みどりの一期一会

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「明日戦争がはじまる」宮尾節子/国会の蔑視やじ「女性の活躍」が泣く/ヘイトスピーチ根絶へもっと力を

2014-07-10 21:21:06 | ほん/新聞/ニュース
昨日の朝日新聞に、ネットで評判になって拡散されている
宮尾節子の詩「明日戦争がはじまる」ことが載っていました。

記事には、
 今月2日、この詩の著作権を放棄した。そのことを宣言したツイッターのつぶやきには、こうつづった。「みなさんの拡散や引用がなければ、このように読まれることのなかった詩です。(中略)どうぞご自由にお使いください。願わくば平和のために」
とありますので、宮尾さんの詩を紹介させていただきます。
     

明日戦争がはじまる

    宮尾節子
 

まいにち

満員電車に乗って

人を人とも

思わなくなった
 

インターネットの

掲示板のカキコミで

心を心とも

思わなくなった

 

虐待死や

自殺のひんぱつに

命を命と

思わなくなった
 

じゅんび



ばっちりだ 

戦争を戦争と

思わなくなるために


いよいよ

明日戦争がはじまる


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  社説:ヘイトスピーチ―根絶へもっと力を 
2014年7月10日(木)付 朝日新聞

 京都市の朝鮮学校に対して、市民団体の会員らが繰り広げたヘイトスピーチ(憎悪表現)が、再び違法とされた。

 大阪高裁は、1200万円を超す損害賠償と街頭宣伝の差し止めを命じた一審判決を支持し、団体側の控訴を退けた。

 団体側は「表現の自由の範囲内」と主張したが、高裁は「保護されるべき範囲を超えているのは明らか」と断じた。

 聞くに堪えないあざけりの言葉は、今も子どもたちの心に深い傷を残している。朝鮮学校の民族教育の意義を認めたことも含め、妥当な判断と言えよう。

 ただ、この裁判は、日本の現行法制度の限界も浮き彫りにした。

 ヘイトスピーチを含む街宣活動は昨年10月の一審判決後も、全国各地で繰り返されている。

 判決が根拠とした民法の不法行為は、直接被害をこうむった団体や個人がいないと成立しない。在日コリアン全体といった、不特定多数を攻撃する言動を抑え込むのは難しい。

 ナチスによる人種差別の惨禍を味わった欧州を中心に、ヘイトスピーチそのものを刑事罰の対象にしている国は多い。

 65年制定の人種差別撤廃条約も、犯罪と認めるよう、加盟国に法整備を求めている。ただ日本は95年の加盟時以来、「憲法で保障された表現の自由を制約する恐れがある」と、この条項を留保している。

 こうした状況下で、一審、二審判決とも、賠償額をあえて高額にすることで、人種差別撤廃条約の趣旨の実現を図ろうとする考え方を示した。裁判官の苦心がかいま見える。

 ヘイトスピーチ規制と表現の自由の関係については、欧米でもしばしば問題になってきた。日本でも新たな法整備を望む声が出ているが、デメリットも見極めつつ、慎重に議論していく必要があろう。

 一方この問題で、政権の反応は鈍い。安倍首相は昨年5月、「一部の国、民族を排除しようという言動は残念」と国会で述べたものの、具体的な動きはない。谷垣法相は「啓発に力を入れる」と繰り返すばかりだ。

 ヘイトスピーチに対抗する市民の動きも広がり、衝突事件も起きている。日本社会が分断されかねない現状をもっと深刻に受けとめ、いま何をすべきかを考えてもらいたい。

 人種差別撤廃条約は「いかなる場所においても、人種差別を正当化することはできない」とうたう。この理想を達成すべく、社会全体がもっと力を尽くさなければならない。


  【社説】国会の蔑視やじ 「女性の活躍」が泣く
2014年7月9日 中日新聞

 「産まないとダメ」。国会でも女性議員を侮蔑(ぶべつ)した発言が発覚した。都議会と同様、結婚や出産を促す内容は議論の的外れもはなはだしい。心ない発言を許さない言論の場へと再生できるのか。

 国会の発言は四月の衆院総務委員会で飛び出した。日本維新の会の上西小百合議員(31)が少子化問題について質問している最中に、自民の大西英男議員(67)が「早く結婚して子どもを産まないとダメだぞ」と言い放った。

 発言の経緯や、事後の対応が都議会とそっくりだ。大西氏は当初、取材に対し「記憶にない」と否定し、翌日になって「私の発言だと確認した」と自身のホームページで認めた。当時の映像を精査されては逃げられない。上西氏に対して電話で「申し訳ない」と謝ったというが、記者会見も拒んでいる。国民への説明責任を軽んじている。

 都議会も国会も、蔑視発言は自民党から出た。同党の石破茂幹事長は大西氏に厳重注意し、全国の同党議員に品位ある行動を求める通達を出した。しかし、これで幕引きは不十分だ。国会全体で、人間の尊厳や人格を傷つけないという意思を示してほしい。

 「結婚しろ」「産め」といった発言に限らず、女性を侮蔑した発言は国会、地方議会を問わず繰り返されてきた。発言者でなくても対応に鈍感だった。笑い声や拍手も受容した。

 上西氏はやじを受けた時、「がんばります」とこたえ、抗議は塩村文夏都議への問題が発覚した後だ。屈辱的な言葉をかわすのがやっとだったのかもしれない。だが、人格を否定する言動は多様な生き方を排除し、少子化を加速させる。言論の府で働く者は沈黙せず、壁を破ってほしい。

 安倍晋三首相は「女性の活躍」を重点政策に掲げ、管理職の割合を増やすことを目標にする。だが、肝心の国会で女性は少数派だ。衆院は8%、参院は16%。掛け声も空疎に響くのではないか。

 女性議員を増やすべきだ。与党は候補者の半数を女性にするなど率先すべきだ。性別や年齢、立場も多様な代表が議会に加わることで、人間の尊厳にかかわる課題も論議を深められる。

 塩村氏のプライベートを取り上げた批判記事が出ている。だが、問題の本質をそらしても意味はない。多くの人が蔑視発言に対して怒りや不快感を示した。

 そんな人々の思いが頼りだ。互いに尊重しあえる社会を、一歩ずつ築き上げていくしかない。 


 都議会やじ差別発言、アメリカだったら? 東京五輪開催が「見えない差別を見える化」するきっかけになるか
2014年7月4日 日経BP

もしあのやじの舞台がワシントンDCの米国議会だったら…

 「都議会での例の問題発言について、アメリカではどう受け止められているか、長野さん、コメントしてくれませんか? 今なら明日の朝刊に間に合いますんで!」。
 LA時間の深夜、日本の某新聞社の記者さんから電話がかかってきた。

 今では日本国内外であまりにも有名になった都議会の例のシーン。最初にそれをCNNの報道で見た時、一番印象に残ったのは、塩村議員のとっさの反応と、それを受けての周囲の議員たちの反応だった。

 驚いてはっと顔を上げ、発言者の方向を見た彼女は、とっさに言葉に詰まった。そして、次の瞬間には表情がぎこちない微笑みに変わった。首を傾けながら「ふーっ」と息を吐き出し、微笑みとも困惑とも取れる表情を浮かべてスピーチを続けようとする彼女。そして彼女を取りまいたのは周囲からの笑い声だった。

 見た瞬間、いやーな感じがわき上がってきた。昔、自分がセーラー服を着た中学生だった頃、身動き取れないほど混んだ朝の電車の中で、痴漢に遭って「やめてください」と小さく声を上げても、周囲の大人の男性たちが誰ひとりとして助けてくれなかった時の「あの感覚」が蘇ってきた。

「キャリー」というホラー映画で、主人公のキャリーが天井から降ってきた豚の血を浴びせられるいじめ場面があるが、まるでそのシーンを見せられているような気もした。

 投げつけられた差別発言のひどさは当然ながら、侮辱を受けた女性議員が、我慢して無理に微笑んで「自衛」するしかなかったその場の空気。そこに日本社会の闇の深さが見えて、切なくて、胸が痛んだ。

 議長が差別発言にストップをかけるでもなく、彼女を擁護して「やめろよ」と立ち上がる男性議員がひとりもいない環境で、女性議員がサバイバルするために瞬間的に身につけるしかなかったあの「微笑」なのだと思うと何とも悔しくて切ない。

 小さい頃から常に気配りや女子力を要求され、嫌がらせは上手にやり過ごせ、と社会から刷り込まれて育った日本女性が、公の場で、腹の底からの本気の怒りを表現することをずっと許されないできた社会の無言の圧力。

 そして、その根の深い閉塞感。

 これは日本で生まれ育った女性なら、肌でいやっていうほどわかるから、よけいに、はらわたが煮えくりかえるわけだ。

差別を受ける側が
安心して怒れない理由
 「アメリカやイギリスの女性なら、あの場面で黙って我慢しない。激怒して当然だし、そうしてるはずだ。日本女性ももっと強くなって男勝りになって欲しい」という趣旨のコラムをネット上で読んだが、筆者の男性は、なぜ塩村議員があの場でとっさに微笑んで「自衛」するしか手がなかったのか、その理由がわかっていないのか? と歯がゆく思う。

 アメリカ人女性なら、恐らくあの場でスピーチを中断し、発言が飛んできた方向に向かって「今の発言は誰ですか? どういうつもりですか?」と追及するだろう。でも、それは、アメリカ人女性の個人個人が勇気があって強いからではない。

 アメリカ社会、特に議会などという公人ばかりが集まる場面では「差別発言はそれだけでアウト」という「建前」が徹底しているからだ。

 米国でも国政に携わる連邦議会の議員が連邦議会内で発言をする場合、その発言を理由に訴訟を起こされることはないという「議員特権」が与えられている。

 だから例え連邦議会内で連邦議員が鈴木議員と同じ発言をしたとしてもその議員が訴えられることはない。

 だが、セクハラ発言や差別発言は、言った瞬間に自らの政治生命をその場で終了させる自殺行為だということは、住民から票を入れてもらって現在の職につけた人間なら、当然知っているのが当たり前だ。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
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7月9日(水)のつぶやき

2014-07-10 01:19:37 | 花/美しいもの

中日新聞:国会の蔑視やじ 「女性の活躍」が泣く:社説(CHUNICHI Web) chunichi.co.jp/article/column…


東京新聞:ヘイトスピーチ二審も「差別」 在特会、賠償と街宣禁止:社会(TOKYO Web) tokyo-np.co.jp/article/nation…


読書日記:上野千鶴子さん 現代史教育、軽視のツケ/二審も「差別」 在特会、賠償と街宣禁止 goo.gl/9mIaO4


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