みどりの一期一会

当事者の経験と情報を伝えあい、あらたなコミュニケーションツールとしての可能性を模索したい。

【悩みのるつぼ】Qジェンダー学を学んだから?:(上野千鶴子)「恵まれた環境」捨てられますか?

2012-11-11 17:49:31 | ジェンダー/上野千鶴子
あすの朝刊各紙は、お休みです。
今日の新聞を取っておかなくちゃ・・・。
そういえばも朝日新聞は土曜日の夕刊がなくなりました。
その分、土曜日のbeをじっくり読んでいます。

で、昨日の朝日新聞beの回答者は上野千鶴子さん。

ひと月に一度回ってくる(らしい)上野さんの回答を楽しみにしています。
今回はなにかな・・・と読むと、ジェンダー学を学んだ女性からの質問。
うえのさんの回答はいつもおもしろいのですが、
専門分野の相談なので、水を得た「カウンセラー」みたいですねぇ。


【悩みのるつぼ】2012.11.11 朝日新聞

  【悩みのるつぼ】
ジェンダー学を学んだから?  相談者 女性会社員30代

2012.11.11 朝日新聞

 30代女性、大卒でいわゆる大手企業に就職し、社会人経験はもうすぐ10年です。私は大学時代にジェンダー論を専攻したので、日本企業の中で女性がど鵜扱われているかは、ある程度分かっているつもりでいました。
 しかし、当たり前のように女性はお茶くみ、補助的作業、管理職研修の案内がこない、管理職が一人もいないという状況で大企業ですらこんな状況だなんて、と落胆しました。・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(中略)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・ジェンダーについて学んだから、ささいな男女差別に花瓶に反応し、ジェンダーについて知らなければ、もっと素直に現在の状況を受け入れて、苦しまなくても済んだのではと思います。ジェンダーの勉強は自分にとって必要だったのか、と悩み、自分の中の呪縛から気持ちを切り替えなければと思っています。
 よい発想の転換方法があればご教示をあおぎたく存じます。
---------------------------------------------------------------------------------------------------------
 「恵まれた環境」捨てられますか?
回答者 社会学者 上野千鶴子


 30代、社会人おっと会社人経験10年ですか。煮詰まってクサる頃ですねえ。
 ジェンダー論をきちんと勉強なさったのなら、日本の大企業を選んだのは間違いでしたね。すでにいろいろな実証研究から、企業規模と性差別とが相関しているいることはよく知られています。「大企業ですら」女性管理職がいない、のではなく、「大企業だから」女性管理職がいない、のはデーからもはっきりしています。勉強が足りませんでしたね。・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(中略)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・さあて。これからどうしましょうかねえ。キャリアコンサルタントの気分で考えてみましょう。「ささいな男女差別に敏感に反応する」のはあなたが「ジェンダー学を学んだから」ではありません。あなたのなかに、理不尽な差別を許さない矜持があるからです。それならその矜持を折らなければ居られない環境を思い切って変える・・・つまり転職も選択肢です。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(中略)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・転職の機会はあっても、それをトライした形跡のないあなたは、きっと決断を先延ばししてきたんでしょうね。
 30代、これから家庭をつくるのか、おひとりさまで生きるのか、選択を迫られる年齢です。仕事命で生きるのでなければ今のあなたの環境はたしかに「恵まれた」もの。それがいやならもっとリスクの多い人生を選ぶのも手ですが、その能力と意欲はありますか? 会社に評価を求める代わりに、NPOや地域活動に活路を見出すのも手です。それにしてもこうやってやる気のある女性社員をクサらせる日本企業って、ほんとうに人材のムタ使いをしてるんですねえ。 


そうそう、上野千鶴子さんWeb連載<「おんなの本』を読みなおす>第二回もアップされています。

 上野千鶴子さんWeb連載<「おんなの本』を読みなおす>
第二回:森崎和江『第三の性 はるかなるエロス』


<「おんなの本』を読みなおす>のバナー。



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岐阜県図書館とカルコスをはしごして、本をどっさり持ち帰りました。

カルコスでは、信田さよ子さんの最新刊「家族の悩みにおこたえしましょう」を買いました。
この本、いろんな「家族の悩み」に信田さんが答えるという設定で、とってもおもしろいです。

こちらはホンモノの「カウンセラーはみた」です(笑)。



  家族の悩みにおこたえしましょう 
信田さよ子著/朝日新聞出版 (2012/9/20)

内容紹介
現場で日々格闘するカウンセラーの著者は、相談者の数限りない不安や悩みに向き合ってきた。また3・11以降、「絆」の時代と強調される状況のなかで、むしろ潜在的な家族の問題が浮かび上がってきたと語っている。
老後の不安、嫁と姑の不仲、不登校、親への暴力、子育ての悩み、アルコール依存症、DV被害、共依存、アダルトチルドレン、結婚への不安……。これらさまざまな人生の悩みを、具体的にどうすれば解決できるのか?
本書は世に出回っている人生相談とは一線を画し、28通りの悩みに、臨床40年のエキスを結晶させて答える。普段のカウンセリングでは表現しきれない、著者の考えを充分に知ることができる貴重な一冊。

目次から
Q 64歳の夫との将来の生活に不安をおぼえます モトコ、60歳
Q 妻が不安定でこまっています マサオ、55歳
Q 親になるのがこわいのです ミチコ、38歳
Q 浮気する妻に対して怒れません ユウジ、39歳
Q 妻子がいなくなってしまいました ミノル、40歳
Q 上手にお酒と付き合っていきたいのです ヒトミ、59歳
Q 息子が大学を卒業もせず、働きもしません サチコ、52歳
Q 地震以後世界が変わってしまいました リサ、34歳
Q 母とはいつまで同居すればいいのでしょうか? マユミ、38歳
Q 父の飲酒問題が心配です マキ、24歳
内容(「BOOK」データベースより)
臨床40年の経験を結晶させた、ふだんのカウンセリングでは伝えきれない著者の考え。回答がそうであるように、質問内容にもこれまでのカウンセリングのエキスが詰まっている。家族(親子、夫婦)、仕事、友人など多岐にわたる、28の問いと答え。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
信田/さよ子
1946年岐阜県生まれ。臨床心理士(原宿カウンセリングセンター所長)。お茶の水女子大学大学院修士課程修了。専攻分野はアディクション全般、アダルト・チルドレン(AC)、家族問題、DV(ドメスティック・バイオレンス)・虐待など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)


第10回 「引き受ける」という覚悟 (信田さよ子)

信田さよ子ブログ


庭の木々も紅葉がはじまりました。


黄モクレンのキンジュが真っ先に色づいています。



葉が大きいので、風で散る落ち葉も大量です。

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11月10日(土)のつぶやき

2012-11-11 01:23:06 | 花/美しいもの

☆好中球減少症に苦しむ(フェミニストの明るい闘病記8) 海老原暁子 | WAN:Women's Action Network wan.or.jp/reading/?p=8244


都知事選に出馬する宇都宮健児さんが日弁連会長時代に出した「都条例に反対する声明」〈子どもを守るためと称して、家庭教育への公権力の介入や表現の自由に対する公権力の規制を強めるという方向を目指すことは、決して正しいあり方とはいえない〉 bit.ly/VYQkRp (浩)

寺町みどりさんがリツイート | 56 RT

「11.11 反原発 1000000 人大占拠」/東京都が日比谷公園の使用を認めず、デモは中止に。 goo.gl/IEs2X


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