『ゆめのまにまに』
監督:張元香織
出演:こだまたいち,千國めぐみ,三浦誠己,山本浩司,中村優子,村上淳他
ウィキペディアによれば、株式会社ディケイドは、「映画を中心に活躍する俳優のほか、
幅広い分野で活躍するアーティストが所属する芸能事務所」なのだそうです。
インディーズの音楽レーベルも運営しているし、映画製作もおこなっているとのこと。
そんな会社が設立30周年を記念して製作したのが本作。
その店主・和郎(村上淳)を訪ねて熊本からやってきたのが真悠子(千國めぐみ)。
古物を求めて日本中を旅する和郎と何かあったらしく、
真悠子は和郎に会いたい一心で突然彼を訪ねる決意をしたようですが、
肝心の和郎は店に不在。いつ行っても会うことができません。
和郎に代わって店を守っているのがマコト(こだまたいち)。
いつ帰ってきていつ出て行ったかわからない和郎が置いてゆく古物を
丹念に手入れしては店に並べます。
和郎がいないことを当たり前に思って来店する人々。
彼らの口ぶりから、和郎という男はおそらく女たらしのろくでなしで、
だけど仕事は一流だとわかります。かつ、人たらしでもある。
古着物を粋に着こなす唐子(中村優子)は和郎の眼の確かさに舌を巻く。
自身が目利きの唐子は、真悠子が首飾りとしてつけている帯留めに目を見張ります。
営業先回りとおぼしき間にマコトに缶コーヒーを差し入れる男性(三浦誠己)。
同様に時折ここへ寄っては熟考のうえ気に入ったものを買う会社員(山本浩司)。
和郎の息子(遊屋慎太郎)も顔を出しますが、父親に会えることはほぼ無し。
そのほかさまざまな人が足を踏み入れる東京蛍堂。
ゆるゆるした時の流れを感じられて、浅草の街並みにも魅せられます。
マコトが昼にとる食事が何気なく美味しそうなのもいいところ。
カツ丼と一緒にテイクアウトするキュウリは生なのかな、一本漬けなのかな。
浅草に行きたくなります。