常住坐臥

ブログを始めて10年。
老いと向き合って、皆さまと楽しむ記事を
書き続けます。タイトルも晴耕雨読改め常住坐臥。

処暑

2012年08月24日 | 日記


きのうは二十四節気の処暑。暑さが止まるという意味である。だが現実はどうか。35℃を超える猛暑が続いている。空にすじ雲が出て、気候が変わる兆候かと思われたが、雨は来ず太陽の熱気がしずまらない。中国ではこのころになって華北あたりで暑さが収まってくる。ひまわりの花が終わり、実の重みで頭を下げているのにであった。

処暑の初候に「鷹、鳥を祭る」というがある。稲穂に実が入って垂れるのを擬人化して「頭を垂れる」というが、鷹も獲った獲物をすぐに食べないで木に下げる習性を、「鳥を祭る」と礼節を重んじているように表現したのである。「暑い、暑いといっても、月がかわると涼しくなるよ」という声が聞えるようになった。

俳句に秋渇きという季語がある。夏の炎暑のなかで食欲が減退し、夏痩せした人も、処暑とともに食欲を取り戻し、何を食べてもおいしい季節になる。動物にしろ、植物のしろ耐乏の冬を控えて、体内に十分に栄養を蓄えて充実するのは、自然の摂理といえよう。つまり、処暑を境にあらゆる生物の生命活動が活発になる。秋の到来を前に、わが食欲はすでに秋に入った感がある。

屈強の男揃ひや秋渇き    斉藤 俳小星

人間の味覚は秋になると敏感になる。さわやかで湿度が少ないために、体温の発散をうながし、体内での代謝を盛んにし、自然とお腹が空くようになり、食べものがおいしくいただけるようになる。食欲が増進すれば、おのずから異性への欲望も深まっていく。

秋がわきまづ七夕にかわきそめ 柳 多 留

晩秋や愛の渇きに人恋ふる  斎藤 ふじの

こんな句が詠まれるのもむべなるかなである。きょうの農作業での収穫は、トマト、ナス、オクラである。オクラは手にとるだけでヌメリを感じ、収穫しているだけで食欲を感じる。きょう初めて、ブログの閲覧数が300を超えた。折りしも、ブログの継続を祝ってくれているような句にであった。

晴耕に雨読に深みゆく秋ぞ  渡部 抱朴子

秋野菜が採れるころ、このブログも、本や散歩、野菜作りなどからたくさんの栄養素を吸収してどんどん充実し、読んでおいしいものに育ってくれればと願うばかりだ。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする