昨日は、上野の散策を兼ねて、東京都美術館で開催中の「ウフィツィ美術館展」を見てきました。この展覧会は、「メディチ家のコレクションを核に設立されたウフィツィ美術館」所蔵の作品の中から、ボッティチェリを始めとする16世紀のフィレンツェ美術を牽引した画家たちの作品、約80点を展示。
ボッティチェリの完璧な美しさを持つ女性像、繊細で濁りのない筆致、透明感はやはり特別です。
フィレンツェの絵画は、基調となる赤、緑、黒の色調が、豪華な金色の額縁と相まって、華やかさと荘厳さを現しているのが印象的です。モチーフは、「聖母子と洗礼者聖ヨハネ」が圧倒的に多く、この時代の人たちにとっていかに愛され、大切にされていたテーマだったかを感じさせられました。
作品数は余り多くなく、展示の仕方がやや散漫という感じもしましたが、フィレンツェで花開いたルネサンス絵画の華やかさ、完成度の高さは、一見の価値ありだと思いました。何より、来場者が余り多くなくて、比較的ゆっくり見られるのが良かったです。
絵画鑑賞を終えて外に出ると、台風が去った後の空は高く澄んでいて、道端でマリンバの演奏をするお姉さんの周りには、ホームレスと思われる人たちが楽しげに集い、不忍池の蓮は元気に成長し、穏やかな寛ぎの空間が広がっていました。
締めは、いつものように「池之端・藪」の天せいろ。日本に帰ってやりたかったことの最後のひとつ?を果たしました。(三女)