みどりの一期一会

当事者の経験と情報を伝えあい、あらたなコミュニケーションツールとしての可能性を模索したい。

原発の再稼働 安全の根拠はどこに/「がれき焼却灰は事故処理用コンクリに」

2012-03-24 22:40:06 | 地震・原発・災害
関西電力大飯原発3号機と4号機のストレステストの一次評価の結果を
原子力安全・保安院は「妥当」と判断。
政府もこの結果を容認して、再稼働に向けて動き出した。

福島原発事故から1年しかたっていないのに・・・。
「のど元過ぎれば熱さ忘れる」っていうけれど、まだ喉元も過ぎていないのに・・・。

岐阜県や関西は、福井の原発の風下地帯、いえ、岐阜県だけでなく、
こんなに狭い日本中どこだって、風下地帯になりうる。

91年に美浜原発2号機で配管のギロチン破断事故が起きた時、
関西電力本社に講義に駆け付けた私たち市民に、関西電力の副社長がいいはなった
「風下の人たちはリスクのうちだ」という言葉が忘れられない。


福井県の水晶浜から飛ばした風船の落下地点  ▲ 1988年3月 ● 2012年3月
     山県市は日本一の原発銀座福井県の「風下地帯」



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  【社説】原発の再稼働 安全の根拠はどこに  
2012年3月22日 中日新聞

 四月に迫った“原発ゼロ”を前に政府が再稼働を急いでいる。だが肝心の安全について科学的根拠は十分示されてはいない。国民には安全安心が優先だ。
 関西電力大飯原発3、4号機(福井県おおい町)の安全評価(ストレステスト)は、経済産業省原子力安全・保安院の審査を通過した。内閣府原子力安全委員会は週内にも、保安院の評価を検証する。再稼働への焦点は首相や関係閣僚による政治判断と地元自治体の同意である。

政治判断できるのか
 政治判断とは、一体どういうことなのか。
 再稼働の可否は当初、定期検査などで停止中の原発については、ストレステストの一次評価の結果を踏まえ、地元同意を得た上で、首相、官房長官、経済産業相、そして原発事故担当相の協議で最終的に判断するとされてきた。
 ところが、評価作業が大詰めに来て、地元同意を求める前に四人の閣僚が一度判断を表明し、地元合意はその次、そして再び首相らが最終判断という手順に改めた。慎重というよりも、立地自治体が「国の判断だから」と同意しやすくするためなのか。
 もしそうなら、たった四人の密室協議が地元の意向を決定付けてしまうことになる。「再稼働ありき」と見られても仕方ない。
 確かな科学的根拠に基づくべき判断が、政治判断とは一体何なのか。それで国民が納得すると考えているなら間違いだ。
 そもそも、ストレステスト自体に疑問はつきまとう。
 一次評価では、地震や津波などの衝撃に原発がどれだけ耐えうるか、その余裕度を当の電力会社がコンピューターで解析し、その結果を保安院、原子力安全委、政府の順でチェックする。すべて福島第一原発事故で信頼性が地に落ちた機関である。事故の原因究明も収束もできていない段階で、その判断を信じろというのが無理だ。
 四国電力は、伊方原発3号機の一次評価で、耐震性を想定の一・八六倍としたが、審査の結果一・五倍に修正した。それでも保安院は「妥当」と評価した。
 落第なし。安全性にお墨付きを与えるだけのテストならテストの名に値しない。
 原子力安全委の班目春樹委員長は「一次評価だけでは不十分。事故後の総合的な対策なども含めた二次評価が必要だ」と述べている。ところが、二次評価に応じた電力会社はいまだない。不信と不安の種は尽きない。

地元とはどの範囲か
 次に“地元”とは、何だろう。
 政府は事前合意の対象を、原則原発から半径十キロ内に絞るという。原子力安全委が原発防災指針で定める防災対策重点地域(EPZ)の中である。これに対して、近隣の滋賀県知事や大阪市長が反発を強めている。滋賀県は関西圏の水がめであり、県民のよりどころでもある琵琶湖の汚染を恐れている。大阪府の予測では、福井県内の原発事故による放射線の影響は、府内二十五市町村に及ぶ。
 原子力安全委は、EPZに代えて半径三十キロ圏内を新たに緊急防護措置区域(UPZ)とし、圏内の自治体に防災指針の策定を求める方針だ。同じ政府の方針なのに、両者は明らかに矛盾する。
 現状では四月中に国内五十四基の原発がすべて停止する。その前に再稼働への道筋を付けておきたい政府の焦りが見て取れる。
 政府は原子力規制の役割を原発推進役の経産省の保安院から、環境省の原子力規制庁へと移す方針だ。発足が遅れる見込みとはいえ、そのすきを突くような保安院への駆け込み審査が、大飯から次へと続くのは逆に不信を広げはしまいか。
 もし再稼働の可否を審査するのなら、国会の事故調査委員会の報告を待ち、新たに発足する規制機関が、調査結果と明白な科学的根拠に基づいて判断するのを待てばいい。その経過は国民と在野の研究者に公開もすべきである。
 日本世論調査会の調査では、脱原発支持が八割に上っている。本紙と静岡大の調査では、政治判断で全面停止中の中部電力浜岡原発の地元、静岡県民の八割以上が、全面停止を支持した。
 何より優先されるべきは国民の生命と安全だ。世論調査の結果は、多くの国民にも相応の覚悟と決意のあることを示している。

地域の亀裂は避けよ
 この国は今、大きな転換点に立っている。風力や太陽光、地熱など、代替エネルギーの可能性と普及の方策を、国民にわかりやすく示しつつ、その不信と不安を解きほぐすこと。そして、原発推進か反対か、再稼働は是か非かで地域に亀裂を生むような、対立を避けることこそ、政治の仕事である。そこをどうか忘れないでほしい。


 福島第1原発:「がれき焼却灰は事故処理用コンクリに」小出・京都大助教の講演から 

 京都市内で今月10日あった原発問題に関する市民集会「バイバイ原発3・10京都」で、小出裕章・京都大原子炉実験所助教が演説や講演をした。東京電力福島第1原発事故の影響や現状など、発言のポイントをまとめた。【太田裕之】

 ■事故を振り返って
 私は41年前から原発は危ない、撤退すべきだと言い続け、廃絶させたいと考えてきたが、できないままここに至った。私たち大人には原子力を容認してきた責任がある。福島で今、放射能まみれの大地に子供たちが住んでいることを忘れず、できることを探そうと思う。私は非力だが、あきらめない。若い世代への責任だと思う。

 ■事故の大きさ
 日本政府がIAEA(国際原子力機関)閣僚会議に出した報告書で、大気中に放出されたセシウム137は広島原爆の約170発分とされているが、これは過小評価。世界の研究者が出している数字の大半は、その2~3倍の数百発分に相当する。海への放出量も同程度あると思う。
 福島県の東半分を中心に、宮城、茨城、群馬、千葉、新潟、埼玉各県と東京都のそれぞれ一部地域が放射線管理区域以上に汚染された。私の仕事場である実験所は放射線管理区域で、そこでは飲食も寝ることも、子供の立ち入りも許されていない。汚染地域はまるで逆転した世界になっている。
 被曝(ひばく)放射線量には「これ以下であれば安全」という値はない。どんなに微量でも危険というのが現在の学問の到達点だ。

 ■第1原発の現状
 4号機は使用済み燃料プールが埋め込まれた階まで破壊された。使用済み燃料は膨大な放射能の固まりで広島原爆の4000発分だ。プールがさらに破壊され水が抜けたり、崩れ落ちれば、防壁のないところで大気中に吹き出す。そういう危険と隣り合わせで私たちは生きている。
 1号機は約100トンのウランなどが圧力容器の中から溶け落ちた状態。格納容器の下の厚さ1メートルのコンクリートの床について東電は70センチは壊れたが30センチは大丈夫と言うが、近寄ることはできず測定器もない。この床を突き抜ければ防壁はない。危機的状況が続いている。

 ■「原発」とは
 熱効率が33%に過ぎず効率の悪い蒸気機関で、生命体に圧倒的に危険な核分裂生成物を出す。出力100万キロワットの原発で毎日燃やすウランの量は3キロで、広島原爆(核分裂したウランは800グラム)3~4発分。また、原発は冷やし続けないと壊れるが、300万キロワットの発熱量のうち21万キロワットは核分裂生成物から生じる「崩壊熱」で、原発を停止しても止められない。日本では66年の東海発電所の営業運転開始から今日まで広島原爆110万発分の核分裂生成物を生み出した。事故がなくても原発は悲惨なのだ。

 ■除染とがれき処理
 政府は汚染地に人々が戻れるかのような幻想を与える「除染」という言葉を使っているが、放射能は人間がどんなに手を加えても消せず、放射性物質は無毒化できない。できるのは汚れを移動させる「移染」だ。もう戻れないのだと説明し、生活を補償すべきだ。
 私が最も訴えたいのは、事故に何の責任もない子供たちを守ることだ。校庭など子供が集中的に過ごす場所の土は必ず取り除き、東電の敷地にお返しするのが筋だ。
 政府はがれきの広域処理で、各自治体に、現行の焼却施設で燃やしたうえで猛烈な放射能の塊となる焼却灰を処分させようとしている。放射能は隔離し閉じ込めるという原則に反する。汚染地に専用の焼却施設を作って処理するべきだ。だが、政府の無策の結果、福島を中心とした汚染地にがれきが取り残されたまま、現在も子供たちは被曝を続けている。もはや子供全体の被曝をどう減らすかしか選択の道はなく、全国の自治体が引き受けるしかないだろう。
 それには二つの条件がある。一つは放射性物質が外に出ないフィルターなど特殊な装置必ず増設すること。もう一つは、焼却灰は各自治体が勝手に埋めるのではなく、東電に返すこと。福島第1原発の事故処理には膨大なコンクリートが必要で、その部材にすればいい。
2012年3月24日 毎日新聞



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3月23日(金)のつぶやき

2012-03-24 01:22:26 | 花/美しいもの
20:37 from gooBlog production  [ 1 RT ]
★市民派議員塾2012「仕事ができる市民派議員になろう~基本をもとに手法・スキルを使いこなす」 blog.goo.ne.jp/midorinet002/e…

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