《や》
『ヤニス・アデトクンボ 栄光への旅路』(原題:Giannis: The Marvelous Journey)
2024年のアメリカ作品。Amazonプライムビデオにて配信。
ヤニス・アデトクンボはギリシャ出身のプロバスケットボール選手。
NBAのミルウォーキー・バックスに所属し、2年連続のMVPを達成したほか、
2020年にはあらゆる賞を総なめにして、NBA史上最高と言われる選手のうちのひとりなのだそうです。
こういうのを聞くたびに「最高はひとりでしょ」と思うのですけれど、決められませんよね。(^^;
アテネで生まれた彼ですが、両親はナイジェリアからの移民で就労ビザを持たず。
ヤニスを含む4人の息子たちが幼かった頃は父親は無一文状態だったそうです。
移民が襲撃を受けることも多く、子どもが家路につくときも命がけ。
当時は死ぬほど怖かったと言うヤニス。今でも笑い話にはできないこと。
なんとか生きる術を見つけなければならないと、ビーチで物を売る子どもたち。売れるものなら何でも売る。
そんな生活がインターネットカフェでNBAの試合を観た瞬間に変わる。
すべてをかけて努力してバケットボールの選手になれば家族を救えると考えはじめたヤニス。
身長211㎝と体格に恵まれてはいますが、それだけでバスケの選手になれるわけもない。
ドラフトのシーンはドキドキします。サクセスストーリーは良いもの。
《ゆ》
『ユニコーンのテルマ』(原題:Thelma the Unicorn)
2024年のアメリカ作品。Netflixにて配信。
原作はオーストラリア出身の作家アーロン・ブレイビーの児童文学。
しかしある日、たまたま額にニンジンをくっつけたテルマがショッキングピンクのペンキをかぶったおかげで、
農場を訪れていた子どもに「ユニコーンか」と問われて咄嗟に「そうだ」と答えてしまう。
群衆の注目を浴びたついでに演奏するとたちまち話題に。
有名な音楽番組に出演する話も舞い込み、かねてから温めていたオリジナル曲を披露。
嘘をつくのはよくないとオースティンは諭すが、このもてはやされる状況を手放したくない。
有名なプロデューサーからも音楽で最も大事なのは「見た目」だと説かれ、
世間がほしがっているのはユニコーンの自分だけという結論に達すると、バンドから離れる。
ひとりで契約したテルマは、セレブへの道をまっしぐらかと思われたが……。
シリアルのCMに出演するテルマをバンド仲間が呆れて見る様子とか、可笑しいですよね。
バンド仲間たちとの方向性の違いから揉めるというのは映画の中に限らず実際にもあること。
ちやほやされると大切なものを忘れて簡単に捨て去ってしまう。
ちゃんと考えて、ちゃんと話し合って、本当にしたいことは何なのかを見極めるのは難しい。
テルマの声を担当するのは、過去7度もグラミー賞にノミネートされている歌手ブリタニー・ハワード。
日本語吹替版では高之麗。そっちも聴いてみたいですね。
《よ》
『余命一年の僕が、余命半年の君と出会った話。』
2024年の日本作品。Netflixにて配信。
原作はSNSを中心に話題を呼んだ森田碧の同名ベストセラー小説。
三木孝浩監督は若手人気俳優を起用するのが上手。
病院の屋上で佇んでいた折に、そこで絵を描く桜井春奈(出口夏希)を見かける。
自身も美術部の秋人が思わず声をかけると、春奈は余命半年なのだと言う。
死ぬのは怖くない、むしろ楽しみだと微笑む春奈に自分の余命のことは言えない秋人。
以降、春奈を見舞うために病院に通うようになるのだが……。
生まれつき病気で見舞いに来る人のいない春奈の過去を知った秋人は、
春奈にひとりだけ親友と呼べる友だち=三浦綾香(横田真悠)がいたのに仲違いしたままなことを知ります。
二度と会いたくない人だっているだろうに、お節介な奴めと思ったけれど、
仲違いの理由がわかってふたりが再会するシーンでは貰い涙。
典型的なお涙頂戴ものだと高を括っていたら、ほかにもボロ泣きしてしまった。(^^;
「一日でも、一秒でも長く生きたい」なんて台詞、きっと弟もそうだったろうなと思うのでした。
涙止まらず。