JAZZ最中

考えてみればJAZZばかり聞いてきた。いまもJAZZ最中。

春樹ワールド APNEA / Max De Aloe Bill Carrothers

2010-03-01 22:46:46 | 聞いてますCDいいと思う


昨年村上春樹の「1Q84」がありえないほどの売れ行きを示し、そんなに多くの人が春樹を楽しんだのだろうかと不思議に思うのだけど、今年の4月にはBOOK3が出るみたいで、去年みたいにはあわてたくないなと思っています。

世界的作家である村上春樹でありますから、ミュージシャンも読んでいて、イタリアのクロマチック・ハーモニカのMax De Aloeが村上春樹の小説に感化されてというアルバムを作りました。この人知りませんでしたが、トーツ・シールスマン以来の人と評価されているそうです。
アルバムはデュオで相手がピアノのビル・キャロザース、2人と春樹とても気になります。

せっかくですから、春樹の作品とこじつけながら、聴こうと思い、曲ごとに春樹の小説の章をお題にしようとしましたが、さすがにそれは出来ませんでした。
ですからこじつけ、勝手ながらCDを聴きながら春樹の小説をおもった、と言うことで書いてみます。『』で村上春樹の文を引用させていただきます。

1曲目揺らぐような風を感じならも、空気はよどんでるというようなハーモニカから、だんだんとそのよどみのなかに入っていく感じ。
私は「ねじまき鳥クロニクル」を思い浮かべました。題して“フェンスの内側の深い井戸”
『空き家の庭を囲んだ金網のフェンスの出入り口には、やはり金網で作られた戸が付いていた。』
『井戸は、この家屋に属するたの事物と同じように、かなり長い期間にわたって放棄され、見捨てられてしまっているようだ。ここには<圧倒的な無感覚>とでも呼びたくなるようなものが感じられた。』
『僕はもう一度身をかがめて、何も考えることなくその暗闇をただじっと見下ろしていた。こんなところに、こんな昼間に、こんな深い暗闇がある、と僕は思った。』

2曲目は“羊男の登場”2曲目目のタイトルはドルフィン・ダンス、それからすると「ダンス・ダンス・ダンス」のドルフィン・ホテルが関係するのかも知れませんが、そこにも登場する羊男を思い浮かべました。
『「中にはいっていいかな?」と羊男は横を向いたまま早口で僕に尋ねた。何かに腹を立てているようなしゃべり方だった。(羊をめぐる冒険)

3曲目で思い浮かべたのは「浜辺のカフカ」、そこて“カーネル・サンダース大佐の語り”
『「それでだ」とカーネル・サンダースは指を一本空中に立てていった。「ホシノちゃんの探しているのは、ひょとして硬くて丸いものじゃないのかな?」』

4曲目はキャロザースのピアノソロ、直子のテーマですから「ノルウェイの森」になります。とても、直子の心を思うような演奏です。

5曲目は村上春樹の作品ととして買って、ただ一つ読みきらずに終わらした作品、「アンダーグランド」のことでしょうか。
地下鉄サリン事件の当事者たちをおったノンフィクション、ですからこのアルバムの中でも一番重たく不安、これは短くてよかった。

6曲目、ソロから始まるピアノが凄い展開です。曲名が“Haruki Plays The Words”ですが、こちらは作品が思い浮かびません。ピアノ・ソロの部分のパーフォマンスとして、今年指折りにはいる演奏だと思います。

7曲目はH・マンシーニのディア・ハート、次の曲と続いて「ノルウェイの森」からです。
そのディアハートはどのようかというと
『クリスマスに僕は直子に大すきな「ディア・ハート」の入ったヘンリー・マンシーニのレコードを買ってプレゼントした。僕が自分で包装して赤いリボンをかけた。』

8曲目もはまさに「ノルウェイの森」だけど、ストリーからも簡単にビートルズではありません。
ハーモニカの音は凄い力があり、尚且つピアノ凄いのアルバムの重さが増します。

9曲目は、キャロザースの曲が落ち着いていて、しっかりとした小説を読んでいるよう、私は「浜辺のカフカ」を思い浮かべました。“カフカの浜辺にいたる森”

10曲目は、春樹の出発点みたいなジェイズ・バーのカウンターにいるように、でも題は“主のいないジェイズ・バー”(1973年びピンボール)
ジェイズ・バーにいた、私と鼠、ジェイそして、その後に現れる裏表の影たち。

11曲目、ゴッド・ファザーのテーマから始まりますが、それには新作「1Q84」“2つの月に照らされている”という世界。
貴女は月が一つにみえていますいか?・・・・

12曲目「ノルウェイの森」の直子のテーマに戻りますが、これはテーマを演奏して終わりでせす。

久しぶりに村上春樹の古いものまで見直しました。


APNEA / Max De Aloe Bill Carrothers

Max De Aloe(chromatic hca)
Bill Carrothers(p)

1. Lontano, Infinitamente Lontano
2. Dolphin Hotel
3. A Sort Of Dance
4. Naoko's Theme
5. Underground
6. Haruki Plays The Words
7. Dear Heart
8. Norwegian Wood
9. Araby
10. Pack
11. Vito
12. Naoko's Theme
コメント (2)
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