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『小説家の映画』

2023年07月22日 | 映画(さ行)
『小説家の映画』(英題:The Novelist's Film)
監督:ホン・サンス
出演:イ・ヘヨン,キム・ミニ,ソ・ヨンファ,クォン・ヘヒョ,
   パク・ミソ,チョ・ユニ,キ・ジュボン他
 
観た順番にUPするのが常ですが、
 
で、その前に戻って連休最終日、シネ・リーブル梅田にて、3本ハシゴの1本目。
 
はっきり言って嫌いです、ホン・サンス監督。大嫌いと言ってもいいかも。
世間的には評価が高くて、カンヌやらベルリンやらの国際映画祭の常連。
でも私は嫌いだな。名前を聞いた瞬間に顔をしかめてしまうぐらい。
なのになぜ観に行くのか。観なきゃ文句も言えないから(笑)。
 
本作も第72回ベルリン国際映画祭で審査員大賞に当たる銀熊賞を受賞しています。
あ、そう。
 
著名な小説家ジュニは、しばらく何も書いていない。書けないのだ。
疎遠になっていた後輩がカフェ併設の書店を開いていると聞きつけて訪ねる。
 
ひとしきり話した後、後輩に見送られて出かけた観光タワーで、
因縁めいた関係にある映画監督とその妻とばったり会う。
さらにその夫婦と散歩に出かけた公園で、人気女優ギルスを見かける。
 
ジュニはギルスのことをかねてから良い女優だと思っていた。
監督がギルスに声をかけると、ギルスのほうもジュニのことを知っていて意気投合。
監督夫婦が帰途につき、あとに残ってもう少し話をすることにしたジュニとギルス。
 
ジュニはギルスを起用して短編映画を撮ってみたいと言う。
ギルスの夫の甥が映像学校で学んでいるらしく、彼がカメラを回すことになるのだが……。
 
その会話が特に面白いとは思えなくて、気がつけば寝ていることもよくあります。
 
それ以上に嫌なのは、実生活での不倫相手を起用しつづけていること。
私は不倫断罪派ではないので、不倫自体については何とも思いません。
だけど、作品の中で「彼女は綺麗」だとか「彼女は純粋だから」とか、
よくも臆面もなく彼女に対する台詞を言わせつづけられるなぁと呆れる。
 
でも作品の中でこんなことを毎度聞かされるのはうんざりするし、
それを受け入れているキム・ミニにもガッカリ。
 
不倫相手を主演に起用して撮った作品ですぐに思い出すのは平野勝之監督の『由美香』(1997)です。
サンス監督はAV(アダルトビデオ)と一緒にするなと言うかもしれないけれど、
私はサンス監督作品よりもそっちのほうに心を動かされます。
 
ただ、取り繕った会話というのは実際こういうものだろうなと思うし、
この辺りも評価される要因なのかなという気はします。
 
また、本作を見て「もったいない」という言葉については考えさせられました。
自分でもったいないと思うのも言うのもいい。
でも、他人が「人生休憩中」の誰かのことを見て「もったいない」と言うのはどうなんだか。
その人の生き方が間違っているかどうか、あなたが口出しすべきではない。

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