みどりの一期一会

当事者の経験と情報を伝えあい、あらたなコミュニケーションツールとしての可能性を模索したい。

「現職2人の起訴猶予不服」「審査会の判断期待」と審査申し立て/山県市ポスター代水増し請求事件

2008-01-12 10:17:31 | 市民運動/市民自治/政治
山県市のポスター代水増し請求事件で、昨年12月20日に
市民が告発していた元市議ら7人が「起訴猶予」となりました。
この岐阜地検の処分を不服とし、1月9日に、
岐阜検察審査会に審査を申し立てました。

申立人は山県市民3人。まずは連れ合いが
岐阜地裁の中にある岐阜検察審査会で申し立ての手続き。
テレビカメラが裁判所の前で待っていました。


審査会で申し立ての終了後、弁護士会館で約1時間の記者会見。


夕方帰ってきたら、NHKニュースで流れていました。
  

翌1月11日の新聞各紙の報道です。

 「現職2人の起訴猶予不服」と審査申し立て  
岐阜新聞 2008年01月10日
 
 2004(平成16)年の山県市議選をめぐるポスター代水増し請求事件で、同市民らが9日、元市議の横山善道県議(54)と宮田軍作市議(66)を起訴猶予とした岐阜地検の処分を不服とし、岐阜検察審査会に審査を申し立てた。
 申し立てたのは、昨年10月に市議らを詐欺容疑で同地検に告発した寺町知正市議ら3人。
 申立書などによると、同市議選の候補者だった横山県議と宮田市議は印刷業者と共謀し、04年4月ごろ、市に対して実際の4倍程度のポスター代を岐阜市の印刷業者に請求させ、現金をだまし取った。
 県警は昨年7月、詐欺容疑で当時の当選市議7人を書類送検。同地検は同12月、「被害金を返済し反省している」などを理由に、選対幹部や印刷業者を含む計12人を起訴猶予処分とした。当選市議7人のうち、横山県議と宮田市議を除く5人は昨年までに辞職した。
 寺町市議は岐阜市内で会見し、「辞職した5人と辞職していない2人との不均衡は著しい」と指摘。同様の水増し請求が全国で問題となっている点にも触れ「今回の捜査で一定の抑止効果はあったが、今後は政治家の良心に委ねるのみ。公職に就くための不法行為なので、議員を辞めなければ起訴されるべきだ」と訴えた。
 不服申し立てを受け、横山県議は「任期満了まで誠心誠意頑張りたいという思いに変わりはない」、宮田市議は「現職を続けて皆さんの声を市政に届けることで信頼回復していきたい」とそれぞれ話した。
(岐阜新聞 2008.1.11)



「審査会の判断期待」
山県市議選のポスター費水増し 申し立て市議会見 
 

 2004年の4月の山県市議選で選挙ポスター制作費を水増し請求し、詐欺容疑で書類送検されたものの、議員にとどまる二人について、起訴猶予とした岐阜地検の処分を不服として岐阜検察審査会に審査を申し立てした寺町知正同市議(54)ら。四日に記者会見し、市民11人で作る審査会に触れて「市民の率直な感覚で判断することを期待したい」と語った。
 県警は昨年7月に市議ら7人を書類送検。昨年12月20日、岐阜地検は市議から鞍替えした横山善道県議と宮田軍作市議の二人を含め、送検された7人について 「被害弁償が済み、罪を認めて反省している」として起訴猶予とした。
 岐阜市の県弁護士会館で会見に臨んだ寺町さんは「捜査が入って具体的に容疑を認め、日本中の政治家が『しゃん』とせざるを得なくなった」と振り返った。選挙公営制度に基づくポスター制作費をめぐっては各地で疑惑が浮上しているが、捜査のメスが入ったのは山県市が初めて。
 申し立ての理由については「選挙の度に税金が無駄遣いされてきた。これで無駄がほとんどなくなるだろうという流れだった。それなのに政治家の良心に期待するしかなくなってしまう」とした。その上で「裁判所の判断で結論を出してほしい。それが有権者の気持ちを納得させる。だからこそ審査会に期待したい」と訴えた。
 一方、横山善道県議は「コメントする立場にない」とし、宮田軍作市議は「国家権力で判断することなので、とやかく言うことではない」と話した。
(稲熊美樹)
----------------------------------------------------------------------山県市議ら2人の処分不服申し立て
ポスター費水増し


 2004年の4月の岐阜県山県市議選で選挙ポスター制作費を水増し請求し、詐欺容疑で書類送検され、起訴猶予となった7人のうち、議員辞職していない二人について、寺町知正市議(54)ら3人が9日、岐阜地検の処分を不服として岐阜検察審査会に申し立てした。
 申立書によると、市議ら7人がポスター制作費を11万円-28万円水増しして請求したとして詐欺容疑で送検され、起訴猶予処分となった。寺町氏らは、このうち議員を辞職せず、県議にくら替えした横山善道氏(54)と、宮田軍作・山県市議(66)について、「起訴相当」または「不起訴不当」の議決を求めている。残る5人は昨年、市議を辞職している。(社会面)
(2008.1.10 中日新聞)


【社会】山県市議ら12人起訴猶予 ポスター費水増しで岐阜地検
中日新聞2007年12月21日 朝刊

 岐阜県山県市議選の選挙公営ポスター製作費水増し請求事件で、岐阜地検は20日、詐欺の疑いで書類送検されていた元市議ら7人と、印刷業者や市議の後援会会計責任者ら5人の計12人を「被害弁償が済み、罪を認めて反省している」として起訴猶予処分とした。
 別の市議1人を「請求手続きに関与していない」として嫌疑なしで、印刷業者1人を「元市議が1人でやったと認めている」として嫌疑不十分で、それぞれ不起訴処分にした。
 起訴猶予処分になったのは、横山善道県議(54)と宮田軍作市議(66)のほか、元市議の村橋安治(58)▽渡辺政勝(58)▽武藤孝成(58)▽村瀬隆彦(54)▽吉田茂広(43)の各氏。横山県議は2004年4月の山県市議選で当選後、今年4月行われた統一地方選で県議になった。
 元市議らを告発していた同市の寺町知正市議は、辞職していない宮田市議と横山県議について、岐阜検察審査会に不服申し立てをする方針。辞職した5人については「社会的な批判を受け止め辞めており、あえて厳罰を求めない」としている。
 県警の調べでは、元市議ら7人はそれぞれ印刷業者らと共謀。04年の山県市議選で実際にポスター製作にかかった費用よりも11万-28万円多く市に請求し、市費をだまし取った、とされる。水増し分は公費負担が認められていない選挙用はがきや名刺の印刷などに充て、業者から一部を現金で受け取っていた市議らもいた。



信頼揺らいだ選挙違反 ――回顧2007岐阜(4)
再生第一歩に期待
 
(2007年12月23日 読売新聞)

選挙違反で当選した町長の自宅を捜索し、証拠品を押収する捜査員(4月27日午前5時7分、輪之内町福束で) 「せっかくの選挙だからもうけを出したい」。ポスター印刷業者が、耳を疑いたくなるような胸の内を記者に話した。警察が2004年の山県市議選で、候補者のポスター製作費などを公費負担する制度「選挙公営」の悪用で内偵していることを聞き込み、取材を始めた時に聞いた言葉だ。
 その後、候補者の多くがポスターに限られた公費を、はがきなどの印刷に流用していたことが明らかになった。同市が6月に設置した第三者による「不正請求問題調査委員会」によると、水増し請求の金額は149万1000円に上った。
 警察の捜査が進み、市議や印刷業者ら計14人が詐欺の疑いで岐阜地検に書類送検された。当時の市議7人のうち5人は辞職した。地検は今月20日、「被害弁償も済んでおり、反省もしている」として、不起訴処分にした。
 地検に詐欺容疑で告発していた寺町知正・同市議は「辞めた市議と辞めない市議が同じ処分では納得できない」と、検察審査会に不服を申し立てる。
 山県市の調査をきっかけにして、県議選やほかの市議選のポスター水増し請求の実態も明るみになってきた。実勢価格を大きく上回る値段でポスターを印刷できるなど、有権者の感覚とはかけ離れた選挙公営。山県市の一件は、この制度のあり方にも一石を投じたといえる。

 統一地方選や参院選では、現金買収や投票偽造など選挙違反も目立った。
 「長年、町政に携わってきた私をぜひ、当選させてください」。輪之内町長選の取材で訪れた町文化会館で、候補者と支持者ら十数人が、壇上で一斉に土下座をする異様な光景を見たのは、4月20日だった。
 時代がかった選挙運動で、町長のいすを射止めた元助役は、わずか6日後、運動員49人に1人当たり5000円を配ったなどとして公職選挙法違反(現金買収、事前運動)で逮捕された。
 同町では12年前にも、元町長の運動員が選挙違反で逮捕され、町政が混乱したことがあった。町内に住む農業の男性(65)は「5000円を受け取ったのは、近所づきあいの延長線だった」と自己弁護し、罪の意識は薄かった。選挙で金が動くことに、それほどの違和感をもたない古い体質が事件の温床だった。
 6月の出直し町長選で当選した木野隆之町長は、「町を再生させるため、地域の力を結集させたい」と訴えた。町は商店主らに協力を求め、県内自治体のトップを切って来年1月から、レジ袋の有料化にこぎつけるなど、イメージアップに努める。木野町長は「小さな町だが、CO2削減の一翼を担うことができる」と話す。輪之内町再生の第一歩になることを期待したい。(鈴木徹、沢村宜樹)

 投票偽造
 7月の参院選で、大垣市の特別養護老人ホームの施設長が認知症などの入所者11人の不在者投票を悪用し、投票用紙22枚に候補者名を書き込むよう職員らに指示した投票偽造の罪で、懲役2年、執行猶予5年の有罪判決を受けた。県選挙管理委員会は、病院や老人福祉施設など不在者投票が実施できる指定施設に対し、適正な投票事務を行うよう改めて文書で通知した。
(2007年12月23日 読売新聞)


検察審査会の判断に期待したいですね。


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希望社会への提言(11)―「アポロ13号」に教育を学ぶ(朝日新聞社説)

2008-01-11 09:06:13 | ほん/新聞/ニュース
1月7日の朝日新聞「希望社会への提言(11)」です。

昨日は、山県市のポスター代の起訴猶予で「検察審査会に審査の申し出」の記事と、
上野さんの「さよならのプリズム」が載っていたし、
紹介したい新聞が多くて、遅れ気味です。

とりあえず、記事のみ。

希望社会への提言(11)―「アポロ13号」に教育を学ぶ
2008年01月07日(月曜日)付 朝日新聞社説

・正解を急がず、競わせず、考える心を育てよう
・教育は投資、社会全体で知の劣化を食い止める

    ◇
 この国の望ましい未来図を描いてみよう。そう考えて、昨秋からこの社説シリーズを続けてきた。新年は、教育から考えてみたい。
 社会の豊かさは、何によって決まるのか。その土台となるのは、私たち一人ひとりが持つ力、知力だろう。日本は大丈夫か、と考えたとき、まず頭をよぎるのが子どもたちの学力危機である。
 実話をもとにした映画「アポロ13」に、こんなシーンがある。
 人類が初の月面着陸を達成した翌年の70年、月に向かったアポロ13号は深刻な船体トラブルに直面する。とくに、3人の宇宙飛行士が吐きだす二酸化炭素をどう換気するか。マニュアルには想定されていない事態だった。
 地上スタッフが、宇宙船と同じ訓練用の船から使えそうなものをかき集める。刻々と限界が迫る中、試行錯誤しながら換気装置を手作業で作り、飛行士にその方法を伝えて無事帰還を果たした。 

 日本が低迷を続ける国際学習到達度調査(PISA)は「未来型学力」のテストと呼ばれる。いま何を知っているかではなく将来何ができるかを測る――。
 調査をしている経済協力開発機構(OECD)の事務総長は、日本にこんな警告を発した。「知識を再現する学習ばかり続けていると、労働市場に出た時に必要とされる力が身につかない」
 予期せぬ事態がおきた時、多くの情報から何を選び取り、どう生かすのか。宇宙飛行士の命を救ったのは「未来型学力」の果実ともいえるだろう。
 学力世界一といわれるフィンランド。福田誠治・都留文科大教授は、その教育の神髄を二つあげた。

 第一に、正解を先回りして教えない。

 理科の授業では、まず実験だ。様々な現象を見させて、各自が仮説をたてる。自分とは違う意見にも耳を傾け、もう一度考えてみる。教師が理論を説明するのは一番最後だ。正解を先に教えると、その時点で思考が止まってしまう。

 次に、他人と競わせないことだ。

 競争させると、順位に関心が向いて、考えることへの興味がそがれる。テストは各自がどこでつまずいているかを確認し、補うためのものだ。考える力がつくとともに学力格差も少ないのは、この二つの理念と実践が成果をあげているからだ。福田教授はそう指摘する。
 「競争させて順位をつけて、何かいいことがありますか」。フィンランドセンターのヘイッキ・マキパー所長は話す。「下の子はやる気をなくし、上の子は自分が優秀だと思いこむ。どちらの人生にとってもいい影響は与えないでしょう」

 日本は、どうだろう。
 学力危機は子どもに限ったことではない。大学生でも分数ができないと揶揄(やゆ)される。しょせんは試験でいい成績をとるために頭に押し込めた知識だ。のど元過ぎれば忘れてしまうのは当然か。
 学力低下は、PISA調査で勉強への意欲が際だって低いことと分かちがたく結びついている。単なる知識の量で成績や入試の合否が決まってしまう。そんな貧しい教育の姿に、学力危機の核心があるのではないだろうか。
 教室で学んでいることが現実の生活に、今後の人生につながっていく。そして、何よりも考えることが楽しいという手応えを感じさせることができるかどうか。そこが分かれ道になるだろう。 

 では、どうするか。
 学力の質を転換させることである。
 考える心を育てるには、授業を変えなければならない。未来型学力を育む教員の養成が急務だ。教科書をただ覚え込ませるのとは違って、相当の力量がいる。授業にも十分な準備が必要だ。
 フィンランドでは、教師には原則的に修士号が必要で、実習も実践的だ。授業に専念する環境も確保されている。
 大量の雑務に追われる日本からは別世界だが、授業と放課後の活動の分業など思い切った改革に踏み切るしかない。
 もちろん、義務教育だけでは完結しない。高校、大学の入試やカリキュラムの改革も欠かせない。企業が求めているのも、知識のある若者ではないはずだ。
 当然、相当な財源が必要になる。ただ、こうは考えられないだろうか。教育は未来への投資である、と。
 教育が国の未来を決めることは、歴史が証明している。社会で自立できない子が増えることは、将来の社会保障費に影を落とす。逆に、優れた学力は経済力の向上にも貢献する。政治や行政の質とも決して無縁ではないだろう。
 そもそもOECDがPISA調査を始めたのは、世界がグローバル化する中で豊かさを保つには、国民の知力の質を上げることが不可欠だと考えたからだ。
 日本国民1人当たりの生産力が世界で低落傾向にあることは、PISAの結果と、見事に軌を一にしている。
 この国の知的劣化を食い止め、反転させる。子どもの学力転換を、その一里塚と位置づけよう。
 社会に出たら、教室で習った公式では解けない問題ばかりである。正解がわからない問いと向き合う力をつけることこそが、未来を拓(ひら)く教育の役割だろう。
 希望の苗木を、幹太く育てたい。
(朝日新聞2008年01月07日(月曜日)付社説)



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ジバンシー&レオナールの素敵なプレゼント&作付け計画連作避けて【寺町知正】

2008-01-10 10:18:01 | 花/美しいもの
「お正月がバースデイ」と書いたら、
記事を読んだ友人から、素敵なプレゼントが届きました。

「都心のご近所」から「グリーンのボトル」と聞いていたので、
なんだろうって楽しみに待っていたら、
ジバンシーのオードトワレ「グリナジー」と、
レオナールの「シェニール織ハンカチ」でした。


わがやの「ご近所」は、田んぼや畑ばかりなんだけと、
ご近所にこんなブランドものがある暮らしっていいなぁ。



香水 オーデトワレ> ジバンシー(GIVENCHY)
「グリーン」+「エナジー」で「グリナジー」。造語です。
全くもって名前の通り、エネルギッシュなシトラスとアロマティックな
グリーン香が溶け合うグリーン・シトラス・ウッディの香り。
トップはレモン、マンダリン、グレープフルーツ、バジル、ミント、カルダモンなど。
ミドルはミモザ、マリーゴールド、ペッパー、ナツメグ、タラゴン(エストラゴン)など。
ラストはサンダルウッド、ベチバー、ベンゾイン(安息香)、レンティスカスなど。
レンティスカスとは、日本名マスティクスというウルシ科の樹木です。
トップからミドルにかけての、森を思い起こさせる豊かなグリーン・ノートが印象的。
 



ビロードのような肌触りで使うのが惜しいタオルハンカチに、
さわやかな香りの「グリナジー」のオードトワレをシュッと吹きかけて、
パソコンの前に置いて、眺めています(笑)。



ありがとうございます 
めっちゃうれしいです


話は変わりますが、

今年初めての朝日の連載「いきいきセカンドステージ」。

今日明日は、記事を書いた連れ合いが滋賀県~京都に
「自治ネット」の研修なのでお先に載せさせてもらいますね。


 いきいきセカンドステージ【寺町 知正さん】
作付け計画 連作避けて

朝日新聞 2008年01月09日

 私には年賀のあいさつをする習慣がない。それでも年明け早々には、その年をどう過ごすかを考える。
 畑や農作業をするにも、冬の間に年間の野菜の作付け計画をイメージしたい。そこで注意すべき基本は、同じ仲間の野菜を同じ場所で続けて作らないこと。同種の野菜を続けて作ると連作障害があるからだ。
 1年間は空けた方がいいのはキュウリ、インゲン、カブなど、5年間程度は空けた方がいいのはトマト、ナス、スイカ、エンドウなど。面白いことに、数年間なら続けた方が良く、連作の害が出にくい種類もある。サツマイモ、カボチャ、ニンジン、タマネギ、ダイコンなどだ。
 輪作といって、野菜の連作障害を積極的に回避するなどの目的で、特定の組み合わせや順序を選んで作ることもある。何種類かを混ぜて作る混作や間作という方法もある。ただし、野菜の組み合わせには相性があり、中にはマイナスの組み合わせもある。
 これらの情報は広く出ているから、本やインターネットで調べるとか、種苗店で聞くなどもプチ農家の仕事の一つ。トマトなどの病気に敏感な作物でも、連作障害を避ける裏技的な栽培方法もあるから、春の植え付け前に紹介したい。
 この連載で土作りのことを書いたら、「畑でいつも何か作っていてできない」と話してきた人がいた。輪作にしても、連作障害対策にしても、土作りでも、十分な土地がある場合を除けば、何年かかけて自分のイメージで好ましい状況に持っていくのが作付け計画。もちろん計画通りにいかないのも常で、臨機応変も現場の楽しみの一つだ。
 次は、地球温暖化に伴う作付け時期の修正について触れたい。
(朝日新聞 2008年01月09日)


今年の野菜担当、よろしくお願いします。

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女性が「ひとりで生きる」ための知恵・準備・覚悟『おひとりさまの老後』(上野千鶴子さん)

2008-01-09 07:09:24 | ジェンダー/上野千鶴子
昨年7月に刊行され、あれよあれよという間に42万部という
驚異的なベストセラーになった上野千鶴子さんの『おひとりさまの老後』。

「年をとって本を読むのが面倒になった」という85歳の
「おひとりさま」歴17年の母も夢中で読んでいる。
そう、そう、と共感できるところばかりだという。

とくに、「後家楽」ということばに、
「ほんと、お父さんがいなくなってからは極楽やわ」。
「お父さんより一日でも長く生きるのがわたしの夢」と口癖のように言っていた母は、
念願かなって、おともだちに会える健康ランドに入り浸り、旅行も楽しむ。

大事に育てた?息子(長男)は若いころから遠くにいて、
スープが冷めない距離にはちと遠いけど、娘3人は近くにいる。

昨日も朝一番で母から電話があり、
「おきてみたら口の中が腫れて真っ赤。舌も腫れてモコモコしてしゃべれない」。
と、これだけ言うのもやっとのようで息も絶え絶え。
「すぐ行くから、まず何か口に入れて。ジュースを飲んで待ってて」
「気分が悪くなったら、わたしを待ってないで救急車をよぶんやよ」と
とりあえず、母の家に急いだ。朝のラッシュがもどかしい。
「みいちゃんにもらった咳止めトローチ(麦門冬湯)が原因かもしれん」
(まさかっ! 風邪気味なのにバス旅行に行ったからでしょ)
口の中を見ると赤いけれど、腫れは引いている。

原因がわからないので、総合病院がよいだろうということで、市民病院へ直行。
医師も脳梗塞などの脳の異常を疑ったらしくて、すいすいと診てもらえた。
そのころには症状もかなりおさまっていて、「口内炎」(?)との診断。
単なる口内炎ではなさそうだけど、まっ仕方がない。

風邪気味の母に、「このまま家に来たら?」ときいたけど、
暖かくて仮眠もできる東洋健康ランドに行きたいという。
希望通り、車で10分ほどの東洋健康ランドまで送った。

おともだちがたくさんいて、気遣ってもらえるし、
倒れていてもすぐ見つけてもらえるようにとの母なりの知恵のようだ。
そういえば、明治生まれの母の母(岐阜のおばあちゃん)も、
11人も子どもを生んだが、だれの世話にもならず「おひとりさま」を通した
自立心が強い、自由な気概あふれる人だった。

わたしも、女系の気質をうけついでいるのかもしれない(笑)。

ということで、一人で生きる知恵が満載の
『おひとりさまの老後』上野千鶴子、法研、1400円(税抜き)
見つけた記事二つ、紹介します。
(今年も上野さん関連の記事、紹介しますね)

 あなたより長生きする彼女の『おひとりさまの老後』
~女性が「ひとりで生きる」ための知恵・準備・覚悟

nikkeibp 2008年1月9日 水曜日 荻野 進介

 昔から後家楽(ゴケラク)という言葉があるらしい。うるさい夫に先立たれたものの、生活の心配はなく、わが世の春を謳歌している女性を指す。うらやましいと思ってしまう女性(ひと)が多いのでは。ゴケラクは「ご気楽」に通じるというべきか。
 この後家楽に限らず、離婚・未婚含め、シングルの高齢女性たちがこれからますます増える。平均寿命から考えれば男より女のほうが長生きだし、少子化のいま、育児期間も短くなった。女性にとって、夫や子どもと一緒に“家族する”期間がどんどん短縮しているからだ。
 妻として、あるいは母としてどう生きるか、という本は汗牛充棟、限りなくある。しかし、老後を女性がひとりで暮らすためのノウハウ本が不足しているのではないか。日本のフェミニズム研究のパイオニアであり、舌鋒鋭い書き手としても知られる著者が、そんな問題意識から書いたのがこの本である。発刊以来3カ月で17刷というベストセラーだ。
 シングルライフへのいざないから始まり、住居の問題、友人・知人との付き合い方、おカネ、介護、遺言、財産分与、終末期の迎え方と、一通り、かゆいところまで手が届く内容だ。著者自身、現在59歳で自称“負け犬”(結婚しない女)のひとり。シングル歴は長い。しかも近年は社会学者として高齢者の介護問題に関わっているからか、理論と実践、双方の内容が充実した、「ひとりで生きる」ためのガイドブック兼思想書なのだ。

住むならばワンルーム
 まず、おひとりさまはどこに住むべきか。LDKよりワンルームがいい。部屋が複数あると、デッドスペースが増え、物置と化すのが関の山だからだ。最近では、シングルの高齢女性のための協同居住型集合住宅(コレクティブハウス)も増えている。
 容易に想像できるが、おひとりさまにとって切実なのが友人関係である。なかでも、一緒にごはんを食べる相手がいるかどうかが極めて切実な問題だ。一緒にいて楽しい人であるのが第一条件。口数はむしろ多くなくて、おだやか、他人の話をよく聞いてくれ、要所でぴりりと反応してくれる人がそれ。話題が豊富で自分ばかりしゃべっている人はごめん被りたい。必要なときに駆けつけてくれ、さみしいときは支えてくれ、慰めてくれる友人をもっておくには努力もメンテナンスも必要、という主張はその通りだろう。
 介護の項では、いかに介護を受ける状態を避けるか、という考えが蔓延している状態に著者は異議を唱える。死の前日までピンピン元気で、ある日コロリと逝くのが老いと死の理想だというPPK(ピン・ピン・コロリ)思想をファシズムに近いものとして糾弾し、介護される側になったら、堂々と勇気をもってそれを受け入れよ、と説く。
 そのために必要なのが、プロの介護を受け入れるマナーとノウハウだ。

 <もともとお世話するのが仕事だったせいで、自分がお世話されるようになることを受けいれられない>のが多くの女性。そういう人に向って、不必要な我慢や遠慮はしない、なにがキモチよくて、なにがキモチ悪いかをはっきりことばで伝える、といった著者が作った「介護される側の心得10か条」が紹介される。
 この本の通奏低音となっているのは、「人間はもともとひとりで生まれ、ひとりで死んでいくもの」という著者のスタンスだ。死の床にある実父を介護している時、著者はこんな思いにとらわれたことを正直に打ち明ける。

〈かわいそうだけど、死んでゆくのはあなたであって、わたしではない。死にゆくひとの孤独を、わたしはわかってあげられない〉

 そう、多くのおひとりさまにとって死は孤独死として訪れる。でも著者は孤独死=死の瞬間に看取る家族がいないということなら、覚悟はとっくについているという。

ならば男はどうするべきか
 心得ておくべきは、死んだら時間をおかずに発見されるよう、まめにコンタクトが取れる人間関係をつくっておき、遺したら残された人が困るようなものは早めに処分しておくこと、などである。もちろん遺言も書いておく。さすが上野さん、「人間関係が(それも男も)変わるたびバージョンを書き換えてきた」という。
 いよいよ最期である。女のおひとりさまはあまりお墓にこだわらない。自然葬を望む人も多い。著者の希望は可愛がっていた愛犬が埋めてある京都の大文字山に散骨されること。これって実現可能なのだろうか。
 世の男性たち、自分には縁遠い本と速断するなかれ。配偶者に愛想尽かされた途端、自らも「おひとりさま」となる。その意味では男性が読んでも得るところが大いにある。
 もっともフェミニストたる著者の男性に向けたメッセージは明解だ。次のように上野節が炸裂してこの本は終わる。

〈なに、男はどうすればいいか、ですって?そんなこと、知ったこっちゃない。せいぜい女に愛されるよう、かわいげのある男になることね〉

 配偶者を亡くすとすぐ老け込むのが男、と相場が決まっている。悔しいけどご指摘通りかもしれない。
(荻野進介、企画・編集/連結社)
(日経ビジネスbp 2008.1.9)


大弦小弦  (沖縄タイムス 2008年1月8日 朝刊1面)

 国立社会保障・人口問題研究所によると、今世紀半ば総人口に占める高齢女性の割合が22・5%になる。二十一世紀はおばあさんの世紀だ。
 今でも六十五歳以上の女性の半分には配偶者がいない、八十歳では八割。結婚しようがしまいが、どの道一人。そのノウハウを説いてベストセラーとなったのが、上野千鶴子さんの著書「おひとりさまの老後」。
 上野さんは「後家楽」という言葉を使い、前向きな一人暮らしを提案する。うるさい夫を見送った後はわが世の春だと。そのための最低条件は家。人とつながるコミュニケーション能力も欠かせないという。
 そんな矢先、政府の男女共同参画会議が「女性高齢者の貧困問題が深刻化」と報告した。一人暮らし高齢女性の過半数は年間所得が百五十万円未満、生活保護受給者の割合も高い。シングルライフを満喫できるのは限られた人だけなのか。
 高齢女性の経済自立が難しいのには理由がある。子育てのため就業年数が短かったり、賃金水準が低く、男性に比べ年金受給額が少ないからだ。それは日本の社会保障やシステムが男性仕様、家族仕様であることの裏返しでもある。
 「老後の不安の原因を一つ一つ取り除くと恐怖は消える」と上野さん。一大勢力となるのだから、この際理不尽な社会と立ち向かう「おばあさん党」なるものを立ち上げ、女性高齢者仕様の社会を築く必要があるのかもしれない。(森田美奈子)
(沖縄タイムス 2008年1月8日)




1月6日の朝日新聞にもでかい記事。
加藤周一さんとの対談「われわれはどこへ」。
読み応えがあるのですが、でかすぎて載りません(笑)。




という言うことで、上下それぞれで拡大してお読みください。


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ネットでの選挙運動、まずHPから解禁/衆議院選にむけての動き。

2008-01-08 12:03:33 | 市民運動/市民自治/政治
2008年になって、今年は衆議院選挙があるという予想で、
マスコミにも選挙の話題が多くなりました。

各政党も選挙に向けて、いろんな思惑があるようです。

ここ数年来、議論になってきた、インターネットを利用した
選挙運動を解禁に公選法改正の動きも本格的になってきたようです。

参議院選挙では法改正までは実現しませんでしたが、
実質的に、HPの更新は黙認で、骨抜きだったようです。

ということで、選挙関連の記事をいくつか紹介します。

ネットでの選挙運動、まずHPから解禁…自公民方針
読売新聞 2007.1.6

 自民、民主、公明3党は、インターネットを利用した選挙運動を解禁するため、今月召集される通常国会に公職選挙法の改正案を提出する方向で調整に入った。
 今回は第1弾としてホームページの利用を解禁する案を軸とし、他の野党にも賛同を呼びかけて次期衆院選からの実施を目指す。
 現在の公職選挙法142条は、法定のはがきやビラ、政権公約(マニフェスト)を除き、「文書図画」の頒布を禁じている。ホームページのようなコンピューター画面に表示されるものも文書図画の頒布にあたるとみなされるため、選挙期間中は候補者だけでなく政党も、更新はできない。
 選挙運動でホームページの利用が解禁されると、候補者や政党は公約や自らの主張・政策などを文字だけでなく、音声や動画などで伝えられる。内容も選挙情勢に応じて更新が可能となる。有権者も自分の好きな時間、場所で候補者の政策などを見比べることができるようになる。



ユーチューブに「自民チャンネル」若者層への浸透狙う
(北海道新聞 01/06 06:57)
 自民党が若者や無党派層を意識したインターネット戦略を強めている。昨年12月に従来の党公式ホームページ(HP)のほかに、若者向けの第2HP「サイトB」を新設。若者を中心に利用者が急増している動画サイト「ユーチューブ」内にも「自民党チャンネル」を開設し、あの手この手で浸透を図っている。
 第2HPは、国会議員のブログ(日記風HP)を掲載して人気投票してもらう「ブログ対決」、議員の得意料理やスポーツ・文化活動を紹介するコーナーなど、政治に関心のない層も引きつけようと趣向を凝らした。ユーチューブではイラクに派遣された「ヒゲの隊長」で知られる陸自出身の佐藤正久参院議員が、新テロ対策特別措置法案を解説している。
 従来の公式HPは党の政策や組織の説明が中心で「面白みに欠ける」との意見があったため、河野太郎党マルチメディア局長が開設を指示。ただユーチューブのチャンネルは閲覧者がひぼう中傷のコメントを大量に寄せる「炎上」の懸念も指摘されており、次期衆院選に向けた無党派対策として党関係者も効果のほどに気をもむ。第2HPとユーチューブのチャンネルは公式HPからアクセスできる。



衆院選 マニフェスト競争、火ぶた 
(北海道新聞 01/06 06:58)
 自民、民主両党は年内の衆院解散・総選挙を想定し、マニフェスト(政権公約)づくりに着手した。参院選で「地方重視」を掲げていた民主党は議席が集中する都市部の無党派層対策に力点を置く一方、自民党は参院選大敗の反省から地方を意識した政策づくりに傾いている。ただ生活者・消費者重視の姿勢は似通っており、対立軸がどこまで鮮明になるかは今後の肉付け次第と言える。
 民主党は参院選で農業者戸別所得補償を公約に掲げるなど、都市と地方の格差問題を前面に据えて成功したが、党税制調査会(税調)が二○○八年度税制改革大綱で打ち出した道路特定財源の暫定税率撤廃は、都市部対策の色合いが濃い。
 首都圏の選出議員は正月休み中も街頭で初詣で客らに「(撤廃により)ガソリン代二十五円値下げ」と書かれたビラなどを配ってアピール。道路特定財源見直しは無党派層に改革姿勢を示す旗印となるだけでなく、「原油高騰が続く中で値下げのPR効果は大きい」(幹部)ともくろむ。道路特定財源維持の要望が強い地方の選出議員らに異論が出ていることにも「本来、自動車が生活必需品の地方ほど値下げの恩恵は大きい」(同)と理解を求める考えだ。
 また地球温暖化対策として七月の北海道洞爺湖サミット(主要国首脳会議)をにらみ、経済界が難色を示している二酸化炭素(CO2)排出権の「市場取引法案」の検討をあえて進め、環境問題への意識が高い有権者への訴えを強める。
 一方、自民党は○八年の運動方針原案で、参院選大敗の要因として「地方経済を支えている農林水産業や建設業、中小企業などに対する施策が不十分で、わが党の政策的な支持を失った」と指摘。重点政策として《1》地域間の不公平を感じない格差是正策《2》地域が元気になる農林水産政策《3》中小企業対策の着実な推進-などを掲げた。
 中川秀直元幹事長は五日の広島県東広島市内での講演で「小泉改革の旗をしっかり掲げていくべきだ」と述べたが、一次産業や中小企業など伝統的な支持基盤へ回帰する傾向が顕著なのは否めない。
 ただ二大政党の政策競争は「都市対地方」の単純な図式だけでは比較できない。
 首相は食品偽装問題などを受け「消費者・生活者の視点に立った行政への転換」を打ち出しており、昨年十二月には「食品表示特別Gメン」の新設や、独立行政法人国民生活センターに事故情報データバンクを設置するなどの「生活安心プロジェクト」をまとめた。政府・自民党は「消費者庁」創設など消費者行政の一元化を図る法案提出も目指している。
 これに対して民主党も消費者の苦情を受け付ける「消費者オンブズマン制度」の導入を検討。小沢一郎代表は一日に東京都内の私邸で開いた新年会で「生活が第一というわれわれの訴えを国民の皆さんが支持した結果を見て、あわてて生活がどうだとか言い始めている」と首相を皮肉ったが、民主党との対立軸を極力解消したい首相の「クリンチ(抱きつき)」作戦への警戒感も垣間見える。



社説:08年を考える ねじれ克服 政治への眼力を磨こう
 ◇議会制民主主義鍛え直す好機
 国会は衆参両院の「ねじれ」を抱えたまま新年を迎えた。日本の議会制民主主義にとって大変な試練ではあるが、真摯(しんし)に向き合い、乗り越える年にしたい。
 私たちは昨秋の臨時国会召集以降、両院で多数派を異にするこの状態が、政治の意思決定プロセスにおいていかに深刻であるかを目の当たりにしてきた。
 国会に緊張感をもたらしたことは評価すべきだが、国権の最高機関が合意形成に手間取り、変動する内外の課題に即応しにくくなっている事態に、多くの人びとが危機感を抱いた。
 従って「ねじれ」の克服が、与野党双方にとって今年最大の政治課題であることは間違いない。
 異例の越年延長になった臨時国会で、与党は間もなく一つの答えを出す。焦点の新テロ対策特別措置法案が参院で否決されることを前提に、衆院で3分の2の賛成による再可決、成立を図る方針がそれだ。
 憲法59条に盛られた「3分の2」条項は、衆参の意見が対立した場合の正規の対処法ではある。与党は予算関連法案でもこの手法を取る構えだ。

 ◇衆院選こそ王道
 しかし、衆院の再可決が常態化するような国会は、健全ではない。緊急避難の措置としてはやむを得ないにしても、根本的には新たな民意を国会に取り込むことによって「ねじれ」の克服を目指すのが王道だろう。すなわち衆院の解散・総選挙である。
 小泉内閣以降、安倍、福田と2代続けて衆院選の洗礼を受けていない内閣が生まれた。自公連立与党の都合によるものだ。こうした審判なき首相の交代を有権者が事後判定する意味からも、衆院選は早期に実施されなければならない。
 すでに与野党は年内の解散不可避という前提で、時期の見極めに入っている。この点、福田康夫首相は防衛省汚職や年金記録問題の影響を受けやすい4月までの解散を避け、7月の北海道洞爺湖サミットが終わった後の秋口解散を想定しているようだ。
 地球温暖化が主要議題となる洞爺湖サミットで、日本は議長国を務める。このため、解散・総選挙の実施時期は国益に十分配慮して決せられるべきだろう。
 さて、いよいよ衆院選が現実になったとしても、選挙によって「ねじれ」がすんなりと解消される保証がないこともまた、覚悟しておかなければならない。
 理論的に「ねじれ」でなくなるのは、民主党が単独ないしは他の野党の議席を加えて過半数を制する場合のみである。しかし、小沢一郎民主党代表が認める通り、それは容易なことではない。現有議席の2倍以上の大躍進が必要なためだ。ただ、民主党が過半数に達しないまでも衆院第1党になったとしたら、自民党は潔く野に下るべきだ。
 一方、自民、公明両党の獲得議席が過半数をいくらか上回る程度だった場合、政権は維持できても、「ねじれ」は極限まで深刻化する。衆院による3分の2再可決が不可能になり、参院で否決された法案は完全に出口を失うためだ。自民党が先の参院選並みの大敗北を喫しない限り、このケースが十分にあり得る。
 そう考えると、国会が本当にもだえ苦しまなければならないのは、むしろ衆院選の後ということになる。
 政権の安定化を図ろうと政界の流動化が始まり、政党の再編に結びつくかもしれない。理念を軸に政界再編が進むなら歓迎すべきだが、もし自公が参院の不足分を野党から調達するような事態になれば、有権者に対する背信と映るだろう。また昨秋に頓挫した大連立構想が、再び動き出す可能性も否定できない。

 ◇選挙後の激動
 いずれにせよ、次期衆院選では、相当に高い確率で事後の激動がついて回りそうだ。しかも、そのプロセスを有権者が直接コントロールすることは難しい。
 だからこそ、国民は政党や政治家に対する眼力に一層磨きをかけ、注意深くその動きを観察しておく必要がある。選挙後に起こり得る事態を、政党、政治家に白紙委任しないための防衛策でもある。
 自民中心か、民主中心かという政権の枠組みだけではなく、選挙を経ても衆参の多数派が異なった場合の対応が重要な論点になる。大連立を容認するのか、しないのか。政界再編を志向するなら、どんな結集軸にしたいのか。
 憲法は首相指名や予算などで第1院たる衆院の優越を認めているが、優越の程度は限定的だ。実際のところ、衆参の力は対等に近い。参院がしばしば政変の要因となるゆえんである。ただし、参院の多数派が過剰な影響力を行使すると、政権選択という衆院選の意義は損なわれてしまう。
 国会はいずれ二院制のあり方を整理し直すべきだろう。ただ、民主党が参院に陣地を構えて攻勢に出ようとしている以上、制度的に参院の抑制を図るのは困難である。このため、衆院選後に「ねじれ」の克服に向けた政界の流動化が始まるのはやむを得ない。
 08年。この国の議会制民主主義を鍛え直す好機が訪れたと考えたい。
(毎日新聞 2008年1月3日)



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クリスマスローズもバラも咲き、ひと足先に春/CaplioR7で写しました。

2008-01-07 11:24:43 | 花/美しいもの
年末に新型デジカメ「CaplioR7」にバージョンアップしました。
1年間愛用した「CaplioR4」はつれ合いに払い下げ・・・
じゃなくて、最初から覚えるのは大変、ということで、
使い慣れて操作がかんたんな方を連れ合いに譲ったのです。

出たばかりの「Caplio(キャプリオ)R7」は、
R4より、機能も性能もよいのですが、
接写の距離や明るさなどが微妙にちがうのです。

まあ、1年前にフジからリコーに変わったときも、
うまく撮れなくて、「こんなことなら前のほうがよかった」と
思ったくらいですから、数をこなして慣れるしかありません。

花木センターにお花の写し試しに行くことにしました。
まずは、入り口のお店で腹ごしらえ。
  
わたしはかけうどん、つれあいはデラックス味噌煮込みうどん。
お店は露出オーバーですが、おうどんはおいしそうでしょ。
ほんと、おいしかったんですよ。

ということで、おなかも膨れて暖まったし、
入り口のクリスマスローズを接写で撮ったのですが、
30センチくらいの距離ならオートでばっちりなのですが、
なぜか、1センチくらいに近づくとピントが合いません。
  

  

ハウスに入ると、お花のにおいでむせ返るよう。
色と香りにくらくらして余計、目が回りそうです(笑)。



画面を見ると暗いので0.3に明るくしてみました。

  



  

それでも、めしべの接写がぼけボケです。

帰ってから確認したら、
以下はちょっと、明るすぎる画像。


  

「CaplioR4」だと、これでちょうどよかったんですけどねぇ・・・
つぎは、シクラメンとランの花の画像を見ることにしましょう。


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『ウェブ時代をゆく─いかに働き、いかに学ぶか 』(梅田望夫)を読む/『新ネットワーク思考』もお薦め

2008-01-06 21:05:21 | ほん/新聞/ニュース
昨年末に読んで強い印象を受けた『ウェブ時代をゆく』。
とっても面白いと思っていたら、今日の読売新聞の書評に出ていた。

最初の『ウェブ進化論』もおもしろかったのだけど、
2冊目の『ウェブ時代をゆく』はもっとすごく面白い。
著者は梅田 望夫さん。著者もかくじつに進化している。

  
『ウェブ時代をゆく』 『ウェブ進化論』

書評を読んで、あらためて読み直した。

「序章」から「あとがき」まで、ポジティブな言葉がつづき
昔からリアル社会で「好きをゆく」「けものみちを歩く」という生き方をしながら、
3年間毎日ブログを書いているわたしにとって共感できるところが多い。

ウェブ時代をゆく ─いかに働き、いかに学ぶか
(梅田 望夫著/ちくま新書/777円税込み)
 

 新しい事象を積極的に未来志向でとらえ、挑戦する若い世代を励ましつつアドバイスを与えることができる「知的で明るい大人」が増えなければ、未来の創造はできない。未来は能動的に変えることができるものだが、そのエネルギーはオプティミズムが支えるのだ。理解できない新しいものに直面したとき、達成を賞賛せずに、その不具合や問題点を探し、悪いところばかりをネガティブに捉え、せっかく生まれた新しい芽を摘もうとしてばかりいれば、誰も新しいものを創造しようとしなくなる。
 私がオプティミズムを貫くのは、こうした精神的な姿勢のみを理由とするのではない。ネットという技術の持つ性格について次の5点で、大きな希望を抱いているからである。
(1)ネットが「巨大な強者」(国家、大資本、大組織・・・)よりも「小さな弱者」(個人、小資本、小組織・・・)との親和性の高い技術であること。
(2)ネットが人々の「善」なるもの、人々の小さな努力を集積する可能性を秘めた技術であること。
(3)ネットがこれまでは「ほんの一部の人たち」にのみ可能だった行為(例:表現、社会貢献)を、すべての人々に開放する技術であること。
(4)ネットが「個」の固有性(個性、志向性)を発見し増幅することにおいて極めて有効な技術であること。
(5)ネットが社会に多様な選択肢を増やす方向の技術であること。

 ネットがなければ出会うすべもなかった見ず知らずの「ネット上の不特定多数無限大の人々」が協力して何事かが達成される「オープンソース」現象や「マス・コラボレーション」現象。これまでは表現の機会すら持たなかった無数の人々の知が集積されればその総体が専門家の知を凌駕する「群衆の叡智(Wisdom of Crows)現象。これらは、こうしたネットの性格をよく現すものである。・・・(P14~15 序章「混沌として面白い時代」より) 
--------------------------------------------------------------
 新しいことが次々と起こる「時代の大きな変わり目」を、私たちは生きている。
 いくら努力しても、未来を見通して安心することはできない。未知を楽しむ心が生まれない限り、「時代の大きな変わり目」を幸福に生きることはできないのである。私たちはたしかにさまざまな厳しい現実に直面しているけれど、聞けば読めば心が萎える言葉ばかりをシャワーのように浴びれば、せっかく生まれかけた意欲もすぐにしぼみ、未来を創造するエネルギーは生まれず、結果として厳しい現実は改善されない。
 モノを書く意義は、それを読んだ人の心に何が生じたかに尽きる、と私は思う。
 本書は、まじめでな若者たちの、そして昔そういう若者だった大人たちの心の中に、未知の世界を楽しむエネルギーが生まれてほしいと思いながら書いた。 
 未知を楽しむエネルギーが心の中に宿り、「志」を立てて、「はじめの一歩」を踏み出す力が出さえすれば、私たちの前にはさまざまな可能性が次々と訪れる。一生懸命何かをやりたいと思う人たちを、これまでの日本社会は、レールの上を走らせよう走らせようとしてきたが、そうでない道もあるのだ。・・・・(P243 あとがき より)


ほかにも、「好きなこと」を持続する。「志向性」を結集する。
「自分の頭で考え続け、どんなことがあっても絶対にあきらめない」。
などきらりと光る言葉がそこかしこに。

本書は、ひとことで言えば「希望の書」である。
本書を読んで、わたしがなぜ毎日ブログを書き続けるのか、
少しだけ、わかった気がした。

新書版なので、ぜひ手にとって読むことをおすすめしますが、
まずは、「人気です」の書評を紹介します。

ウェブ時代をゆく 梅田 望夫著
未知な時代の2つの道
 

 情報技術(IT)によって知と情報が世界中で瞬時に共有され、リアルな地球と同じくらい大きな「もう一つの地球」にインターネットを通じてアクセスできるようになった。38万部のベストセラー「ウェブ進化論」の著者が、この大変化を「明治維新」になぞらえ、未知を楽しむ心と大いなる志を持てば、新たな生き方が可能と説いたのが本書だ。
 紹介される事例は、「知と情報をあまねく流通させることで個の自由を徹底的に追究する新しい文明」としてのグーグル。ウェブ上で新たな技術の開発に没頭するリーダーがつくり出す地球規模のコミュニティだ。
 では、インターネットによって知が共有され、誰でも高速道路を失踪するように一定の段階までは、学習をすすめられるようになった時代にどのように生きるのか。
 二つの道があるという。一つは、ほとんどの人々が行き詰まり大渋滞に陥った状態を抜け出して頭角を現す「高く険しい道」。もう一つは、先に進めなくなった高速道路を降りて「けものみち」を歩いていくことだ。
 著者はテクノロジーを使って「けものみち」を自由に生き抜いてきた先駆者や自身の経験などから「自分の向き不向きを意識し、好きを貫くことこそが競争力を生む」と強調する。
 ブログの書評などネット内で口コミで評判が広がり、初版は3万部でスタート。発売後一ヶ月で5刷り13万部に。「けものみちを通ってもやっていける、という言葉に反応している人が多い」と担当編集者。
 幕末から明治にかけて、多くの人々が未知なる世界に挑んだ。ウェブによって再び大転換の時代がやってきたと、とらえるのか。あるいは、従来の組織や価値を大切に生きるのか。いずれにせよ、ウェブ時代をゆかなけれはならないことには変わりはない。(空)
(ちくま新書/777円)
(2008.1.6 読売新聞)


こちらは評判になっている、この本の著者の
梅田望夫さんのブログ  

『中央公論』2008年1月号にも紹介されています。

梅田望夫『ウェブ時代をゆく』を語る
僕はよく楽観的すぎると批判されますが、
問題意識としてはまったくオプティミズムではないんです


――インターネット世界の急激な変貌と、現実社会への影響を読み解いた前著『ウェブ進化論』は37万部のベストセラーになりました。新著はウェブの新しい現象を紹介するのではなく、その時代をどう生きるかについて描いています。なぜ『ウェブ進化論2』を書かれなかったのでしょうか。
 『ウェブ進化論』を発表した後、多くの編集者から、「一つのカテゴリーを創造しましたね」と言われました。確かに、ウェブに関するテクノロジーを解説した本は新書だけでも大量に出版されましたね。しかし、そういう類の情報はネットにも溢れているわけで、自分にとってはカテゴリーを作ったところでもう終わりかなと。
 それに、『ウェブ進化論』で提示した枠組みを変えなければならないような大きな出来事は、その後も起きていないと思います。ユーチューブもフェースブックも、同じ枠組みに埋め込めます。次に大きな動きがあったときには、僕よりずっと若い人が「決定版」を書いてくれればいい。
 今回、ウェブ時代の生き方、働き方を書いた背景には、若い人たちの影響があります。
 03年から2年近く、CNETというサイト上でブログを書いていました。そこで当時20代だった担当編集者から求められ、ウェブで何が起きているかというテーマの合間に、若者へ向けたキャリア論を扱ったところ、反響があり、多くの記事を書きました。
 また、僕はJTPAというNPOを創設し、毎年30歳以下の若者約20人を招く「シリコンバレーツアー」に関わっています。その参加者は大変優秀な子ばかりなのに、充実した将来への希望を持てていない。僕が「シリコンバレーなんて好きなことをしている奴ばかり。自分を信じて好きなことをやればいい」とアップルCEOのジョブズの言葉などを引用しながら話すと、泣き出した子がいました。そんなことを言われたのは初めてだと。また、その場で「スタンフォードに留学します!」と宣言した学生もいました。
 20年以上生きて、親や教師とも話し合ってきたはずなのに、日本の教育は何をしているんだろう、若者と真剣に対峙しているのか。彼らのためにも、この本を書かなければいけないと思いました。

――「ウェブ時代」とは、端的に言ってどのような時代なのでしょうか。

 根本にある現象は、知と情報についての巨大なアーカイブができるということです。僕が「もうひとつの地球」と呼んでいるものですね。それは単なる図書館のようなものではなく、生身の人間が繋がっており、日々情報が更新され続ける。個人が全世界のありとあらゆる情報に、いつでもアクセスする力を得る時代です。
 ウェブ時代では、勉強したければどこまでも際限なく勉強することができる。脳の限界を取り払うもの、能力の増幅器と考えてウェブを使いこなす人と、そうでない人の差がとても大きくなる時代です。

――魅力的である反面、とても厳しい時代でもありますね。

 そう、とんでもない利便性と自由を得る一方で、これまでにない「新しい強さ」を求められます。
 ウェブを活用することで、自分の志向性に従い、高速道路を走るように学習を進められるものの、グローバル化でその先の道は大渋滞になっている。「グローバル」という言葉が日米欧だけを示していた牧歌的な時代は去り、インドや中国から大量に競争相手が参入してくる時代ですから、専門を究める「高く険しい道」を上りきることは本当に困難になる。それでも自分の志向性を活かすためには、人間の総合力で勝負する「けものみち」の人生を歩むしかない。本書ではそのためのヒントとして「ロールモデル思考法」を提示しています。いずれにせよ、自由競争の中では、自分の志向性を見つけることが重要になる。対象にどれだけ没頭し、勤勉になれるかの競争になるからです。

 僕自身も、また周囲の友人を見ていても、10年前より圧倒的に長時間働くようになっています。仕事とは情報の処理ですから、IT化とグローバル化によって情報量が爆発したうえに、いつどこでも仕事ができるようになったことが原因です。
 Rubyというプログラミング言語の開発者である、まつもとゆきひろさんに聞くと、寝ている間も海外からメールが入るので、朝目覚めると一晩で200通も溜まっていたりするそうです。彼がつくづく言っていたのは「嫌いなことを仕事にしてはいけませんね。病気になります」。生存ということを考えても、好きなことを仕事にしないといけないと確信しましたね。
 一方で大企業は、個人が今まで以上に仕事を選べない組織になると思います。中国をはじめとしたBRICsやアフリカなど、体力を要求される国に突然赴任させられるほか、事業が急に縮小されたり会社が合併されたり、突発事が飛躍的に増えています。大企業に勤めるためには、「与えられた課題に喜んで取り組む能力」がますます必要になります。僕もかつては特性がないながら大企業に在籍していましたが、今はもう完全に無理ですね。(笑)

――本書の中で、グーグルは食事から家事、さらに散髪や医療まで、すべての「生活上の些事」を会社で提供し、仕事に没頭できる環境を整えていると紹介されています。これは恐怖の未来図とも感じてしまったのですが。

 ウェブ時代の働き方がどこに行き着くのか。この本にも答えは書いていません。言えるのは、この大変な時代をサバイバルするためには、自分の志向性にあったことをやっていくしかないだろうということです。僕はよく楽観的すぎると批判されますが、問題意識としてはまったくオプティミズムではないんです。きちんと読んでもらえれば、そのことが分かると思います。(以下略)
(『中央公論』2008年1月号「中公読書室・著者に聞く」より)


「世界は6次でつながる」「ハブがネットワークのキー」など
刺激的な『新ネットワーク思考』もおもしろい。
この本、ブログに載せようと必死に探していたのだけど、
どうやら図書館の本だったらしい(返却済みだ・笑)。

『新ネットワーク思考―世界のしくみを読み解く』
(アルバート・ラズロ・バラバシ (著), 青木 薫 (翻訳)


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 最新ネットワーク理論が自然界、ビジネス界、医学界、人間界に及ぼす影響をはじめて詳説した、衝撃の1冊。
 1980年代、ジェイムズ・グリックの『Chaos』(邦題『カオス―新しい科学をつくる』)が、初めて「複雑系」という概念を世に紹介し、大きな話題をさらった。それに匹敵するのが、アルバート・ラズロ・バラバシによる本書である。これは、科学界の次の主役がまぎれもなく「ネットワーク理論」であることを実証した1冊だ。
 私たちはごく小さな世界に住んでいるのではないか。この世のすべてのものが、1つにつながっているのではないか。長いこと、人間はそう思って生きてきた。実際、地球上のネットワークは、今このときも果てしなく広がり続けている。人間の脳からインターネット、経済、それに個人的な友人関係に至るまで。しかも、このつながりは決して成り行きまかせのものではない。つまり、すべてのネットワークは、純然たる秩序とシンプルな法則によって成立していたのだ。この事実に、科学者たちは少なからず衝撃を受けた。これらネットワークの構造と様式を理解すれば、私たちには驚くべき力が備わるだろう。たとえば、だれもが自分の力を発揮できる最高の社内組織を編成する、壊滅的な被害を受ける前に病気の蔓延をくいとめる、といった魔法のようなことが現実となるのだ。
 著者アルバート・ラズロ・バラバシは構造物理学者。つねに革新的な意見を発表し続けるネットワーク理論研究の第一人者でもある。その彼が、本書ではネットワーク理論の最新知識を一般向けにわかりやすく解説、研究最前線で活躍する科学者たちの横顔にせまっている。彼らは、科学界全般に共通するネットワークの法則は、社会的ネットワーク、企業内ネットワーク、細胞内ネットワークにもあてはまることを証明。「この世の中のすべての事象は相互連結している」というきわめて重要な概念をさぐりあてたのだ。さらにバラバシは語る。この知識を応用すれば、サイバーキラーによるインターネット被害も、カゼによる新種ウィルス流行も回避可能、これからの民主政治の行方を左右することだって可能だ、と。権威ある学者による、実にわかりやすい解説が魅力的な本書は、科学の新世紀の幕開けを告げる、高揚感あふれる1冊だ。
 「ネットワークに注目しよう」― 本書のメッセージはいたってシンプルだ。これは、ネットワーク理論の誕生、特徴、進化について詳しく解説した本である。本書でバラバシはこう主張する。ネットワーク理論を、自然、社会、テクノロジー全般にまであてはめて、統一されたフレームワークを構築しよう。そのうえであらゆる事象をよりよく理解し、インターネットから身体的病気に至るまでのさまざまな問題を解決しよう。ネットワークはいたるところに存在する。つまるところ、私たちに必要なのは、それを見きわめる「目」だけなのだ、と。(以下略)


毎朝、新聞を5紙読んで、それであき足らずに本を読んで、
活字が切れると手が震える(マサカ!)ほどではないけれど、
ネットが知と情報の魅惑的な世界でも、やっぱり活字も手放せないわたしです(笑)。


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くわい料理・白菜漬け・金沢近江町市場「井の弥」の豪華ちらしなど。

2008-01-05 17:58:27 | おいしいもの/食について
朝から晩まで、ブルーブラックエナメルの
薪ストーブ・ヨツールF600が赤々と燃えていて、
今年のお正月はどこにもでかけずにすごしました。



つれあいが痛風でご馳走は食べられないということもあり、
すき焼きもお刺身もなし、手の込んだお料理もしなくて、
ありあわせの野菜中心の
  ヘルシー料理ばかり。

おかげで、二人とも体重はキープしてます。 

白菜が虫に食べられてしまったので、年末に花木センターの八百屋さんで、
ケースで白菜を買ってきたのですが、まだ一度も食べてません。
ということで、白菜漬けを作ることにしました。

有機農業の専業農家で消費者に野菜を配達していたころは、
たくさんとれすぎた無農薬白菜を、4斗樽に漬け込んで、
年末に白菜漬けを消費者に配達していました。

今年は2個だけなので、ままごとのようです(笑)。

まずは白菜の芯に包丁を入れて、あとは手で4つに裂きます。
半日ほど日に当てて、あとは塩を振って漬け込むだけ。


ホーローの容器の底に薄く自然塩を振って、
白菜をきっちりと並べ、そのうえに塩と、
羅臼昆布と柚子と唐辛子粉少々を振って
  
それをくりかえしながら、一段ずつ丁寧に漬けていきます。

最後の段は、多めに塩を振って、重石をしてふたをします。
1~2日で水が上がってきたら、隙間のないように漬け直します。
はい。これでおいしい白菜漬けのできあがり(のはずです)。


ヨツールF600は開口部が横にあり炉が大きいので、
おおきな薪が入ります。


余った白菜とねぎを、そのままアルミホイルにくるんで炉の中で焼くと、

ホイル焼きの出来あがり。
  
ねぎは白いところを切らずに焼くと、
アミノ酸がとっても甘くなるとのこと。
下仁田ネギの産地では、焚き火の中にねぎをそのまま入れて
焼いて食べるのが最高だそうです。
白菜の丸焼きは、お正月の新聞のどこかに、
この食べ方がとってもおいしいと乗っていました。
ほんとに甘くて最高です。

ところで、

年末に買ったくわい(慈姑)は、年を越してしまって、
お雑煮のほかで、最初につくったのが慈姑料理。

くわいはオモダカ科の多年生水生植物で、
「必ず芽が出るという縁起物」でお正月料理などに用いられます。
食べるところは地下の「ほふく茎」の先端が肥大してできる塊茎です。
慈姑は、野菜の中ではたんぱく質の含有量が最高なのですが、
なぜかお正月にしか食べない食材。
わたしは癖のある野菜が好きではないのですが、
くわいやゆり根のほろ苦さは大好きなのです(笑)。

 くわい(慈姑)

たくさんあるので「くわいの含め煮」と「クワイチップス」を作りました。

「くわいの含め煮」は、そのままだとあくとえぐみが強いので、
米ぬかを入れて5分ほどゆで、そのあともう一度、白湯でゆでます。
あとは、昆布だしとお酒としょうゆで、薄味で煮含めます。
  

クワイチップスは、皮をむいたくわいを薄く切り、
流水に1時間ほどさらして、水分をよくふき取り、
あたらしいごま油で素揚げします。
慈姑は水分が多いので、二度揚げするとカラッと揚がります。

   

ちょうどテレビで「初売りの金沢近江町市場」のニュースが流れてたのですが、


くわいを食べたくなったのは、年末の金沢近江町市場にいったからです。
くわいは加賀野菜で、近江町市場の八百屋さんに一杯並んでいました。



お正月用のかまぼこや、明太子やイクラ、
数の子などは近江町市場でかってきました。
  

近江町市場にいった目的は、「井の弥」の豪華ちらしを食べるため。
  
つれあいは、地物魚のちらし、

わたしは、この16種ものネタがのった上ちらしを注文したのですが、
もう、一目見ただけでギブアップ(笑)。好きなネタだけ食べて、
6割がたは連れあいに譲りました。

ということで、お魚好きの連れ合いは、
年末にお正月の分まで、お刺身を食べたとさ(で大満足)。


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最後まで読んでくださってありがとう
2008年も遊びに来てね 
 また明日ね
 
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『む・しの音通信』64号《市民として議員として、直接民主主義の制度を使いたおす》

2008-01-04 10:30:58 | 「市民派議員塾」「M&T企画 選挙講座」
昨年の11月25日に発行した『む・しの音通信』64号を
みどりのwebページにやっとアップしました。

みどりのwebページ

 『む・しの音通信』64号(2007.11.25発行) 
 特集《市民として議員として、直接民主主義の制度を使いたおす》

「ねてもさめてもKJ法」
     福井県敦賀市・今大地はるみ


 11月11日、「議員と市民の勉強会」の「オプション講座A」は「KJ法をつかいこなす」。   
 12月2日の講演会フォーラムのプレ企画で、課題を整理する目的のテーマは「さまざまなマイノリティが生きやすい市民社会をどのようにつくるのか」。講師は寺町みどりさん。参加者は、初参加の新倉真理代さん、高瀬芳さん、小川まみさん、メール参加の後藤尚子さんと私の5人。11日の7時間では終わらず、16日、19日と続けて完成にこぎつけた。13時間にも及ぶ「KJ法」は、最終的に120枚のメタカード(表札)が図形化された。そこからみえてきた課題を、文章化までの軌跡をたどりつつ整理してみたい。
 1.「日本社会の現状」は、参加者が関わってきた運動の中から問題提起されたもの。日本の男性中心社会は、髪振り乱すけなげな女を好み、多様性を認めない。日本で働く外国人労働者の現実なども浮き彫りになった。
 2.「つくられるマイノリティ」~マイノリティの定義はテーマ決めの段階から議論になり、マイノリティって誰?は、この日もっとも盛り上がった。同じシングルマザーにも離別と死別で差別があるし、マイノリティになる可能性は誰にもある。見えてきたのは、マジョリティがマイノリティをつくっている。
 3.「わたしはわたし」~周りの状況で運命が変わるシンデレラはそのままでよかったんじゃない? という発想は、目からウロコ。かけがいのないわたしこそがマイノリティであり、わたしのニーズは、わたしがつくる。
変えていくには「わたしはわたし」であるこ
とを大切にすることから始まるのだろう。
 4.「当事者になる」~DVの問題提起の中ででてきた「当事者」。当事者性の自覚と経験とスキルを伝え合うことで問題解決への道筋が見えてくる。「む・しネット」は、すでに女から女へ知恵と経験を手渡す活動で実証ずみ。
 5.「市民セクターの可能性」~高齢者が生きやすい社会は誰にとっても生きやすい。
 2回目の「カード作り」で生まれたキーワードが多く並ぶ。官でも民でもなく「協(市民)セクター」である「市民事業体」をつくるには、NPOでもただ働きをしない、行政のパシリになるな、市民ファンドをつくる、などなどが必要と、やっと先が見えてきた。
 6.「システムを変える」~ここでは信用できない行政の現状を指摘し、当事者のニーズに合わせた相談窓口のあり方を示している。
 7.「マイノリティが生きやすい市民社会」~「生き延びるために必要なもの」には、現状の議論から方向転換してきたセーフティネット関連のメタカードが並ぶ。さらに図形化するなかで「ジェンダーの視点」と「愛と友情」のカードが追加された。マイノリティが生きやすい市民社会をつくるためには、コミュニケーションとネットワーク、情報発信/情報公開などで社会の認識を変えること、人と人のつながりが大切だとわかる。地域や自治体、国を超えて人と人がつながる社会をつくり、変えていけるのは当事者自身だということ。 
 わたしたちの願う社会は・・・最終章はやさしい言葉で締めくくられている。  「バラ色よりはニジ色がいい」。さまざまな運動をつくりだし、当事者として、サポーターとしてすでに動き始めているわたしたち。わたしたち自身がマイノリティであり当事者だからこそ社会を変られることを、あらためて実感した。
 わたしはニジ色のなかで輝きたい! 

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決算を予算に生かす
      愛知県日進市・島村紀代美 


 はじめて決算書と格闘した9月議会。今回の講座の課題①「決算審査で、うまくいったテーマ、うまくいかなかったテーマ」のそれぞれについて事前にレジメを作成することを通して、ようやく自分の決算審査をふりかえることができた。
 そして臨んだ勉強会のテーマは《問題解決・政策実現の手法》。《セッション1》は「政策的観点から決算を事後評価する」。まず参加者がテーマに沿って自分の決算審査の評価と今後の課題について話し、講師の寺町知正さんとみどりさんがこれに対してコメントした。自分では事前にレジメをまとめることで理解していたつもりでも、話すとなるとポイントが整理されてないのがすぐにわかる。
 わたしは「税金の前納報奨金制度は廃止すべき」と考え、調査をもとに本会議で質疑。しかし、「このまま継続したい」とのことで、よい答弁を引き出せなかった。知正さんから「口座引き落としの人と現金納付している人の数や率を調べれば、口座利用が多く、報奨金の意味がないという裏付けができるだろう。市の『行政改革集中プラン』で廃止の予定なのに担当者が反論している点は追及すること」とのコメントがあり、よい答弁を得るには深い調査、いろんな角度からの分析が必要だったと反省。決算審査も大切な政策実現の手法なのだと気づいた。その後みどりさんから「決算審査は政策の事後評価であり、自治体としてどうであったかを問う。決算審査で質疑・討論したことが予算に反映されるよう、客観的なデータをそろえることが大切」とのレクチャーがあった。
 議員の仕事は思いつきではなく、決算で、予算で、一般質問で、どう政策実現するか常に考えなければならないのだ。「前納報奨金」については現状分析、他自治体の調査をさらに進めるとともに、「行政改革集中プラン」を変更するほどの理由は何かを追及して、来年度の廃止につなげていきたい。

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オプション講座で私が手に入れたもの
愛知県日進市・釜賀美鈴 


 市民として今後できることは何か、またその手法を身につけたいと思い、今回の「オプション講座B」に参加した。そして今、議員に頼ることなく、まちを変えられる気がしている。なぜなら、講座で、「直接民主主義の制度を使いたおすための手法」を教えてもらったからだ。
 なかでも、「情報公開は行政を開かれた姿に鍛えることだ」という知正さんの言葉が印象的だった。「情報公開」は市民の知る権利を保障するだけのものではないことに気づかされた。「住民監査請求」は、知正さん曰く、「勝つにこしたことはないが、負けても効果がある。新聞に出ることの意義・効果は大」。やらなきゃ損。ただし、きちんとした根拠を持って。
 「直接請求」は、知正さんがじっさいに請求を出された書類を資料としていただけたので、これに沿う形で書類は作れそうだ。また、「有権者の50分の1以上の連署」が必要で、日進市の場合、約1200人だが、以前、選管に「選挙公営制度の透明性を高めるための書類の整備に関する要望書」を市民1400人以上の署名と共に提出したことがあるから、これもクリアできそうだ。
 ならば「直接請求」もやれそうな気がしてきた。やらなければいけないと思った。
市民の税金の使われ方をチェックする議員になろうとしている人が、自分の選挙のために税金が使われる「選挙公営制度」をきちんと理解し、適正に利用していないことに、私は怒りを感じている。さらに、昨年の12月議会において「選挙公営についての条例改正案」を否決し、みずから襟を正そうとしない議員の態度にあきれている。 
 今回、この思いを法律にのっとって解決する手法を手に入れた。私たち市民みずからが行動を起こすことで、選挙が変わり、議員が変わり、議会が変わり、そしてまちが変わるということを、私も実践で示していきたいと思っている。

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うるさい市民へ一歩を踏み出す
    熊本県熊本市・早咲京子 


 私は市民の立場でも、行政に思いを届ける方法を学びたいと思い、7月から「議員と市民の勉強会」に参加している。
 【セッション3】のテーマは、《手法を駆使して、直接民主主義の制度を使いたおす!~議会活動・市民活動のスキルアップのために》。   
最初は、「入門編/市民的手法・パーツを知る」。講師の寺町みどりさんが「議員になる前より仕事ができると思ったか、それとも、思ったより仕事ができないと思ったか」と質問。議員の挙手は、できるとできないが半々位。「発言ができない」「質問ができない」「市民の立場が良かった」「議員だからこそ良いことがある」と理由は様々。みどりさんは「議会は制約が多いので、議員は手法の選択肢や技術がわからなくては働けない。そのためにはつかえる手法(道具)をまず知ること」と説かれた。
 私はここで説明された一つひとつの手法(道具)を使って、市民活動にやる気になって取り組めば、市民と議員はあまり変わらない力を発揮できるという事実に勇気づけられた。市民でも、権利を行使して最大限の仕事(活動)をするために、手法を理解し実行できれば、議員でなくても、行政へ思いを伝えることができる市民活動となる。そんな素晴しい手法があることを知り心強い。これらの手法(道具)を駆使するために、地方自治法などを理解して、取り組むことが大切と学んだ。
 次に、「市民としての応用編/情報公開制度・住民監査請求などを知る」。講師のともまささんは、「どの自治体でも、情報公開条例は法に添った書類を提出すれば、一定期間を経て公開される。非公開・非開示の理由は明示されるので、不服があれば異議申立や非公開処分取消訴訟ができる」と、講師自身の異議申し立て書を使って、具体的な書類の作り方とコツを教えてもらった。
 法やルールを味方にして、「作りたい・変えたい・とめたい」政策の根拠を十分に用意する。集めたデータの資料をすべて使うわけではないが、一般質問(市民なら行政への要望書)の時、行政の答弁がそれたり、逃げたりしないためにも手法を駆使することが必要なのだと理解した。集めたデータの中から欲しい方向に沿ったデータを選りすぐって使い、事前の政策評価をして、一般質問(行政への要望書)を的確で端的に伝わるものに作る。ともまささんが、お客様の注文に応じて自分の理念を持って、メニューを練り道具や素材を吟味して料理をするシェフのように思えた。
 最後は、「議員としての実用編/請願等への対応・情報公開で事業や政策の実態を調査する住民監査請求で議論を発展させる」。
 「日本の監査請求の半分以上は議員がやっている」「情報公開や監査請求は、やればやっただけ力がつく、転んでも、負けてもやった経験で力がつく、前に進むことになる」と実践している講師の言葉は重く伝わってきた。「監査請求は、認められることが少ない。しかし認められなくても、やって無駄にはならない。必ず行政の仕事に対して効果がある。うるさい議員(市民)がいるから、やろうということになる」と聞き、どの立場でも、決してあきらめないことが重要なのだと受け取った。ともまささんは「情報公開請求は、使いやすい制度なので、ぜひ一度挑戦してみてほしい」と勧める。
 私は今回知った手法を使って、行政へ思いを伝えられるようになりたい。だが、やり方を学んだに過ぎず、法律に関与することは、自分とは遠いものに感じて怖さがある。そのハードルを越えるために、闘うのは自分自身。身近なテーマに取り組み、なぜそれが問題なのかを自分が納得する。ここから始めて、行政に思いを届けたい。
 政治は、生活そのもの。責任のない感想を言い、どうせ無駄だとあきらめてしまわずに、うるさい市民になる覚悟を決めて、一歩踏み出そうと思った。

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有効な議員活動のポジションを自分で獲得するために
     長野県安曇野市・小林純子 


 「自分は安全な場所にいて、リスクをおかさず、何かを変えることは難しい。ノーと言えば、波紋も起きるし、対立も生ずる。それをこわがっていては何も変わらない・・・」みどりさんの言葉が、この3ヶ月というものわたしのなかでグルグルと巡っていた。
 安曇野市が出資する「第三セクター・三郷ベジタブル」の経営不振問題にかかわって、住民監査請求するか否か決断を迫られていたからだ。予算審議で問題を追及し、一般質問で三度も取り上げ、情報公開しては市民に現状を訴えるなど、議員としてできることはやりつくしたが、市は何ら手を打とうとしない。このうえは住民監査請求しかないと声をあげたが、「そんなことをすれば、従業員の士気が落ちて逆効果だ」「再建案を提案するとか前向きなことをするのが議員だ」といった批判も聞こえてきて、なかなか踏み切れないでいた。
 しかし「議員と市民の勉強会」に参加を重ねるうちに、住民監査請求という手段を知っている議員こそ積極的に動くべきだと思い至り、8月31日に「㈱三郷ベジタブルにトマト栽培施設使用料の支払いを求める住民監査請求」を起こしたのである。「たとえ住民が負けても、訴えは改善されることが多く、反省を促す効果は十二分にある」。ともまささんの言葉がわたしをあと押ししてくれた。
 さて、ここからが【オプション講座B】の中身になるが、講師はその寺町ともまささん。テーマは《情報公開、住民監査請求など制度を活用して役所をひらく~市民としての効果的な活動のポジション、有効な議員活動のポジションを自分で獲得するために》ということで、情報公開や住民監査請求、異議申立、不服申立、行政訴訟などの基本を学んだ。
 行政の事務には、膨大な「公権力の行使」「処分」が存在するのであって、議会の監視対象というべきその「処分」が納得できないときの救済のための法律・制度を知ることは議員活動に不可欠だということ。まずこれを肝に銘じるところからスタート。
 時代を開くのは情報公開。その自治体の住民がわがまちの身近な政治に関心を持ち、どんどん公開請求することで、行政が開かれ、風通しがよくなり、市民に近くなる。
 議員もヒアリングだけでよしとせず、情報公開により事業の経過や意思形成過程、異論や課題なども掘り起こし、議員としての仕事に深み・厚みを増していくことが重要。「非公開処分」に対し異議申立をしたり、「情報非公開処分取消訴訟」を起こすなど、その制度を知る議員が率先して行なうことで、情報公開制度を市民の道具として鍛えていくことにもなる。
 公開された情報を読み解くなかで、違法あるいは不当な行為(税金のムダ遣いといえばわかりやすい)が見えてきたとき、次なる手段は「住民監査請求」。住民は「監査請求」を通して、主権者として行政の予算の執行、仕事ぶりを監視・監督できるようになっているのだ。だから「住民監査請求」はその自治体の住民であれば、誰でも、一人からできるし、もちろん費用もかからない。監査結果が納得できなければ、「住民訴訟」を起こすという手もある。
 ここでまた、わたしの事例にもどるが、三郷ベジタブルに関する住民監査請求は一部認められたものの、主な2点は棄却となったので、住民訴訟に持ち込むことになった。訴訟といえば裁判、となるととたんに「裁判に訴えて事を大きくするのは得策でない」といった考えが根強い地域性にあって、ここでも力となったのは「議員と市民の勉強会」で身に付けたノウハウ。そして、なにより「波紋や対立をおそれず、一人からでも始めるのだ」という気概を叩き込んでもらったからこそ。
情報公開や住民監査請求などが、市民の道具として有効活用されるよう環境を整えるのも、議員の重要な仕事だと再認識した勉強会でもあった。
 (追伸:11月21日に長野地裁に住民訴訟を提起。市民からは提訴を歓迎する声が寄せられている)
  (『む・しの音通信』No.64より転載)



次号の『む・しの音通信』65号は、一月中に発行の予定です。
「2008年に思うこと」のテーマで、
1月12日までに原稿をお寄せください。


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最後まで読んでくださってありがとう
2008年も遊びに来てね 
 また明日お会いしましょう
 

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お正月の誕生日は、ダブルでおめでたい?!

2008-01-03 13:40:57 | おいしいもの/食について
大晦日から新年へと、

おせちやらお雑煮やらを食べて飲んで、

そろそろご馳走も食べ飽きてきたころ・・・・

例年のことですが、

年が明けての2日目がわたしのバースディ。

「めでたさも中くらい」ならまだましなのですが、
子ども時代、
年末年始の忙しさのなかで、わたしの誕生日は忘れられ、
お店はどこも開いていなくてプレゼントもケーキもない、
毎年2日の夜に食べる夕食の茶碗蒸しがひとつ多いだけ、という
トホホの記憶しかありません。
その上、「みいちゃはお正月に生まれたおめでたい子やから」と
ほめ言葉か冗談かわからぬついでの祝辞を受けて、
「めでたさの二乗はサイテー」とうらめしく・・・

「なんでめでたい正月なんかに生まれてきたんだろう。」 

ということで、自分で稼ぐようになってからは、
1年間生きてきたご褒美に、さっさと自分で祝うことにしました(笑)。

20代からは2日から唯一あいている西柳ケ瀬の「菊屋ベーカリー」で
好きなショートケーキとシュークリームを買って、
ついでに、近くの実家にも届けていました。

「菊屋ベーカリー」が移転してからは、つれあいとフランボワーズへ。
例年、お年賀のケーキを買う人で行列ができるので
今年こそは並ばずに買おうとともちゃんと早めに出かけたら、
なんと開店の1時間も前に到着(新年は11時開店だった)。

フランボワーズはパスして、
おひとりさまの母の家によってから 

福袋を買う人でごったがえしている岐阜・高島屋で

フレイバーのレモンシフォンケーキを買いました。

 
ふわふわと柔らかく、かつしっとりした食感のシフォンケーキは大好き。
    
シフォンケーキは人数分に切り分けて、
(誕生日のわたしとシフォン好きの連れ合いは特別に2切れ)
「七福」の《ビジャ・フォンタナ農園》のコーヒーを淹れました。

  
ひさしぶりに泊まりにきた母のブドウ糖補給のために、
「とらや」の羊羹「おもかげ」も切りました。

ここで突然ですが、

母に会いにやってきた、ほくちゃんとさちえさんから
「お笑い系」とのバースディプレゼントを手渡され。
 
なんだろうとあけてみると、 

「みどりのガーディニングセット」でした(笑)。

夕食のメーンは、黒龍酒造の限定品、幻の大吟醸酒「しずく」。
 


  

昨年2月の福井訴訟の提訴の日に予約して、
引換はがきが届いたので、先日福井に行ったときに買ってきて、
わたしの誕生日に開ける、と宣言してキープしておいたとっておきのお酒。


  

蔵元限定品の「垂れ口」は、
大晦日に開けて、みんなでわいわい言いながら飲んでしまいました。

ほかに、「純米吟醸 黒龍」「吟醸いっちょらい」

やっと泊まりに来てくれた母も、集まった人たちといっしょに
ニコニコとわらいながらご飯を食べ、屠蘇風呂に入り、
薪ストーブの燃える隣の部屋にセットしたベッドで早めの就寝。



飲みながらまどくんとつれあいが人生談義に花を咲かせているころ、
思いがけなく、上野さんから電話があり、
もちろんバースディのお祝いではなくて、ほかの用だったのですが(笑)、
それはそれでうれしくて、すてきな誕生日でした。

明け方、気温が下がったので目が覚めて、
薪ストーブに火をくべるためにおきだし、
母の寝ている部屋をそっとのぞくと、
母はすやすやと眠っていました。

「生んでくれて、ありがとう。」




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2008年も遊びに来てね 
 また明日ね
 
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