みどりの一期一会

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敦賀原発1号機、美浜1号機・2号機の40年廃炉を求める意見書、山県市議会で可決。

2012-12-15 08:19:56 | 地震・原発・災害
昨日、山県市議会12月定例会で、市民から陳情で提出された画期的な意見書が、全会一致で可決された。

 タイトルは、「敦賀発電所1号機、美浜発電所1号機・2号機の40年廃炉を求める意見書」
 内容は、山県市役所から直線距離で敦賀発電所74kmと美浜発電所7 7kmであり、
 岐阜県が公開した放射性物質拡散シミュレーションでは、山県市でも避難勧告地域と同等となる地域が生じることを示し、
 ここのところ、大きく報道されている敦賀発電所2号機断層問題にも触れている。 
 結びは、「・・よって、国におかれては、これら法の基本精神に則り、建設から40年を経過した敦賀発電所1号機、美浜発電所1号機・2号機を廃炉とすることを強く求める。」というもの。

 
   議案書 印刷用A4版3ページ 639KB


 敦賀発電所1号機、美浜発電所1号機・2号機の40年廃炉
を求める意見書

平成24年9月に岐阜県原子力防災室が公開した「放射性物質拡散
シミュレーション結果について」(11月に追補版)では、岐阜県に最
も近い敦賀発電所が福島第一原子力発電所と同等の事故を起こした際
に、典型的な冬・春の気象条件の際に山県市でも避難勧告地域と同等
となる外部被爆量2 0 mSV/年を越える地域が生じることが明らかにさ
れた。
 さらに、1 0 mSV/年を超える地域として、山県市役所を含む市南部・
西部を中心に、市域の半分以上が汚染される可能性があることもあわ
せて示された。
 敦賀発電所とほぼ同じ位置には美浜発電所があり、山県市役所から
は直線距離でそれぞれ74kmと7 7kmであり、いずれの発電所で原
子力災害がおきても被害想定は変わらないものと考えられる。
 しかも、今般、敦賀発電所2号機の直下に活断層がある可能性が高
いことが明らかになった。
 一方、平成24年6月に原子力規制委員会設置法(平成24年法律第
47号)が制定され、公布された。同法により、原子力規制委員会が環
境省の外局として設置され、原子力規制庁が事務局とされた。
 また、核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律(昭
和32年法律第166号)は昨年3月11日に起きた福島第一原子力発電
所の事故を教訓に、二度と原子力災害を起こさないことを目指して平
成24年6月に改正され、公布された。同法では、発電用原子炉の運
転可能期間を原則として40年と定めている。
 現在、国内で40年を経過している発電用原子炉は敦賀発電所1号
機・美浜発電所1号機(建設から42年)、美浜発電所2号機(建設か
ら40年)の3基である。
 よって、国におかれては、これら法の基本精神に則り、建設から4
0年を経過した敦賀発電所1号機、美浜発電所1号機・2号機を廃炉
とすることを強く求める。
 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
 平成24年12月   日
                    岐阜県山県市議会
 提出先
参議院議長 内閣総理大臣 総務大臣 経済産業大臣
文部科学大臣 環境大臣 内閣府特命担当大臣(原子力行政)
内閣官房長官
 


 なお、山県市議会は6月議会でも再稼働問題についても意見書を出している。

 (関連)2012年6月29日ブログ「てらまち・ねっと」 
⇒  ◆全会一致で「原発再稼働に慎重な対応を求める意見書」を可決/原発は「54基」か「50基」か


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 以下に、この陳情と意見書の関連資料(「てらまち・ねっと」より転載)を紹介します。
 岐阜県内がいかに汚染地帯となり得るかがよくわかる資料です。。
 
(転載、転送歓迎)
● 陳情資料
          資料 印刷用カラー2ページ 479KB
(本年岐阜県公表の予測結果を抜粋・編集/地図に山県市や赤丸を加筆等した)
2枚目右下の図10mSvの意味= 「放射線管理区域(被ばくを防ぐために不必要な出入りが禁じられる区域)の約2倍の線量」

●放射性物質拡散シミュレーション結果について
平成24年9月/ 岐阜県知事直轄・危機管理部門原子力防災室
平成23年3月の福島第一原子力発電所事故では、従来の防災対策を重点的に充実すべき地域を超える範囲にまで、放射性物質による影響がありました。

岐阜県は、最寄りの原子力事業所(敦賀発電所)から県境まで約25km の位置にあることに加え、若狭湾方向から風が吹く日が多いことから、県としても原子力災害に対して対策を講じておく必要があります。

この対策につなげるため、福島第一原子力発電所事故と同様の放射性物質の放出が、本県に最寄りの原子力事業所の位置で発生したと仮定した場合における本県への影響を、科学的な手法によりシミュレーションしました。なお、このシミュレーションは、過去の気象条件のもとに、福島第一原子力発電所事故での推定放出量や沈着に関するモデル計算手法などを用いて計算したものです。したがって、事故が発生した場合には、放射性物質の拡散の傾向を示すものとして捉え、その時点における事故の状況、気象条件、放射線モニタリングデータなどの情報を勘案し、対策を考えていくべきものです。



沈着した放射性物質による外部被ばく
(9)各季節で線量が最大:冬  (平成22年12月24日4時放出開始)







● 放射性物質拡散シミュレーション結果について(追補版)/平成24年11月 /岐阜県
沈着した放射性物質による外部被ばく

(6)各季節で線量が最大:春  (平成22年3月28日14時放出開始)  

  
(9)各季節で線量が最大:冬 (平成22年12月24日4時放出開始)




 ★上記のもとになった岐阜県の拡散予測
  ●     放射性物質拡散シミュレーション結果について 平成24年9月/ 岐阜県知事直轄・危機管理部門原子力防災室




  ●     放射性物質拡散シミュレーション結果について(追補版) /平成24年11月 /岐阜県

郡上方面


南部方面




(参考)
●原子力規制委員会設置法   原子力規制委員会設置法 (平成二十四年六月二十七日法律第四十七号)
(設置)
第二条  国家行政組織法(昭和二十三年法律第百二十号)第三条第二項の規定に基づいて、環境省の外局として、原子力規制委員会を設置する。

(原子力規制庁)
第二十七条  原子力規制委員会の事務を処理させるため、原子力規制委員会に事務局を置く。
2  前項の事務局は、原子力規制庁と称する。
3  原子力規制庁に、事務局長その他の職員を置く。
4  前項の事務局長は、原子力規制庁長官と称する。


●核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律   核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律 (昭和三十二年六月十日法律第百六十六号

 (運転の期間等)
第四十三条の三の三十一 発電用原子炉設置者がその設置した発電用原子炉を運転することができる期間は、当該発電用原子炉の設置の工事について最初に第四十三条の三の十一第一項の検査に合格した日から起算して四十年とする。
2 前項の期間は、その満了に際し、原子力規制委員会の認可を受けて、一回に限り延長することができる。
3 前項の規定により延長する期間は、二十年を超えない期間であって政令で定める期間を超えることができない。
4 第二項の認可を受けようとする発電用原子炉設置者は、原子力規制委員会規則で定めるところにより、原子力規制委員会に認可の申請をしなければならない。
5 原子力規制委員会は、前項の認可の申請に係る発電用原子炉が、長期間の運転に伴い生ずる原子炉その他の設備の劣化の状況を踏まえ、その第二項の規定により延長しようとする期間において安全性を確保するための基準として原子力規制委員会規則で定める基準に適合していると認めるときに限り、同項の認可をすることができる。

 附 則 (平成二四年六月二七日法律第四七号) 抄
(施行期日)
第一条  この法律は、公布の日から起算して三月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
一  第七条第一項(両議院の同意を得ることに係る部分に限る。)並びに附則第二条第三項(両議院の同意を得ることに係る部分に限る。)、第五条、第六条、第十四条第一項、第三十四条及び第八十七条の規定 公布の日
三  附則第十六条、第二十条、第三十一条、第三十二条、第五十八条、第六十九条、第九十一条及び第九十六条の規定 平成二十五年四月一日
四  附則第十七条、第二十一条から第二十六条まで、第三十七条、第三十九条、第四十一条から第四十八条まで、第五十条、第五十五条、第六十一条、第六十五条、第六十七条、第七十一条及び第七十八条の規定 施行日から起算して十月を超えない範囲内において政令で定める日  (※ブログ管理者注 H24.9.19施行なのでH25.7.18が期限)



(参考) 内閣法制局 
        内閣法制局/法律の原案作成から法律の公布まで
法律の原案作成から法律の公布まで
法律の成立
•法律案は、憲法に特別の定めのある場合を除いては、衆議院及び参議院の両議院で可決したとき法律となります。
こうして、法律が成立したときは、後議院の議長から内閣を経由して奏上されます。

法律の公布
•法律は、法律の成立後、後議院の議長から内閣を経由して奏上された日から30日以内に公布されなければなりません。
法律の公布に当たっては、公布のための閣議決定を経た上、官報に掲載されることによって行われます。
(官報では、公布された法律について、一般の理解に資するため「法令のあらまし」が掲載されています。)

「公布」は、成立した法律を一般に周知させる目的で、国民が知ることのできる状態に置くことをいい、法律が現実に発効し、作用するためには、それが公布されることが必要です。
なお、法律の効力が一般的、現実的に発動し、作用することになることを「施行」といい、公布された法律がいつから施行されるかについては、通常、その法律の附則で定められています。
•法律の公布に当たっては、その法律に法律番号が付けられ、主任の国務大臣の署名及び内閣総理大臣の連署がされます。


きょうは東京で開催される「脱原発世界会議2」に出かけます。
「日常のモヤモヤから政治へ-手をつなぐ女たち」セッションでゲストスピーカーを頼まれています。
わたしのテーマはズバリ「あなたもなれる市議会議員」。
終了後のレセプションにも招待状が届いているので帰りは明日になります。

衆院選の投票は、昨日、期日前投票を済ませてきましたよ。

ではまた。

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12月14日(金)のつぶやき

2012-12-15 01:26:15 | 花/美しいもの

一度事故が起きたら取り返しのつかない甚大な被害を発生させる。もう一度事故が起きたら日本社会そのものが崩壊してしまう。高レベル放射性廃棄物は10万年も管理しなければならず、次世代につけを残す。電力の大消費地の東京都から脱原発政策を働き掛けるべきだ。(2012.11.9 会見より)

寺町みどりさんがリツイート | 22 RT

不当勾留中の下地さんから 声明文が届きました blog.goo.ne.jp/garekitaiho111…

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東日本大震災復興支援企画『リクゼンタカタ―私はどうして東京と東北で公演をやろうと思ったのか』 blog.goo.ne.jp/midorinet002/e…


正月は、うちの実家はもう何年も前からおせち購入派。食器洗いはオヤジの役目。帰ったらお雑煮だけつくればよい。同居人ともそれぞれ自分の実家に帰るので、余計な摩擦もない。この無理のない体制をつくるまでの血の歴史と今の楽さを考えると、ほんと、家族のきずなとか無駄ですねっておもいます☆

寺町みどりさんがリツイート | 1 RT

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