「介護施設職員の高齢者虐待57%増」の記事を読むとこころが痛い。
1年前に亡くなった母は、脳溢血で倒れて左半身マヒになったので、
一人暮らしは無理ということで、有料老人ホームに入所した。
車いす生活に慣れる間もなく、動かない左手をねん挫して、左手がパンパンに腫れ、
ホームの車で整形外科に連れて行かれた。
自力で手をついたりできないのに、自分でくじいたといわれて、
くやし涙を流して、お風呂でヘルパーに手をひねられた、とわたしに訴えた。
夜に、トイレに行きたくてヘルパーを呼ぶと、お腹を叩かれるとも。
母は真実を明らかにして謝ってほしい、ということだったので、
ケアマネと話して、母の言葉を伝えた。
ほどなくして、意地悪で乱暴なヘルパーはホームから消えた。
その後、母に対してだけでなくホーム全体で高齢者への対応が見直され、
母は落ち着いて過ごすことができるようになった。、
弱い立場の高齢者はみずから訴えるすべもなく、
きっと統計にはあらわれないところで、泣き寝入りしている人も多いのだろうと思う。
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ジェンダー平等政策キャンペーンをしているさなかに、
中日新聞に、「〈終末期を考える〉 尊厳死法案をめぐって」の記事が掲載された。
紹介しようと思って記事を取っておいて、遅くなってしまったけれど紹介します。
尊厳死法案も、弱い立場の当事者に、命をあきらめることを強いるのではないかと心配している。
最後まで読んでくださってありがとう
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明日もまた見に来てね
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1年前に亡くなった母は、脳溢血で倒れて左半身マヒになったので、
一人暮らしは無理ということで、有料老人ホームに入所した。
車いす生活に慣れる間もなく、動かない左手をねん挫して、左手がパンパンに腫れ、
ホームの車で整形外科に連れて行かれた。
自力で手をついたりできないのに、自分でくじいたといわれて、
くやし涙を流して、お風呂でヘルパーに手をひねられた、とわたしに訴えた。
夜に、トイレに行きたくてヘルパーを呼ぶと、お腹を叩かれるとも。
母は真実を明らかにして謝ってほしい、ということだったので、
ケアマネと話して、母の言葉を伝えた。
ほどなくして、意地悪で乱暴なヘルパーはホームから消えた。
その後、母に対してだけでなくホーム全体で高齢者への対応が見直され、
母は落ち着いて過ごすことができるようになった。、
弱い立場の高齢者はみずから訴えるすべもなく、
きっと統計にはあらわれないところで、泣き寝入りしている人も多いのだろうと思う。
介護施設職員の高齢者虐待57%増 過去最多の151件 (2012年12月22日) 【中日新聞】 家族・親族による虐待 10年度比0.4%減 特別養護老人ホームなど介護施設職員による高齢者への虐待件数が2011年度、前年度より55件(57.3%)増の151件で、調査を始めた06年度以降で最多だったことが、厚生労働省の調査で分かった。一方、家族・親族による虐待は1万6599件で、過去最多だった前年度比0.4%減。家族・親族からの虐待で死亡したのは前年度と同じ21人だった。 厚労省は、高齢者が認知症で十分に意思疎通ができないことがきっかけになることもあると分析。「施設での研修や教育を徹底し、認知症に対する理解を深めることが職員の虐待を防ぐ方策の1つではないか」としている。 施設職員による虐待が増えたのは、虐待問題への認識が深まり市町村などへの相談や通報が増えたことも一因と厚労省はみている。 調査は、高齢者虐待防止法に基づき実施。全国の市町村などが受けた相談や通報の中から、実際に虐待と確認された件数について、施設職員による場合と家族・親族の場合をそれぞれまとめた。 施設職員による虐待を市町村などに相談や通報した人の内訳は、同じ施設の職員が30.4%、家族・親族が27.2%。同じ施設を辞めた元職員も14.8%に上った。 家族・親族による虐待の相談・通報者は、介護計画の作成などを担当するケアマネジャーが42.4%と圧倒的に多く、家族・親族が12.2%、本人が11.1%だった。 施設職員による虐待の相談、通報件数は前年度比35.8%増の687件。虐待と確認された事案の内訳(複数回答)は、「身体的虐待」74.8%、暴言など「心理的虐待」37.1%、「介護放棄」10.6%、「性的虐待」4.0%、年金や貯金を勝手に使うなど「経済的虐待」2・6%。 虐待が認められた訪問介護事業所で、運営上の問題もあるとして、6カ月の指定停止を受けた例も1件あった。 |
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ジェンダー平等政策キャンペーンをしているさなかに、
中日新聞に、「〈終末期を考える〉 尊厳死法案をめぐって」の記事が掲載された。
紹介しようと思って記事を取っておいて、遅くなってしまったけれど紹介します。
尊厳死法案も、弱い立場の当事者に、命をあきらめることを強いるのではないかと心配している。
〈終末期を考える〉 尊厳死法案をめぐって (上) 延命の判断 悩む現場 (2012年11月27日) 【中日新聞】 病院側に訴訟リスク 法制化で意思尊重 患者自らの意思で人工呼吸器などによる延命措置を受けず、最期を迎える「尊厳死」。法制化を目指す超党派の国会議員連盟は、患者の意思に基づいて延命措置をしない医師の「法的責任を問わない」とする法案をつくり、国会への提出を目指している。終末期医療が直面する現実と、賛否だけではない法案へのさまざまな思いを、2回にわたって紹介する。(佐橋大) 今年7月、愛知県内の病院に、近隣の特別養護老人ホームから90代の女性入所者が救急車で運ばれた。人工呼吸器と点滴が施されたが、意識は戻らない。体が受け付けないのか腕はむくみ、体液があふれてきた。 駆け付けた娘(68)は、母が「延命措置を望まない」と話していたことを思い出し、病院に点滴などをやめるよう求めたが、病院は応じなかった。「かわいそうで付き添いの間、泣き続けた」と娘。搬送から4日後、女性は亡くなった。 厚生労働省が2007年に定めた「終末期医療の決定プロセスに関するガイドライン」では、終末期医療は、患者本人の意思を基本とし、意思確認ができない場合は、家族などが患者の意思を推定し、尊重すると定めている。 推定が難しければ、家族らと十分に話し合い、患者に最善の治療をする。本人が延命を望まないと判断されれば、過度な延命措置は、なされないはずだ。 しかし現場では、その通りにならないことが多い。名古屋大医学部の葛谷雅文教授(地域在宅医療学・老年科学)によると、患者の事情をよく知る医師が救急の担当で、代理で意思決定できる家族が付き添っているなどのごく例外を除き、救急の現場では、呼吸器をつけるなど命を救う措置が最優先される。「救命が救急医療の使命。責められるべきではない」と葛谷さん。 事前に意思を記す患者はごくわずか。その後に延命措置を続けるかは、家族らとの話し合いで決める。その際、家族から中止の申し出があっても、医師は悩む。家族の1人が延命措置の中止を了解しても、別の家族や親戚が異を唱える可能性があるからだ。必要な治療を怠ったと病院が訴えられ、医師が殺人罪で告訴される可能性も否定できない。「訴訟リスクを考えると、延命措置を中止できない」と打ち明ける医師もいる。患者が終末期の意思を記す「事前指定書」があっても、不安が残る。 厚労省のガイドラインは、事前指定書の位置付けが不明確で、それに従った場合の免責の規定もない。ガイドラインだけでは、法的責任を問われる心配がぬぐいきれないという。 尊厳死法案の実現を求めている日本尊厳死協会東海支部の青木仁子支部長は「生きていれば年金が入る、と自分たちに都合のいい延命を患者に強いている家族もいる」と指摘。「尊厳死法案は、自己決定による終末期医療を支援するもの」と話す。 法案は15歳以上の患者を対象とする。行い得るすべての適切な治療をしても回復の可能性がなく、死期が間近と判定された状態を「終末期」と定義。正常な判断ができるうちに、延命を望まないことを患者が書面などで意思表明し、複数の医師が終末期と判断するなどの条件を満たした場合、延命措置をとらなくても医師は法的責任を問われない、としている。措置を中止した場合も免責とする案もある。 「終末期の判断が誤りだ」と訴えられる可能性は残るが、医師が法的責任を問われる可能性は減るとみられる。「患者の意思を大事にする医師を守ることで、患者の意思が尊重される」と青木さん。 本人が延命措置を望まない意思を事前に示していても、家族が延命を望めば、「今は、訴えられる可能性や家族の心のケアの問題から、措置の差し控えは難しい」と葛谷さんは言う。法制化すれば、「訴えられるかも」という心配は減り、延命措置をしないことへのハードルは下がる、と予測する。 一方で、葛谷さんは「家族と話し合う過程をなくしてはいけない。家族が納得するのも大事」とも。在宅や施設で延命措置をせずに最期を迎えたいという人も多いが、そのためには「在宅医療やみとりができる施設を今以上に充実させることも必要」と訴える。 【尊厳死法案】 超党派の「尊厳死法制化を考える議員連盟」が提出を計画。衆院解散前の議連参加議員数は民主、自民、公明など134人。昨年、延命措置を始めない医師を免責とする第1案を公表、今年6月、措置の中止も免責とする第2案が追加された。各党の党内手続きが進まず、次期国会以降の提出を目指す。経管栄養や人工呼吸器を必要とする難病患者や障害者団体などから反対の意見が出ており、医師からも終末期の定義などでの問題点が指摘されている。 【日本尊厳死協会】 死の在り方を選ぶ権利の確立を目指し医師、法律家などが1976年に結成。約12万人の会員は、延命措置を拒む「リビング・ウイル」に署名している。会によると、2011年に死亡退会した会員の83%が終末期にリビング・ウイルを示し、90%で意思が反映された。2%が反映されず、「不明」は8%。 |
〈終末期を考える〉 尊厳死法案をめぐって (下) 思い通り「選択」できるか (2012年12月4日) 【中日新聞】 難病患者ら懸念 「回復不能」判断も困難 10月中旬、参院議員会館(東京都)で開かれた学習会に、進行すると人工呼吸器などが必要になる難病の患者、関係者が集まった。尊厳死の法制化に反対する2団体のメンバーだ。 「尊厳死法が成立し、人工呼吸器を拒む意思を示す人が増えると、呼吸器装着への世間の目が厳しくなる」「装着をあきらめる患者が増える」などの発言が相次いだ。「法制化は、医療費削減のためでは」と勘ぐる声も。 「法制化の影響を受ける」と関係者らが懸念する病気の1つが、神経難病の筋萎縮性側索硬化症(ALS)。頭脳の働きや痛み、かゆみなどの感覚はそのままで、全身の筋肉が衰弱する。進行すると呼吸筋もまひし、人工呼吸器が必要に。飲み込みもできず、胃に直接栄養を流す胃ろうに頼らざるをえない。 ALS患者は約9千人。尊厳死法反対の団体に名を連ねる川口有美子・日本ALS協会理事(49)は「24時間の介護サービスが保障されていないため、家族の介護負担を考え、今でも7割の人が人工呼吸器をつけたいと言えず、亡くなっている。法制化によって、患者は『生きたい』とさらに言えなくなる」と懸念する。 「患者の意見もいろいろ。どう終末期を迎えるか、患者自身に選択させてほしい」と訴えるのは、名古屋市緑区のALS患者、川西正彦さん(57)。目や眉の動きで文字盤の文字を指定し、意思を伝える。14年前にALSと診断され、9年前から人工呼吸器を使っている。 今の日本で、体中が動かせなくなった時点で、呼吸器を外す医師はまずいない。外せば患者は確実に死亡し、殺人罪に問われかねないからだ。一度呼吸器を選んだら、患者が終末期の在り方を決められないのが現実だ。文字盤を指示する目や眉も、病気が進めば動かせなくなる。「自分の意思が他の人に伝えられない苦痛には、耐えられないと思う。人形のように生きるのは…」。川西さんは文字盤で語る。 愛知県でALS患者の訪問看護をしている冨士恵美子さん(55)は「途中で外せないと聞き、呼吸器をつけるか悩むALS患者はたくさんいる」と明かす。「法制化で『この時点までは呼吸器』といった患者の意思が反映されるようになれば、呼吸器への抵抗感は減るのかも」と指摘する。 法制化への思いは違っても、ALS関係者に共通するのは、「生きる支援を充実させるのが先決」という思い。冨士さんは「患者が家族に気兼ねなく『生きたい』と言える環境が必要」と訴える。日本ALS協会愛知県支部の玉木克志・前事務局長(56)は「患者の意思を最大限、くみ取れるコミュニケーション支援も充実させてほしい」と訴える。 「法制化されたら僕は死んでいたかもしれない」。東京都北区の筋ジストロフィー患者、小田政利さん(44)は「回復不能で死期が間近」という「終末期」の判断に疑問を投げかける。 小田さんは15年前、全身の筋肉が萎縮していく筋ジストロフィーのため、呼吸困難になった。家族の介護負担を考えて呼吸器をつけず、酸欠で意識を失った。兄には「呼吸器はつけないで」と伝えていた。 病院の救急の医師は「意識が戻ることはまずない」と告げ、家族に呼吸器をつけるか聞いた。自発呼吸もままならない状態は、「死期が間近」ともいえる。尊厳死法案では、複数の医師が終末期と判断し、患者が延命を望まなければ、医師は、呼吸器をつけなくても法的責任を問われない。家族は小田さんの意思を知りつつも呼吸器の装着を頼み、小田さんは意識を取り戻した。 今は電動車いすを使い、障害者の相談などの仕事をこなす。「回復不能の判断に間違いはないのか」。あのとき、「意識は戻らない」と言った医師への不信感から、小田さんは法制化に反対する。中部地方の医師からも、「老衰や認知症など、がんでない終末期の判断は難しい」「一刻を争う救急の現場で、終末期かどうかを判断するのは困難」など、終末期の判断に戸惑いの声が聞かれる。 尊厳死の法制化を求める日本尊厳死協会は、東海支部が中心になり、現場の医師の参考にしてもらおうと、終末期を判断する具体的な提言をまとめ、来年4月の出版を予定する。法制化が患者の選択肢を奪うとの指摘には、青木仁子同支部長は「誤解だ。私たちは患者本人の意思を尊重してほしい、と言っているだけ」と反論している。(佐橋大) 尊厳死法案 超党派の国会議員が提出を目指している。昨年12月、15歳以上の患者の自己決定に基づき、終末期の延命措置をしない医師の免責を定める第1案を公表。今年6月には、措置の中止も免責とする第2案をまとめた。 |
最後まで読んでくださってありがとう
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