スェーデン出身のピアニストで聴いたことない人一人いましたが、リズミカルな軽い感じかと、勝手に思い込んでスルーしていました。日本の方がレーベルを立ち上げてまで発売したというアルバムが良さそうなので入手しました。
YOKO YONEYAMAという方が、バークレー出のドラマー池永 一美さんに惚れて、そしてこのピアニストと組み合わせたいとレーベルまで立ち上げて作ってしまったアルバム、日本のNARU,Shoto Salon,Jesse Jamesの3ヶ所でのライブ・録音、このようなものが悪いはずありません。
こうやって新しいピアニストと出会って行くのですね、なんと1983年生まれの27才です。
1曲目、奏者の心が直接届くスタート、そしてまるでピアノの近くで鍵盤を見ているような雰囲気、息づかいまで伝わります。
2曲目、ピアノの音を大切にしたフレージング、“Someday my prince”が初々しく、新鮮に伝わります。
3曲目、いかにも始めて組んだドラムスと探り合うように始まる楽しい演奏、発音が潔くて気持ちが良い。
4曲目、スタンダードをまるでオリジナル曲の雰囲気にまで持ち込んでしまう構成、上手い。
これなら、オリジナルか、新しいフェバリットも演って欲しくなります。
ベースのラインが最後まで生き生きとしています。
5曲目“MILESTONES”をどう料理するか楽しみでしたが、ピアノがホーンライク、ちょっとサックスのフレーズみたいで面白い。
ベースの4ビートが観客の拍手を誘うのもうなずけます。
6曲目、充分にユーモラスなイントロから、“A Train”になだれ込むところはとても楽しく、重厚なハーモニーとピアノの輝きは、ミンガス・バンドで弾くジャッキー・バイアードを思い出しました。
その後の最後の7曲目、上手い、ピアノ全体を鳴らしてながらも、シングルトーンのタッチは静かに聴かして、変な言い方ですが上手すぎる。
普通に聴いてヨーロッパの緊迫したピアノ・トリオの演奏と思います。
ところがこれが日本のプロモーターなのでしょうか、リリースのためにレーベルを立ち上げて作ったアルバム、リスナーとして最大の敬意をはらいます。
8曲目ボーナスとしては“Someday”を祝福してもう一度、プロデューサーは私たちの出来ないわがままをかなえています。
このグループとピアノ、もっと曲を昇華させていきそうな予感がします。
その奥行きをこれからもっと身に着ける若さがあります。
5月には日本で演奏があり、コペンハーゲンで録音もあるみたい、次の出会いの機会もありそうです。
Someday live in japan / Magnus Hjorth
Magnus Hjorth(p)
Petter Eldh(b)
池長 一美 Kazumi Ikenaga(ds)
2009年6月26,27,28日 御茶ノ水 NARU, 渋谷 Shoto Salon, 立川 Jesse Jamesでのライヴ録音(ワンポイント録音)
1. EVERYTHING I LOVE
2. SOMEDAY MY PRINCE WILL COME
3. ASK ME NOW
4. AIN'T MISBEHAVEN?
5. MILESTONES
6. TAKE THE A TRAIN
7. BESS YOU IS MY WOMAN NO
8. SOMEDAY MY PRINCE WILL COME(bonus track)