晴れ、朝から積雲が山の端に出て、今日も暑くなる予感。涼しいうちに畑仕事。2日間行かなかったために、ナスとオクラが肥大。市場への出荷なら規格外になっていた。だが、自家消費ならそんな心配はいらない。オクラでも大きくても硬くさえなっていなければ、おいしく食べられる。
ここのところの夕立で、十分な量ではないが、それでも野菜の実を太らせるには適した降雨量なのかもしれない。収穫の終わったジャガイモや葉もののあとに、自家製の有機肥料を埋めてくる。野菜の切れ端や果物の皮など台所の生ゴミをバケツに入れ、有機微生物入りのコーン粉を加えて発酵させたものだ。大量には作れないが、出来次第に畑に施している。ゴミの減量に加えておいしい野菜が収穫できる一石二鳥のボカシ肥料だ。
キュウリは峠を越えて、木の先の方にしか実がついていない。畑を効率的に利用するには、秋野菜のための畑造りを始めなければならない。そんな時、いろんな人が親切に教えてくれる。堆肥は地中深く十分な量を埋める。このとき土と混ぜ合わさない。土を細かく砕いて柔らかくする。特に根菜は、深いところまで柔らかくしないと、いいものが採れない。などなど・・。
そんななかで、ナスの樹勢が堅調だ。全体が大きくないり、枝も伸びて元気がいい。実をもぐと、へたのところにある棘が手にあたって痛いほどだ。秋ナスの収穫も期待できそうである。
採る茄子の手籠にきゆぁと鳴きにけり 飯田蛇笏
ナスは紫外線が大好きで、畑もゆったりとさせるのがいいらしい。秋ナスが美味しい訳は、昼さんさんと降りそそぐ太陽の光を、夜の冷気でぎゅっと凝縮するためだそうである。畑の都合でナスをトマトやキュウリの畝から離して作ったのが、うまくいった理由かも知れない。
百を聞いても、納得するには、実際に栽培しないといけない。植物の誕生から、実をつけて死に至るまでの全クールを経験してはじめて分かるのだ。それだけ、根気づよく立ち向かわないと、上手に野菜を作ることはできない。それだけに、やりがいがある。作業のなかで、安きに流れてしまう己の性格が、露骨に現われる。そこを見つめて、鍛えていくのは、苦しいが、反面楽しいことでもある。