みどりの一期一会

当事者の経験と情報を伝えあい、あらたなコミュニケーションツールとしての可能性を模索したい。

福島・郡山市土壌汚染濃度 チェルノブイリ被害地匹敵/菅谷昭『子どもたちを放射能から守るために 』

2011-09-29 17:09:33 | 地震・原発・災害
9月26日放送のNHKクローズアップ現代「放射能から子ども守りたい~母親たちのネットワーク~、
期待して観たのですが、なんだか肩透かしを食ったような・・・期待はずれでしたね。

ゲストの医師は上から目線だったし、最後の「放射能よりストレスのほう が悪い」という発言は最悪でした。
NHKは影響力が大きいんだから、子どもたちへの放射線被ばくの害をもっと自覚してほしいですね。

わたしは、10年後のチェルノブイリの子どもたちを実際にこの目でみてきたので、
福島の10年後とどうしても重なってしまいます。
だから、3,11以降、いつも気が晴れないのです。

自称「専門家」が、どんなに「だいじょうぶ」「心配しすぎないように」といっても、
だれが何百回「安心・安全」と繰り返しても、「それはちがうだろう」と思っています。

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福島原発事故後の情報の洪水のなかで、じっさいにチェルノブイリの現地に入って調査してきた人たち、
チェルノブイリ原発事故被災者に関わってきた人が、書いたものや、発言が貴重です。

 福島・郡山市土壌汚染濃度 チェルノブイリ被害地匹敵
2011年9月28日 琉球新報

 福島第1原発事故で放射能に汚染された福島県内の土壌は、1986年のチェルノブイリ原発事故で健康被害が続出したウクライナ・ルギヌイ地区に匹敵する汚染濃度であることが矢ヶ崎克馬琉球大名誉教授の分析で分かった。同地区は事故後5~6年で甲状腺疾病と甲状腺腫が急増。9年後、子どもは10%の割合で甲状腺疾病が現れた。通常10万人中数人しか出ない子どもの甲状腺がんは千人中13人程度まで増えた。矢ヶ崎氏は「福島で同じような健康被害が出る恐れがある。子どもの遠方避難を含む被ばく軽減策に全力を挙げるべきだ」と訴えている。
 福島県内の土地について文部科学省が8月30日に発表した詳細な汚染度(放射性セシウムの濃度)調査の結果を基に、ルギヌイ地区の汚染状況と郡山、福島両市の汚染濃度を比較した。
 ルギヌイ地区はチェルノブイリ原発から西へ110~150キロ離れた場所で、強く汚染された地域。ウクライナの汚染度区分は三つのゾーンに分かれている。移住の判断基準は国際放射線防護委員会(ICRP)基準を原則的に適用し「年間自然放射能を除いた1ミリシーベルト以上の被ばく」と設定されている。1平方メートル当たりで、55万5千ベクレル以上が「移住義務」、55万5千ベクレル未満~18万5千ベクレルが「移住権利」、18万5千ベクレル未満~3万7千ベクレルが「管理強化」となっている。
 ルギヌイ地区の汚染程度は「移住義務」と「移住権利」を合わせた地点数の割合は13・3%に対し、郡山は14・4%、福島市は33・0%。両市の方が汚染度の高い地域が多い。汚染の少ない「無管理地域」の割合はルギヌイ地区が1・5%で、郡山市27・1%、福島市10・6%と両市の方が多い。濃淡分布の幅の違いはあるが平均値などをみると「汚染度はほぼ同程度とみなせる」という。
 ルギヌイ地区では、子どもの甲状腺疾病の罹患率が上がったほか、同地区全病院全ての患者に免疫力の低下や感染症の増加・長期化などが確認された。90~92年の死亡率を事故前の85年と比べると、死期は男性で約15年、女性で5~8年早まっていた。
 矢ヶ崎氏は「ウクライナの法定放射能定義はICRPの基準に従っているのに、その基準は健康管理の点ではあまりにも甘すぎたことを示している。健康被害は年間1ミリシーベルト以下でも深刻だ。だが日本政府は緊急時の措置として20ミリシーベルトを設定した。許し難い。住民を『被ばくされっぱなし』の状態に置く『棄民』政策そのものだ。国民の健康管理の面から、その点は厳しく追及されねばならない」と強調した。(新垣毅)

<用語>シーベルトとベクレル
 シーベルトは人間が放射線を浴びた時の影響を表す単位。国内の自然状態で年間約2・4ミリシーベルト浴びるとされ、これ以外に人工的には年間1ミリシーベルトが一般人の許容限度とされる。放射線作業者は別の基準がある。ベクレルは放射能の強さや量を表す単位。1秒間に原子が一つ崩壊する値が1ベクレル。シーベルトとベクレルの関係は電球に例えると、光の強さそのものがベクレル、距離により異なる明るさに当たるのがシーベルトと説明される。



 菅谷昭『子どもたちを放射能から守るために 』(亜紀書房)

現松本市長の菅谷昭さんは、5年半もの間、チェルノブイリ原発事故の被災地で、医療支援活動をした医師です。甲状腺がんにかかった子どもたちの治療にあたってきました。いまも現地の支援を続けています。
菅谷さんは、福島原発事故のあと、原発事故の被害を知る医師として、また行政のトップとして、さまざまな発言をマスコミに発信してきました。チェルノブイリの被害を知っているものとして、黙ってはいられなかったからです。

「核の災害は、自然災害とはまったく違います。最悪の事態を予測して、先へ先へと手を打っていくことが大切です。最終的に予測より悪くならなければ、『ごめんなさい、でもよかったね』と、喜び合えばよいのです」

この発言には菅谷さんの事故に対する危機意識が表れています。とにかく早めの対処が大事であると。そしてこうも言っています。

「チェルノブイリ事故の被災地で、人びとの体に健康被害が現れてきたのは、5年後のことでした。これから日本で起きてくるであろうさまざまな問題を最小限にくいとめるためにも、一人ひとりが放射能の正しい知識を得て、正しい判断をできるようになってほしい」

まずは個人として、しっかりと放射能の知識をもってほしい。そのために本書はわかりやすく、必要最低限のことが書かれています。


子どもたちを内部被ばくから守るために親が出来る30のこと  ―チェルノブイリの体験から  

内容紹介
子どもの内部被ばくの害は大人の比ではない。 子どもを守るために何をすればよいのか。 食べ物、飲み物、生活環境……具体的にアドバイス。
【目次】 ●はじめに 原発賛成・反対 どんな立場の人も力を合わせて まず子どもたちを救おう
●目の前の危険から 子どもたちを守るために、 まずできること30  
・何を食べればいいのか(15項目のほか、リンゴペクチンや酵素ジュースの作り方レシピを紹介するコラム収録)  
・どのように生活すればいいのか(15項目)
●子どもたちがいきていゆく 環境を整えるために、 さらに出来ること
●おわりに
出版社からのコメント
放射能は「直ちに影響しない」と言われるが、5年後10年後にあらわれる晩発性の影響についてはすっかり見過ごされている――。 チェルノブイリ原発事故後、20年にわたり被災地児童を日本で転地療養させる活動を続けてきた野呂美加さんは、そういいます。 チェルノブイリの現地を訪れ、母子たちの抱える健康被害、悩みに直に接してきた彼女は、 3.11以後、自身が代表をつとめるNPO法人「チェルノブイリへのかけはし」のブログや各地でのお話し会を通じて、放射能の不安を抱えるお母さんたちへ向けて情報を発信し続けています。 本書はそんな彼女が、ひとりで悩むお母さんたちに向けて、目の前の放射能の危険から子供たちを守るために、何を食べればよいか? どのように生活すればよいか? 具体的な手段をアドバイスします。 各項目ごとに温かなイラストも添えられていて、やるべきことが一頁または見開きでわかりやすくまとめられています。 「私だけが焦っている気がする…」、そんなあなたのためのハンドブックです。 


追跡2011ひろしま:脱原発訴え放影研にデモ行進--広島・市民グループ /広島
 
 ◇「子どもたちを放射線から守る」
 ◇「安全神話」で原発推進、軍事か平和--研究目的市民判断を

東日本大震災から半年を迎えた今月11日、脱原発を訴える市民グループが、比治山(南区)にある放射線影響研究所(放影研)に向かってデモ行進をした。放影研は前身の米原爆傷害調査委員会(ABCC)の時代から、被爆者の調査データを基に原爆放射線の影響を研究し、東京電力福島第1原発事故を受けた健康調査にも関与する。デモの行き先は、なぜ放影研だったのだろうか。【樋口岳大】

 ■「広島を問い直す」
 市民グループ「原発・核兵器なしで暮らしたい人々」(事務局・西区)が呼び掛け、約100人が原爆ドームから比治山まで歩いた。グループは原発や核兵器に反対してきた市民運動家らが福島の原発事故を機に設立した。
 放射線の影響を巡って、100ミリシーベルト以下の低線量被ばくによる発がんリスクは「確認されていない」などと説明する専門家は多い。放影研の長期間にわたる調査は、国際放射線防護委員会(ICRP)による放射線の影響評価の基になっている。グループ事務局の久野成章さん(51)は「広島の被爆者の高線量外部被ばくのデータから、低線量放射線が安全だという『神話』が作られ、それによって原発が推進された」。広島を問い直すことは、核を巡る国際世論を動かすことになる--という主張だ。

 ■「福島」調査に異議
 原発事故を受けて福島県が県民202万人を対象に実施する健康管理調査には、放影研の研究員2人が助言をしている。放影研は8月、福島県立医大との連携・協力協定も結んだ。
 同調査の資料は「(原発事故による)放射線の健康影響は、現時点で予想される外部及び内部被ばく線量を考慮すると極めて少ない」「チェルノブイリで唯一明らかにされたのは、放射性ヨウ素の内部被ばくによる小児甲状腺がんの増加のみで、その他疾病の増加は認められていない」などと記す。これに対し、グループは「結論を決めてかかっている」と批判し、特に「子どもたちを放射線から守る」よう強調する。
 放影研の秋本英治事務局長は「うちは研究所として純粋に中立的に科学を追究する姿勢だ」と語る。

 ■情報公開に壁
 ABCCは原爆投下国の米国が設立しただけに、研究は「軍事目的」の影がつきまとう。グループはこの日、放影研と米アレルギー感染症研究所の研究契約を協議した09年4月28日の議事録の開示を要望した。医師会や被爆者団体代表、学者らでつくる地元連絡協議会の議事録だが、「米国の核テロ対策への協力になる」と一部に反対意見もあった。放影研は「平和目的の免疫基礎研究」として契約した経緯がある。
 放影研は「非公開が前提の会議」と回答したが、グループは協議会の出席者に公開の可否を尋ねるよう再度要望した。財団法人の放影研は行政機関や独立行政法人のように情報公開法に基づく文書開示義務はないが、今年度予算収入約33億円のうち、約20億円を日本政府が補助する。グループ側は「研究が軍事目的か平和目的かは市民に判断させてほしい」と訴える。
毎日新聞 2011年9月29日 



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