7月1日から、と中日新聞一面下のコラム
『中日春秋』の執筆者が変わりました。
7月から執筆者は、星浩さん。
わたしが気づいたのは、7月2日付けのコラム。
「ウクライナにジトーミルという町がある。・・・」という書き出しの記事に目が釘付け。
「・・・チェルノブイリ原発から南西百四十キロにあるこの町を、事故の十年後に訪れたことがある」というところで、
書いているのは星さんに違いないと思いました。
なぜなら、チェルノブイリ原発事故の10年後、わたしもジトーミルに行っているからです。
その時同行された記者さんが、中日新聞の星さんでした。
いつから書いて見えるのだろうと、中日新聞を探してコラムをさかのぼって読んでみたら、
6月30日の中日春秋に、「・・・この月替わりをもって小欄の担当筆者は、
論説室の島田佳幸から星浩に交代します。」と書かれています。
ちなみに、星さんは朝日新聞の名コラムニストの星浩さんと同姓同名です。
なつかしい思いでコラムを読み始めたわたしですが、
よみすすむにつれて、10年目のチェルノブイリで見聞きした光景が目に浮かびました。
チェルノブイリ原発事故から20年後の4月26日、
わたしもこんな記事を書いています。
ノーモアチェルノブイリ!/原発事故から20年目に想うこと(2006-04-26)
翌日の7月3日の「中日春秋」の星さんの記事もとても良いので紹介します。
中日新聞がよけい好きになりました。
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同じ日の、中日新聞社説。
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『中日春秋』の執筆者が変わりました。
7月から執筆者は、星浩さん。
わたしが気づいたのは、7月2日付けのコラム。
「ウクライナにジトーミルという町がある。・・・」という書き出しの記事に目が釘付け。
「・・・チェルノブイリ原発から南西百四十キロにあるこの町を、事故の十年後に訪れたことがある」というところで、
書いているのは星さんに違いないと思いました。
なぜなら、チェルノブイリ原発事故の10年後、わたしもジトーミルに行っているからです。
その時同行された記者さんが、中日新聞の星さんでした。
いつから書いて見えるのだろうと、中日新聞を探してコラムをさかのぼって読んでみたら、
6月30日の中日春秋に、「・・・この月替わりをもって小欄の担当筆者は、
論説室の島田佳幸から星浩に交代します。」と書かれています。
ちなみに、星さんは朝日新聞の名コラムニストの星浩さんと同姓同名です。
なつかしい思いでコラムを読み始めたわたしですが、
よみすすむにつれて、10年目のチェルノブイリで見聞きした光景が目に浮かびました。
【コラム】中日春秋 2012年7月2日 中日新聞 ウクライナにジトーミルという町がある。人口三十万弱。チェルノブイリ原発から南西百四十キロにあるこの町を、事故の十年後に訪れたことがある ▼中心部の広場に面したビルに大きな電光掲示板があった。時計か気温計かと思ったら、違った。その時々の放射線量を市民に知らせるためのものだった ▼晴れて、気持ちの良い乾いた風の吹く日に、掲示板の数値が上がる。大地の放射性物質を浄化するがごとく吸った木々が山火事で焼けると、汚れた灰が風に乗って運ばれるのだ ▼ジトーミルの病院では、生まれながらに障害のある子どもが増えていた。汚染との因果関係はどうなのか。現地で専門家に聞いたが、「はっきり言って分からない。妊婦が汚染を恐れ続けていればストレスで免疫力が下がるのかもしれない。分からないことばかりなのです」 ▼分からないのに分かったような顔をして、起こりうる事故を絶対起こらないと「想定」して、放射線量の掲示板が、この国にも立ち並ぶようになった。にもかかわらず、抜本的な安全対策を棚上げにしたまま、大飯原発3号機の原子炉がきのう夜、起動された ▼ボブ・ディランは『風に吹かれて』で<人々の叫びを聞くために、いくつの耳が必要だというのか。答えは風の中にある>と歌った。汚された風が何回吹けば、未来のための答えが見つかるというのだろうか。 |
チェルノブイリ原発事故から20年後の4月26日、
わたしもこんな記事を書いています。
ノーモアチェルノブイリ!/原発事故から20年目に想うこと(2006-04-26)
翌日の7月3日の「中日春秋」の星さんの記事もとても良いので紹介します。
【コラム】中日春秋 2012年7月3日 中日新聞 英国の名宰相チャーチルといえば、二十世紀の保守主義を代表する政治家だが、若いころは選挙で幾度(いくど)か苦汁をなめた。三十三歳で商務長官になった直後に、落選したこともある ▼所属する保守党が保護貿易主義的な関税政策を打ち出した時は、反対して党内で孤立し、野党の自由党に鞍替(くらが)えした。自由党員として古巣を批判して曰(いわ)く<保守党というのは政党ではない。あれは共謀そのものである> ▼三年前の夏、総選挙で国民の多くは民主党に「政党」の姿を期待した。広辞苑を引くと、政党とは<共通の原理・政策の実現のために、政権の獲得あるいはそれへの参与を企図する団体>とある ▼明確な公約は示さず、当選すれば白紙委任されたかのように振る舞う。派閥抗争に明け暮れ、政策は官僚機構に丸投げ。そういう旧来の自民党型政治ではなく、新たな政党政治が見られるはずだった ▼チャーチル流に言えば、民主党は既に政党ではなく共謀のかたまりだ。共通の原理・政策という政党の柱を失い、ただ政権にしがみつくという共謀関係でしかない党が分裂するのは、当然ともいえる ▼チャーチルはこんな言葉も遺(のこ)している。<とんでもない数の嘘(うそ)が世間には出回っている。最悪なのは、嘘の半分が真実だということだ>。増税だけは決まり、福利が見えない「社会保障と税の一体改革」など、その好例ではないか。 |
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【社説】民主党分裂 民の声届かぬ歯がゆさ 2012年7月3日 中日新聞 消費税増税派だけが残る民主党に存在意義はあるのか。選挙で政権交代を果たしても、デモで訴えても、国民の声が政権に届かない歯がゆさを感じる。 消費税増税を含む社会保障と税の「一体」改革関連法案に反対した民主党の小沢一郎元代表が離党届を提出した。離党者は小沢氏を含めて衆院三十八人、参院十二人の計五十人に上り、近く新党を結成する方針だという。 政党を壊しては同調者だけで新党をつくる。小沢氏の「壊し屋」としての悪癖が出たとの見方が喧伝(けんでん)されるが、そうした切り口だけでは事の本質が見えてこない。 存在意義失う民主 小沢氏らの離党が意味するのは何か。端的に言えば、民主党崩壊の始まりであり、政権与党としての存在意義の喪失だ。 三年前、二〇〇九年夏の衆院選を思い出してみよう。当時、有権者を支配していたのは政権交代への渇望だった。 消えた年金、無駄な公共事業、対米追従、官僚依存。選挙を経ずに一年ごとに首相の職をたらい回しする自民党政治に対する不満は頂点に達していた。 それを変える処方箋が民主党マニフェストであり、実現する手段が民主党への政権交代だった。 選挙で信を得たマニフェストは国民との契約である。書いてあることは命懸けで実行し、書いていないことはやらないのが作法だ。 しかし、大部分の民主党議員はもはやそう思っていないようである。税金の無駄遣いをなくすことや社会保障の抜本改革は官僚らの抵抗に負けて早々に諦め、選挙で敵対した自民、公明両党と組んで消費税増税に血道を上げる。 手段のはずの政権交代が目的となり、官僚主導政治に同化した民主党議員には、自民党との違いを主張する資格も能力もない。 馬耳東風の再稼働 福井県おおい町では関西電力大飯原発3号機が再稼働し、臨界に達した。昨年三月の東京電力福島第一原発での事故後、長期停止していた原発の再稼働を「政治的に」決めたのは野田佳彦首相である。 安全性の徹底的な検証・確認を原発再稼働の条件にしながら、抜本的な安全対策を講じることなく再稼働を政治決断することに躊躇(ためら)いはないのだろうか。 原発依存からの脱却を政治決断できるとしたら、これまで政権党として原発を推進してきた自民党ではなく、民主党政権のはずだったが、その期待は裏切られた。 三月末から毎週末、首相官邸前で行われていた「再稼働反対」を訴えるデモは、再稼働目前の先月二十九日夜には主催者発表で二十万人(警視庁調べでは二万人弱)に膨れ上がった。 そのシュプレヒコールは、首相の耳にも「よく聞こえている」はずだが、再稼働の決断を覆すことはなかった。まさに馬耳東風だ。 暗澹(あんたん)たる気分になるのは、首相の決断もさることながら、消費税増税同様、首相の再稼働決定に反旗を翻す民主党議員が、小沢氏ら以外にほとんど見当たらないことである。 民主党議員は政策実現を忘れ、政権に安住してしまっているのではないか。自省を求めたい。 政権選択選挙でも、万単位のデモでも政治は変えられないのだろうか。そうした無力感に襲われても仕方がない状況ではある。 百年以上にわたり日本の政治・行政を牛耳り、政策の失敗にも無反省な官僚機構や政財官の利益共同体、既得権益層の岩盤はあまりにも厚い。 しかし、持続可能な社会保障の構築、税金の無駄遣い根絶、緊密で対等な日米関係、政治主導の政策決定など、民主党が衆院選マニフェストで打ち出した課題設定は間違っていなかったはずだ。 民主党と議員は政権に不慣れな故に、政策を実現する政治的力量、国民との契約をやり遂げる誠実さと熱意を欠いていた。国民が望む政策を実現するために力量のある政党と議員を選び直したい。 首相は消費税増税や原発再稼働など国民の望まない政策を強行するために政権にしがみつくのではなく、違憲・違法状態にある衆院「一票の格差」を速やかに是正した上で、可能な限り早く衆院を解散すべきである。 厚い岩盤穿つ忍耐 民主、自民、公明三党が消費税増税という税制の根幹で一致している以上、政権の選択肢は限られるだろう。「小沢新党」への期待もそれほど高くはなく、衆院選後もしばらくは政治の混迷が続くかもしれない。 とはいえ、ただ嘆き、忍従するだけでは政治は動かない。官僚機構や既得権益層の厚い岩盤を穿(うが)つのは、投票し、政党や議員を監視し、声を上げる、われわれ有権者の忍耐強い行動だと信じたい。 |
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