みどりの一期一会

当事者の経験と情報を伝えあい、あらたなコミュニケーションツールとしての可能性を模索したい。

「〈私〉だけの神―平和と暴力のはざまにある宗教」「 アイデンティティと暴力――運命は幻想である」

2011-10-11 21:04:49 | ほん/新聞/ニュース
朝日新聞の書評に乗っていた本が読みたくて、
先週、高島屋9Fの自由書房に行ってきました。

ところが、
もう売れてしまったのか、書評が張り付けてある新刊紹介のところにもなくて、
そうなると、読みたくなるのが人の常、というもの。

図書館に行ってみたら、新着図書の棚に、
「〈私〉だけの神―平和と暴力のはざまにある宗教」がありました。

   
 〈私〉だけの神―平和と暴力のはざまにある宗教 [著]ウルリッヒ・ベック/岩波書店 

読み始めているのですが、難しい本で・・・
でもおもしろい本です。

 〈私〉だけの神―平和と暴力のはざまにある宗教 [著]ウルリッヒ・ベック   
[評者]松永美穂(早稲田大学教授)  [掲載]2011年09月25日  

■異なる信仰、いかに共存するか
 世界を震撼(しんかん)させた同時多発テロから十年。世界は一向に平和になったように見えない。つい最近も、右翼思想の青年がノルウェーでテロ事件を起こしたばかりだ。グローバル化の進む社会のなかで、価値観の異なる者同士がどのように共存していくべきかが切実な問題になっている。
 「個人化」「リスク社会」というキーワードで知られるドイツの社会学者ベックは本書において、宗教が国境を超えて平和を生み出す力を持つ一方で、信仰者と不信仰者を区別し、不和と暴力の原因を作ってしまう可能性も指摘して、さまざまな角度からの現状分析を行いながら、「個人化」する宗教の、平和創出の可能性を探っている。
 ドイツでは、20世紀前半ごろまで、親の宗教を子が受け継ぐのは当たり前だった。無宗教も含め、自分の宗教を自分で選べるようになったのは比較的最近のことだ。こうした「個人化」によってヨーロッパのキリスト教会が著しく衰退したのに比べ、たとえばアフリカでは、キリスト教徒がめざましく増加している。逆に、移民の流入により、ヨーロッパに住むイスラム教徒の数がどんどん増えているのは周知の事実だ。狭い地域に複数の宗教の信者が混住するのが普通になっている。
 それぞれの宗教が唱える「真理」が信仰の異なる者を排斥せず、他者と平和的に共存するためには、何が必要なのか? 「自由とは常に、思想の異なる者の自由」といったローザ・ルクセンブルクの言葉が思い起こされる。
 ベックはユダヤ人エティ・ヒレスムが記した神との対話や、ガンジーの「方法論的改宗」、ドイツの劇作家レッシングが示す三つの指輪のたとえ(父親が全く同じに見える「家宝の指輪」を三人の息子に与える話。「真理」と「宗教」の関係を表す)などを挙げている。スピリチュアルな共存を考える上での、たくさんのヒントがありそうだ。
    ◇
 鈴木直訳、岩波書店・3465円/Ulrich Beck 44年生まれ。『危険社会——新しい近代への道』など。


今日の岐阜新聞にも書評が載っていました。


2011.10.12 岐阜新聞


もう一冊は、もっと難解と思われる、『アイデンティティと暴力―運命は幻想である』。
何しろ、出版社は勁草書房で、著者はアマルティア・センですもの。

アイデンティティと暴力―運命は幻想である 
[著]アマルティア・セン

2011.10.2 朝日新聞
 
■「単一帰属」の幻想を打ち砕く
 グローバル経済の格差と貧困を温床とするテロと暴力の連鎖。この、それこそグローバルなテーマにどう向き合ったらいいのか。
 本書は、ノーベル経済学賞受賞のセンによる渾身(こんしん)の処方箋(しょほうせん)である。そのキーワードは、アイデンティティーだが、本書が心打つのは、センが自らのアイデンティティーをめぐる「生体解剖」的な分析を通じて、アイデンティティーの複数性と「選択」の必要を説いていることにある。
 この揺るぎない信念から、センは、暴力への誘因となる「単一帰属」のアイデンティティーの幻想を打ち砕こうとする。その一つが、狭隘(きょうあい)な利己的功利主義に基づく「合理的愚か者」の幻想だ。これは、一切の個別的なアイデンティティーを消し去り、人間をただ欲望機械のような利己心だけで動く「普遍的な」アイデンティティーに還元しようとする。このような還元主義を代表するのが、新自由主義的な市場原理主義の幻想だ。
 これに抗(あらが)うようにテロや暴力に走る宗教的原理主義があり、そしてより知的な意匠をこらした還元主義的な単一アイデンティティーの幻想がメディアや学術の世界を闊歩(かっぽ)している。マイケル・サンデルに代表されるような共同体主義(コミュニタリアニズム)と、ハンチントンの「文明の衝突」論だ。両者とも、人間と社会を、「共同体」と「文明」という単一のアイデンティティーに還元し、アイデンティティーの複数性と選択の自由を否定する点で共通している。これらもまた「運命」としてのアイデンティティーという幻想を分かち持ち、目に見えない暴力に荷担(かたん)していることになる。
 センの共同体主義の解釈などには異論もあるかもしれない。しかし、本書は、アロー以降の社会選択論・厚生経済学とともに、ロールズ流の公正としての正義や自由論を受け継ぐセンの信仰告白にも近いマニフェストとして読み応えがある。
    ◇
 大門毅監訳・東郷えりか訳、勁草書房・2205円/Amartya Sen 33年生まれ。ハーバード大教授。 



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東京で、でっかい新高梨をもらってきました。
包み紙を見て「しんこうなし」と言ったら、
「にいたかなし」と教えてもらいました。

   

食べたことがないのが、バレバレです。
梨は好きなので、一個でもずっしり重いのに、3個ももらってきました。

持ち帰った梨を見たともちゃん、「にいたかなし」と知っていました。
「めちゃ高価な梨だよ」と聞いて、さっそく調べてみました。
超特大は一つ、3000円ほどもします。
「新高梨ははガリガリして好きじゃない」と、いくらでももらえそうだったので、
どんなに重くても、もう少したくさんもらってくれば良かった、
と後悔している、欲張りなみどりです(笑)。

  新高梨(にいたかなし)
秋の定番!梨の「王様」と呼ばれて・・
味覚、風味、大きさ共に秋のNo1と言えば「新高梨」。大きさばかり話題に上りますが、香りが良い梨としても有名です。
他の品種の梨と決定的に違うのが「保存して熟す」ことです。
よく「新高はガリガリして硬い」などの感想を見かけますが、そういった場合は梨が新しくて若い可能性があります。
半分に切った後でも「若いな」と感じましたらラップして冷蔵庫へ。3日~で熟して芳醇な香りが出てきます。
それに合わせて少し実も柔らかく食べやすくなります。(加減問題ですので、くれぐれも置きすぎにご注意!) 
よく呼び名が間違われますが正しい呼び名を是非覚えて欲しい!
「しんこうなし」 →×
「にいたかなし」→○  


東京駅で、ルタオのお隣の店で、かわいいチーズケーキを買ってきました。

   

勉強会の課題のレジメを見てる合間に、コーヒーと食べると、ほっとします。

   

脳は甘いものを欲しがっている、と実感。

あしたは、新高梨(にいたかなし)をむいて食べよう。

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有名なうなぎの老舗「小淵沢 井筒屋」へ足を延ばし、おいしい鰻を賞味した至福の一日。

2011-10-10 20:07:04 | おいしいもの/食について
上野千鶴子さんの古巣の東大で開催された、WAN主催の『ケアの社会学』の書評セッション。
ほぼ満席で、報告者の高口光子さん、米澤旦さん、横井葉子さんの3人の話も、
現場の介護施設での話あり、批判的な分析もあり、本全体を貫くテーマについて的確に言及する報告など、
とても深くて、あっという間に、時間が過ぎました。
それぞれの報告に対しての、上野さんの的確なリプライによって、
さらに議論がふかまり、わたしの本への理解も進んだような気がします。

イベント終了後は、恒例の会費制の懇親会。
参加したい人は、その場で希望すればだれでも参加できます。

  

   

  

30人ほどが残っで、一回り自己紹介。
わたしは、「今度の読書会のテーマ本は『ケアの社会学』」と宣言してしまいました。

その後は、お料理を食べたり飲んだりしながら、
思い思いに、話したい人と語り合っていました。

知った顔あり、あらたな出会いもありで、和やかであたたかく、
たくさんエネルギーをもらったような気がします。

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東京で一泊して、まっすぐ帰るつもり、
だったのですが、ひょんなことから、予定変更。
お天気も良いし、小渕沢経由で、小渕沢~塩尻~名古屋は
中央本線の特急を乗り継いで帰ることにしました。

遅めのお昼ご飯は、「小淵沢・井筒屋」という老舗のうなぎ屋さん。

超有名なお店だそうです。


小淵沢「井筒屋」ホームページ

ついた時には、3組ほどが待っていたのですが、
順番まちの名前を書いてちょっと外で写真を撮っている間に、
暖簾が降りてしまいました。
  

あわてて戻ってみると、「3人分残っているか確認中」で、
わたしたちで今日はおしまいになりそう、とのこと。
はるばるやってきたのに、すんでのところで食べ損ねるところでした。

注文して待つこと20分ほど。

よい香りとともに「うな箱 一の(う)」(きも吸・香の物)
が届きました。


わたしが注文したのは、「白焼丼」

わさびとねぎ、白焼用のたれがかかっています。

以前は、ギトギトに太ったくどいウナギは好きじゃなかったのですが、
国産ウナギを食べてからは、「おいしい」うなぎは好きになりました(笑)。

特に、あっさりした白焼きが好きなので、上に乗ったネギも気になりませんでした。
(半分あげて減らしてもらいましたけど)

丼のご飯もとってもおいしい地元産ということだけれど、
量が多くて、お腹いっぱいになたので、ごはんを少し残しました。

すごーく、おいしかったです。
ごちそうさまでした。


お天気も良くて、八ヶ岳や南アルプスもきれいに見えて、
はるばるやってきた甲斐がありました。

小渕沢駅からは、特急「あずさ」で塩尻まで行き、
名古屋行の特急「しなの」に乗り換えました。
3連休最後の日なので、指定席はとれず、特に「しなの」は満席で、
通路に座れない人があふれていました。

もちろん、わたしも半分以上たっていましたが、
お腹も膨れたし、特急列車にゆられながら、夢見心地で、うとうとしていました。

思いがけない回り道もして、ほーんと楽しい旅でした。

小淵沢駅・小海線の電車


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ノーベル平和賞に3女性:「非暴力」が評価された/女性の政治参加励ます/女性の地位向上に弾み

2011-10-09 07:52:18 | ジェンダー/上野千鶴子
「女性」という言葉が、輝いて、おどった一日だった。

2011年のノーベル平和賞に、アフリカと中東の女性3人が決まった。
ノーベル平和賞を女性が受賞するのは、
先月亡くなった、2004年の受賞者ワンガリ・マータイさん以来で、
アフリカからの受賞も、マータイさん以来とのこと。

3人の女性の、受賞決定の共通の理由は、
「女性の安全と、女性が平和構築作業に全面的に参加する権利を獲得するための非暴力の闘い」。

まずはめでたいことです。

受賞の記念に、毎日新聞の「クローズアップ」の特集と、
各地の新聞社説を紹介しておきたい。

 クローズアップ:ノーベル平和賞 女性進出、民主化の土台 

◇「アラブの春」後押し
 ノルウェーのノーベル賞委員会は7日、2011年の平和賞をアフリカと中東の女性3人に授与することで、途上国における女性の権利擁護と地位向上を全面的に支援する姿勢を打ち出した。旧弊を打破し、平和を構築する可能性を秘めた「女性の力」にエールを送った形だ。女性の社会進出は民主化の土台でもあり、中東で現在進行中の民主化運動「アラブの春」を後押しするメッセージも込められている。今後、国際社会が文化や宗教の壁を乗り越え、平和賞を真の女性解放につなげることができるかどうかが焦点だ。【草野和彦、岩佐淳士】

 「社会で女性が男性と同じ機会を得られなければ民主主義も恒久平和も達成できない」。ノーベル賞委員会のヤーグラン委員長は女性3人への授賞理由をそう強調した。「女性」をキーワードにアフリカなどの途上国の民主化運動への支援を打ち出したい思惑が透けて見える。
 17カ国が一斉に独立し、「アフリカの年」と呼ばれた1960年から半世紀以上が過ぎても、アフリカ諸国では中東のアラブ諸国以上に長期独裁と腐敗、暴力がはびこる。87年の大統領就任以来、ムガベ氏の圧政が続くジンバブエがその典型だが、「安定国」と呼ばれたケニアでも07年末の大統領選を機に、民族対立で1000人以上の死者が出た。
 その中でリベリアは、7月に独立を果たした南スーダンが目標に掲げるアフリカの「民主化モデル」。その象徴がアフリカで初めて民主的な選挙を経て選ばれた女性指導者のエレン・サーリーフ大統領であり、平和活動家のリーマ・ボウイーさんはリベリアの民主化を裏で支えてきた。
女性の地位向上は政治体制の民主化を準備するという側面を持つ。「女性の識字率が上昇し、出生率が低下すると、その国では変革が起きる」。フランスの歴史人口・家族人類学者のエマニュエル・トッド氏は女性問題と民主化の相関関係をそう指摘する。
 欧米から「女性抑圧」が指摘されることが多いアラブ・イスラム世界にあって、中東の民主化運動「アラブの春」の先駆けとなったチュニジア、エジプトでは女性の社会進出が進んでいた。今回の女性政治家・活動家への授与には「アラブの春」に代表される民主化運動を間接的に鼓舞する効果もありそうだ。
 先行きが不透明な「アラブの春」で国際的に注目された人物を選べば議論を巻き起こす可能性があったという事情もある。
 また、若者たちがインターネットを通じて結集したアラブ革命では運動に影響を与えたブロガーが多く、ヤーグラン委員長は「受賞者を絞るのは難しい」と胸の内を打ち明ける。
 受賞が決まった女性たちは「アラブの春」を先取りしていた格好だ。「アラブの春」関係者から歓迎の声が上がる中、「革命の何年も前から立ち上がった」(ヤーグラン委員長)イエメンの人権活動家、タワックル・カルマンさんはAP通信に「イエメンで革命に参加する若者に賞をささげたい」と語った。

 ◇話題性重視を「修正」
 「話題性重視」と批判を浴びることもあるノーベル平和賞だが、今年の受賞者はアフリカや中東で女性の地位向上に取り組んできたサーリーフ・リベリア大統領ら女性3人。「核なき世界」を訴えながら、実績を欠いたオバマ米大統領への授賞(09年)など論議を呼んだ近年の反省から、地道な活動に光を当てる姿勢に「軌道修正」したようだ。
 1901年創設のノーベル平和賞は「国家間の友愛関係」「常備軍の廃止・縮小」「平和会議の開催・促進」への貢献が選考基準。授賞のパターンは大きく分けて二つ。第1回の受賞者で国際赤十字創始者のアンリ・デュナン氏(1901年)やインドで貧民救済に身をささげたマザー・テレサ氏(79年)ら長年の業績が認められる場合と、オバマ大統領のように話題性の高い受賞者を選ぶ場合だ。
 最近は後者のケースが目立っていた。地球温暖化防止への取り組みが評価されたアル・ゴア米元副大統領への授賞(07年)は京都議定書反対やイラク戦争強行など当時のブッシュ米政権の単独行動主義への批判とも受け取られた。昨年受賞した中国の人権活動家、劉暁波氏の場合は、台頭著しい中国を人権問題でけん制する欧米の意図ものぞいた。
 元国連職員で大阪経済法科大アジア太平洋研究センターの吉田康彦客員教授は、最近のノーベル平和賞について「西欧民主主義を世界に広めるプロパガンダ(宣伝)の意味合いが強い」と分析。「話題性を追求した選考が続くと思われれば平和賞の権威が下がる。今回の選考はその軌道修正を図った可能性がある」と指摘する。
 また「平和」の概念自体が拡大している事情も反映している。ノーベル平和賞に詳しい高崎経済大学の吉武信彦教授は「伝統的な平和というよりも、女性の権利擁護や政治参加といった新しい領域に拡大したように思う」と話している。
毎日新聞 2011年10月8日


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社説:平和賞に3女性 「非暴力」が評価された 

 今年のノーベル平和賞には、アフリカ初の女性大統領となったリベリアのサーリーフ大統領ら3人の女性が選ばれた。同国の平和活動家、リーマ・ボウイーさん、中東イエメンの人権活動家、タワックル・カルマンさんとの共同受賞だ。「アラブの春」と呼ばれる民衆運動によって世界の意識改革が進む折、アフリカ・中東地域の民主化や女性の地位向上に弾みがつくよう期待したい。
 アフリカからの平和賞受賞は、9月に死去したケニアの環境問題活動家、ワンガリ・マータイさん(04年受賞)以来となる。女性の受賞もマータイさん以来で、3人の女性の同時受賞は異例のことである。
 まずは受賞者の長年の努力に敬意を表したい。サーリーフ大統領は米国の大学で学び、リベリアで財務相などを務めたが、80年のクーデター後は国外逃亡を余儀なくされた。帰国後も、ドウ軍事政権を非難する発言で禁錮10年の判決を受けるなど辛酸をなめ、「鉄の女」と呼ばれた。米国の解放奴隷の子孫と先住民が宿命的に対立してきた同国にあって親米の姿勢を取ってきた。
 授賞理由としてノーベル賞委員会は、06年の大統領就任以来、リベリアの平和、女性の地位向上などに貢献したことを挙げている。また、ボウイーさんは人種や宗教の垣根を越えて広範な女性運動を組織し、リベリア内戦の終結にも尽力したことが評価された。この2人を抜きにしてリベリアの和平や民主化、とりわけ女性の権利拡大は語れない。
 やや異色なのはカルマンさんだろう。人権運動や女性の権利拡大に努める点では他の2人と同じだが、カルマンさんはイエメンのサレハ大統領と対立関係にある。独裁政権への抗議デモが続くイエメン情勢に関して、授賞は反政府派を後押しする政治的意味合いを持っている。
 授賞理由は「『アラブの春』以前から、女性の権利と平和・民主主義のための闘いで主導的役割を果たしてきた」ことだ。イエメンはアラブの中でも男性優位の部族的な社会である。そんな国でカルマンさんは05年、女性のジャーナリストの組織を設立し、しばしば投獄されても民主化と女性の権利拡大のために闘ってきた。他の2人同様、「非暴力」の闘いが評価されたわけだ。
 女性の権利拡大は着実に進めなければならない。アフリカや中東の文化・慣習は尊重するが、女性の地位はまだまだ低い。紛争で多くの女性が命を落とし、性暴力も多発している。受賞の背景にある「アラブの春」は、非暴力を旨としつつ旧弊な社会制度と闘う運動だ。その「世直し」のエネルギーは、女性差別の撤廃にも向けられるべきである。
毎日新聞 2011年10月8日 


社説:平和賞 女性の政治参加励ます(10月8日) 
2011.10.8 北海道新聞

 ノーベル平和賞の今年のメッセージは、政治活動に参加する女性たちへの「励まし」だった。
 ノルウェーのノーベル賞委員会が授与対象として選んだのは3人、すべて女性だ。
 アフリカ初の女性大統領となったリベリアのエレン・サーリーフさん、同国の平和活動家リーマ・ボウイーさん、イエメンの人権活動家タワックル・カルマンさんである。
 授与決定の理由として委員会は「女性の安全と、女性が平和構築作業に全面的に参加する権利を獲得するための非暴力の闘い」を挙げた。
 女性の受賞は今年9月に死去したケニアの環境保護活動家マータイさん以来、7年ぶりとなる。
 中東やアフリカでは女性の地位や権利が男性と比べ極めて低い国も多い。今回の3氏への平和賞授与はそうした国々に警鐘を鳴らす一方、政治活動をする女性たちに勇気を与えるものとなろう。歓迎したい。
 西アフリカのリベリアでは1989年から14年間にわたる内戦が繰り広げられ、25万人が死亡し80万人の難民が発生したとされる。サーリーフさんは和平実現後の2005年に行われた大統領選で当選した。
 その後、荒廃した国土を再建する中で、閣僚に女性を積極登用するなどの改革を進めた。軍事政権に対峙(たいじ)して投獄されたり、米国での亡命生活を送るなどした体験から、不屈の精神力をたたえ「鉄の女」と呼ばれる。07年には日本も訪れている。
 ボウイーさんはリベリアの内戦停止を求めるデモを組織し、サーリーフさんの大統領当選も手助けした。
 カルマンさんはイエメンで女性の権利や言論の自由を求める活動を展開してきた。
 サレハ政権の退陣を求めるデモにも加わっており、中東、北アフリカの民主化運動「アラブの春」の立役者の一人と位置づけられる。
 ノーベル賞委員会のヤーグラン委員長は授与発表で「平和の努力の中で、女性が男性と同等のパートナーとなることが重要だ」と述べ、女性の地位向上は民主主義の必要条件だとの考えを強調した。
 妥当な指摘だろう。中東やアフリカの各国はこの言葉を重く受け止め、女性の権利拡大に力を尽くさなければならない。
 チュニジアやエジプト、リビアの3カ国で次々と独裁政権を倒した「アラブの春」は今、新しい国造りという産みの苦しみにある。エジプトでは11月の選挙をボイコットする動きが出るなど混乱も見られる。
 民主化の潮流を失速させてはなるまい。国際社会は中東やアフリカの運動を支え、女性たちの活動にも手を差し伸べる必要がある。 



社説:平和賞 女性の地位向上に弾み
2011.10.8 信濃毎日新聞 

 今年のノーベル平和賞にアフリカと中東の女性3人が選ばれた。弾圧にもめげず、女性の権利を高める道を切り開いてきた。祝意を表したい。
 リベリアの大統領エレン・サーリーフさん、同国の平和活動家リーマ・ボウイーさんと、イエメンの人権活動家タワックル・カルマンさんの3人である。
 授賞理由として、女性の安全と、平和構築作業に全面的に参加する権利を獲得するための非暴力の闘いを挙げている。
 ノーベル賞6部門のうち5賞はスウェーデンの機関が、平和賞はノルウェーのノーベル賞委員会が発表する。科学系の賞と違い、平和はどうあるべきかという価値判断に基づいている。平和の構築に向けたメッセージだ。
 2004年には、先日亡くなったケニアのマータイさんが環境活動の分野で初受賞した。植林活動を行い、日本語の「もったいない」を世界に広げている。
 それに続くアフリカ・中東の女性たちの受賞だ。この地域の平和実現と女性の地位向上の弾みとなってほしい。
 サーリーフさんは、アフリカで民主的に選出された初の女性大統領で、06年に就任。和平の確保や経済・社会の発展、女性の地位向上に貢献している。
 軍事政権を非難する発言で有罪判決を受けた。米国に亡命という苦難を経て今日がある。
 ボウイーさんはリベリアの内戦を終結させるため、民族的・宗教的な問題を超えて女性を動かし、選挙への参加を進めたことが評価された。
 カルマンさんは、長期独裁政権が続くイエメンで「アラブの春」およびそれ以前から、女性の権利や民主主義と平和に向けた闘いで指導的役割を果たしている。
 イエメンの現実も厳しい。現職大統領が即時辞任を拒否し、内戦の懸念さえ深まっている。
 両国とも、女性の地位は極めて低い。イエメンでは、原理主義に近いイスラム教保守派や部族社会の中で抑圧されてきた。
 アフリカや中東に限らず途上国では、女性の権利が確立していないところが多い。抑圧の旧習を打破するべきだ。先進国でも本当に女性の権利が重んじられているか、問い直したい。
 社会のあらゆるレベルで女性が男性と同じ機会を持たない限り、われわれは世界で民主主義と永続的な平和を達成できない―。授賞理由の言葉を重く受け止め、実行に移すことが大切だ。 


 「非暴力革命、広がってる」 平和賞のボウイーさん講演
2011年10月8日 朝日新聞

 今年のノーベル平和賞受賞が発表されたリベリアの平和活動家リーマ・ボウイーさん(39)が7日、訪問先のニューヨークで講演し、自身が取り組んできた運動について、「私は何も大きなことはしていない。ただ、私の中の小さなあかりを、ずっと大切にともし続けてきた」と語った。
 約300人の聴衆を前に、ボウイーさんは半生を振り返り、リベリアの内戦がひどかった時代はガーナに逃れ、難民生活を送ったことを明かした。当時は2人の幼い子どもがおり、3人目を妊娠中で、食糧や衣服は足らなかったという。
 ボウイーさんが難民生活を経て、痛感したのは「男性だけでは本当の平和はつくれない」こと。帰国後、民族や宗派を超えて女性を組織化し、「戦争にかかわる夫や交際相手とはセックスをしない」というセックスストライキを呼びかけた。これが内戦終結に寄与したとされ、「平和をつくる上で女性の役割は極めて重要」と強調した。
 ボウイーさんは、ガンジーやキング牧師を手本に、女性の参政権要求など非暴力の民主化運動も推し進め、今回同時にノーベル平和賞を受賞するエレン・サーリーフ大統領(72)の誕生を後押しした。
 アラブ諸国の民主化運動「アラブの春」や、「ウォール街を占拠せよ」を合言葉に全米各地に広がる若者の抗議活動にも言及し、「世界的に非暴力の革命が広がっている。不当に扱われている人々が、もはや行動しないことはありえない」と連帯を表明した。(ニューヨーク=春日芳晃) 



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明日です。上野ゼミ番外編書評セッション『ケアの社会学』/今日の「悩みのるつぼ」も上野千鶴子さん

2011-10-08 18:20:40 | ジェンダー/上野千鶴子
朝日新聞beの「悩みのるつぼ」。

今日の回答者は、上野千鶴子さん。
7日夜も上野千鶴子さんと島崎今日子さんの、濃密な対談を聞いてきたし、

明日午後も、上野さんの古巣の東大で開催される
「第2回 WEB上野ゼミ番外編 書評セッション 『ケアの社会学』」を聴きに行く予定。

その明日間に、仕事をしに帰ってきたのだけど、
けさも上野さんにあえて、うれしい気分。

この「友人結婚」に対する、「友愛」結婚のススメを説く、上野さんの回答がまたおもしろい。



元カノの「友人」と結婚したい
相談者 男性 27歳


 この春、第2の就職をした27歳の男性です。今、数年内には「結婚」したいと考えている女性がいます。相手は学生時代に付き合っていた元カノです。
 2年前に再会し、第2の関係を築こうとしている最中です。相手には彼氏がいますが、別れることを検討してくれていて、まんざらでもないようです。
 私は「恋人」より「愛を前提とした友人」と結婚したいという結婚観を持っています。両親は恋愛結婚でしたが、母親には大変な浮気癖があり、私が中学生の頃、離婚してしまったことが多大な影響を及ぼしています。「恋人は愛が冷めたらそれで終わり。でも友人は愛が冷めても友人だから一生続くだろう」というのが私の結婚観の理由です。
 社会人になってからは上記のことを意識して女性とお付き合いをしてきました。その結果、大変居心地が良く友人的である元カノに戻ってきた次第です。
 ただし仲の良い友人(女性)数人に私の考えを話しても理解できないと言われます。さらに最近、私は旅先や再就職先などで女性との新たな出会いがあり、「自分は女性が大好きで、居心地のよい元カノと結婚しても駄目になってしまうのでは」と自分を恐れています。
 それでも元カノを一刻も早く今の彼から奪還し、結婚へ進みたいという焦りもあります。どうしたらよいと思いますか?

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
あなたの結婚観を彼女も共有する?
回答者:社会学者・上野千鶴子


 恋愛は非日常、結婚は日常。恋愛から始まった結婚には恋愛を友愛に変換するソフトランディングが必要です。燃えさかる原子炉を、冷却装置を働かせてメルトダウンさせずに冷やすくらい、この変換はむずかしそうですね。なにしろ「結婚は人生の墓場」という結婚観さえあるくらいですから。
 地方の結婚式場で「最後の恋が始まる」というポスターを見て、苦笑したことがあります。恋愛のどきどき、わくわく感は、脳内でドーパミンが放出される非日常の快感。この快感はくせになります。若いときに恋愛好きだったひとは、その後の生涯においても恋愛好き。結婚したからといってそれが「最後の恋」になるなんてことはまずないでしょう。
 はい、「恋人」より「愛を前提とした友人」と結婚したい、と考えるあなたの結婚観は、たいへん堅実でリアルなものです。
 どうやら母親の浮気癖があなたのトラウマになっているようですね。わたしは「浮気」でなく、「婚外恋愛」と呼びますが。結婚の前にも後にも外にも恋愛はあるのに、結婚の中にだけ恋愛はないようですね。これが恋愛結婚の永遠の背理です。
 問題はあなたの結婚観を彼女が共有してくれるかどうか。お互いに「結婚は恋愛ではなく友愛のたまもの」と合意ができればよいですが、相手が「結婚は恋愛の延長」という結婚観を持っていれば、彼女は結婚にただちに幻滅し、べつの恋愛対象を求めるでしょう。相手をとっかえては幻滅を重ねるコストを支払いたくないのなら、結婚は結婚、恋愛は恋愛と、結婚の外に恋愛の相手を求めるほかないでしょう。こういう女性を妻にしたら妻の婚外恋愛を受容するしかありません。あなたはそれを恐れているのでしょう。自分も同じことをやるかもしれないという恐れとともに。
 とはいえ、元カノには今カレがいる。そのカレから元カノを奪還しようとしているあなたはジレンマに陥っています。奪還には非日常のエネルギーが要り、それは恋愛に近いからです。
 でも友愛があれば大丈夫。恋愛は排他的ですが、友愛は第三者を排除しません。好きな人にお友だちがひとり増えたからって、いちいち嫉妬しないでいられるくらいの友愛があれば、安心して彼女を選びましょう。恋愛ごときでボクたちの友愛はこわれない、と信じて。

(うえの・ちづこ)
東京大学大学院教授。1948年、富山県生まれ。京都精華大教授を経て93年、東大助教授、95年に教授。家族、介護、福祉問題を女性学の視点から研究。著書に『老いる準備』など。
題字・イラスト きたむらさとし 


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明日の『ケアの社会学』の書評セッションについても紹介します。

東京周辺の方は、予約不要でだれでも危機に行けるので、ぜひ会場へ。
東京まで聴きに行けない人は、
ぜひ、パソコンの前に陣取って、web配信をご覧ください。


申し訳ありません。
今回のイベントは、同時配信ではなく、録画で放映で、今日のweb配信はありません。
期待して観ている方、ごめんなさい。


2:00 PM ~ 5:00 PM. 第2回 WEB上野ゼミ番外編 書評セッション 『ケアの社会学』

WEB上野ゼミは、学歴や年齢、国籍を問わず、どなたでも参加できるゼミとして、WAN (NPO法人ウィメンズ・アクションズ・ネットワーク)のHP上に開設されました。この8月に第1回目のゼミが開催され、大学院生、社会人等々多くの方にご参加いただき、盛況のうちにゼミを終えることができました。
今回は、「上野ゼミ番外編 特別公開番組」として 書評セッション・上野千鶴子著『ケアの社会学』(申込不要)を企画いたしました。上野先生の新刊『ケアの社会学』をテキストとして、さまざまな立場のコメンテーターの方に、『ケアの社会学』についてコメントをしていただき、著者がそれについて応答したり、また、ゼミ参加者からも質問やコメントを受けて、テキストについて討論しながら、皆さまと知の共有をしていきたいと思います。ふるってご是非ご参加ください。

1.日時  2011年10月9日(日)14時~17時
2.場所  東京大学法文1号館113教室

文京区本郷7丁目3-1
(アクセス http://www.j.u-tokyo.ac.jp/about/access.html )

3.懇親会 17時半から本郷近辺にて  会費は3,000程度の見込み

4.コメンテーター

*高口光子氏  湖山医療福祉グループ 介護老人保健施設 鶴舞乃城 部長

*米澤 旦氏  東京大学大学院社会学博士課程在籍

*横井葉子氏  介護保険事業所の管理者等として長くホームヘルプの運営管理に従事、現在は自治

体非常勤職

5.撮影について 書評セッション及び討論の模様は撮影し、WANサイト上でweb配信されます。
そのため発表者、会場ともに撮影の対象となりますので、氏名やお顔を出せない方は、参加をお控え下さい。  


WANウィメンズ・アクションズ・ネットワーク

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発信箱:「今変わらねば」=永山悦子(科学環境部)/ルタオのチーズケーキ「ドゥーブルフロマージュ」

2011-10-07 21:31:40 | 花/美しいもの
昨日は東京で島崎今日子さんと上野さんの対談を聴いて、
一晩泊まって帰ってきました。

11月の「議員と市民の勉強会」の課題の提出が始まっているので、
かえって休む間もなく届いたレジメを読んで対応。

お土産に東京駅で見つけたルタオのドゥーブルフロマージュ(チーズケーキ)を買ってきたので、

   

ともちゃんに淹れてもらったコーヒーを飲みながら、

  

おいしいねー、と言いながら、

   

二人で半分を、ペロッと食べてしまいました。
   

よく考えたら、急いで帰ってきたので、お昼ご飯を食べていませんでした。

チーズケーキを食べてエネルギー補給して元気が出たら、もうひと仕事。

  

青菜たっぷりの夕ご飯も、ともちゃんがつくってくれました。

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毎日新聞の発信箱で、亡くなった高木仁三郎さんの名前を見つけました。
高木さんが生きていたら・・・と思わずにはいられません。

  発信箱:「今変わらねば」=永山悦子(科学環境部) 

「山には、きびしさをもって我々に対するものと、暖かく我々を包容してくれるものと、二種類ある」

 深田久弥の「日本百名山」で、こう始まる「赤城山」(群馬県)の項。「赤城山はその後者のよい代表である」と続く。この赤城山に包まれるように、反原発運動の理論的主柱と呼ばれた高木仁三郎さんが眠っている。11年前の10月8日、62歳で亡くなり、赤城山に散骨された。

 高木さんは高校時代まで赤城山の裾野、前橋市で過ごした。冬は強い季節風「赤城おろし」が吹き荒れる。著書で、「この自然の峻烈(しゅんれつ)さに、何がしかの影響を受けた」とつづる。まさに北風に立ち向かうかのように、脱原発を目指すNPO「原子力資料情報室」に設立からかかわり、原発の危うさを訴え、社会へ警告し続けた。

 赤城山への散骨は、高木さんの遺言だった。人間が自然を克服し、生活から切り離そうとする社会に疑問を持っていた。だから「自然へ帰りたい」と願い、古里・赤城山へ帰った。最期に、「自分はいなくなるが、核や原発を利用しない社会を作ってほしい」と言い残して。

 ところが、原子力政策も社会も変わらぬまま、福島の事故が起きた。高木さんの命日を前に、ゆかりの人はどう感じているのか。妻の久仁子さん(66)は「彼が生きていたら、今変わらねば大変なことになる、と訴えるだろう。元のもくあみになることが一番怖い。人間にとって何が大事なのか。一人一人が考え、行動してほしい」と話す。前橋市に住む長姉の佐藤香(かおる)さん(86)は、こうつぶやいた。「仁ちゃんは、かわいそうなことをしました。もっと早く国が言うことを聞いてくれればよかったのに」

 2人の訴えは同じだ。こんな後悔を繰り返してはならない、と。

毎日新聞 2011年10月4日


   
名古屋駅から見たミッドランドスクエア。
行きは名古屋で途中下車して、高島屋でこの時期限定販売の『すや』の栗のきんとんを買いました。


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被ばく線量、1~20ミリシーベルトに緩和/甘すぎる放射線基準/給食の安全性~自治体に広がる食材検査

2011-10-06 14:06:06 | 地震・原発・災害
東京に向かうのぞみの中で、
書きかけのブログの続きを書いています。
最近は新幹線のなかでも無線がつながるようになりました。
平日の午後なので男性客が多く、PCに向かっている人もかなりいます。

今朝のニュースで知ったのですが、
文部科学省の放射線審議会が、一般住民の年間被ばく線量の限度を、
現在の「年間1ミリシーベルト」から、「1~20ミリシーベルト」と
緩くすることを容認する考えとのこと。

1ミリシーベルトと上限20ミリシーベルトでは、20倍も違います。

きっと現実の被ばく量を少なく見積もっても、
「年間1ミリシーベルト」を維持できないからでしょうけど、
だからと言って、ルールのほうを大きくかえるなんて、
とんでもないことです。

 東日本大震災:福島第1原発事故 復旧期、被ばく年1~20ミリシーベルト許容  
毎日新聞 2011年10月6日

◇国際委勧告適用へ
 国内の被ばく線量基準を検討する文部科学省の放射線審議会(会長・丹羽太貫京都大名誉教授)の基本部会は、東京電力福島第1原発事故を受け、一般住民の年間被ばく線量の限度について、原発事故などからの復旧期は、年1~20ミリシーベルトの間に設定することを許容する考え方を提言する方針であることが明らかになった。平常時の一般住民の限度は、国の告示などで年1ミリシーベルトと定められている。6日に開く部会で議論する。
 国際放射線防護委員会(ICRP)は、原発事故などの緊急時は年20~100ミリシーベルトの被ばくに抑えることを目指し、緊急事態からの復旧期は、「現存被ばく状況」と位置づけ、地域住民の健康などを考慮して年1~20ミリシーベルトの間のできるだけ低い値を目指すべきだと勧告している。
 同部会は、放射性物質の汚染が広がる現段階では、年1ミリシーベルトを目指すと必ずしも経済性や社会的側面から合理的な対応が取れない可能性があるため、ICRPが示す「現存被ばく状況(年1~20ミリシーベルト)」の国内制度への適用を検討することにした。
 内閣府原子力安全委員会は7月、原発事故で政府が出した避難指示の解除に向け、ICRPの勧告に従い、住民などの年間被ばく量を1~20ミリシーベルトの範囲で決めることを暫定的に認めていた。
 基本部会は、緊急時が収束した後も長期間汚染が続く現状を受け、年1ミリシーベルトを長期的な目標に据えつつ、当面の目標(参考レベル)を設定することについても議論する。その際、子どもや妊婦ら放射線の影響を受けやすい人については、特別な配慮を求めるとみられる。
 ICRPは「参考レベルは安全と危険の境界を表すものではなく、1~20ミリシーベルトの低い値を選ぶべきだ」との考え方を示している。【久野華代】
毎日新聞 2011年10月6日  


被ばく線量、緩和認める 放射線審議会が提言へ 

東京電力福島第1原発事故を受け、今後の被ばく線量基準の在り方を検討している国の放射線審議会の基本部会が、平常時の一般住民の被ばく線量限度とされる年1ミリシーベルトを達成することは当面困難と判断、緩和を認める方針であることが5日分かった。年1ミリシーベルトを超え20ミリシーベルト未満の「中間目標」の設定が可能とする提言を近くまとめる。事故後の混乱の中、相次いで決まった食品や土壌などの暫定基準値は、整合性を取る見直し作業が早急に必要とされており、基本部会の提言を参考に作業が進められる。ただ緩和水準によっては批判を浴び、作業に時間がかかることも予想される。
2011/10/06 02:02 【共同通信】 


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今朝の中日新聞と、毎日新聞には、
放射線被ばくに対して、独自に検査して自衛する
市民や自治体のことものっていました。

放射線にはこれ以下なら安全という閾値がなく、
限りなくゼロに近いのが良いのは当然で、
年間1ミリシーベルトでも、低線量被ばくの影響があるといわれています。

被ばくをより少なくするのか、国が暫定基準値として「大丈夫」というであろう、
20ミリシーベルトで良いのか、一人ひとりの判断の分かれ目です。

     
甘すぎる放射線基準(2011.10.6 中日新聞)

     
給食の安全性/上 自治体に広がる食材検査
(2011.10.6 毎日新聞)

 東日本大震災:給食の安全性/上 自治体に広がる食材検査 
毎日新聞 2011年10月6日

◇首都圏の親、心配強く「規制値以下でもなるべく低く」
 放射性物質による食材の汚染で、学校給食の安全性を心配する声が上がっている。首都圏と福島県内の事情を探った。
 9月30日の東京都小平市議会最終日。市内の保護者でつくる「小平市の子どもを放射能から守る会」が提出していた請願が、全会一致で採択された。市立小・中学校や保育園の給食食材を調達する際は▽内部被ばくの低減に努める▽コメは特に慎重に選択する▽使用頻度が高く、都道府県による放射能検査回数の少ない食材を選び、独自検査を行う--ことを求めたものだ。
 代表の本橋美幸さんは「暫定規制値以下でも、数値の低いものを使う方向に進んでほしい」と訴える。
 保護者たちはもともと、個別に各学校や市に問い合わせをしていたが「食材は安全です」という回答ばかり。ツイッターを介して情報交換する中で集まり、市と話し合うようになった。食材の産地公開を求めると、市は小学校ごとに使用する食材を調べ2学期前に公表した。
 メンバーの女性(33)は厚生労働省が公表する都道府県の検査結果を確認しながら、心配な食材は代替品を長女に持たせていた。産地が公表されて安心感が得られ、最近は回数が減った。「自分が神経質なのかと思っていたが、同じ気持ちを抱えている人とつながりを持てて心強い」と話す。
 小平市は給食食材の独自検査については慎重姿勢だったが、請願を受け「実施する方向で検討する」(学務課)という。
 国の方針では、食品に含まれる放射性物質が暫定規制値以下ならば問題ない、という考え方だ。しかし規制値が1キロあたり500ベクレルの野菜で仮に450ベクレルが検出されれば、「使ってほしくない」と考える保護者は少なくない。
    ◇  ◇
 産地を公開し独自検査を行う自治体は増えている。東京都世田谷区は6月、小中学校と保育園で出す牛乳について、外部機関に検査を依頼し、結果を公表した。いずれも放射性ヨウ素やセシウムは不検出。不検出とはゼロとは限らず、測定できる最小値(検出限界値=セシウムは2~2・9ベクレル)未満ということだ。区学校健康推進課は「出荷前の原乳は検査されているが、製品を調べてほしいという要望が強かった」と説明する。2学期からは、当日納品された給食の食材と産地を校内に掲示している。
 横浜市は6月から毎日、小学校の給食で翌日使う野菜を一つ選んで検査してきた。しかし対象は全344校の一部にとどまるため、保護者の不安は解消できなかった。10月から毎日1校を選び、1食分の全食材を測定することに決めた。
 東京都立川市は8月末から原則週1回、関東以北が産地で、使用頻度や量が多い食材を10品目選び検査。千葉県柏市は産地が変わるごとに肉や野菜などを抽出して調べている。東京都杉並区は約3000万円で検査機器を購入予定だ。狛江市は、市立保育園で使う食材で西日本産のものを多く取り入れるよう、納入業者に要望しているという。
    ◇  ◇
 保護者が特に不安を抱くのは毎日飲む牛乳だ。農水省によると、東北や関東など17都県が全集乳所で原乳を検査。原則2週間に1回だが宮城・福島・群馬・埼玉・千葉・神奈川・新潟は県の判断で毎週行っている。
 ニーズに応じさらに検査を行う業者も現れている。地元や東京都内の学校・保育園に牛乳を供給する群馬県太田市の東毛酪農業協同組合は9月、放射性物質の自主検査の結果公表に踏み切った。「スーパーでは牛乳を選べるが、給食は選択肢がない。結果を出すことが必要と判断した」。結果は不検出(セシウムの検出限界値5ベクレル)だった。
 酪農家は乳牛の食べる牧草にも気を使う。東毛地区では1カ所の牧草の放射性セシウムが暫定許容値(1キロあたり300ベクレル)を上回った。5月末には数十ベクレルに低下したが、組合の方針で輸入牧草の割合を増やし牛に与えている。大久保克美組合長は「経営的に厳しいがやむを得ない」と話す。
 自主検査する別の乳業メーカーは、積極的に結果を公表していない。「自治体が調べているのにさらに検査することは、自治体を信用していないと受け止められかねない」
 小平市の保護者は訴える。「自治体の検査は十分でない。何年も食べ続けるのだから、市区町村や事業者は子どもの口に入る物をきちんと検査して数値を示してほしい。それが安心感を与え、風評被害を防ぐことにもつながる」【下桐実雅子】

 ◇方法、影響…検査への考えさまざま
 文部科学省は給食の検査に関し、放射線量を測定する機器を購入する都道府県向けに約1億円を第3次補正予算に盛り込む方針を決めた。
 検査にもいろいろな見方がある。早野龍五・東京大大学院理学系研究科教授(物理学)は、学校ごとに数人分の給食を丸ごとミキサーにかける検査を文科省に提案している。高い数値の食材が出れば対策をとり、内部被ばくの抑制につなげられる。「特に福島で優先してやれば」と話す。
 消費者団体「食のコミュニケーション円卓会議」の市川まりこ代表は「暫定規制値以下なら影響がないと政府がいう中、学校ごとの数値を公表したら、国産の食材が拒否され混乱が生まれるのでは」と心配する。
 「自然の被ばく量を知れば安心できる」と話すのは松本義久・東京工業大原子炉工学研究所准教授。日本人は果物や野菜からカリウム40などを通じて年約0・4ミリシーベルト被ばくしている。これは1日100ベクレル相当の食品摂取にあたる。松本さんは「無用な放射性物質を取らないのが一番よいが、セシウムが数ベクレル出ても自然放射線より低い」と述べた。【小島正美】
毎日新聞 2011年10月6日


松本市、学校給食で放射線測定 ウクライナ基準を採用
2011年10月4日 中日新聞

 東京電力福島第一原発事故の影響で農作物が放射性物質に汚染された可能性があるとして、松本市教育委員会は3日、市内4カ所の学校給食センターで、給食用食材の放射性物質の測定を始めた。給食用食材の検査は県内の自治体で初めて。当面の間、汚染が懸念される地域の農作物を対象に毎日測定する。

◆県内自治体で初、当面は毎日測定
 納品時に食材の一部を対象に実施する。「サーベイメーター」と呼ばれる放射線測定機を食材に当てて計測。東北や北関東などの農作物が対象で、西日本産や食材の8割を占める県内産は検査しない。
 食品を対象にした国の暫定基準値は1キロ当たり500ベクレルだが、松本市教委はチェルノブイリ原発事故の汚染地となったウクライナの基準である1キロ当たり40ベクレルを採用した。
 この日は午前7時すぎから、西部(野溝西)、東部(原)、梓川(梓川梓)、波田(波田)の4カ所の学校給食センターで一斉に検査。
 市内の小、中学校38校、約1万9900人分の食材をチェックした。
 このうち、東部学校給食センターでは、センターの担当者が測定機で群馬産のキュウリ1箱を調べた。異常な数値は確認できなかったため、給食用として使うことを決めた。
 学校給食課の担当者は「給食で使用される食材の産地を市のホームページで公表しているが、保護者から放射能汚染を懸念する声があった。子どもの安全安心のために検査を続けていきたい」と話している。 (出来田敬司)


【吉原ひろこの学校給食たべ歩記◎】.(153) 汚染恐れ 弁当持参も
2011年10月05日 朝日新聞

 福島では、訪ねた小学校以外で、放射能汚染を危惧して保護者が給食を拒否し、弁当を持参する子どもたちがいるという苦しい現実を栄養士から聞きました。内部被曝(ひばく)を恐れて、同じ教室に給食を食べる子、お弁当を持ってきて食べる子が入り乱れているわけです。
 食材の放射能汚染問題は日本の学校給食では前例がありません。子どもに食べさせる食材に対する保護者の不安、また暫定基準値内のものでも、日々複合的に食べることによる複合被曝はどうなのかといったことについての、目に見えない心配の種が重く横たわり続けています。加えて、福島の子どもたちの45%が甲状腺被曝していたというニュースは、子を持つ親たちを震撼(しんかん)させました。
 給食を提供している側も複雑な気持ちです。できる検査は全てやらなければと、神経が張り詰めた様子です。県の学校給食会でも、2010年度(震災前)の県産原料を使用した給食取り扱い物資15品目の放射線量を、放射性ヨウ素131及び放射性セシウム134と同137の3項目について検査しました。検出はされなかったとの報告が出ていますが、問題は去年の物資ではなく、実は次第に今年度産に切り替わっていくこれから、つまり震災後の収穫の分なのです。
 この先は震災後の食材を給食に提供するわけですから、さらにいっそう厳重に検査が行われなければなりません。去年からの物資が保管されている倉庫内の線量についても、1日3回の測定が行われています。現場では悩みは増えるばかり。原発事故さえなければ、学校給食の大地震からの完全復旧は早く進み、2学期からまた幸せな給食が始まっていたはずなのです。  


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明日です。【上野千鶴子&島今日子】トークイベント「規格外な女たち」/「楮」のお昼のランチコース

2011-10-05 21:32:06 | ジェンダー/上野千鶴子
屋根にのぼった朝顔の花。
朝顔は夏の花だと思っていたのですが、
涼しくなったら急にツルも元気に伸びて、花も次々に咲き始めました。、
   
暑すぎる夏は、朝顔も好きじゃないのかしら。
  

朝顔の棚から生えたコルチカムの花。
   

  

明日は、前にブログで紹介した上野千鶴子さんと島今日子さんのトークイベントを聴きに、東京に行きます。

 【10/6・上野千鶴子&島今日子さん対談】『〈わたし〉を生きる―女たちの肖像』刊行記念トークイベント

もう申し込みは締め切っていると思うけど、再掲します。 

  10月6日(木)島今日子『〈わたし〉を生きる―女たちの肖像』
刊行記念トークイベント「規格外な女たち」
 
 

ジェンダーをテーマとして幅広いジャンルで取材・執筆活動を続けるジャーナリスト・島今日子さんが、少女マンガの神様・萩尾望都、高卒OLから巨大企業の会長にのぼりつめた林文子、女子プロレスブームを巻き起こした長与千種など、さまざまな分野の先駆者・改革者として活躍してきた16人の女たちを描いた『〈わたし〉を生きるー女たちの肖像』の刊行を記念して、ジェンダー研究のパイオニア・上野千鶴子さんとのトークイベントを開催致します。
2人がこれまで出合ってきた、前例に関係なく道なき道を切り拓いてきた女たちの生きざまから、これからの女子の生き抜く道までを語り合うトークライブ。インタビューの名手としても知られる2人が、どのように対象に切り込んできたのか、その極意についても語ります。

日時:10月6日(木) 午後7時~
会場:西武池袋本店別館8階池袋コミュニティ・カレッジ コミカレホール
定員:100名
参加チケット:税込1,000円

チケット販売場所:リブロ池袋本店書籍館地下1階リファレンスカウンター
お問合せ:リブロ池袋本店 03-5949-2910

【プロフィール】
島今日子:1954年京都生まれ。ジャーナリスト。インタビューの名手として知られ、ジェンダーをテーマに人物・時代・メディアなど、幅広いジャンルで取材・執筆活動を続ける。著書に『この国で女であるということ』(ちくま文庫)、『女学者丁々発止!』(学陽書房』、『芸人女房伝』(集英社文庫)など。

上野千鶴子:1948年富山県生まれ。社会学者、NPO法人ウィメンズ・アクション・ネットワーク理事長、東京大学名誉教授。女性学、ジュンダー研究のパイオニア。1994年『近代家族の成立と終焉』でサントリー学芸賞を受賞。『家父長制と資本制』(岩波書店)、『女ぎらい』(紀伊国屋書店)など著書多数。『おひとりさまの老後』(法研)は75万部のベストセラーに。
撮影:松本路子


上野千鶴子さん登場の新刊二冊~『“わたし”を生きる―女たちの肖像』『脱原発社会を創る30人の提言』(2011-07-27)

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上野千鶴子さんつながりで、
話しは変わりますが、
「女ぎらいの会」のあと、読書会のメンバーのみなさんと
ひさしぶりに、創作料理「楮」に行き、「お昼のコース」を食べました。

 岐阜人のアイデンティティが宿る、真のおもてなし空間「楮」
お品書き
   

  

   

   

  

雨でともちゃんが迎えに来てくれるまで時間があったので、
高島屋で恵那川上屋の栗きんとんとフォションの四角いクリームパンを買いました。

恵那川上屋HP

   
どちらも一個210円。
クリームパンには、フォションの「F」が粉砂糖で描かれています。
生地はやわらかくて、クリームは甘くなくてプリンみたい。
と書いて、ひょっとして、これほんとのプリン・・・かも?

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薫る 銀木犀(ギンモクセイ)/白地に紅絞りの萩「江戸絞り」/秋明菊「ハドスペン」/秋の花たち

2011-10-04 19:33:05 | 花/美しいもの
昨日の夕方、訪ねてきた人を送りに外へ出ると、
庭中にとても良い香りが漂っています。

「何のかおりだろう、あっギンモクセイだ」と頭のうえを見上げると、
真っ白なギンモクセイの花が満開です。



数日前から、家のなかにも甘い香りが漂っていたのですが、
裏の山に咲いているクサギの花の香りだろうと思っていました。

   
今年の銀木犀は、花がびっしりついています。
混んだ枝を払って、日当たりと風通しを良くしてやったのがよかったのでしょうか。

朝日をあびるギンモクセイ。
   
ギンモクセイの花は夕方薫ると思っていたのですが、
朝から、良い香りがします。
  
花に誘われてやってきたミツバチの羽音がブンブンと聞こえます。

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ちらほらだった萩の花も、
急に気温が下がったからなのか、一斉に咲き始めました。
   
宮城野萩と江戸絞りの二種類が混在しているのですが、
たくさん咲いているのは、白地に紅の絞りの入る「江戸絞り」です。
  

広がって咲いていた萩をひもでくくったら、
足元にはヤブランが咲いていました。
    
とはいえ、気が付くのが遅れて、もうほとんど咲き終わり。
好きな花なので、残念です。

シュウメイギク・ハドスペン(キンポウゲ科)もほぼ満開。
   
今年は株が大きくなって、花数が増えました。
   
思い思いに咲く秋明菊。
朝日を浴びて輝いてます。
   

その後ろには、酔芙蓉。
   

   
涼しくなってきたので、花の色が一日のうちに変化しないので、
白、赤、ピンクが同時にまじりあって咲いています。
  



さいごは、

秋のひに燃える曼珠沙華。
     

 

各地から、猛暑の影響で遅れ気味に咲いた彼岸花の便りが届きます。

「ごんぎつね」の故郷、ヒガンバナ見頃 愛知・半田
2011年10月3日 朝日新聞

 新美南吉が生まれ育った愛知県半田市岩滑(やなべ)の矢勝(やかち)川堤で、約200万本のヒガンバナが見頃を迎えた。
 矢勝川は、南吉が童話に描いた舞台の一つ。代表作「ごんぎつね」にヒガンバナが登場する場面にちなんで、地元住民たちが約20年前、東西約1.5キロにわたって球根を植え、手入れを続けている。
 今年は一斉に開花せず、関係者をやきもきさせたが、ここ数日の冷え込みで、堤防は花で真っ赤に染め上がった。問い合わせは、近くの新美南吉記念館(0569・26・4888)。   


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<エネルギー再考>電気の購入先変更 経費削減で自治体動く/原発事故とエネルギー政策見直し=足立旬子

2011-10-03 18:22:35 | 地震・原発・災害
秋晴れの抜けるような青空。
空気が澄んでいるが、その分気温もぐっと下がって、朝晩は冷え込んでいる。
羽毛布団はとっくに出して来ているが、日中も綿入れを出して着こんでいます。
明日の朝は、この秋一番の冷え込みになるそうです。
皆さま、お風邪などめされませんように。

福島原発事故をきっかけに、ヨーロッパでは脱原発の流れが急速に広がっている。
イタリア、ドイツに続いて、9月末にスイスでも脱原発を決めた。

スイス脱原発 他国に影響も(2011年9月30日 東京新聞)

エネルギー政策を見直そうという動きは、国内にも広がっている。
今日の中日新聞生活面は、白井さんが各地の自治体のPPS(特定規模電気事業者)に切り替える動きがそんな動きを紹介している。

<エネルギー再考>電気の購入先変更 経費削減で自治体動く  
2011年10月3日 中日新聞

 全国各地の自治体で、電気の供給元を電力会社から、電力自由化で生まれた特定規模電気事業者(PPS)に切り替える動きが目立ってきた。財政事情が厳しい中での経費削減策の一つ。福島原発事故をきっかけに、電力市場のあり方に関心が強まっていることが背景にある。 (白井康彦)

 「視察や問い合わせは数十件。九州からも電話がありました」。東京都立川市の行政経営課長、田中準也さんは反響の大きさに驚いている。
 公共施設の電気の購入先を入札で次々とPPSに切り替えた同市の事例は、六月にマスコミが報道。みんなの党の渡辺喜美代表も記者会見などで「立川モデル」と紹介し、有名になった。
 二〇一〇年度は市営立川競輪場について入札を実施。住友商事系のサミットエナジーを契約先にした。年間の電気代は東京電力との契約を続けた場合と比べ約千六百万円(約27%)も減った。
 続く一一年度は、(1)小中学校三十校(2)その他の二十二施設(3)立川競輪場-の三グループに分けて入札を実施。契約先は、小中学校は丸紅、二十二施設は日立製作所や東芝などが出資するイーレックス、競輪場はNTTファシリティーズや東京ガスなどが出資するエネットになった。
 「競輪場で試し、節約効果が大きかったことから、入札対象の施設を増やした」と田中課長。現時点で、PPSからの電気購入による不都合はないという。
 電気の契約先を電力会社からPPSに替えると、電気代を節約できるケースは多い。PPS各社によると、経費を抑えていることなどが電気を安く供給できる理由だ。ただ、現在、PPSと契約する自治体は主に都道府県や政令指定都市。その他の市町村では少なく、東京都内でも同市のほか、町田市、あきる野市など少数派だ。
 それでも、三月の福島原発事故以後、流れが変わった。電力自由化に関心を持つ住民や地方議員が増え、PPSへの期待が膨らんだ。PPS関係者は「地方議会でPPSの利用を求める質問が相次いでいる。検討を始めた自治体も急増中」と説明する。
 昨年まで、名古屋市だけがPPSと契約していた愛知県内でも今年、豊橋市、豊田市や豊川市、新城市、豊根村、設楽町がPPSと契約。ほかに、PPSとの契約を検討中の自治体は十を超えるとみられる。
 東海地方では、自治体にPPS利用を求める市民団体「電気をカエル計画」が七月に設立された。事務局の岐阜県北方町の農業、石井伸弘さんは「PPSへ切り替えて節約できた金額は自然エネルギーの利用拡大に使ってほしい」と話す。 


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わたしたちの社会は、原発依存から抜け出して「脱原発」へ、
大きな転換期を迎えている。

そんなことを感じさせる記事が、このところ続いている。

【社説】原発と社会の倫理 週のはじめに考える 
2011年10月2日 中日新聞

 倫理とは、字引では人倫の道また道徳の規範と記されていますが、社会へと広げれば別の意味合いも浮かんできます。原子力の是非論で考えてみます。 
 ご承知のように、ドイツは五月末、遅くとも二〇二二年までに国内十七基すべての原子炉を閉鎖すると発表しました。福島の原発事故後、主要国(G8)では初の脱原発決定であり、少なからぬ衝撃を世界に与えました。
 この決定へ踏み切らせたのが、メルケル首相が招集した「安全なエネルギー供給のための倫理委員会」でした。彼女はライプチヒ大に学んだ物理学者であり、福島の事故前までは原発擁護派だった。

 ドイツの決断の仕方
 ドイツでは、日本の原子力安全委に似た専門家委員会が、ドイツの原発は飛行機の墜落を除き安全であり、洪水や停電にも十分耐えると答えていた。しかし、実際に日本で事故は起きたのであり、原発とは人の暮らしや社会の未来には果たして有益なのか、それとも不利益なのか。その検討が倫理委員会には求められたのです。
 委員会は十七人。委員長は二人で元環境大臣と工学系教授。偏りをなくしたのでしょう。
 残る十五人は、キリスト教高位聖職者(複数)、科学アカデミー会長、リスク社会学(日本でいう失敗学)の専門家、化学工場社長、地学者、哲学者、経済学者、政治学者、それにエネルギー関連の労働団体代表ら。
 まさに各界の代表で、広い意味での倫理、つまり社会の倫理とでもいうべき事柄を話し合おうという意気込みがうかがえます。
 日本でも、例えば脳死基準の決定では医学だけでなく、人の生死にかかわる倫理的問題として議論をした。しかし多数の死と病苦を招いた公害、また原子力、原発を倫理的課題として国が公的に取り上げたことがあっただろうか。医学、技術、経済の問題に専門化させていたのではなかったか。

 持続可能という要請
 日本が遅れている、とは言いません。国ごとに歴史や文化は異なり、その延長上に今があります。
 ドイツや北欧では大切な森が枯れるという事件が起きました。風上の英国やフランスの産業都市が排出した大気汚染物質が酸性雨となり、森に降ったのです。ドイツでは国内汚染もありました。
 日本人にとって山や海や川や田が故郷であるように、彼らの心の故郷は深々とした黒い森であるといわれます。一九八〇年代初頭、ドイツの信頼ある週刊誌シュピーゲルが、古い森林の枯れ始めたこと、川魚が消えつつあることを報じて人々は心底不安になる。今、起きている悪い事態はこの先もっと悪くなるのではないかと。
 近年当たり前のように聞く持続可能な発展という言葉はこのころ出てきたものです。定着させたのは、元ノルウェー首相で女性小児科医のブルントラント氏が率いた国連環境特別委員会でした。
 こういう未来の幸福まで計量した考え方は、十九世紀功利主義の大成者J・S・ミルに始まったともいわれます。彼は哲学者とも経済学者とも政治思想家とも呼ばれた。要するに人間の永続する幸福を現実的に考えた人です。
 私たちは、持続可能という言葉を最近日本で聞きました。福島県が八月に発表した復興ビジョンです。基本理念はこううたいます。
 「原子力に依存しない、安全・安心で持続的に発展可能な社会づくり」。そこには再生可能エネルギーを増やす多極分散型モデルへの提言や、人の命を大切にし安全・安心な社会をつくるという決意が述べられています。
 この理念に至った経緯は日本人ならだれもが知り、それが血を吐くような心情から出たことをよく理解します。それを読むなら、私たちにそう宣言できるかどうか、深く問いかけてもきます。そこからは私たちの選択です。
 ドイツの倫理委員会は、安全なエネルギー供給のため、原子力エネルギーの供給を段階的にやめようと呼びかけました。成功の保証はなくとも、それが社会の負うべき責務であり、ドイツの先進科学技術を総動員する。そのための計画や投資、実行には十年という時間が必要だとした。核廃棄物の最終処分がいまだに決まっていないことももちろん問題視された。どう行うかを決める前に、まず行うと決めたのです。

 考えたい福島の一歩
 そういう先見的な決め方をここでは社会の倫理と名付けてみました。社会が自らの未来を自ら守ろうとするのは、倫理的判断と言ってもいいだろうし、それをより具体的に言うのなら持続可能な発展と言ってもいいにちがいない。
 福島県はそういう一歩を踏み出した。まず行うと決めたのです。そういう未来の決め方を、私たちは今こそ考えてみたいのです。 


記者の目:原発事故とエネルギー政策見直し=足立旬子 
毎日新聞 2011年9月30日

 東京電力福島第1原発事故を機に「脱原発」の世論が広がっている。19日、東京都内の集会には6万人(主催者発表)が集まった。しかし、野田佳彦首相が国連総会で表明したのは、原発の安全性を高め原発輸出を継続する考えだ。原発事故の原因究明も安全性確保も道半ばなのに、事故の当事国である日本の首相が真っ先に国際社会に訴えることがこれかとあきれる。欧州では事故をきっかけに、エネルギー政策の根本的な見直しが進む。日本こそ率先して、エネルギー政策の転換に踏み出すべきだ。
 原発建設の是非が争点だった25日の山口県上関町長選は推進派の現職町長が3選された。82年に建設計画が持ち上がってから9回連続の推進派勝利。だが、今回は推進派も「原発を想定しない町づくり」を掲げざるを得なかった。
 昨年夏、私は上関町の中でも反対派住民が多数を占める祝島(いわいしま)を訪ねた。計画地を真正面に見渡す小島には、開発が進んだ瀬戸内海にあって、手つかずの自然が残る。周辺の海には絶滅危惧種のカンムリウミスズメの親子が泳ぐ姿や、クジラの仲間であるスナメリの影を見ることができた。漁業で生きる島の人たちは「自然とともに生きる生活を守りたい」と反対してきた。今年1月、島内で使うエネルギーを100%自然エネルギーで賄う構想を打ち出し、今月、太陽光パネルが1軒の民家の屋根に設置された。エネルギー自給で原発依存の構図から自立しようとする意気込みが伝わってくる。

 ◇現在に通じる「暗闇の思想」
 福島の事故直後、闇に沈む首都圏の様子に、70年代に九州での火力発電所建設に反対した作家、故・松下竜一さんが提唱した「暗闇の思想」を思い出した。「国民すべての文化生活を支える電力需要であるから、一部地域住民の多少の被害は忍んでもらわねばならぬという恐るべき論理が出て来る。本当はこういわねばならぬのに--だれかの健康を害してしか成り立たぬような文化生活であるのならば、その文化生活をこそ問い直さねばならぬと」(「暗闇の思想を」)。問題提起はそのまま現在に通じる。
 それに比べ「原子力ムラ」と呼ばれる人たちの当事者意識の薄さはどうだろう。安全への対応も場当たり的だ。
 事故以来、私は政府や東電の取材を続けてきた。当初、政府は各原発の安全性確保に、非常用発電機の追加などの「緊急安全対策で十分」とした。国民の不安が強いことを知ると突如、欧州連合(EU)にならって「安全評価(ストレステスト)」を持ち出した。EU版は全原発に同じテストをするのに対し、日本版は定期検査で停止中の原発は短期間で済む「1次評価」が含まれる。早く再稼働させようとする意図が見て取れる。

 ◇テスト前から再稼働ありき
 ストレステストの結果がどうなら再稼働が可能かという基準も示されず、最終判断は専門家ではない首相と3閣僚に委ねられる。責任者である野田首相は米紙のインタビューに、「来夏に向けて再稼働できるものはさせないと」と述べている。テストの前から結果は知れている。
 東電は、事故原因解明の手がかりとなる過酷事故時の手順書開示を求められ、当初、大半を黒く塗りつぶして衆院特別委員会に示した。「知的財産権保護」を盾に公開を拒む東電に、経済産業省原子力安全・保安院も及び腰だった。
 その保安院は、国主催の原発説明会での「やらせ疑惑」の渦中にある。真相究明も済まないまま、9月1日までに、経済産業省事務次官、資源エネルギー庁長官、保安院長が更迭されたが、かえって責任の所在があいまいになった。
 来年4月、新しい規制機関「原子力安全庁」(仮称)が環境省に発足するが、本当に生まれ変われるのか。保安院は99年の核燃料加工会社「JCO」の臨界事故を教訓に01年に発足した規制機関だが、原発の安全性PR機関に変身するのに10年しかかからなかった。安全を強調するかのような新組織の命名にも違和感を覚える。米国の同様の組織は「原子力規制委員会」だ。
 今夏、原発が再稼働されなければ大停電がすぐにも起きるかのように電力会社は言い立てたが、国民が知りたいのは本当の電力需要と、発電方法ごとのコストだ。今月の毎日新聞の世論調査で「生活程度は低くなっても電力消費を少なくすべきだ」との回答が65%に上った。「脱原発」はもはや一部「反対派」の主張ではないといっていい。原発14基の増設を前提とした国のエネルギー基本計画の見直し作業が来月、始まる。新しい日本をつくる転換点としなければならない。(東京科学環境部)
(毎日新聞 2011年9月30日) 



ドイツの脱原発論に接して  花崎皋平(日刊ベリタ 2011年04月22日)


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ピラタス蓼科ロープウェイで北八ヶ岳へ。北横岳から八ヶ岳連山を望む

2011-10-02 18:09:19 | 花/美しいもの
信州の秋の紅葉を求めて、霧が峰高原から車山高原、、白樺湖から蓼科高原にドライブ。

   

  

高原ドライブはあいにくの霧のなかでしたが、
白樺湖の黄金アカシアとナナカマドの紅葉がきれいでした。
  

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蓼科高原からは、「ピラタス蓼科ロープウェイ」で、北八ヶ岳の坪庭まで行けるし、
そこから北横岳山頂までは歩いて1時間ほど、ということなので、登ることにしました。

ロープウェイで、標高1771mの 山麓駅から一気に、標高2240メートルの山頂駅に到着。
   

坪庭から、北横岳へ、レッツゴー!
   

  

まるでよく手入れされた盆栽のようで、「坪庭」と名付けられている景色に納得です。
  

標識をたしかめて、北横岳山頂をめざします。


山に入ると、アキノキリンソウの咲き終わりの花が
ちらはら。  

       

       

       
山頂駅から一時間半ほどで北横岳山頂に到着。
   
南に、雲の間から八ヶ岳連峰が見え隠れしています。

お昼ご飯を食べて、雲が切れるのを待ったのですが、
頂上は防寒着を着こんでも震えるほどの寒さ。
途中の北横岳ヒュッテで8度だったので、きっと0度くらいでしょう。
たまらず、降りることにしました。

やはり下りは楽で、すぐに坪庭に到着。
この山独特の縞枯れがくっきり。
   
  

坪庭付近のお花はほとんど終わっていて、一番たくさん咲いていたのはヤマハハコ。
  
赤い実や、黒い実。コケモモもあります。
  

急な階段を下って、山頂駅に到着。
   

下りのロープウェイに乗ったころは、3時を過ぎていました。
   


 「ピラタス蓼科ロープウェイ」  
◆ピラタス蓼科ロープウエイは、信州蓼科高原の八ヶ岳にあり、標高1771mの 山麓駅
~北横岳と縞枯山の稜線にある山頂駅(標高2240m)までを約7分間で結ぶ100人
乗りロープウエイです。
◆ロープウエイの車窓からは、日本三大アルプス(南アルプス・中央アルプス・北アルプ
ス)の眺望が楽しむ事ができ、この景色を楽しめるのは国内でピラタスだけ!冬はスキ
ー・スノーボードも楽しめる[オール シーズン リゾート]です。 


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