2月17日の中日新聞書評欄に、色川大吉さんの新刊、
『東北の再発見 民衆史から読み直す』の書評を熊谷達也さんが書かれているのを見つけました。
2013.2.17 中日新聞
色川さんに新聞記事をお送りしたら、色川さんからサイン入りの本が届きました。
わたしは色川さんのファンなので、とてもうれしいです。
『東北の再発見 民衆史から読み直す』 色川大吉著
色川さんから届いた本は、
『東北の再発見 民衆史から読み直す』(12/30)と、
『色川大吉歴史論集 近代の光と闇』(1/18)『平成時代史考 わたしたちはどのような時代を生きたか』(2/15)の3冊。
いずれも初版のサイン入り本です。
毎月、新刊を発行していらっしゃるなんてすごいですね。
他の仕事をほうりだして、さっそく3冊とも読みました。
どの本にも通底して感じるのは、色川さんの視点の低さと誠実さ、
時代と歴史に埋もれて生きた人たちに寄り添う語り口のあたたかさです。
それこそが、色川さんにであわなければ語り継がれることのなかった人たちを、
いまだ出会っていない人たちにたしかに伝える、ことばのチカラというものなのでしょう。
色川さんにであい、同じ時代を生きることができてよかった、とこころから思います。
『色川大吉歴史論集 近代の光と闇』
『平成時代史考 わたしたちはどのような時代を生きたか』色川大吉著
・・・・わたしたちは、歴史を見るのに自分を高い視点におくことを改め、歴史形成の基礎である民衆のレベルに自分の視座をすえ直そう。みずからも民衆の一人として生活者の場からものを見よう、そのためには姿勢を低くし、視座を低くして、同時に自分自身を相対化できるような目を養ってゆかねばならない。・・・・
『東北の再発見 民衆史から読み直す』P136より
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2013.3.3 朝日新聞
色川大吉さんの「自由民権」変革の志 復興の情熱に(朝日新聞)/早春に咲く椿(2012-03-02)
経験と歴史 つなぐ道探る 昭和の<自分史>を完結 色川大吉さん(歴史学者)(2011-02-06)
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『東北の再発見 民衆史から読み直す』の書評を熊谷達也さんが書かれているのを見つけました。
2013.2.17 中日新聞
色川さんに新聞記事をお送りしたら、色川さんからサイン入りの本が届きました。
わたしは色川さんのファンなので、とてもうれしいです。
『東北の再発見 民衆史から読み直す』 色川大吉著
色川さんから届いた本は、
『東北の再発見 民衆史から読み直す』(12/30)と、
『色川大吉歴史論集 近代の光と闇』(1/18)『平成時代史考 わたしたちはどのような時代を生きたか』(2/15)の3冊。
いずれも初版のサイン入り本です。
毎月、新刊を発行していらっしゃるなんてすごいですね。
他の仕事をほうりだして、さっそく3冊とも読みました。
どの本にも通底して感じるのは、色川さんの視点の低さと誠実さ、
時代と歴史に埋もれて生きた人たちに寄り添う語り口のあたたかさです。
それこそが、色川さんにであわなければ語り継がれることのなかった人たちを、
いまだ出会っていない人たちにたしかに伝える、ことばのチカラというものなのでしょう。
色川さんにであい、同じ時代を生きることができてよかった、とこころから思います。
『色川大吉歴史論集 近代の光と闇』
『平成時代史考 わたしたちはどのような時代を生きたか』色川大吉著
・・・・わたしたちは、歴史を見るのに自分を高い視点におくことを改め、歴史形成の基礎である民衆のレベルに自分の視座をすえ直そう。みずからも民衆の一人として生活者の場からものを見よう、そのためには姿勢を低くし、視座を低くして、同時に自分自身を相対化できるような目を養ってゆかねばならない。・・・・
『東北の再発見 民衆史から読み直す』P136より
【書評】東北の再発見 民衆史から読み直す 色川大吉著 2013年2月17日 東京新聞 ◆郷土のために尽くす人々 宮沢賢治の名作『銀河鉄道の夜』はいかにしてこの世に生み出されたのか。まずは、第一部においてこの謎を解明するところから、本書はスタートしている。賢治の盛岡高等農林学校時代からの親友(保阪嘉内)、八戸で時計店を営んでいた草の根の天文学者(前原寅吉)、そして一九一〇年に地球に接近したハレー彗星(すいせい)の三者が深く関係しているはずだ、という著者の推論はそれだけで十分に刺激的で面白い。 このような面白みのある新鮮な発見や物事に対する新しい見方、あるいは、事象の裏側に隠されている真実を、今を生きる私たち自身の手元に引き寄せるための大切なツールが、本書のなかで繰り返し述べられている民衆史なのだろう。確かに、教科書に載っているような(いわゆる)史実を漫然と眺めているだけでは気づけないことが、この世界には山ほどある。 本書には、そうした民衆史の視点に立った論考が多岐にわたって収められているのだが、難しく構える必要はまったくない。それぞれに新鮮な発見があり、ふと気づくと、新たな視点で物事を考えている自分がいるだろう。 そんな豊かな読書体験をしたところで私たちは、すでに「3・11」と記号化して語られるようになった東日本大震災に、それぞれの立場で思いを巡らすことになるはずだ。あの大震災は、この国が抱えていた何を露(あら)わにして、この国に暮らす私たちに何を突きつけているのか。そして、これからの私たちはどう生きていくべきか。 本書中の-わたしたちの身のまわりには、ある土地で生まれて、そしてその郷土に一生懸命尽くして、途中、何年かは東京へ出たりして修行しても、帰ってきて、この故郷の大地の塩のようになっていった多くの人がいたわけです。そういう人たちこそ民衆文化の宝である。そういった宝を中心にして歴史は書かれなければならない-という著者の言葉が心に滲(し)みる一冊だ。 いろかわ・だいきち 1925年生まれ。歴史家。著書に『明治精神史』『定本 歴史の方法』など。 (河出書房新社・2940円) [評者] 熊谷達也 作家。著書に『邂逅の森』『荒蝦夷』『ゆうとりあ』など。 <もう1冊> 野添憲治著「みちのく・民の語り」(叢書全六冊・社会評論社)。マタギや開拓農民など、東北の民衆への聞き書き集。 |
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2013.3.3 朝日新聞
色川大吉歴史論集 近代の光と闇 [著]色川大吉 2013.3.3 朝日新聞 ■「歴史の辛さ」ともにかみしめ 天皇制の是非について2人の歴史学者が対談した。 A「これは憲法にあきらかなように、すべて国民に任せるという気持です」 B「国民が望むか望まないかの問題ですね、場合によっては天皇制は無くなってもよい」 A「そういうことだと思います」 B「昭和という元号についてはどうですか」 A「西暦にしたらよいですよ。(元号は)なにかにつけ、とても不便です」 Aは、昭和天皇の弟で古代オリエント史学者の三笠宮崇仁(たかひと)、Bは本書の著者色川大吉である。戦後すぐ、三笠宮は東大文学部で西洋史を、色川は日本史を学んだ。右のやりとりは、もともと1974年に月刊誌に掲載された対談の一節。三笠宮との交友をつづる本書収録のエッセーで紹介されている。 「歴史論集」と題にうたうが、読みやすい内容だ。巻頭の「歴史家の見た宮沢賢治の光と闇」で著者は言う。 ――賢治の作品は「暗くて悲しくて、読んでいて辛(つら)い」と学生らは言う。しかし、この辛さは実は賢治が生きた時代の辛さ、「歴史の辛さ」であり、その辛さに共感することが「賢治の時代の人びとへの哀悼なのだ」と。 盛岡高等農林学校で賢治と意気投合した保阪嘉内、帝国憲法制定に先立って民主的な「五日市憲法草案」を起草した民権家の千葉卓三郎、町の芸者屋・鹿島家の「君ちゃん」……。著者は、歴史の闇の中に消え入ろうとする人物に光をあて、「歴史の辛さ」をともにかみしめる。 中世史家の故網野善彦は、東大の3年後輩。日本の近現代にふれた網野の著書『日本社会の歴史』下巻(岩波新書)について、色川は「民衆を全く歴史の客体扱いし」ていると厳しく批判する。 「(網野を)疑ってかかることから、歴史家網野善彦への真の理解もはじまる」 ◇ 日本経済評論社・2940円/いろかわ・だいきち 25年生まれ。東京経済大名誉教授。『明治精神史』『ある昭和史』など。 |
『平成時代史考 わたしたちはどのような時代を生きたか』 色川大吉著/[季刊]やま かわ うみ 別冊 日刊ゲンダイ2013年2月26日付にて紹介 平成時代史考 25年目に突入した「平成時代」を回顧、総括する歴史読み物。 東西冷戦構造が終わりを迎えた1989年に始まり、東日本大震災と未曾有の原発事故が起きた2011年を経て、現在に至る平成時代は、「世界の重大事件が直ちに日本に響き、日本の重大事件が世界にすぐ跳ね返る時代」だと著者はいう。人類がグローバルな世界に生きるようになったこの時代を、世界史の中に位置づけ、著者の私的事跡、感慨を織り交ぜながら振り返る。昭和から平成にまたいだバブルの検証など、世相や歴史事情、物故者の追想など、多視点から平成を考える。 |
『追憶のひとびと』 色川大吉 著/ 街から舎 ☆主な登場人物 井上ひさし、松本清張、司馬遼太郎、藤沢周平、辻邦生、木下順二、つかこうへい、高峰秀子、淡島千景、北林谷栄、千田是也、岡田嘉子、橋本義夫、小田実、土本典昭、小川紳介、三島由紀夫、吉本隆明、江藤淳、上野英信、鶴見和子、奈良本辰也、服部之総、網野善彦、色川武大ら50人。 ☆わたしの<五つ星>推薦本です!50人中、女性は8人。どうして少ないのかと尋ねたら、「女は長生きするから」。なるほど。 色川さんの苛烈で、忌憚のない人物評を聞くためなら、先に死んでも良いと思えるぐらいだが、問題は死んだら、それを読めないということだ。 社会学者・東大名誉教授 上野千鶴子 ☆著者プロフィール 色川大吉(いろかわ だいきち) 1925年、千葉県佐原市生まれ。1944-45年、海軍航空隊。1948年東大文学部国史科卒業。日本近代史家。東京経済大学名誉教授。演劇人、登山家、旅行家としての経歴あり。著書多数、『ユーラシア大陸思索行』『シルクロード悠々』『明治の文化』『ある昭和史』はロングセラー。 |
色川大吉さんの「自由民権」変革の志 復興の情熱に(朝日新聞)/早春に咲く椿(2012-03-02)
経験と歴史 つなぐ道探る 昭和の<自分史>を完結 色川大吉さん(歴史学者)(2011-02-06)
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