熟年新米弁理士のひとり言

平成18年に59歳で弁理士試験に合格した企業内弁理士です。弁理士試験、企業での知的財産業務について、気軽にお話します。

エコ・パテントコモンズ(Eco-Patent Commons)

2008-01-17 22:37:01 | Weblog
スイス・ジュネーブに本拠を置くWBCSD(The World Business Council for Sustainable Development:持続可能な開発のための世界経済人会議)は1月14日、IBM、Nokia、Pitney Bowes、ソニーとの協力により、環境関連特許の公開に関するイニシアチブ「エコ・パテントコモンズ(Eco-Patent Commons)」を設立したと発表しました。

エコ・パテントコモンズは、企業・組織が地球環境の保護に貢献する特許を開放し、共有資産として活用するためのイニシアチブ/ポートフォリオです。
1つ以上の特許を開放するすべての個人と企業に対してメンバーの資格が与えられ、どの特許を開放するかの選択と申請は各企業・団体の判断に委ねられます。

この内容からすると、「パテント・プール」に近い性格の団体ですね。
「パテント・プール」については、大学院の「独占禁止法」の授業で、「遊戯装置(パチンコスロット)に関するパテント・プール」の報告を行ったことがあります。

遊戯装置についてのパテント・プールの団体が、新規加入者の加入を認めない行為が、独占禁止法3条の私的独占・不当な取引制限にあたるとして、公正取引委員会から勧告を受けた事案について、その論点・解決策を纏めて報告したものです。

パテント・プールは、ともすると、団体加入者が事業を独占する道具として使われる虞がありますが、今回の「エコ・パテントコモンズ」は、どうなのでしょうか。
加入条件が厳しくなければ、環境関連特許を利用して新規事業を立ち上げる企業が多くなり、環境にとって良い方向に進むことになりそうです。

今後の動きに期待しましょう。



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