みどりの一期一会

当事者の経験と情報を伝えあい、あらたなコミュニケーションツールとしての可能性を模索したい。

『はだしのゲン』:閲覧制限を撤回…松江市教委/初穫り「鳴門金時サツマイモ」

2013-08-26 21:02:00 | 「ジェンダー図書排除」事件
『はだしのゲン』排除問題の速報です。

「はだしのゲン」の閲覧制限について結論を出すための松江市の教育委員の臨時会議が開かれて、
制限を撤回することを全会一致で決めたということです。

  はだしのゲン:閲覧制限を撤回…松江市教委 
毎日新聞 2013年08月26日

  松江市教委が故中沢啓治さんの漫画「はだしのゲン」の閲覧制限を全小中学校に求めている問題で、5人の市教育委員による臨時会議が26日、松江市役所であった。22日の定例会議で結論が出ず、この日改めて検討した結果、「市教委が学校側に閲覧制限を一律に求めたことに問題があった」「子供に見せるか、見せないかは現場に任せるべきだ」との意見が多く、制限を撤回することを全会一致で決めた。

 同市では昨年8月、小中学校の図書室からゲンを撤去するよう求める市民からの陳情が市議会に提出され、同年12月の本会議で全会一致で不採択となった。しかし、前教育長は教育委員からの委任事務として市教委幹部と協議し、同月の校長会でゲンを教師の許可なく閲覧できない閉架とするよう求めていた。


 閲覧制限を撤回=「手続きに問題」と判断-はだしのゲン、松江市教委 

 松江市教育委員会が広島の原爆被害を描いた漫画「はだしのゲン」の閲覧制限を市内の小中学校に要請していた問題で、市教委は26日、教育委員5人による会議を開き、要請の撤回が妥当との結論を出した。清水伸夫教育長は同日中にメールなどで各校に撤回を連絡。今後の取り扱いは「学校の自主性を尊重する」として、各校に判断を委ねた。
 清水教育長を含む委員5人は、閲覧制限が教育委員の会議や校長会で議論されないまま、当時の教育長と事務方の判断で要請に至ったと指摘。「手続きに不備があり、昨年12月の要請前の状態に戻すことが妥当」と判断した。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(以下略)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
(2013/08/26-20:40)時事通信


教育委員の臨時会議が開催される前には、
閲覧制限の撤回を求める約2万1000人分署名が提出されたようです。

 はだしのゲン:制限撤回求め署名2万人、市教委に提出へ
毎日新聞 2013年08月26日 

 松江市教委が故中沢啓治さんの漫画「はだしのゲン」の閲覧制限を全小中学校に求めている問題で、インターネットで制限の撤回を求める署名を呼びかけていた堺市北区の学童保育指導員、樋口徹さん(55)が26日、松江市役所を訪れ、撤回を求める陳情書を同市教委の古川康徳・副教育長に提出した。同日午後2時半からゲンの取り扱いを話し合う市教育委員の臨時会議が開かれるため、その直前に今回集まった約2万1000人分の署名を提出する。

 陳情書では「『はだしのゲン』を松江市内の小中学校図書館で子どもたちが自由に読めるように戻してください」と訴えた。樋口さんは今月16日から署名サイト「Change.org(チェンジ・ドット・オルグ)」で署名を呼びかけ、25日夜までに2万1156人分の署名が集まった。



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話しはかわりますが、
春に畑に苗を植えた鳴門金時を掘ってみたそうです。

今年は元気なよい苗で、雨が少なかったからか、
出来が良いそうです。

いちばんおおきな芋をもらいました。

今年の初芋です。

早掘りの芋は、まだ甘みが乗ってなくて、
水分が多いので、天ぷらにするのがいちばん。



久しぶりの天ぷらです。


芋のはしのほうは乱切りにして素揚げして、
残った粉とタネとごま油で、玉ねぎとゴーヤのかき揚げ、
浜松ぎょうざの素揚げ。



揚げ物は久しぶりなので、作っただけで
おなかがいっぱいになりました(笑)。

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8月25日(日)のつぶやき

2013-08-26 01:08:28 | 花/美しいもの

社説『はだしのゲン』:閲覧制限は権利侵害だ/「事なかれ」では守れない/平和考える機会奪うな   goo.gl/vqKq4L


中日新聞:施設ごと違うサービス 有料老人ホーム、費用に差:暮らし(CHUNICHI Web) chunichi.co.jp/article/living…


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社説『はだしのゲン』:閲覧制限は権利侵害だ/「事なかれ」では守れない/平和考える機会奪うな  

2013-08-25 21:16:12 | ほん/新聞/ニュース
松江市立の学校図書館から『はだしのゲン』が排除された問題の-3、続編のつづきです。

松江市教育委員会は会議を開きましたが結論は先送りされました。
その間、文科大臣が排除を容認するとんでもない発言をしたり、
図書館協会(「図書館の自由委員会」)が閲覧制限の撤廃を求める要望書を松江市教委に送ったという
動きはありましたが、本はまだ閉架のままです。

中沢啓治著「はだしのゲン」の利用制限について(要望)/(社)日本図書館協会 図書館の自由委員会

鳥取市の図書館でも閉架になっていたということも発覚しましたが、
こちらは、コミックコーナー(開架)に戻されたそうです。

8月22日から今日までに、『はだしのゲン』の問題を取り上げた新聞社説を集めました。

  【はだしのゲン】納得できない閲覧制限
2013年08月22日 高知新聞

 原爆の悲惨さを描いた漫画「はだしのゲン」を小中学校の図書室から撤去するよう求める陳情が、高知県・市の両議会にも提出されていたことが分かった。
 高知市議会が全会一致で不採択とするなど、議員からは批判の声が上がっている。県市の教育委員会も撤去はしない方針だ。「表現の自由」の重さを踏まえた当然の対応である。
 原爆や戦争体験の風化が危ぶまれている時だからこそ、それを学ぶ機会を子どもから奪ってはならない。
 この問題は同様の陳情を受けた松江市教委が市内の全市立小中に対し、「はだしのゲン」を自由に閲覧できない「閉架」の措置を取るよう求めたことから明らかになった。
 松江市と本県の議会に陳情を提出したのは高知市の男性で、「間違った歴史認識を持った作者が執筆し」「特定の政治色の強いものだとうかがえる」としている。しかし、自らの考えと相いれないからといって、一方的に排除しようというのは戦前の検閲をほうふつとさせる。
 松江市議会も陳情を不採択としたが、同市教委は首をはねたり女性を乱暴したりする場面などが過激だとして閲覧制限を求めた。確かに漫画には残酷な描写もあるが、それは原爆や戦争の非人間性をそのまま表現しているからにほかならない。閲覧制限は悲劇の実相に迫ろうとする子どもたちの目を覆うことになろう。
 「はだしのゲン」の累計部数は1千万部を超え、約20言語に翻訳もされるなど世界で読み継がれている。松江市教委が市内の小中学校長に実施したアンケートでも、多くが平和学習の教材として評価していた。
 にもかかわらず、教育委員にさえ諮らずに市教委事務局の独自判断で閲覧制限を決めている。不透明なやり方も問題と言わざるを得ない。
 作者の故中沢啓治さんが本県の図書館を訪れた際、「はだしのゲンは本棚にいくら入れてもなくなる」と言われた。1巻を読んだ子が2巻目も読みたくて、それを秘密の場所に隠すからだ。表紙はぼろぼろになりベニヤ板で止めてあった。「作者冥利(みょうり)に尽きる」と著書に記している。
 「はだしのゲン」はそれほどまでに子どもの心に根を張っている。大人の勝手な判断で取り上げないよう松江市教委には再考を望みたい。  


  社説[はだしのゲン「閉架」]平和考える機会奪うな 
2013年8月23日  沖縄タイムス

 子どもたちが戦争の実相に触れ、平和を考える機会を、教育現場から奪うことになりかねない。

 松江市立小中学校の図書室で、原爆の悲惨さを描いた漫画「はだしのゲン」が自由に読めなくなった。市教育委員会が、閲覧制限を全市立小中学校に求めたからだ。

 措置が明るみになって以来初めてとなる、教育委員の定例会議が22日、開かれた。制限を継続するかどうかの結論は先送りされた。あらためて協議するという。

 「はだしのゲン」は、昨年12月に亡くなった漫画家、中沢啓治さんが自身の被爆体験を基に描いた自伝的作品だ。

 市教委は「作品自体は高い価値があると思う」と認めつつも、暴力描写が過激だと問題視する。旧日本軍によるアジアの人々への残虐行為などだ。「教員のフォローが必要だ」と学校側に「閉架」措置を要請した。

 だが、教育委員の会議では諮られておらず、校長へのアンケートでも、制限が必要と答えたのは約1割の5人にとどまっていた。

 作品には、確かに残酷な描写はある。だが、描かれた惨状は戦争そのものである。

 克明な描写には少年誌への連載当時も批判が寄せられた。しかし、作者の中沢さんは「現実から逃げるな」とはねつけたという。

 各教育委員には、この物語に込めた作者の信念、そして戦争のむごたらしさを子どもたちに伝えてきた役割を、いま一度、思い起こしてもらいたい。「閉架」要請は撤回すべきだ。子どもたちが、図書室で自由にこの作品を手に取る機会は保障してもらいたい。
    ■    ■

 閲覧制限の発端は、昨年8月、「はだしのゲン」を学校の図書館に置かないよう求める市民からの陳情だった。市議会は同年12月に不採択としたものの、「大変過激な文章や絵が占めている」との意見が出たことから、市教委で取り扱いを協議した。

 下村博文文部科学相は「子どもの発達段階に応じた教育的配慮は必要」と松江市教委の判断に理解を示した。

 しかし、子どもたちは、たとえすぐに全てを理解できなくても、胸をえぐられるような感情を通し、本質をつかみ取る力を持っている。だからこそ世代を超えて読み継がれてきたのだ。

 一部の指摘をきっかけに、開かれた議論も十分ないまま自主規制に走る姿勢は疑問だ。
    ■    ■

 教育委員会が教育現場に介入する事例が相次いでいる。

 国旗掲揚と国歌斉唱に関し「一部自治体で公務員へ強制の動き」と言及した日本史教科書について、神奈川県教委は使用を希望した高校に再考を求めた。東京都教委なども「不適切」との見解を示した。

 これまで自由に読めていた蔵書に許可が必要になった。これまで現場が判断していた教科書選択で、見直しが求められた。なぜか。

 安倍晋三首相は全国戦没者追悼式の式辞で、アジア諸国への反省と加害責任に触れなかった。安倍政権の歴史認識に象徴される「空気」が背景にないか、注視する必要がある。 


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  社説:はだしのゲン 「事なかれ」では守れない  
2013/08/24付 西日本新聞

 小学生のころ「はだしのゲン」を学校の図書館で読んだ記憶を持つ人も多いだろう。原爆の恐ろしさに震え上がり、平和のありがたさを胸に刻んだものだ。

 その「はだしのゲン」が、松江市の学校図書館の棚から撤去されていたことが分かり、波紋を広げている。

 「はだしのゲン」は、広島出身の中沢啓治さん(昨年12月に死去)が、自らの被爆体験を基に描いた漫画である。特に原爆投下直後の広島の惨状を描いた部分は、被爆の実相を伝える資料として評価が高い。全国の学校図書館に置かれ、平和教育の貴重な教材となってきた。

 松江市では昨年8月、「ゲン」の歴史認識を問題視し、学校図書館から撤去するよう求める陳情が市議会に出された。市議会は陳情を不採択にしたが、一部市議が「文章や絵が過激だ」と発言したため、市教委が取り扱いを検討した。

 その結果、市教委は同12月、子どもが自由に閲覧できない「閉架」とするよう同市立小中学校に要請した。これを受け各校は、閲覧には教員の許可が必要として、書庫などに収める措置を取った。

 市教委は、閲覧制限の理由について、旧日本軍による斬首や女性への性的暴行のシーンを挙げ、「発育段階にある子どもにとって、一部の表現が適切かどうか疑問が残る」と説明している。

 しかし、閲覧制限の背景からは、「ゲン」に描かれた歴史観と、それに対する保守派からの批判、その矢面に立ってたじろぐ市教委-という構図が浮かぶ。

 「ゲン」は、前半は少年漫画雑誌に連載されたが、後半は大人向けの教育誌などに連載された。後半では、日本軍の加害行為や昭和天皇の戦争責任など、国民の間で論議の分かれるテーマについても、より大胆に踏み込んでいる。保守派が批判するのは主にこうした部分だ。

 最近では、先の戦争での日本の加害責任など、歴史の負の部分に目を向けようという意見や作品表現に対し、一部の保守勢力からの攻撃が強まっている。「ゲン」についても、ネット上では「反日漫画」などと決め付ける声もある。

 しかし、論議の分かれる点はあるにせよ、実体験に基づく「ゲン」の平和思想には、戦争を知らない世代にとって計り知れない重みがある。実際に、長年にわたり多くの子どもたちが「ゲン」を読んで育ってきた。閲覧制限しなければならないほどの弊害が出ていただろうか。

 そもそも図書館とは、多種多様な思想や英知の宝庫であり、その最後の守り手でもある。そこから特定の思想を排除することは、図書館の存在意義を自ら否定する行為といえないだろうか。

 松江市教委は「ゲン」の取り扱いを再検討している。「ゲン」のケースに限らず、教委や図書館などの現場はさまざまな圧力や抗議にさらされることもあるだろう。しかし「事なかれ主義」で対応してしまえば大事なものが守れない。図書館の原点に立ち返って判断してほしい。
=2013/08/24付 西日本新聞朝刊=


  社説:はだしのゲン 閲覧制限は権利侵害だ(8月25日)
2013.8.25 北海道新聞 

戦争の実態を知り、平和の尊さを考えるための機会を奪う行為だ。「学習権」「知る権利」の侵害は明らかである。

 原爆の悲惨さを描いた漫画「はだしのゲン」を子どもたちが自由に閲覧できなくするよう、松江市教委が小中学校に指示していた。

 断じて容認できない。市教委は直ちに制限を解くべきだ。

 「ゲン」は、故中沢啓治さんが自身の被爆体験を基に身近な人たちの苦しみや死を生々しく描いた。

 昨年、市教委の指示を受けた小中学校は書庫に入れて貸し出し禁止とし、閲覧に教員の許可を必要とする措置を講じた。「描写が過激で残酷な場面がある」との理由からだ。

 鳥取市の市立図書館でも児童書棚から事務室内に移す手段が取られた。撤回したとはいえ、これも知る権利を奪う憂慮すべき事態だ。

 しかも、松江市教委の対応について下村博文文部科学相は「違法ではなく、問題ない」と発言した。見識を疑わざるを得ない。

 被爆地の広島市では小学3年の平和教育で使われている。「命の大切さや家庭愛を学ぶための教材」と位置づけているという。

 戦争体験を語る世代が少なくなる中で、漫画は核兵器の残忍さを学ぶ大事な教材だ。世界唯一の被爆国として悲惨な体験を直視し、継承する重要性は言をまたない。

 松江市の対応で問題なのは、閲覧制限を当時の教育長など市教委の事務局内部で決めたことだ。

 教育行政の基本方針は、複数の教育委員で構成する教育委員会の合議で決定するよう、地方教育行政法で定めている。閲覧制限は知る権利にもかかわる重要事項であるはずだ。

 委員会に諮らず、事務局の判断だけに依存した決定は、委員会制度をないがしろにする行為だ。

 中央教育審議会では現在、その制度のあり方が論議されている。

 教育行政の権限を事務方の責任者である教育長に集中させる方向で検討が進んでいるとされるが、今回の事態が独断専行の恐ろしさを露呈したといえる。熟慮が必要だ。

 気になるのは、閲覧制限の決定前に「ゲン」の撤去を求める陳情が市議会に出ていたことだ。旧日本軍の残虐行為が描かれていることなどを「間違った歴史認識」と問題視する内容で、結局、不採択となった。

 同様の要請は市教委にも行われていた。一連の運動が制限につながったのであれば、当時の教育長らの歴史認識も問われてしかるべきだ。

 撤回の可否は22日の教育委員会で結論が出ず、26日に持ち越された。次回協議に制限の撤回と、意思決定過程の究明を強く求める。


 「はだしのゲン」 教育上の配慮をどう考えるか(8月25日付・読売社説)  

 原爆の悲惨さを描いた漫画家・中沢啓治さんの代表作「はだしのゲン」について、松江市教育委員会が市立小中学校に閲覧の制限を要請したことが波紋を広げている。

 現在、松江市内の大半の学校図書館では、教師の許可がないと子供が自由にこの作品を読むことができない状態が続いている。

 市教委は生々しい原爆被害の場面ではなく、旧日本軍にかかわる描写の一部を、過激で不適切と判断した。アジアの人の首を面白半分に切り落とす。妊婦の腹を切り裂いて、中の赤ん坊を引っ張り出す。女性を惨殺する、といった描写についてだ。

 成長過程の子供が本に親しむ小中学校図書館の性格を考えて、市教委がとった措置と言えよう。

 憲法は、表現の自由を保障し、検閲を禁じている。市民が広く利用する一般の公立図書館で蔵書の閲覧を制限することは、こうした観点から許されない。

 ただ、小中学校図書館を一般図書館と同列に論じることは適切ではあるまい。作品が子供に与える影響を考える必要がある。心身の発達段階に応じた細かな対応が求められるケースもあるだろう。

 下村文部科学相が「市教委の判断は一つの考え方。教育上の配慮はするべきだと思う」と述べたことはもっともである。

 「はだしのゲン」は、広島での中沢さん自身の被爆体験が基になっている。肉親を失った主人公の少年が困難に直面しながらも、たくましく生き抜く物語だ。

 1973年に週刊少年ジャンプで連載がスタート、掲載誌を替えながら、10年以上続いた。単行本はベストセラーとなった。約20か国語に翻訳・出版されている。

 連載当初は、広島の被爆シーンがリアルすぎるとの批判もあったが、そうした描写こそが原爆の惨禍の実相を伝えてきた。

 被爆者の高齢化が進み、戦争体験の継承が大きな課題になっている中、「はだしのゲン」が貴重な作品であるのは間違いない。

 その一方で、作品の終盤では、「天皇陛下のためだという名目で日本軍は中国、朝鮮、アジアの各国で約3000万人以上の人を残酷に殺してきた」といった根拠に乏しい、特定の政治的立場にも通じる主張が出てくる。

 表現の自由を尊重しつつ、同時に教育上の影響にも目配りする。学びの場で児童生徒が様々な作品に接する際、学校側がどこまで配慮すべきかという問題を、松江市のケースは投げかけている。
(2013年8月25日01時25分 読売新聞



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8月24日(土)のつぶやき

2013-08-25 01:09:35 | 花/美しいもの

8月は、日本軍「慰安婦」問題=軍事性奴隷制度を考える月に ⑩ | WAN:Women's Action Network wan.or.jp/reading/?p=118…


おススメの本:『ヤマネコドーム』津島佑子著/講談社、『眼の海』辺見庸著/毎日新聞社 goo.gl/0KfWWE


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おススメの本:『ヤマネコドーム』津島佑子著/講談社、『眼の海』辺見庸著/毎日新聞社

2013-08-24 10:11:58 | ほん/新聞/ニュース
8月になって外に出ることが減ったので、
家で本を読む時間が増えました。

最近読んでよかった本を、何冊か紹介します。

一冊目は、津島佑子さんの『ヤマネコドーム』。
7月の新聞や雑誌の書評で取り上げられている評判の本です。


『ヤマネコドーム』津島佑子著/講談社

二冊目は、辺見庸さんの『眼の海』。
昨年高見順賞を受賞した詩集です。
受賞した時に読みたいと思っていたのですがみつからなくて、
先日、岐阜県図書館に行ったら、目の前にありました。


『眼の海』辺見庸著/毎日新聞社

三冊目は、村上由佳さんの『天翔る』。
ダブって買ったからと、ケンさんがもってきてくれました。


 『天翔る』村上由佳著/講談社
特集ページ
内容紹介--------------------------------------------------------------------------------
天に向かって走る。ただ一途に、光を求め――
その牧場には、かけがえのない何かを喪った人たちが集まっていた。
傷つき居場所を失った一人の少女が、馬と出会い、その才能を開花させてゆく。
ひたむきに生きる人々の間に紡がれるたしかな絆と、命の輝きを描き出す感動の長編小説。

看護師の貴子が出会った少女、まりもは、ある事件から学校に行けなくなってしまった。貴子は少女を牧場へと誘う。そこで待ち受けていたのは風変わりな牧場主と、乗馬耐久競技(エンデュランス)という未知の世界だった――。
北海道の牧場を舞台に描かれる命の輝き。底知れぬ感動をよぶ、祈りと希望の物語。



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以下は、『ヤマネコドーム』と『眼の海』の書評です。

    『ヤマネコ・ドーム』 津島佑子著 
評・角田光代(作家)

見ないふりをしたもの
 米兵と日本人女性のあいだに生まれた混血孤児であるミッチとカズ、彼らの幼なじみのヨン子、そしてホームで暮らす他の混血孤児たちは、ある事件に遭遇する。

 かくれんぼのさなか、ホームの子どもで、その日オレンジ色のスカートをはいていたミキちゃんが池で溺死したのである。成長した彼らは、この忌まわしい記憶から逃げるように、世界じゅうへと散らばっていく。けれど、数年に一度、オレンジ色の衣類を着た女性が殺害されるという事件が起き、その都度、彼らは事件を思い出し苦しむことになる。

 この小説に流れる時間をつなぐのは、第二次世界大戦と東日本大震災である。敗戦後、ゆたかになることに重きが置かれ、多くのものが見ないふりをされ、放置されてきた。戦争孤児という存在のように。しかし見ないふりをしたからといってなくなるわけではないと、たとえば二年前の原発事故がきっかけで、多くの人は思ったのではないか。放置してきたものは、オレンジ色の記憶のように私たちをつかまえる。

 ミキちゃんを池に落としたのはだれなのか、だれの記憶にもなく、読み手にも明かされない。語り手がなだらかに変わっていき、他者と他者の境界線があいまいになり、それは読み手との境界線までもあいまいにし、その事件の当事者は、ミッチかもしれないし私かもしれないような、ざわついた気持ちになってくる。私もまた、読むことでその場に立ち会った錯覚と、淡い罪悪感を抱くのである。このざわついた気持ちは、原発事故が起きたとき、私も、今まで何も考えなかったことでその事故に荷担していたのではないかと不安になった気持ちと、よく似ている。

 読み手にいろんな方向から問題を突きつけてくる小説だけれど、読後、深い安堵あんどに包まれる。オレンジ色の恐怖にさらされながら、いや、その恐怖を共有しているがゆえに、登場人物のすべてがどれほど離れても強く、血を分けた家族よりしっかりと繋つながりあっているからだ。

 ◇つしま・ゆうこ=1947年、東京都生まれ。作家。『火の山―山猿記』で、谷崎潤一郎賞など。
 講談社 2000円
2013年7月22日 読売新聞)


  今週の本棚:三浦雅士・評 『ヤマネコ・ドーム』=津島佑子・著
毎日新聞 2013年06月16日 

 ◇混血孤児の謎の事件に“現在”を問う力作長篇
 小説の現在を問う力作。

 「ミッチ、あなたはとにかく、日本に戻ってきた。外国のどこかで、あなたはテレビを見た。自分の眼(め)が信じられない、巨大すぎる津波の映像。それだけでもじゅうぶん、この世の終わりだと感じていたら、つづけて、四つもの原子力発電の施設が爆発したという。」

 冒頭の一節。ミッチは戦後日本を象徴するアメリカ兵が残した混血孤児。あなたと呼びかけているのは一歳年下のヨン子。ミッチには双子のようにして育ったカズがいる。四歳のときに一緒に「ホーム」からママのもとに引き取られた。ママの従妹(いとこ)がヨン子の母で、彼女たち二人は「ホーム」を経営している「朝美母さん」を助けていたのだ。

 「ホーム」にはさまざまな肌の混血孤児がいて、成長するとともに世界各地に分散する。養子にもなれば留学もする。成功もすれば失敗もする。ベトナム戦争に従軍して行方不明にもなる。作者は一九四七年生まれ。混血孤児は作者と世代をともにするが、本質的に国際性を帯びている。物語は、ヨン子、ミッチ、カズの三人の視点から縦横に語られてゆくが、その視点の背景につねに「ホーム」がある。

 「ヤマネコ・ドーム」は、五〇年代、アメリカがビキニ環礁ほかで行った核実験の汚染物質を集めて現地に作った巨大ドームを示唆する。福島原発事故と呼応するが、しかし題材の今日性がこの小説を力作にしているのではない。

 「ドーム」は同時に混血孤児たちが体験したある事件を象徴している。孤児たちはよくヨン子の家に遊びに来ていたが、ある時、近所の池で孤児のひとりのミキちゃんが溺死した。そのとき傍(そば)に立っていたのが近くに住む母子家庭の子、ター坊だった。孤児たちは池の周辺でカクレンボをしていたらしい。フランス人形のように可愛かったミキちゃんはそのときオレンジ色のスカートをはいていた。

 事件は事故死とされたが、ター坊が突き落としたとする噂(うわさ)が立った。ター坊の母は、ター坊が精神障害を抱え、オレンジ色に過剰に反応することから、その犯罪を確信し、被害者の位牌(いはい)を手作りして拝みつづけている。ミッチたち三人も、以後、間歇(かんけつ)的に続くオレンジ色にまつわる通り魔殺人事件に注目している。ター坊はここで放射能に等しい意味を帯びている。

 ター坊の母は大陸からの引揚者だったらしい。事件当時、ター坊は九歳、ミッチとカズは八歳、ヨン子とミキちゃんは七歳。ター坊にしても「ホーム」の仲間になってもおかしくなかった。いや、いっとき、ター坊も仲間に加わっていたのではなかったか。

 こうして、小説の隠された主題が明らかになってくる。噂はター坊を犯人とするだけではない、黒い肌のカズ、緑色に眼が光るミッチをも犯人に数え入れていたのである。のみならず、そうであったかもしれないと、カズ自身、ミッチ自身、あやふやな記憶に秘(ひそ)かに怯(おび)えていた。まるで推理小説だが、しかし、小説を力作にしているのは、犯人は誰でもありうるというこの謎を、言語そのものの仕組みと重ね合わせている点にこそある。

 カズとミッチとヨン子は、別々の体験をしているにもかかわらず、まるでその体験を取り換えることができるかのように感じている。感情移入である。まさに文学の力だが、それはしかし人間の責任というものを再考させずにおかない。

 小説の仕組みは、ヒロシマもフクシマもほんとうはあなたが惹(ひ)き起こした事件だったのではないかと問うているに等しいのである。

 力作の理由だ。
(講談社・2100円)



  【書評】ヤマネコ・ドーム 津島佑子 著 
2013年6月30日 東京新聞

◆血や国を超越する関係性
[評者]与那覇恵子=東洋英和女学院大教授、現代日本文学

 本書は、気を緩めてしまうと一瞬、どの時代のどこに居るのか分からなくなってしまうほど、三人称の多声が響きあう巧妙な語りで展開されていく。

 登場する人物も多彩である。戦後に米兵と日本女性との間に生まれたミッチとカズ、ミキなど多数の「混血孤児」。母子家庭のヨン子とター坊。ブリトン人とアイヌの女歌手。ブルターニュの「魔法使い」に、城館の女主。時間と空間は錯綜(さくそう)しつつも、ベトナム戦争や湾岸戦争、チェルノブイリに9・11、ケネディの暗殺事件などの、世界への参照点が織り込まれている。

 冒頭の現在時は3・11後の五月。場所は、見えない放射性物質に汚染されている東京。六十歳を過ぎたミッチとヨン子は、世界の変異を眼にして八歳と七歳の時に遭遇した、オレンジ色のスカートを池の水に浮かべて死んだミキちゃんの記憶を呼び起こす。子供たちにオレンジ色は原発の爆発のように、一瞬にして安穏な生活にひびを入れた禍々(まがまが)しいものとして共有された。

 その感覚を最も体現していたのが殺人犯と目された九歳のター坊である。数年に一度の発作と、それに関連するかのようにオレンジ色を身につけた女性が殺害されるがそれに説明はない。ター坊は、放射能に代表される見えないものの脅迫から逃げられず、破壊的になっていく力を表すのであろうか。

 最後は、ター坊の死後「放射能の煮こごり」のような部屋で暮らす彼の母親を、ミッチとヨン子が連れ出す場面で終わる。行く先は、植物や動物や生者や死者が共に生存するブルターニュの森がイメージされている「ヤマネコ・ドーム」ということになろうか。絶望の中に血にも国にもこだわらない新しい関係を築こうとする希望の声が聞こえる。

 戦後六十年の世界の経験と彼らの経験との重なりによって、致命的な暴力性が潜在する私たちの生きてきた歴史を改めて辿(たど)り直す物語となっている。
 つしま・ゆうこ 1947年生まれ。作家。著書『火の山-山猿記』など。
(講談社・2100円)

◆もう1冊
 津島佑子著『葦舟、飛んだ』(毎日新聞社)。団塊の世代で幼なじみの男女五人が付き合いを再開し、戦争の時代の影をたどる物語。



 今週の必読:混血孤児たちの視点で描く戦後 『ヤマネコ・ドーム』 (津島佑子 著)
2013/07/16 週刊文春WEB
評者:荻野 アンナ

 日本の作家なら3・11を看過できない。直接的なアプローチとも、マスコミの雑音とも別の「場」で、津島佑子氏は黙々と不幸の根を掘り続けていた。

 作中で「場」は池の形を取る。突き落とされたのか、事故なのか。ひとりの少女が溺死する。

 彼女は「ミキちゃん」という日本名で、フランス人形の容姿を持っていた。時代は戦後、アメリカ兵との混血孤児、という設定である。

 この時点で私は客観的な読者たり得ない。孤児ではなかったが、私も当時「あいのこ」と呼ばれた混血児のひとりである。

「日本語、お上手ですね」

 今でも時々、母語を褒められる。帰化し、母方の姓を名乗っているため、複雑な家庭背景を連想されたりもする。

 混血児は、どこにも帰属できない、という認識をアイデンティティの礎(いしずえ)とせざるを得ない。同時に、その存在そのものが、単一民族の幻想を生きる日本を根底から告発することになる。

 そこで作品に戻る。少女が溺れた現場にいたのは、同じく混血孤児のミッチとカズ、彼らとはきょうだいのような関係のヨン子、そして発達障害のター坊。

 どうやらター坊がミキちゃんの背中を押したようだが、子どもたちの記憶は曖昧である。彼らは全員がミキちゃんの死を原罪として背負い、その後を生きる。

 べトナム戦争から9・11を経てフクシマまで、アメリカ的な倫理(むしろ倫理の欠落)が世界を蝕む過程が、こうして個のレベルで引き受けられる。

 原罪の恐怖と不安に追われた流離の人生。ある者は殺し、ある者は死ぬ。あるいは放射能の「銀色の煮こごり」に閉じ込められる。

 まったく、「こんなことがいつまでくり返されるんだろう」。過去へと「吹き過ぎ」た時間は、「また、いつか未来から吹き戻ってくる」。

 しかし作中で流された大量の涙に洗われた心にとって、「未来」はもはや、恐れるに足りない。救いとしての文学の力に圧倒された。


 命がけの強靱な詩語 高見順賞の辺見庸『眼の海』  
2012年4月6日 朝日新聞

 命がけで生みだされた、これほど強靱な詩の言葉はまれだろう。辺見庸(67)の詩集『眼(め)の海』(毎日新聞社)が高見順賞を受賞した。東日本大震災以後に書かれた詩ばかりだが、悲嘆や鎮魂の震災詩ではない。3・11を文化的、歴史的、地球的な視点からとらえる姿勢に貫かれ、とりわけ震災後の言語状況に対する危機感は深い。

 〈類化しない 統(す)べない かれやかのじょだけのことばを/百年かけて/海とその影から掬(すく)え/砂いっぱいの死者にどうかことばをあてがえ〉(「死者にことばをあてがえ」から)

 この詩をはじめ、第1部「眼の海」の27編は震災直後から、〈わたしの死者たち〉に背中を押されるように集中的に書かれた。故郷の宮城県石巻市は壊滅的な被害を受け、友人らが亡くなった。自らの表現をささえる土台としての故郷が失われた衝撃は大きかった。

 反動で何も書けなくなった時期を経て、第2部「フィズィマリウラ」の24編には思索の深まりがある。フィズィマリウラとは辺見が名づけた、正体不明の異形のもの。目に見えぬ放射線のように、みぎわをさまよう。オサマ・ビンラディンの美しい顔も、アラビア海から三陸の海に流れつく。

 「ビンラディンの暗殺、中東や北アフリカの争乱、欧州の信用危機と、3・11の前後から世界は暴力的な気配に満ちている。そんな状況の中で3・11を重層的にとらえ、俯瞰し、変な言い方だが突き放して、宇宙的な視点から見たかった」

 高見順賞の選考会で『眼の海』は、〈あらゆる『まがい』や『ごまかし』を切り捨てた、ことばだけで挑む、苛烈な営為〉(藤井貞和)、〈これまでの現代詩の現実認識をゆるがす見事な詩集〉(荒川洋治)と、詩人たちから圧倒的な評価を得た。

 3月の贈呈式で辺見は語っている。「言葉と言葉の間には屍(しかばね)がある。おびただしい死体から言葉が薫(くゆ)りたってくる。私がいま享受している奇(く)しき生も、おびただしい死から押しだされるように生まれてきた」

 死と破滅への予感は、昨年、中原中也賞を受けた最初の詩集『生首』(毎日新聞社)でも濃厚だった。

 辺見のなかで詩と散文に境界はない。詩は散文へと変容し、再び詩へ戻り、ときには散文のなかに詩が内包されている。黙示録を思わせる文明論集『水の透視画法』(共同通信社)が昨年、詩集中心の藤村記念歴程賞で最終候補になったのは象徴的だ。

 「ただ、詩は散文より、もっと深い水深で、激しい水圧に耐えながら書く」

 2004年に脳内出血で倒れ、05年に結腸がんを患った。残りの命をかけて3・11を考えぬき、表現し、死者に言葉を届けたい。

 〈アウシュヴィッツ以後、詩を書くことは野蛮である〉――ユダヤ系ドイツ人哲学者テオドール・アドルノの命題が脳裏にある。あれほどの殺戮(さつりく)と苦悩を経てしまった世界で、美しいだけの詩など書けるのか、という問いかけとして。

 「3・11を体験した今、私たちの言葉も以前と同じであっていいのか。この国には言葉が人に届かない危うさがある。震災直後に放映された、とってつけたような優しさを強調するテレビCMのように。震災を表現する言葉も、もっと自由であっていい。関東大震災の焼け跡を歩き、『あゝ愉快と 言つてのけようか。/一擧(いっきょ)になくなつちまつた。』と詩に書いた折口信夫のように」


 今週の本棚・新刊:『眼の海』=辺見庸・著  
毎日新聞 2012年01月29日 東京朝刊

 詩文集『生首』(二〇一〇)後の新詩編を収録。去年三月の大震災を言語と意識の世界でとらえたもの。研ぎ澄まされた旋律が、どの一編にもひびきわたる。災害がもうひとつの都市をつくりだす光景を記す「こうして水中都市はできた」は、「水を鋤(す)いている」人々の姿を密度のある表現で書きしるす。

 第二部・書き下ろしの詩群は、ひろく人間の運命に眼を向け、これまで見えなかった生き物の影を呼び出す。少しずつ体験が深化、新たな臨場感をつくりあげることに。詩人が何を書き、何を見返していくのか。その過程が一冊の詩集の内部で絵巻のように示されるのは異例。日本の詩の表現への信頼を高めるという点でも、特別な詩集である。

 「野墓にも瓦礫にも/次から次へとわいてくる、/顔をかくしたヒトヨタケ。/そこいらじゅう、/かれもかのじょもヒトヨタケ。/わたしらは、/ハラタケ目ナヨタケ科の/ヒトヨタケ属ヒトヨタケ。」。最後に置かれた一編「フィズィマリウラ」は預言者のことばの時制を解き、「現在の真景」と「存在比」、世界の果てを見通して深い感銘を与える。第四二回高見順賞受賞詩集。(門)
(毎日新聞社・1785円)


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8月23日(金)のつぶやき

2013-08-24 01:08:20 | 花/美しいもの

『ベルリンファイル』のリアリティと想像力 池内靖子 | WAN:Women's Action Network wan.or.jp/reading/?p=121…


「手渡し」の物語   やうちことえ | WAN:Women's Action Network wan.or.jp/book/?p=7125


中日新聞:<ネット依存の子どもたち>(下) 背景に家庭環境や孤独感:暮らし(CHUNICHI Web) chunichi.co.jp/article/living…


東京新聞:社会保障改革 「自助」で痛み求める 工程法案の骨子決定:政治(TOKYO Web) tokyo-np.co.jp/article/politi…


東京新聞:集団的自衛権「憲法解釈では容認困難」 最高裁判事就任 山本前法制局長官:社会(TOKYO Web) tokyo-np.co.jp/article/nation…


東京新聞:集団的自衛権の山本氏発言 公明代表が支持表明:政治(TOKYO Web) tokyo-np.co.jp/article/politi…


東京新聞:<子どもと育つ>病児保育 整備に本腰を:暮らし(TOKYO Web) tokyo-np.co.jp/article/living…


日本図書館協会、「はだしのゲン」閲覧制限撤廃を要望:社会:スポーツ報知 hochi.yomiuri.co.jp/topics/news/20…


はだしのゲン:松江市教委の閲覧制限 校長の大半、作品評価 「戦争悲惨さ伝わる」--昨秋アンケ /島根 mainichi.jp/area/shimane/n…


河北新報 コルネット 社説 福島原発汚染水/破綻回避へ必死の努力を kahoku.co.jp/shasetsu/2013/… @kahoku_shimpoさんから


友情をクィアする キース・ヴィンセント ① | WAN:Women's Action Network wan.or.jp/book/?p=7140


社会保障改革 今度こそ政治が応えよ/「自助」で痛み求める 工程法案の骨子決定/丁寧な説明と議論が要る goo.gl/VeCCrL


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社会保障改革 今度こそ政治が応えよ/「自助」で痛み求める 工程法案の骨子決定/丁寧な説明と議論が要る

2013-08-23 21:28:08 | ほん/新聞/ニュース
きょうは24節季の処暑(しょしょ)。
「暑さが終わるころ」という意味なのですが、依然として猛暑。
とはいえ、夕方3週間ぶりに夕立がありました。

畑では暑さに強いゴーヤがたくさんとれるので、
ゴーヤとズッキーニ尽くしです。

ゴーヤチャンプルーと十六ササゲ
   
ゴーヤとズッキーニの炒めもの
   

金曜日は、野菜の配達の日。
麦ちゃんが熱を出したので保育所はお休みとのことなので、
午前中預かって一緒に遊んで、お昼にソーメンを食べました。

まどくんがよく冷えた大玉の黒皮スイカをもってきてくれました。
   

黒皮スイカは初収穫ということなので、半分に切って、
   
その半分の半分、つまり、八分の一を味見させてもらいました。
さっぱりした甘みで、黒皮スイカ独特のシャリ感があります。
  
初物なので、寿命が10年延びたはず・・・。

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安倍政権が社会保障制度改革の骨子を示しました。

制度をかえるとき、耳触りの良いことに気をとられるのではなく、
「だれが得をするのか」を考えると、その制度改革がめざしているものが分かるはず。

そういう意味では、自民党の社会保障制度改革は、
「自助」で痛み求める、「弱者に厳しい」改革になりそうです。

  【社説】社会保障改革 今度こそ政治が応えよ  
2013年8月23日 中日新聞

 政府は、社会保障制度改革のスケジュールを定めた法案骨子を閣議決定した。負担の増加や給付の抑制など国民に「痛み」を伴う改革が避けて通れないのなら、政治が逃げずに国民に向き合う番だ。

 社会保障制度改革国民会議がまとめた報告書を受け、政府の工程表となる法案骨子には改革メニューと実施時期が並ぶ。

 社会保障と税の「一体」改革は消費税増税の代わりに制度の充実を目指したはずだ。将来世代が受け継げる制度にするには抜本改革が求められている。

 ただ、今の制度も負担増や給付の抑制策は検討課題だろう。

 法案骨子では、七十~七十四歳の医療費の窓口負担を一割から二割に引き上げる。法律では二割と定められている。民主党政権も含め高齢者への配慮から歴代政権は一割に据え置いてきた。

 紹介状なしに大病院に来る患者の負担も増やす。軽症なのに高度医療を行う医療機関に人が殺到する現状を改善し、必要な治療を必要な人が受けられるようにする。

 介護分野では、軽度の「要支援」者を保険サービスの対象から外し市町村の事業に委ねる。利用者負担を所得の高い人は引き上げる。介護施設に入所できる人を要介護度が中重度の人に限定する。

 団塊世代が七十五歳を超える二〇二五年の高齢者は三千六百五十七万人、今より六百万人増える。

 病院や介護施設をより必要な人に譲ったり、高所得の人が世代に関係なく多く保険料や税を払う考え方は必要かもしれない。国民会議の提言は自己努力を求める考え方だ。これで制度を維持できるものではない。共助や公助も含めた支え合いの姿を考えるべきだ。

 こうした改革が必要だというのなら、国民に説明し理解を得る責任は政治にある。

 安倍政権が骨子で示した工程は改革の実施時期に幅を持たせた項目がある。年金分野では時期は明記していない。自民党内に慎重論があるのなら、まず党内を説得するぐらいの気概がほしい。

 新たな有識者会議の設置案も出ている。年金の抜本改革など中長期的な検討の場は必要だが、それだけで政治の責任は果たせない。

 持続できる制度にどうつくり直していくのかは、与野党の対立を超えた政治課題である。国民も少子高齢化社会の現状は分かっている。応分の負担をする覚悟はあるはずだ。政治は国民を信頼して腰を据えて取り組むべきだ。


 社会保障改革 「自助」で痛み求める 工程法案の骨子決定  
2013年8月22日 東京新聞

 政府は二十一日の閣議で、社会保障制度改革に関し、個別の法案を提出する時期や実施時期などの工程をまとめたプログラム法案の骨子を決定した。骨子は「自助・自立を基本とする」と明記。介護保険法改正案を二〇一四年の通常国会に提出し、一五年度に実施する日程を盛り込んだ。家族や地域の負担を重くする「自助」を重視し、高齢者や高所得者に痛みを求める見直し案が並んだ。

 政府は法案を秋の臨時国会に提出し、成立させる方針。個別の改革法案は一四年以降、順次国会に提出する。

 骨子は政府の社会保障制度改革国民会議が五日にまとめた最終報告を踏まえて作成。地域などで助け合う「共助」で自助を補い、それでも困窮などで対応できない場合のみ税金を財源とする「公助」で生活を保障する方針を明記した。

 介護保険では(1)軽度の「要支援」者を保険の対象から外し、介護保険を財源にして市町村の判断で独自の事業をできるようにする(2)現行は一律一割の利用者負担を高所得者だけ引き上げる-などの改革を盛り込んだ。

 医療保険では、七十~七十四歳の窓口負担を、新たに七十歳になる人から段階的に一割から二割に引き上げる方針を明記。法改正は必要なく、厚生労働省は一四年度からの実施を目指す。七十五歳以上は一割を維持する。

 紹介状なしに大病院を訪れる患者への定額の自己負担導入や、大企業の健康保険組合の負担増などは一四~一七年度に順次実施。法改正が必要な項目は一五年の通常国会に提出する。


 社会保障工程案 持続可能な制度へ必要な道筋(8月22日付・読売社説)  

 社会保障を持続可能な制度にするための改革は多岐にわたる。優先順位をつけて、着実に実行することが重要だ。

 政府は、社会保障制度改革のプログラム法案の骨子を閣議決定した。秋の臨時国会に法案を提出する。

 この法案は、政府の社会保障制度改革国民会議がまとめた報告書を踏まえ、医療、介護、年金、少子化対策の各制度改革についての内容と工程を示すものだ。

 今回の改革の主眼は、主に現役世代の負担で高齢者を支えている現行の仕組みを、全世代が負担する形に変える点にある。

 少子化で現役世代の負担が過重になる中、制度を維持していくには、高齢者や高所得者に、より多く負担を求めることはやむを得ない。歴代政権が避けてきた改革に取り組む姿勢は評価できる。

 その一つが、70~74歳の医療費窓口負担の引き上げだ。2008年の法改正で2割と定めたが、当時の自公政権が特例として1割に据え置き、現在も続いている。

 ただ、法定通りの水準に引き上げる時期については14~17年度と大きな幅を持たせている。特例措置のために投入される税金が年2000億円に上ることを考えると、早急に見直すべきだ。

 介護保険では、現在は一律1割となっている利用者の自己負担率を、高所得者の場合、15年度から引き上げる。一方で、低所得高齢者の介護保険料は軽減する。

 高齢者の間でも、所得の格差は大きい。高所得者の負担を増やし、低所得者の負担を減らすことは、高齢世代内の公平を図るうえで妥当と言える。

 年金改革については「検討を加え、必要な措置を講じる」とするにとどまった。実施時期を明示しなかったのは、具体的な制度設計に時間がかかるからだろう。

 国民会議の報告書では、高所得者の年金に対する課税の強化や、デフレ下でも賃金水準の変化に応じて年金支給額を抑制できる仕組みの導入といった改革の方向性は明記されている。

 年金生活者は税の控除が大きく、同じ収入の給与所得者に比べ手取り額が多い。若い世代の負担感を軽減するためにも、高所得層への年金課税の強化は必要だ。

 年金支給額の抑制は年金財政を安定させるうえで欠かせない。

 こうした重要な改革の実施に見通しを立てられないようでは、年金制度の持続可能性に疑問符がつく。改革案を具体化させるため、実施時期の検討を急ぐべきだ。


  社説:社会保障改革 丁寧な説明と議論が要る  
2013年08月22日 西日本新聞

 政府は、年金、医療・介護など社会保障制度の改革案と実施時期を示した「プログラム法案」の骨子を閣議決定した。

 消費税増税だけでは増え続ける社会保障給付を賄えず、国の借金の形で将来世代にツケが回る。それを避けるために余裕のある人を中心にさらなる負担を求める-。簡単に言えば、そういうことだ。

 もちろん、負担増には不満、反発がある。だから、給付の抑制にも取り組み、効率化を進めるという。だが、負担増も給付抑制もそう簡単ではない。誰にどのくらいの負担増を求めるのが最適なのか。さまざまな考え方があり得るから
だ。

 かつて小泉純一郎政権の医療費抑制策に猛烈な反発が起きたこともあった。

 より公平な負担を考えるには、損得や感情論ではなく、客観的なデータに基づく丁寧な説明と冷静な議論をする必要がある。そのために現状がどうなっているのか。徹底した情報公開を図り、国民の理解を深めていくことが鍵になる。

 政府の法案骨子の土台になったのは、有識者による社会保障制度改革国民会議が今月初めにまとめた報告書である。

 国民会議は、昨夏の国会で成立した消費税増税を含めた社会保障と税の一体改革関連8法の一つを根拠に設置された。

 会議は15人の委員で構成、少子化、医療・介護、年金について議論を進め、昨年11月から20回の会合が重ねられた。

 議題は膨張する社会保障制度をいかに持続可能なものにしていくかであった。

 そこで出てきた一つが、現在1割の70~74歳の医療費窓口負担を2014年度にも2割に引き上げることだ。その際、2割負担の対象を新たに70歳に達した者からとするとの考え方も出された。

 法案骨子には「70~74歳の一部負担金の取り扱い」としか書かれていない。報告書通りに新たに70歳に達した者からとするなら、その理由の説明が当然要る。

 主に大企業の健康保険組合は、75歳以上の後期高齢者医療の支援増額を求められる。健康保険組合連合会によると、新たな方式で1411の健保組合の約3分の2で負担が増え、支援金は全体で1400億円の負担増との推計がある。

 介護保険では高所得者の自己負担を現行の1割から増やすことが検討される。

 報告書は負担増ばかりでない。(1)市町村単位の国民健康保険を都道府県単位に集約(2)短時間労働者に対する厚生年金保険や健康保険の適用拡大-など制度改正が提案され、法案骨子に盛り込まれた。

 ただ、個別課題以上に法案骨子で気になったのは、社会保障の基本は自助・自立にあると強調されていることだ。

 国民会議の委員の一人も指摘したが、非正規雇用の増加や一人親世帯の困窮など現実には自助・自立を阻む壁がいろいろある。政府にはこれを壊して自立が可能となる条件整備をする必要がある。

 社会保障制度改革には、縦割りの組織・制度を超えた広い視点が必要で、細かい気配りが制度設計には欠かせない。
=2013/08/22付 西日本新聞朝刊=



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8月22日(木)のつぶやき

2013-08-23 01:09:22 | 花/美しいもの

はだしのゲン:「閉架必要なし」16校 松江市教委調査 bit.ly/16f7ONJ

寺町みどりさんがリツイート | 29 RT

福島第一原発:タンク汚染水300トン漏出「レベル3」に/ズッキーニ料理いろいろ goo.gl/RRERyh


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福島第一原発:タンク汚染水300トン漏出「レベル3」に/ズッキーニ料理いろいろ

2013-08-22 18:31:09 | 地震・原発・災害
足の太さくらいの巨大なズッキーニがあったよ、と
つれあいが畑から収穫して持ってきました。
どうやら、採りのこしのようです。

5センチくらいの輪切りにして、皮を厚めにむいて、
細い千切りにして、冷やし中華にたっぷり入れました。

ほんのり甘みがあって、しゃきしゃきしておいしいです。


夕ご飯には、薄切りにして、ラッキョウ酢で合わせた酢のものと、
  
黒豚ミンチと5ミリくらいのいちょう切りにしたズッキーにを炒めて、
金目鯛の煮汁と本くずでとじたあんかけ風。
メーンはキンメダイの煮付けです。

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ここからがきょうの本題です。

福島第一原発内で高濃度汚染水が、タンクから300トン漏れ出ていたというショッキングなニュース。

原子力規制委員会は、この汚染水漏れをレベル1からレベル3相当に引き上げるとのこと。

最初は数十リットルと発表し、あとになってから300トンと訂正。

地下水の海洋流出が参議院選投票日の翌日だったことにつき、
東電は「この日に認識できた」旨を説明していたが、その後、追及で、選挙期間中だったことを認めた。
一か月以上前から漏れていたのを、知っていたのに
自民党を勝たせるために、隠していたのか。

いずれにしても、東電の隠ぺい体質は、事故当時から変わっていない。
事故は収束するどころか、最悪のシナリオが次々に現実になっていく。

敷地内でタンクなどにためている汚染水の総量、20日現在で約43万トン。

きょうのニュースで東電は、「海に流れていることも否定できない」と他人事のようにコメントしているが、
高濃度汚染水が、なすすべもなく海に垂れ流されていることは間違いないだろう。

  【社説】レベル3相当 新しい事故に等しい 
2013年8月22日 中日新聞

 たかが水漏れと侮っていたのだろうか。レベル3。大事故に重なる大事故と言っていい。福島第一原発内で大量の高濃度汚染水が漏れていた。止められる見込みもついていない。国は無責任すぎないか。

 これは新しい事故である。

 それも、ただの事故ではない。原子力規制委員会は、国際的な尺度(INES)に合わせたこの事故の重大性の暫定評価をレベル1からレベル3まで引き上げる。

 レベル3は「重大な異常事象」と定義され、レベル4以上が「事故」ということになっている。

 しかし、一般の常識に照らせばそれは重大な事故であり、人災ではないのだろうか。

 レベル7の「深刻な事故」に分類される福島原発は、収束に向かうどころか、大事故の上に大事故を日常的に重ねている状態だ。

 これでは漁師たちだけでなく、周辺住民もたまらない。

 汚染水漏れを起こしたとみられるタンクは、二年前から応急的に導入された「フランジ型」と呼ばれるタイプである。

 鋼鉄の板をつなぎ合わせてボルトで留めたもの。つなぎ目はゴムパッキンで埋めてある。水漏れの危険があることは素人にも分かる。近づくだけで人の命が危険になるような、高濃度汚染水の保管場所とは思えない。二十五メートルプール一杯分もの水漏れを見逃していたずさんな管理体制のこともある。そのうち、海へ流せばいいと、高をくくっていたのではないか。

 国際的な影響も出た。

 韓国のアシアナ航空は十月以降、ソウル-福島間のチャーター便の運航を止めるという。このままだと波紋はさまざまに広がりかねない。

 溶接型のタンクを一基造るのに数カ月かかるとか、周囲を凍土壁で囲むのに一~二年かかるとか、費用を負担するのは誰かとか、そんな悠長なことを言っている場合ではないはずだ。

 内外の不安に対してもっと真剣な危機感を持って対策を急いでもらいたい。レベル3の事故を何とかせねば、レベル7を収拾できるはずもない。

 国民の東電への不信は、さらに高まった。今や政府への不信も募りかねない。

 産・官・学の総力を挙げて地下水の流入箇所と流出場所を突き止め、ふさぐ努力をしてほしい。

 今この瞬間にもタンクから漏れ出ていくのは、この国の安全と信用なのである。


  タンク汚染水漏れ レベル3に引き上げへ 規制委、評価見直し
東京新聞 2013年8月21日 夕刊

 東京電力福島第一原発のタンクから三百トン(東電の推計)の高濃度汚染水が漏れた問題で、原子力規制委員会は二十一日の定例会で、国際的な事故評価尺度で下から二番目のレベル1としていた暫定評価を、レベル3に二段階引き上げる可能性があるとの見解を示した。

 規制委は、汚染水にベータ線を出す放射性ストロンチウム90(法定基準は一リットル当たり三〇ベクレル)などが一リットル当たり八〇〇〇万ベクレルと、放出が認められる濃度限度の数百万倍に達する極めて高い濃度であり、三百トンの漏出量から数千テラベクレル規模(テラは一兆)の漏出があると推定。規制委事務局は放射線の管理上、レベル3の重大な汚染に相当するとしている。

 汚染水漏れが発覚した十九日の段階では、漏れた汚染水の量がはっきりしなかったため、規制委は暫定的にレベル1と評価していた。その後、東電が漏れた量を三百トンと推定したことから、評価を見直すことにした。

 ただし、国際基準は通常の原発での事故を評価対象にしている。すでに福島第一原発事故自体は最悪のレベル7と認定されており、それに関連して起きた今回のタンク事故を個別に評価することが適切なのか、基準を所管する国際原子力機関(IAEA)に確認するとしている。

 国内でのレベル3事故は、一九九七年に起きた動力炉・核燃料開発事業団(当時)東海アスファルト固化処理施設爆発事故がある。

 国際評価尺度(INES) 原発など原子力施設で発生したトラブルの規模や深刻度を示す世界共通の物差し。国際原子力機関(IAEA)などが設定した。レベル1~3は「異常な事象」、レベル4~7は「事故」に区分。評価基準は施設内の汚染度合いや安全設備の状態などで、レベル2は相当量の汚染、安全設備の重大な欠陥などが該当し、レベル3は数千テラベクレルの放射能の放出、安全設備が残されていない事故寸前の状態などが該当する。最終的な判断は、IAEAに意見を聞く場合もあるが、各国の規制機関が評価する。



 クローズアップ2013:汚染水対策、赤信号 「最後のとりで」地上タンク漏れ 「経営最大の危機」 
毎日新聞 2013年08月22日 東京朝刊

 東京電力福島第1原発で発生した地上タンクの高濃度汚染水漏れ事故。東電はタンクを増設して、増え続ける汚染水をためる「自転車操業」を続けてきたが、「最後のとりで」とされるタンクの安全性が揺らぎ、汚染水処理計画は崖っぷちに立たされた。原子力規制委員会は国際評価尺度(INES)のレベル3(重大な異常事象)に該当するとしたが、原発事故の長期化で、これまでの尺度では判断のつかない事態になっている。

 「経営の最大の危機。喫緊の最優先課題であると重く受け止め、対応したい」。東電の相沢善吾副社長は21日の記者会見で危機感をあらわにした。汚染水を保管する地上タンクから約300トンも漏えいしていたからだ。行き場のない汚染水をたくわえるタンクからの大量漏えいは、東電の汚染水の保管計画そのものに「赤信号」が点灯したことになる。

 ◇保管の汚染水、総量約43万トン
 汚染水は毎日、増え続けている。壊れた原子炉建屋に1日400トンの地下水が流れ込み、溶けた核燃料と接触しているためだ。これが、高濃度汚染水で、事故直後から発生している。高濃度汚染水を装置で浄化した比較的低濃度の汚染水もある。濃度の高低を問わず汚染水が外部に出ると、環境を汚染するため、東電は敷地内でタンクなどにためている。20日現在で総量は約43万トンに上る。

 東電は当初、建設に手間がかかる地上タンクに比べて一度に大量の水を保管できる地下貯水槽7基(容量計5万8000トン)を造った。ところが、今年4月に漏えいが見つかり、ためていた2万数千トンを急きょ増設した地上タンクへ移送。タンクの「余力」が一時、3600トンまで逼迫(ひっぱく)することが予測される事態に陥った。

 東電は62種類の放射性物質を取り除き、1日最大500トンの汚染水を処理できる浄化装置「ALPS(アルプス)」の本格稼働を目指している。また、東電は汚染水の発生を減らすため、建屋に流れ込む前の汚染されていない地下水をくみ上げ、海へ放出する「地下水バイパス」も計画した。今月7日には、安倍晋三首相が「東電に任せるのではなく、国として対策を講じる」と表明。建屋への流入を減らすため、周囲の土壌を凍らせて壁(凍土遮水壁)を造る工事に対し政府が財政支援に乗り出した。

 政府や東電は、こうした対策で汚染水の発生を抑えることができれば、2016年度までに地上タンクの容量を計約80万トンまでに増設するという現行計画で、汚染水保管問題に対処できると考えてきた。

 だが今年3月末に試運転を開始したALPSは、6月に設備に水漏れが見つかり、点検のため停止を余儀なくされている。それに加え、この装置では、放射性物質のトリチウム(三重水素)を技術的に分離できない。地下水バイパス計画も、風評被害を懸念する地元漁協の反発で実現していない。大規模な凍土遮水壁の実績は国際的にもなく、成否は不透明だ。今回問題となったタンクの寿命は5年で、次々と建て替えが迫られてくる。漏えいの原因は未解明で、すでに敷地に増設を重ねた大小1000基以上のタンクを点検するという新たな課題も加わった。

 規制委が21日夜に開いた作業部会では、出席者から「漏れがあったタンクと同じタイプのタンク内の水位計を配備すべきだ」という提案とともに、「タイプの異なるタンクに汚染水を移すべきだ」との指示が東電に出されたが、移すべきタンクを確保するのも容易ではない。

 規制委の田中俊一委員長は「海に捨てないと、タンクがどんどん増えて、コントロールできなくなることが怖い」と述べ、ALPSで処理後の水を海に放出することが必要だと強調する。しかし、その実現には地元の了解が不可欠となる。そのさなかで7月に発覚した汚染地下水の海洋流出や、「レベル3」の今回のタンク漏えいは、地元の理解へのハードルをより高くする。

 政府の汚染水処理対策委員会の大西有三委員長(京都大名誉教授)は「抜本策を早急に講じなければ、福島第1原発はいつか破綻する」と警告するが、打開策は見えない。【鳥井真平、藤野基文】

 ◇国際尺度適用に限界
 INESは、旧ソ連のチェルノブイリ原発事故(1986年)をきっかけに、IAEAが92年導入した。レベル0(尺度以下)〜レベル7(深刻な事故)の8段階あり、政府は2011年4月、福島事故について、チェルノブイリ事故と並ぶレベル7と定めた。

 「福島事故では過去にもレベル0や1、2相当のトラブルが起こっている。しゃくし定規に決める必要はない」。規制委の田中俊一委員長は21日の記者会見で、福島原発での今後のトラブルにINESを適用しない考えを示した。

 規制委は14日、福島原発の廃炉を進めるため東電が提出した実施計画を認可。これまで事故後の緊急事態が続いていることを考慮して、正式な法令報告を求めていなかったが、廃炉計画認可を機に復活した。漏れが発覚した19日、法令に基づく初の報告を東電から受け、規制委は21日、レベル3に相当すると判断した。

INESは正常な原子力施設で発生した事故を念頭にしており、福島のように放射性物質が漏れ続けるケースへの適用を想定していない。規制委は、福島原発で起きる今後のトラブルにINES評価を適用するのが妥当かどうかIAEAと協議を始めたが、従来の「物差し」では福島事故のレベルを評価しきれなくなってきた現実を示す。【中西拓司


  福島第1原発から汚染水300トン漏出―東電 
2013年 8月 21日 ウォールストリートジャーナル日本版

【東京】東京電力は20日、福島第1原子力発電所の貯蔵タンクからおよそ300トン(7万9000ガロン)の高濃度放射能汚染水が漏れたと発表した。2011年に同原発の原子炉3基がメルトダウン(炉心溶融)を起こして以来、最大規模の汚染水漏れだ。

 今回の漏出は東電にとって新たな打撃だ。東電は既に推計数百トンの汚染された地下水の処理に苦慮している。専門家は、地下水が原発敷地内から毎日、海に流れ出ているとみている。

 東電は今回の漏出の起きた時期を明らかにしなかったが、海には恐らく流れ込んでいないとし、その理由として、海に流出する際に最も通る可能性の高い側溝の放射線量がそれほど上がっていないことを挙げた。しかし、測定された汚染水の放射線量は非常に高く、近くにいると作業員の年間被ばく上限をすぐに超えてしまうほどだ。

 汚染水は今回の漏出でタンク周辺の地中に吸い込まれた。これを受け、日本の原子力規制当局はその他の貯蔵タンクの検査を検討し始めた。東電は放射線量の高い原子炉建屋とタービン建屋から出る1日当たり推定400トンの水を保管する場所を探すのに苦慮しており、敷地内には1000基ほどの貯蔵タンクが並んでいる。

 原子力規制委員会の森本英香次長は20日の記者会見で、他のタンクについても漏出がないか調べる必要があるかもしれないが、どの程度調査するかは今回の漏出の原因次第だと述べた。

 今回の漏出は、汚染水を保管していた地下貯水槽からの水漏れが4月に発覚し、この汚染水を移送するために急きょ設置された350基の貯蔵タンクの1つで発生した。東電の広報担当者によると、これらのタンクはそれ以前に設置されていたタンクほど頑丈でないという。

 東電は、漏出が見つかったタンクから残りの水を付近のタンクに移送する準備を進めており、その後、原因を調査する計画だ。このタンクに汚染水が貯蔵されたのは、東電が放射性物質を除去するシステムを導入する以前だった。このため、このタンクの水は敷地内に保管されている他の大半のタンクの水より汚染濃度が高い。

 東電は放射性物質を含む汚染水の処理に苦慮している。汚染水は地下貯水槽からの水漏れが発覚して以降急激に増えているが、その後、汚染された地下水が海に流れ込んでいることも発覚し、政府が汚染水対策に直接介入することになった。安倍晋三首相は今月、政府が資金やその他の資源を投入して解決策を見いだすと発表した。

 今回の汚染水漏出が差し迫った脅威をもたらすわけではない。近隣の住民は避難を続けているほか、海で計測した放射線量の数値は現在のところ、それほど上がっていないようだ。それでも、政治家や専門家は、今回の漏出は、東電が同原発を適切に管理できていないことを改めて示していると指摘する。同原発では2011年3月の巨大地震と津波によって電源が失われ、3基の原子炉が制御不能になった。

 問題は、地下水が同原発の裏手にある山側から海側に向かって流れていることにある。1日約1000トンの水が原発の敷地の地下を通っているとみられている。このほかに、溶融した炉心を冷却するため1日400トンの水が損傷した建屋に注入されている。

 東電は原子炉建屋の地下から1日約800トンの水をくみ上げ、半分を処理して再利用、残りの半分を貯蔵している。これ以外は海に流れ出ているわけだが、うち1日約300トンは海岸近くの側溝にたまっている他の放射性物質を含む水と接触し、汚染されている可能性がある。

 東電は、政府の3つの関連組織の協力を得て、地下水が汚染された構造物と接触しないようにし、汚染水が海に流出しないよう対策を講じる構えだ。


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8月21日(水)のつぶやき

2013-08-22 01:09:39 | 花/美しいもの

8月のシネエッセイ② 「再会の時」 川口恵子 | WAN:Women's Action Network wan.or.jp/reading/?p=120…


読書日記:社会学者・上野千鶴子さん 「当事者研究」の成長見守る goo.gl/GAIbya


はだしのゲンが読めない学校? wan.or.jp/reading/?p=121…

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