
長い間JAZZを聞いてきたけれど、アルバムを買ったことがないと確信を持って言える人がいる。サン・ラで土星から来たというこの人に手が回らない、いや頭がまわらなかった。
ところが中古屋さん見ていると一寸気になるアルバムがありました。
ジャケットが目を引いて、タイトルが「MUSIC FROM TOMORROW'S WORLD」、それがサン・ラのアルバムでした。
まあそれだけならばかわないけれどchicago1 1960とある。
一つにはこれから半年かけてシカゴに親しんでおこうという目的と、1960年で明日の世界からの音楽というのが50年以上たっているのだから結論聞いてみたくなりました。
それでなんと初サン・ラになりました。
シカゴでスタートしたサン・ラのジオルケストラがNYに移る前年の録音、Wonder InnとMajestic Hallでのライブ模様です。
そんなんでおとがよくない、ギグ途中からという感じでリズム中心に始まって2曲目、フルートの共鳴がサン・ラらしいか。
3曲目テナーとペットのソロがかっこいい、テナーのジョン・ギルモアって人はサン・ラとずっと一緒で、28年後1988年にはサン・ラのジオルケストラの一員としてライブ・アンダー・ザ・スカイに来日していました。


そして当時がこれです。

4曲目がスワンダフルをみんなで歌うところが1960年で面白い。
6曲目も軽快なテナーソロ、各ソロ結構正調で、アンサンブルが厚さがあって一寸ねじれている感じ、確かに1960年を考えると、明日の音楽家もしれない。たぶん15年後ぐらいのサウンドは作っていたと93年に亡くなったこの人の凄さを思い知った。
でも一番驚いたのが、ワンダー・インのライブ、サン・ラが弾いているのがエレクトリック・ピアノだってこと。
キースもチックもデヴュー前、マイルスのところのピアノはウイントン・ケリーだぜ、マイルスがハンコックにエレピを弾かしたのは1968年だってんだ。
あまりに驚いたので、言葉使いがバラバラになっちゃったけど気になるので、一寸調べてみた。
ビートルズがレット・イット・ビーでエレピを使ったってかいてあったけれど1970年だからいかに凄いか、ローズが開発したエレピ、フェンダー社と合弁で事業を開始したのが1959年で生産開始が1960年、だからサン・ラできた途端に弾いているだね。
目立ったソロはないけれど、ジオルケストラのサウンドのなかで、ちゃんとエレピの音がなっています。もしかしてエレピ・ジャズ録音、これが世界で最初かもしれない。
おそるべしサン・ラ。
MUSIC FROM TOMORROW'S WORLD / Suu Ra AND HIS aRKESTRA Chicago 1960
Alto Saxophone– Gene Easton (tracks: 8 to 17)
Alto Saxophone, Flute– Marshall Allen
Baritone Saxophone– Ronald Wilson (tracks: 8 to 17)
Bass– Ronnie Boykins
Cornet– Phil Cohran (tracks: 8 to 17)
Drums– Jon L. Hardy* (tracks: 1 to 7), Robert Barry (2) (tracks: 8 to 17)
Electric Piano, Percussion– Sun Ra (tracks: 1 to 7)
Piano– Sun Ra
Tenor Saxophone– John Gilmore
Trumpet– George Hudson (tracks: 1 to 7)
Vocals– Ricky Murray (tracks: 1 to 7)
1. Angels And Demons At Play
2. Spontaneous Simplicity
3. Space Aura
4. SWonderful
5. It Aint Necessarily So
6. How High The Moon
7. China Gate
8. Majestic 1
9. Ankhnaton
10. Posession
11. Tapestry
12. Majestic 2
13. Majestic 3
14. Majestic 4
15. Velvet
16. A Call For All Demons
17. Interstellar Lo Ways (Introduction)