夜な夜なシネマ

映画と本と音楽と、猫が好き。駄作にも愛を。

ヤクザ、集合。

2009年10月01日 | 映画(や行)
『893239〈ヤクザ23区〉』という映画を観ています。

ネットで配信されて話題を呼んだショートムービー集ですが、
レンタルでは取り扱っているところが見当たらず、
ここのところずっと頼りっぱなしのTSUTAYA DISCASにもありません。
購入した友人が貸してくれると言うので好意に思いっきり甘えました。

その名のとおり、ヤクザと東京23区がテーマです。
DVDは、東東京版、西東京版、南東京版、北東京版と、
オマケ映像を収録したスペシャル版の5本で構成されています。

東京23区を網羅した作品群は、タイトルを見ているだけでも楽しいです。
『ヤクザの森』、『撮影ヤクザ』、『ヤクザと地底人間』、
『チンピラ is beautiful』、『うたわないやくざ』などなど。
どうです、興味を惹かれませんか。

まだ東東京版しか観ていません。
東東京版に収録されているのは、
江東区、江戸川区、千代田区、港区、墨田区2本の6作品。

江戸川区編の『ヤクザの宅配便』(監督:杉原憲明)は、
ある新婚家庭に宅配便が届きます。
夫婦が大きな段ボール箱を開けると、
そこにはヤクザ稼業から足を洗った元ヤクザ1名。
けなげに家事を手伝う、見た目いかつい元ヤクザを
夫婦は温かく受け入れようとしますが、
ご近所さんの冷たい視線と仕打ちが待っていて……。

墨田区編の『走るフラメンコ』(監督:増井公二)が好きでした。
不況で食べて行けず、50歳を過ぎてからヤクザに転身したオッサン。
鏡の前でメンチ切る練習をしても、ちっとも迫力がありません。
街角で不思議な少女と出逢って、
優しい気持ちに浸ってしまったものだから、
事務所で余計なことをやらかして……。
ちょっと笑えて、ちょっと切ない。
墨田区の空がとても綺麗でした。

もう1本の墨田区編である『墨田区の地場産業』(監督:多胡由章)は
よく出来たホラ話で、思わず聴き入ってしまいます。
刺青の歴史がこんなふうだったとしたら、おもしろい。

千代田区編の『オーバードース』(監督:櫻井泰士朗)では、
ヤクザにインタビューを試みる監督の姿が。
録音だけの約束だったのに、隠しカメラを設置しておいたところ、
ヤクザにそれがバレてしまって、あ~れ~。
「本作を完成させるのが誠意だと思いました」みたいなテロップが出ますが、
これで完成と言われても。気になるやん、その後が。

1編10分というのもサクッと観られていい感じ。
西、南、北、オマケも楽しみです。

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