9月13日(火) 午前0時15分~1時04分 総合 (12日深夜)
再放送 脳がよみがえる~脳卒中・リハビリ革命~
初回放送 2011年9月4日(日)
もしもわたしが身近な人が脳卒中になることがあったら、ぜひこんなリハビリを受けたいと、
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NHKスペシャル【脳卒中リハビリ革命マヒの指BMI治療促通効果鹿児島大学病院霧島リハビリテーションセンター川平和美 藤田太寅】詳細情報 NHKスペシャル9月4日放送【脳卒中・リハビリ革命脳はよみがえる ▽感動4年マヒの指が動いた最新医学で驚異の復活】の詳細情報です。 ◎出演:藤田太寅(関西学院大学教授/元部外解説委員) ■脳がよみがえる~脳卒中・リハビリ革命~ 「4年間リハビリを頑張ってきても動かなかった指が、わずか10分の訓練で動き始めた」 今、脳卒中の治療で新たなリハビリが次々に開発され、驚異的な効果を上げています。 約280万人にのぼる脳卒中患者、医療の発達で命を落とすケースは減ったものの、 マヒの問題は深刻で、介護が必要になる原因の第一位。解決にはリハビリが重要ですが、 発症後6ヶ月を超えたあたりから効果が落ちるとされてきました。 しかし最近、脳科学の急速な発達により、傷ついた脳が再生するメカニズムが 次第に明らかになり、時間を経過した患者でも、マヒを改善する手法が発見されています。 今回のNHKスペシャルでは、リハビリの効果を上げる誰でも出来る意外な方法や 脳波とマシンを連動させる最新科学まで、脳卒中リハビリの最前線で起きている 急激な変化を取材、人間の脳に秘められた驚きのパワーに迫りました。 キャスターは、これまでもNHKスペシャルで脳卒中リハビリを取材してきた、 藤田太寅氏(自らも4年前に脳卒中を経験、今もリハビリ中)。 鹿児島大学病院霧島リハビリテーションセンター(鹿児島県霧島市)では、 鹿児島大学医学部の川平和美教授が5年前に独自の脳卒中リハビリ法を確立、 歩けなかった人が歩けるようになる驚異の変化をもたらしたといいます。 ※ベストセラー:片麻痺回復のための運動療法―促進反復療法「川平法」の理論と実際 患者の一人・淵脇悟さんは2年前脳卒中を発症し、茶碗を握ることはできても 離すことができず、奥さんの助けなしでは生活できませんでした。 ブロックをつかんで運ぶ簡単なテストでは、細い棒をつまむことができず、 100点満点で10点でした。 脳卒中の一般的なリハビリの場合、医師は患者を見守るのが基本ですが、 川平和美教授は実際に患部をさわり筋肉に刺激を繰り返す方法を行い、 2年間回らなかった手が回るようになったといいます。 マヒした手を動かす時の脳活動をリハビリ前後で比較したところ、 リハビリ前は手を動かそうとすると脳の広い範囲が赤くなるのに対し、 リハビリ後は、赤い部分が大幅に減る促通効果があるといいます。 アメリカ国立衛生研究所は、川平和美教授の促通効果に注目し、 マヒ患者のリハビリに使えないか研究、リハビリ1か月後には 手首を回して水が飲めるようになりましたが、重症のマヒ患者には 効果を発揮しづらいといいます。 Brain Machine Interface(BMI)=脳と機械をつなぐ技術では、 脳波を取り出して、その通りにロボットアームが動きます。 7年前に脳卒中が原因で重いマヒに陥ってしまったある患者は、 新聞の科学面を切り抜くことが日課のようになっていましたが、 脳卒中のリハビリに新技術に関する記事を読み、4か月後に 慶應義塾大学病院を訪ねました。 入院当初は棒をつかむことができないほどマヒが重度だったため、 担当医の藤原俊之講師(慶應義塾大学医学部)はBMI治療という 脳に信号の出し方を思い出させる治療のことを話しました。 最初は失敗ばかりでしたが、少しずつ正常な脳波が出せるようになり、 脳からの信号を増幅し強める装置を腕に付け、普段はめた状態で生活 したところ、現在では左手を使い、様々なことができるようになりました。 鹿児島大学病院霧島リハビリテーションセンターは、テスト結果に現れなくても 脳には変化が起きていることを患者本人に見せて、自信を取り戻させることが 大切といいます。 アメリカ・ロサンゼルスのカリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)では、 リハビリ研究の世界的権威・ブルースドブキン教授がリハビリ後にほめた場合と ほめない場合で歩く速度の変化を比較したところ、ほめられた方が約40日早く 歩けるようになったといいます。 カリフォルニア工科大学の下條信輔教授は、ごほうびをもらうと脳の働きが 強化されるが、ポイントは報酬系という部分で、ほめらると報酬系は活性化、 そこへドーパミンを送り込むと活性化し、ほめられた部分が発達するので、 周囲の温かな励ましが大きな鍵になると話します。 【ほめることによる効果を高めるポイント】 (1)具体的にほめる (2)すかさずほめる 脳卒中のリハビリ効果を高める方法は他にも見つかっており、カンザス大学病院 (アメリカ・カンザスシティー)では睡眠の効果を研究中で、リハビリの直後に 眠った場合と眠らない場合でリハビリ効果を比較したところ、手の反応速度は 眠った人の方が格段に上がるといいます。 |
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番組のなかで、鹿児島大学の川平和美教授が講習していた療法は、
川平法(促通反復療法,Repetitive Facilitation Exercise)というらしくて、
週刊医学界新聞 (医学書院)で紹介されていました。
素人が習得するのは難しそうですが、ぜひ全国のリハビリの現場に広がってほしいです。
第2901号 2010年10月25日 -------------------------------------------------------------------------------- 週刊医学界新聞 > 医学書院 上肢・手指の片麻痺回復へ 川平法実技講習会開催 -------------------------------------------------------------------------------- 川平法(促通反復療法,Repetitive Facilitation Exercise)は,これまで難しいとされてきた上肢・手指の麻痺の改善・促通においても高い効果があるとして,リハビリの現場で注目されている片麻痺の治療法だ。このほど,開発者の川平和美氏(鹿児島大)が執筆した書籍『片麻痺回復のための運動療法――促通反復療法「川平法」の理論と実際』の第2版が出版され,今後のさらなる普及が望まれている。 そこで,本紙では,9月19日,横浜YMCA学院専門学校(横浜市)で開かれた「第14回新しい片麻痺への促通手技(川平法)実技講習会」を取材。受講した作業療法士や,指導者の川平氏に話を聞いた。 -------------------------------------------------------------------------------- 目標の神経路を効率的に再建・強化する セミナーではまず,川平氏による講義が行われた。神経細胞が損傷されると,通常,その細胞に代わって近傍の神経細胞の軸索から神経側芽が生じて新たな神経路を形成したり,日ごろ,興奮を伝えていなかったシナプスが興奮を伝えるようになり(アンマスキング)神経路として働いて,機能回復が生じる。ところが,この神経側芽の発生は損傷後1 か月前後がピークで,その後は減少していく。これらの新たな神経路が損傷した神経路の代役を果たせるようになるには,その神経路を実際に使用し,強化していく必要がある。 川平法は,この新しい神経路の定着を念頭に置いた治療法で,麻痺肢に伸張反射や皮膚筋反射などの刺激を正確な部位に適切なタイミングで与え,運動性下降路の再建・強化を行うものだ。 その大きな特長の一つが,「誤りなき学習」が可能なこと。例えば,共同運動がみられる患者へのリハビリを考える。共同運動とは,脳の指令が本来伝わるべき神経路以外にも伝わり,本人が意図した運動以外の運動が同時に起きてしまう現象のこと。この場合,リハビリは意図した運動の成功と失敗のなかで「試行錯誤」して進めることになる。これを避けるためには,患者がイメージした行動が適切な神経路だけを伝わり,意図した運動を生む筋肉だけに届くことが必要だ。 この選択的な興奮伝達を実現したのが「誤りなき学習」である。治療者が適切な神経路だけに興奮を伝える正確な手技を確立すると共に,「伸ばして」「曲げて」と動作ごとに指示を出し,患者自身も指示された運動を実現するよう努力することを重要視している。運動は50-100回ずつ繰り返すが,患者の負担にならないように設計されていることもポイントだ。 さらに,治療法としての有効性が科学的に証明されていることも,エビデンスの確立が遅れがちな作業療法の治療法のなかで際立った特徴だ。RCTで他の治療法より高い治療効果を示したほか,クロスオーバーデザインなど客観性の高い試験で,促通反復療法の有効性が実証されているという(左下に関連記事)。 手技のポイントは,刺激を与える部位とタイミング 実技指導は,受講者同士で2人組になり患者役と治療者役を交互に務めるかたちで,約3組に1人の割合で指導者がつく中で行われた。この治療法のポイントは,伸張反射や皮膚筋反射を促す体の部位の見極めと,そのタイミングだ。さらに,重量のある上肢や下肢を屈曲・伸長させる動作を最低でも50回以上繰り返すため,体力も求められる。 受講者らは,手探りながらも,手技を身につけようと真剣に取り組んでいた。受講者に話を聞くと,「書籍をもとに実践していたが,実技指導を受けて理解が深まった」と,今後へ向けて収穫を得ていたようだ。 川平法ではこれまで治療が困難であるとされてきた手指(右)や上肢(左上)の片麻痺の改善が可能なほか,下肢(左下)の片麻痺の改善にも幅広く対応している。 -------------------------------------------------------------------------------- 作業療法士だけでなく理学療法士も川平法を 川平和美氏(鹿児島大学大学院教授・リハビリテーション医学)に聞く -------------------------------------------------------------------------------- ――先生が川平法の開発に着手された原点となった出来事などがありましたら教えてください。 川平和美氏 川平 かつて,私が担当した患者さんの中に3-4か月のリハビリテーションの後,指は自由に動かせないものの,掌で物を押さえられる程度まで回復した教員の方がいました。当時,私は達成感を感じていましたが,なんとその方は退院して数か月後には,自主訓練で卒業証書に毛筆で生徒の名前を書けるようになったそうです。それを聞いて,それまでの上肢,殊に,指へのリハビリテーションが不十分であったことを痛感しました。 ――川平法の今後の課題はどのようなことでしょうか。 川平 川平法とさまざまな治療法の併用による,治療成績の向上です。現在,筋収縮が生じ始める閾値レベルの電気刺激を与える電気刺激法と促通反復療法の併用で,劇的な治療効果が確認されています。併用療法は,特に重症例で有効です。今後,経頭蓋磁気刺激や拘束運動療法等と促通反復療法との併用の可能性を探っていきたいと思います。 また,川平法をさらに普及させていくためには全国的なネットワークの構築が必要です。現在,川平法を実践する医療者は200-300人ほどいると考えられ,私が各地でセミナーを開く際には,数人の方がサポートスタッフとして協力してくれています。そのような方が,全国各地におられるようになるとよいと思いますね。 ――最後に読者へメッセージをお願いいたします。 川平 今まで,下肢に比べて上肢麻痺の治療法の開発・研究は難航してきました。川平法は,このような上肢のリハビリテーションに変化をもたらすと思います。今回のセミナーに参加された方は大半が作業療法士の方々でしたが,理学療法士の方々にも取り組んでほしいと思います。ぜひ,試してみてください。 |
片麻痺回復のための運動療法[DVD付] 促通反復療法「川平法」の理論と実際(第2版)医学書院 著:川平 和美 判型 B5 頁 224 発行 2010年05月 定価 6,510円 (本体6,200円+税5%) ISBN978-4-260-01033-7 序 文 / 書 評 / 目 次 促通反復療法“川平法”を写真と動画で体得できる 主に脳卒中後の片麻痺に対して、著者が“川平法”として提唱している促通反復療法の理論的な背景と実際についてまとめた1冊。上肢・下肢・歩行に対する治療手技の実際は写真とポイントを絞った文章で丁寧に解説。DVDでは本文で解説した手技を、動画に併せた著者本人の解説で“川平法”が体得できるよう工夫されている。 序文 第2版 序 進む治療効果の検証と動画(DVD)の追加について 近年,脳の可塑性の存在が明らかになり,片麻痺の回復に不可欠な運動性下行路の効率的な再建・強化法が求められている。しかし,これまでのリハビリテーション医学・医療では,新たな神経路を再建する治療技術の開発への取り組みが遅れている。そのため,改訂された最新の「脳卒中治療ガイドライン2009」でも,Bobath法,Brunnstrom法,PNF(proprioceptive neuromuscular facilitaion)などの神経筋促通法は,前版同様「行うことを考慮してもよいが,十分な科学的根拠がない(グレードC1)」とされている。その一方で,片麻痺上肢の回復については,電気刺激療法と拘束運動療法(CI療法:constraint-induced movement therapy)を行うよう勧められている(グレードB)。 促通反復療法「川平法」は片麻痺を回復させるために必要な神経路の形成/強化を行うとの観点から,患者が意図した運動を実現・反復する,つまり再建/強化したい神経路のみに繰り返し興奮を伝えることを目的に開発され,これにより試行錯誤なしに大脳の運動野から脊髄前角細胞までの神経路を形成/強化することが可能になった。現在,この促通反復療法に関する実証的検討が各地で進められており,有効性を示す研究結果が報告されている。 促通反復療法は,CI療法や電気刺激療法,経頭蓋磁気刺激法,ロボテック治療などの他の治療との併用によっても,それらの治療効果を大きく高める基礎的な治療法となることが期待されている。ことにCI療法との併用は患者の負担軽減につながるであろう。 今回の改訂にあたって,操作法の動画(DVD)を追加した。図や写真だけではわからなかった操作の速さや指示のタイミングが明確になり,促通反復療法がより多くの医師や理学療法士,作業療法士に役立つことを願っている。 この出版に際して,多くの方にご援助頂いた。特に理論面のご指導を頂いた田中信行名誉教授,写真撮影と動画撮影のディレクターを担当した作業療法士の野間知一君,写真・動画の撮影モデルを快く引き受けてくれた一氏彩子さん,馬場沙織さん,作業療法士の末吉藍さん,研究データを提供してくれた衛藤誠二先生,緒方敦子先生,松元秀次先生,下堂薗恵先生,さらに動画撮影の際に器材を提供頂いたオージー技研株式会社に心より感謝したい。 また,何回もの修正をお許し頂いた医学書院の大野智志さん,福田亘さんにも御礼を申し上げる。 2010年5月吉日 鹿児島大学大学院医歯学総合研究科運動機能修復学講座リハビリテーション医学教授 川平和美 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・(以下略)・・・・・・・・・・・・・・・・・・ |
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