みどりの一期一会

当事者の経験と情報を伝えあい、あらたなコミュニケーションツールとしての可能性を模索したい。

見えぬものを観る勇気 週のはじめに考える/子どもの貧困対策 改善の具体策が足りない

2019-12-02 22:09:15 | ほん/新聞/ニュース
2019年も最後の12月になりました。
きょうは1日、あいにくの雨だったのですが、
稲刈りのご苦労さん会を兼ねて、ナガシマに泊まってきました。

高速で三重や名古屋に行った帰りは、コストコ羽島に寄ることにしています。
家から直接行くと1時間ほどかかるので、
一宮ジャンクションから足を延ばすほうが合理的です。
ということで、
すっかり定番になった21穀パンと冷凍ブルーベリーと納豆。
チーズ類と低脂肪牛乳もコストコで買いました。
月に一、二回行くので、他の店で買い物をする回数が減りました。


コストコの冷凍ホタテのお刺身。

凍り豆腐とこんにゃくの含め煮。

小松菜とジャコの煮びたし。

カツオのたたき。

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  社説:見えぬものを観る勇気 週のはじめに考える
中日新聞2019年12月1日

 今日から師走です。新年を前に、立ち止まって考えたい政治家の発言があります。その発想を放置すれば、社会を支え合う力を失いかねないからです。
 「ディープ・プア」
 「深刻な貧困」とでも訳しましょうか。この言葉を初めて知ったとき、衝撃を受けました。その言葉が示す人たちの存在を突きつけられたからです。
 貧困を表す指標に相対的貧困率という数字がよく用いられます。
 一定の収入を貧困線としてそれ未満を貧困世帯としています。金額にすると単身者世帯で年収約百二十二万円、四人世帯だと約二百四十四万円です。

ディープ・プアが13%
 これだけでも生活は相当苦しいはずです。ですがディープ・プア層の人たちはそのさらに半分の収入未満の人たちを指します。
 つまり四人世帯だと約百二十二万円です。いったい日々の生活をどうしているのでしょうか。衣食住に事欠き「生きる」だけで精いっぱいではないかと想像します。
 特に貧困率の高い母子世帯でどれくらいいるのか。そう考えた労働政策研究・研修機構の周燕飛主任研究員は調べてみました。
 母子世帯の多くは懸命に働いていますが、その半数超が貧困世帯です。ディープ・プア層は13・3%いました。七、八世帯に一世帯が深刻な貧困にあえいでいます。状況は米国とほとんど変わらない。父子家庭でも8・6%います。
 この定義は米国勢調査局が二〇〇九年から使いだしたそうです。「米国でこの階層の人たちは薬物中毒や失業、病など問題を複合的に抱えていてなかなか貧困から脱出できない上に次世代に連鎖する割合が高い。一方で自力で社会支援にたどり着けない人も多い。だから、支援のため注目すべき問題だとの認識があります」と周さんは説明します。日本でも暮らし向きの実態調査が待たれます。

罪深い「身の丈」発言
 新しい言葉は解決が必要な問題が存在する時に生まれます。問題の存在を「見える化」し共有する必要があるからです。「過労死」や「就職氷河期世代」などもそうではないでしょうか。
 貧しい子ども時代を過ごすことで教育機会が奪われ、人生の可能性を狭めてしまう。しかもそれが次世代に連鎖し固定化していいはずはありません。
 だから、萩生田光一文部科学相の英語民間試験における「自分の身の丈に合わせて頑張ってもらえれば」との発言は罪深い。
 社会構造に起因する格差を容認し、追い詰められている人に自己責任を押しつけるような発言です。本来なら「機会の平等」の実現へ先頭に立つべき政治家、しかも教育行政の責任者の発言です。社会に横たわる問題の輪郭が見えていないのかもしれません。
 見えないとないことにしがちです。でも、問題解決にはまず見えない現実を意識して能動的に「観(み)る」。その勇気を持ちたい。
 ただ、難しいのは現代の「貧困のかたち」は見えにくい。困窮していても携帯電話は持っているし、ネットカフェで寝泊まりしていればホームレスに見えません。
 「格差」も同じです。自立して働いていても低賃金の非正規雇用だったり、ブラック企業に取り込まれて使い捨てにされている。これでは意欲も希望も次第に失ってしまいます。ネットカフェやブラック企業のように、今の社会には貧困・格差を「見えぬ化」する装置が潜んでいます。
 社会に隠れる解決すべき問題をどう「見える化」するか、それに知恵を絞る必要があるようです。
 例えば、就職氷河期世代はバブル経済崩壊で企業が新卒採用を絞ったことで正社員採用が激減しました。その置かれた苦境にこれまで社会は無関心でした。
 政府が社会問題と認識し就職支援に取り組み始めたことで関心が高まりだしています。
 さっそく兵庫県宝塚市がこの世代を対象に職員募集しました。採用四人に対し千六百三十五人が受験しました。四十代となっても安定雇用を得られない人たちが多くいる。それが分かった瞬間です。
 各地で増えている子ども食堂は、地域に分け入り困窮する子どもたちを見つけ、つながる住民の活動です。〇八年にリーマン・ショックで多くの派遣労働者らが失業した際に東京に現れた「年越し派遣村」でも苦境の顔が見えた。

「協心」を支えたい
 社会保障制度を含め社会は「支え合い」で成り立っています。それは他人の苦境を知り心を束にして助け合う「協心」が基盤です。
 人口減社会ではますます大切な思いのはずですが、貧困・格差の容認と放置はそれを崩壊させかねません。だからこそ、文科相の発言は看過できないのです。 


 社説:子どもの貧困対策 改善の具体策が足りない
毎日新聞 2019年12月1日

 子どもの貧困対策をめぐる新たな大綱が閣議決定された。今後5年間の国の施策の指針となる。
 6月に子どもの貧困対策推進法が初めて改正され、「将来」に向けた学習支援に加え、「現在」の生活や家計への支援にも力点を置く方針が明記されたことを踏まえたものだ。
 新大綱では、公共料金の未払い経験など、貧困状況が改善しているかどうかを検証するための指標を25項目から39項目に増やした。法改正を踏まえ、家庭の現状を示す指標が入ったことを評価したい。
 新指標をみると、電気、ガス、水道料金の未払いを経験したことがある割合は、子どもがいる世帯全体では5~6%だが、ひとり親世帯では14~17%に上る。必要な食料が買えなかった経験は全体で17%、ひとり親世帯で3割強に達する。
 子どもの貧困率は2015年で13・9%と12年より2・4ポイント改善したが、7人に1人と高い水準にある。現状はまだ厳しい。
 大綱の基本方針では、必要な人に支援を確実に届けることが強調された。妊娠・出産期から子どもの自立まで切れ目のない支援など幅広い関連施策も盛り込まれた。
 だが、家庭の困難な現状を改善するための方策は、高等教育や幼児教育・保育の無償化など、大綱見直し以前に決まっていた施策の促進が目立つ。全体としては踏み込み不足と言わざるを得ない。
 貧困率改善のために重要なのは、ひとり親世帯への支援だ。8割が働いているにもかかわらず、貧困率が50・8%(15年)に上る。収入が低い非正規雇用が多いためだ。
 ひとり親への就労支援では、企業が積極的に正規雇用に取り組むような新たなインセンティブを検討することも必要ではないか。経済的支援では、児童扶養手当で2人目以降の加算増額などがされたが、まだ不十分だ。しかし、今後の拡充については触れられていない。
 子ども食堂をはじめとし、民間主導の支援は広がりをみせている。官民連携の重要性は増すが、NPOなどの人材育成や待遇改善に特化した施策は打ち出さなかった。
 より具体的な改善目標を持って財源を確保しなければ、現状打開の道筋は見えてこないだろう。  


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