疑惑の小沢一郎氏の強制基礎の事件は、
一審に続いて、二審も無罪判決が出た。
市民感覚としては、納得できないけれど、取りあえず結論は出たようだ。
無罪判決を勝ち取って、あとは総選挙に突入か?
と、記事を書いていたら、たった今、野田総裁が「16日に解散すると明言」というニュースが流れた。
急いで、小沢さんの判決に対する社説を紹介しておきます。
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一審に続いて、二審も無罪判決が出た。
市民感覚としては、納得できないけれど、取りあえず結論は出たようだ。
無罪判決を勝ち取って、あとは総選挙に突入か?
と、記事を書いていたら、たった今、野田総裁が「16日に解散すると明言」というニュースが流れた。
急いで、小沢さんの判決に対する社説を紹介しておきます。
【社説】小沢代表無罪 検察の“闇”を調べよ 2012年11月13日 中日新聞 「国民の生活が第一」代表の小沢一郎被告は、二審も「無罪」だった。問題は検察が市民の強制起訴を意図的に導いた疑いが晴れぬことだ。生ぬるい内部検証では足りず、国会が徹底調査すべきだ。 そもそも、なぜ小沢氏は強制起訴されたのか。一審に続いて、二審も無罪判決が出た今、あらためて市民による検察審査会の判断に立ち戻ってみる必要がある。 資金管理団体「陸山会」の土地購入をめぐり、小沢氏を政治資金規正法違反に問うことの是非について、東京地検は二〇一〇年二月に不起訴とした。検察審は同年四月に「起訴相当」と議決し、再捜査を迫られた検察は、また不起訴の判断をした。 問題はこのときだ。再捜査の過程で、小沢氏の元秘書石川知裕衆院議員を再聴取したが、作成された捜査報告書はでたらめだった。「(石川議員が)検事から『うそをついたら選挙民を裏切ることになる』と言われたのが効いた」など、架空の内容が書かれていた。 石川議員がICレコーダーで録音していたため、一問一答形式の文書が明白な虚偽であると判明したわけだ。さらに当時の特捜部幹部が小沢氏の供述の不自然性などについて、捜査報告書をつくり、検察審に提出した。「小沢の共謀を推認する積極証拠となりうる」などとも記されていた。 本来は不起訴にした説明をする検察が、市民を強制起訴するよう誘導したと、受け止められてもやむを得ない内容だといえる。一審判決では「事実に反する捜査報告書で検察審査会の判断を誤らせることは許されない」とまで指摘されたほどだ。検察の恣意(しい)的な手法を断罪したに等しい。 だが、今年六月に最高検がまとめた報告書では、「(検事の)記憶が混同した」「故意ではなかった」などと結論づけ、市民から告発された検事すべてを不起訴処分にした。かつ、今も報告書をホームページなどで国民に広く知らせていない。あまりに身内に甘すぎる調査結果であり、真相はなお“闇”の中にあるといえよう。 検察審制度そのものへの冒涜(ぼうとく)に近い問題が露呈している。「記憶の混同」が許されるなら、どんな報告書もまかり通る。もし、検察のシナリオどおりに進んだとしたら、司法の汚点になるどころか、司法改革自体が台無しになる。 検察が暴走したら、どう食い止めるのか…。根源的な問いも、この事件は投げかけている。 |
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社説:小沢氏無罪―政治とカネ、いつまで 2012年11月13日(火)付 朝日新聞 政治資金収支報告書にうその記載をしたとして強制起訴された小沢一郎衆院議員が、東京高裁であらためて無罪となった。 追加の証拠調べがなく、結論は予想されていた。高裁は、実際に報告書をつくった元秘書らについても、わざとではなく、認識不足から一部誤って書いた可能性があると結論づけた。 元秘書らは検察によって起訴され、一審で虚偽記載の故意が認められた。高裁の別の裁判長のもとで、あすから二審が始まる。そこではどう判断されるのか、行方を見守りたい。 刑事責任の有無をはなれ、事件は「政治とカネ」をめぐる多くの疑問や不信を招いた。 今回の判決も、問題となった土地の取引が本来報告すべき年に報告されなかったこと、元秘書が公表を先送りする方針を決め、不動産業者らと調整したこと――などを認めている。 金や資産の流れをそのまま明らかにして、国民の不断の監視の下におく。それが法の精神ではないか。何億円もの動きについて、事実と異なる報告がされていた点に変わりはない。 疑惑が指摘された当初、小沢氏は会見で身の潔白をあかす書類を示して追及をかわした。後にそれは、日付をさかのぼって急きょ作成したものであることがわかった。捜査や公判を理由に国会での説明から逃げ続け、一審の法廷では「関心は天下国家で、収支報告書は見たこともない」と述べた。 こうした行いは国民と政治との距離を広げただけでなく、小沢氏への失望を呼び、活動の幅をせばめる原因にもなった。 その自覚と反省を欠いたまま、新しい政党をつくって「第三極」の結集をうったえたとしても、広範な支持を得るのはむずかしいだろう。 なげかわしいのは、他の政党や国会議員も同じだ。 事件によって、「秘書に任せていた」「法律の知識がなかった」ですんでしまう制度の不備が、再び浮かび上がった。ところが、かねて課題の企業・団体献金の廃止をふくめ、見直しの動きは起きていない。 抜け穴の多いしくみの方が楽だし、どうせ国民は忘れてしまうさ。そんな甘えがないか。 氏が政治の中心にいるときは思惑ぶくみで事件を利用し、後景に退けば知らんふりを決め込む。政局優先のご都合主義が、既成の、とりわけ大政党への不信となって表れている。 衆院の解散が近い。政治とカネというこの古くて新しい問題に、各政党はどう取り組むか。国民はしっかり見ている。 |
社説:小沢代表判決 「秘書任せ」ゆえの無罪 毎日新聞 2012年11月13日 政治資金規正法違反に問われた元民主党代表で「国民の生活が第一」の小沢一郎代表に対し、東京高裁が無罪を言い渡した。 1審に続く司法判断だ。「2度の無罪」の意味は重い。ただし、その内容も踏まえ判決を受け止めたい。 資金管理団体「陸山会」が04年に購入した土地をめぐり、元代表が提供した4億円が政治資金収支報告書に記載されなかったとして、元秘書らとの共謀が問われた。 1審判決は、衆院議員、石川知裕被告ら元秘書が土地購入費などを同年の報告書に記載しなかった行為を「虚偽記載」と認定。ただし、小沢代表が違法性について認識していたとの立証が不十分だとした。 高裁も元秘書らの認識の一部を除き、おおむねその判断を支持した。 1、2審の認定内容はこうだ。 小沢代表は土地購入の資金として4億円を石川被告に渡した。石川被告は金の出所についての取材などを避けるため、先輩秘書のアドバイスで4億円を簿外処理し、銀行から別途借り入れを行った。こうした政治資金のやり繰りに小沢代表はそもそも関心が薄かった−−。 小沢代表は公判で「政治資金収支報告書は一度も見たことがない」と述べた。報告書の作成を「秘書任せ」にしてきたとも繰り返した。 無関心だったがゆえに無罪になったといえる。報告書の記載を偽ることは「形式犯」ではないし、国民への背信行為に他ならないと、私たちは指摘してきた。刑事責任とは別に、政治資金に対する小沢代表の姿勢に改めて疑問を感じる。 高裁判決は、石川被告の4億円簿外処理について、計画的というよりむしろ「その場しのぎの処理」だとも指摘した。秘書を監督する立場の政治家としての責任も問われよう。 小沢代表は、刑事裁判を理由に国会での説明を拒んできた。政治家として説明責任を果たさなかったことを国民は忘れない。政治状況は混とんとするが、国会が近い将来、抜け道だらけの規正法の見直しに本腰を入れるべきなのは言うまでもない。 検察のずさんさも目を覆うばかりだった。供述の誘導があったとして石川被告らの調書の大半が証拠採用されなかった。また、検事が実際にはないやりとりを載せた捜査報告書まで作っていた。有力政治家への捜査のあり方を含め反省し、今後の教訓としなければならない。 検察審査会の強制起訴制度について批判も出ているが、市民の常識を生かす制度の意味は小さくない。不起訴の内容によって線引きすべきだとの意見もある。もっと公開性を高め、制度を前向きに生かす方向で検討を進めるのが妥当だろう。 |
陸山会事件:控訴審、小沢代表に無罪(その1) 衆院選へ動き活発化 ◇目を閉じ口結び、判決理由に聴き入る 「市民の判断による起訴」への回答は再び無罪だった。資金管理団体「陸山会」の政治資金規正法違反(虚偽記載)に問われた「国民の生活が第一」代表の小沢一郎被告(70)に対する12日の東京高裁判決。強制起訴から約1年10カ月、小沢代表の裁判は「政治とカネ」の問題だけでなく、東京地検特捜部の捜査や検察審査会のあり方など、さまざまな波紋を広げてきた。小沢代表も検察官役の指定弁護士も神妙な面持ちを崩さず、「第2幕」の結論に聴き入った。【石川淳一、山本将克】 午前10時半、東京高裁102号法廷。小川正持(しょうじ)裁判長に促されて小沢代表が証言台の前に立った。濃紺のスーツに紺とピンクのストライプのネクタイ姿。直立不動で小川裁判長を見つめる。「主文、本件控訴を棄却する」。法廷は一瞬静まりかえり、傍聴席から報道陣が早足で飛び出した。「元の席に戻ってください」。小川裁判長に促されるまで代表は深々と頭を下げ続けた。 主文の言い渡し後、代表は弁護士に挟まれる形で着席。目を閉じ、口を固く結んで判決理由の朗読に耳を傾けた。指定弁護士の主任格、大室俊三弁護士は時折天井を見つめた。 1審判決は代表にとって「薄氷の勝利」だった。指定弁護士の主張に沿い、04、05年分の政治資金収支報告書が虚偽とされ、元秘書らから報告を受け、了承したと認定された。「こちらは(無罪のため)控訴できませんからね」。1審判決後、代表の弁護団の一人は指定弁護士に対し不満を隠さなかったという。 控訴審には被告が出廷する義務はないが、9月の第1回公判に代表は姿をみせた。だが、冒頭に行われた人定質問で口を開いただけで即日結審。そしてこの日、指定弁護士の控訴から約半年でスピード判決が下った。 指定弁護士の大室俊三弁護士は「我々の主張が理解されず残念。上告するかどうかは結論が出ておらず、今後検討する」と話した。 ◇「反転攻勢の時期だ」−−「国民の生活」幹部 国民の生活が第一の小沢一郎代表に対し、東京地裁判決に続いて東京高裁が無罪判決を出したことで、小沢氏は次期衆院選をにらんだ動きを活発化させる構えだ。 生活の鈴木克昌国対委員長は12日、小沢氏の無罪判決を国会議員会館の自室のテレビで確認すると、記者団に「待ちに待った判決だ」と話し、「指定弁護士は、小沢一郎という政治家を痛めつけ政治を混乱させる上告をしないでほしい」と語った。 別の生活幹部は「反転攻勢の時期だ」と断言。小沢氏と連携する新党大地・真民主の鈴木宗男代表も「判決後に小沢さんがどう発信するかによって、新しい動きが出る」との見方を示している。 だが、小沢氏がにらむ「第三極」連携の軸である日本維新の会の橋下徹・大阪市長や、石原慎太郎・前東京都知事らは、これまで小沢氏と距離を置いている。小沢氏は2審でも無罪判決を勝ち取ったが、政局の主導権を握る道は険しいのが実情だ。【中島和哉】 |
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