夜9時からのNHKスペシャルは「メルトダウン 連鎖の真相」。
福島原発事故の新事実が明らかになる、というので、
1時間、TV画面に見入っていました。
NHKスペシャル メルトダウン 連鎖の真相 初回放送 2012年7月21日(土) 午後9時00分~9時58分総合 あの日「メルトダウン」していく事故の現場でいったい何が起きていたのか?福島第一原子力発電所の事故は、発生から1年4ヶ月がたった今なお多くの謎を残したままだ。番組では今回、1号機が爆発した3月12日から2号機がメルトダウンをおこした3月15日までの3日間を徹底検証する。実は、この期間にほとんどの放射性物質が外部へ放出されていた。しかもそのほとんどは「水素爆発」によるものではなく、これまで国や電力会社が想定もしていなかったあるルートからだった可能性が浮かび上がってきた。史上最悪レベルの事故を防ぐことは出来なかったのか?現場の作業を阻んだ放射線。そして外部からの支援も途絶え孤立していった原発の実態。独自のデータと最新のシミュレーション、そして現場の当事者たちの証言から事故の真相に迫る。 |
番組は、首相官邸前の再稼働反対の映像で始まった。
わかったことは、水素爆発した1号機や3号機より、
2号機が深刻なことになっていたこと。
2号機は圧力容器のメルトダウンにより、
格納容器の圧力が高くなり、減圧のためのSR弁を開こうとしたけれど動かなかった。
さらにベントの弁も開かずベントができなかった。
原因は、地震で弁を開く空気を送る配管が壊れたこと。
その結果、大きな衝撃とともに格納容器も壊れた(らしくて)、
高くなっていた圧力は一気にゼロになり、
大量な放射能が漏れて、環境中に放出されたこと。
番組の最後に、
「徹底的な事故の原因究明をしないと、原発の再稼働はできないはず。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・具体的な検証は十分されていない。」
「福島原発事故から何を学ぶのか。
重い課題を突き付けられたままです」という言葉で番組は終わった。
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けさの朝日新聞の一面トップも、衝撃的な記事でした。
原発作業員が下請け会社の役員の指示で、作業中に身に着ける線量計に
鉛のカバーをつけさせられていた、という事実が、約幾と作業員のやり取りの録音記録とともに明らかにされた。
線量計に鉛板、東電下請けが指示 原発作業で被曝偽装 2012年7月21日 朝日新聞 東京電力が発注した福島第一原発の復旧工事で、下請け会社の役員が昨年12月、厚さ数ミリの鉛のカバーで放射線の線量計を覆うよう作業員に指示していたことがわかった。法令で上限が決まっている作業員の被曝(ひばく)線量を少なく見せかける偽装工作とみられる。朝日新聞の取材に、複数の作業員が鉛カバーを装着して作業したことを認めた。役員は指示したことも装着したことも否定している。厚生労働省は、労働安全衛生法に違反する疑いがあるとして調査を始めた。 【特別報道部から】原発で働いた経験のある方から労働の実態について情報を求めます 朝日新聞は、福島県の中堅建設会社である下請け会社「ビルドアップ」の役員(54)が偽装工作したことを示す録音記録を入手した。昨年12月2日夜、作業員の宿舎だった福島県いわき市の旅館で、役員とのやりとりを作業員が携帯電話で録音していた。 役員はその前日、作業チーム約10人に対し、胸ポケットに入るほどの大きさの線量計「APD」を鉛カバーで覆うよう指示した。だが3人が拒んだため、2日夜に会社側3人と話し合いがもたれた。役員は録音内容を否定するが、この場にいた複数の作業員が事実関係を認めている。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(以下略)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ |
朝日新聞の夕刊の一面には、線量隠しの鉛カバーは、
役員が作業員自身に作らせていた、という事実。
作業員に鉛カバー作らせる 被曝隠しの下請け 福島第一 2012年7月21日 朝日新聞 東京電力福島第一原発の復旧工事に参加した下請け会社ビルドアップ(福島県)の役員(54)が昨年12月、作業員が身につける放射線の線量計を覆うために用意した鉛のカバーは、事前に作業員自身に作らせたものだった。製作に加わった作業員たちの証言でわかった。 【特別報道部から】原発で働いた経験のある方から労働の実態について情報を求めます 「APD」と呼ばれる線量計は縦97ミリ、横58ミリ、厚さ16ミリ。防護服の下のシャツの胸ポケットに入れ、ガンマ線やベータ線を前面のセンサーで感知し、全身にどれだけの放射線を浴びたかを測る。毎日、東電が作業員に貸し出す。 作業員らによると、昨年11月30日、ビルド社の作業チーム約10人の半数ほどが原発構内の作業場に集められた。役員は厚さ数ミリ、縦横1メートルほどの鉛板を用意していた。通常は汚染水の配管を覆って放射線を遮るために使う鉛板とみられる。 役員はAPDの実物を使ってサイズを測り、鉛板に油性ペンで線を引かせて金属用のはさみで切断させた。作業員たちは万力やハンマーでAPDの前面、両側面、底を覆うカバーの形に整えた。「手で折り曲げた」と話す作業員もいる。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(以下略)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ |
この朝日のスクープ記事を各社が追ったみたいです。
NHKニュースでも流れていて、
毎日新聞夕刊の一面にも関連の記事が載りました。
被ばく線量偽装疑い 立ち入り調査(7月21日 NHK)
毎日新聞 2012年07月21日
東京電力が発注した福島第1原発事故の収束作業を巡り、下請け会社の役員が作業員に対し、放射線の線量計を鉛のカバーで覆うよう指示していたことが分かった。労働安全衛生法の規則で上限が決まっている作業員の被ばく線量を少なく見せかけるための工作とみられ、厚生労働省は同法違反の疑いがあるとして調査を始めた。
この下請け会社は、福島県の中堅建設会社「ビルドアップ」。東電が昨年11月、東電グループ会社の「東京エネシス」(東京都港区)に発注した工事の下請けに入った。作業は第1原発1〜4号機近くにある汚染水処理システムのホースを保温材で巻くもので、昨年12月に実施。ビルド社によると、この役員は「事前に現場に行った時に線量計の音の速さに驚き、被ばく低減の措置をしようと思った。現場で1度使用し、人数は9人」などと話しているという。
労働安全衛生法22条は労働者の健康障害防止のため必要な措置を講じなければならないと規定。鉛で線量計を覆って作業にあたらせれば違反となり、6カ月以下の懲役か50万円以下の罰金になる。
福島労働局などは21日、同原発内の東京エネシス事務所を立ち入り検査した。
【線量計に鉛カバー強要 被ばく線量偽装図る】原発事故で下請け会社役員
厚労省、立ち入り検査(2012/07/21 共同通信)
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